発明の詳細な説明【技術分野】 【0001】 本発明は、充電器、その制御方法および制御プログラムに関する。 続きを表示(約 3,000 文字)【背景技術】 【0002】 電気自動車向け充電器として、種々の絶縁形単相AC/DCコンバータが検討されている。一般的には、電気自動車向け充電器として、力率改善(Power factor Correction(PFC))回路付きのダイオード整流器、直流リンク部の大容量コンデンサ、高周波絶縁形DC/DCコンバータからなる回路構成が用いられる。直流リンク部の大容量コンデンサは単相交流電源による電力の脈動を吸収するだけの容量が必要であり、このような回路構成では、小型化が困難であった。 【0003】 電力の脈動を吸収することが可能な小型の充電器として、特許文献1、非特許文献1には、Dual-Active-Bridge(DAB)コンバータに電力脈動吸収用のアクティブバッファを付加した充電器とその制御が開示されている。 【0004】 特許文献1、非特許文献1に開示された制御(不連続電流モード)では、DABコンバータのすべてのスイッチがオフになる期間(零電流期間)がある。このため、スイッチング回数が多く、スイッチング損失が大きくなる。また、この零電流期間では、すべてのスイッチがオフになるため、DABコンバータのインダクタLを流れる電流はゼロになるはずであるが、実際にはスイッチがオフになるタイミングにずれが生じ、このずれにより電流が残存し、DC/DCコンバータ120のインダクタLとスイッチS21~S28の寄生容量との間の共振が生じる。このため、零電流期間後のスイッチングがハードスイッチングとなり、スイッチング損失が生じる。 【0005】 そこで、特許文献2、非特許文献2~4には、零電流期間が存在しない制御(連続電流モード)が開示されている。連続電流モードでは、零電流期間がゼロになるように、交流電源から入力される交流電圧の一周期の間に、DC/DCコンバータ120のスイッチS21~S28、電力脈動吸収回路130の第1のスイッチS31のスイッチングのスイッチング周波数f SW を変化させることにより、インダクタLの電流と電圧の振動を除去し、零電流期間後のハードスイッチングを避け、充電器を高効率に制御することを可能にしている。 【先行技術文献】 【特許文献】 【0006】 特開2022-34820号公報 特開2023-25795号公報 【非特許文献】 【0007】 米田昇平, 大沼喜也, 「アクティブバッファを有するDual Active Bridge AC-DCコンバータの検討」, 半導体電力変換研究会資料, 2021, SPC-21-003, pp. 13-18 米田昇平, 宅間春介. 大沼喜也, 「アクティブバッファを有するDual Active Bridge AC-DCコンバータの可変周波数制御の検討」, 2021年電気学会産業応用部門大会講演論文集, 2021, Vol. 1, No. 30, pp. 13-18 S. Komeda, S. Takuma and Y. Ohnuma, "A Variable Switching Frequency Control Method for a Dual-Active-Bridge Single-Phase AC-DC Converter with an Active Energy Buffer," 2022 International Power Electronics Conference (IPEC-Himeji 2022- ECCE Asia), 2022, pp. 1185-1190 S. Komeda, S. Takuma and Y. Ohnuma, “Variable Switching Frequency Control for a Dual-Active-Bridge Single-Phase AC-DC Converter with Active Energy Buffer,” IEEJ Journal of Ind. Appl., vol. 12, no. 3, pp. 418-426(2023) 【発明の概要】 【発明が解決しようとする課題】 【0008】 上記の制御はいずれも、DC/DCコンバータ120のインダクタLの動作波形を正負で非対称にし、この正負で非対称な動作波形を方形波形により近似することで、制御則の導出を容易にしている。インダクタLの動作波形を正負で非対称にするために、上記の制御では、アクティブバッファのバッファコンデンサが放電する放電期間とアクティブバッファのバッファコンデンサが充電される充電期間のいずれにおいても、アクティブバッファの放電スイッチのスイッチングをスイッチング周期内で2回以上行う必要がある。結果、上記の制御では、このアクティブバッファの放電スイッチにおけるスイッチング損失が充電器の効率に影響する。 【0009】 そこで、本発明は、電力の脈動を吸収することが可能な小型で高効率な充電器を提供することを目的とする。 【課題を解決するための手段】 【0010】 上記課題を解決するため、本発明の実施形態に係る充電器は、交流電源に接続するための2つの入力端子とカソード端子とアノード端子を有する整流器と、前記整流器のカソード端子に第1のラインを介して接続する第1の端子と、前記整流器のアノード端子に第2のラインを介して接続する第2の端子と、バッテリの正極に接続するための第3の端子と、前記バッテリの負極に接続するための第4の端子と、を有するDC/DCコンバータと、第1のダイオードと、第2のダイオードと、第3のダイオードと、インダクタと、コンデンサと、第1のスイッチと、第2のスイッチと、を有する電力脈動吸収回路と、前記DC/DCコンバータのスイッチと前記第1のスイッチと前記第2のスイッチのスイッチングを制御する制御部と、を有し、前記第1のダイオードは、前記電力脈動吸収回路のインダクタと前記整流器の2つの入力端子の一方との間に接続され、前記第2のダイオードは、前記インダクタと前記整流器の2つの入力端子の他方との間に接続され、前記コンデンサと前記第1のスイッチは、前記第1のラインと前記第2のラインの間に、直列に接続され、前記コンデンサは、前記第2のライン側に配置され、前記第3のダイオードは、前記コンデンサと前記第1のスイッチを接続するラインと前記電力脈動吸収回路のインダクタとの間に接続され、前記第2のスイッチは、前記電力脈動吸収回路のインダクタと前記第3のダイオードを接続するラインと前記第2のラインとの間に接続され、前記制御部は、前記交流電源から出力される電力と前記コンデンサから出力される電力との和が一定になるように、前記DC/DCコンバータと前記第1のスイッチと前記第2のスイッチとを制御し、前記交流電源から出力される瞬時電力が前記交流電源から出力される電力の平均電力よりも低い期間である放電期間において、前記第1のスイッチをオンの状態に保つ。 (【0011】以降は省略されています)
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