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公開番号2025020997
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-02-13
出願番号2023124665
出願日2023-07-31
発明の名称接合用金属ペースト、並びに接合体及びその製造方法
出願人株式会社レゾナック
代理人個人,個人,個人
主分類B22F 9/00 20060101AFI20250205BHJP(鋳造;粉末冶金)
要約【課題】 PEGを含有しながらも、高湿環境下であっても溶媒分離が発生しにくい接合用金属ペースト、それを用いる接合体の製造方法及び接合体を提供すること。
【解決手段】 接合用金属ペーストは、金属粒子と、分散媒と、還元剤と、を含有し、還元剤としてポリエチレングリコールを含み、分子内に、アミノ基、カルボキシル基及びアセチレン基からなる群より選択される少なくとも一つの基と、ヒドロキシ基と、を有する化合物Aを含む。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
金属粒子と、分散媒と、還元剤と、を含有する接合用金属ペーストであって、
前記還元剤としてポリエチレングリコールを含み、
分子内に、アミノ基、カルボキシル基及びアセチレン基からなる群より選択される少なくとも一つの基と、ヒドロキシ基と、を有する化合物Aを含む、接合用金属ペースト。
続きを表示(約 640 文字)【請求項2】
前記金属粒子が、炭素数が12~18である脂肪酸、請求項1に記載の接合用金属ペースト。
【請求項3】
前記化合物Aとして、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン、ヒドロキシ酢酸、及びアセチレンアルコール系界面活性剤からなる群より選択される少なくとも一種を含む、請求項1に記載の接合用金属ペースト。
【請求項4】
前記金属粒子が、体積平均粒径が0.01μm以上0.8μm以下であるサブマイクロ銅粒子と、体積平均粒径が2μm以上50μm以下であるマイクロ銅粒子と、を含む、請求項1に記載の接合用金属ペースト。
【請求項5】
前記マイクロ銅粒子が、フレーク状である、請求項4に記載の接合用金属ペースト。
【請求項6】
第一の部材、請求項1~5のいずれか一項に記載の接合用金属ペースト、及び第二の部材がこの順に積層されている積層体を用意する工程と、
前記積層体における前記接合用金属ペーストを焼結する焼結工程と、
を備える、接合体の製造方法。
【請求項7】
前記第一の部材及び前記第二の部材の少なくとも一方が半導体素子である、請求項6に記載の接合体の製造方法。
【請求項8】
第一の部材と、第二の部材と、第一の部材と第二の部材とを接合する、請求項1~5のいずれか一項に記載の接合用金属ペーストの焼結体と、を備える、接合体。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、接合用金属ペースト、並びに接合体及びその製造方法に関する。
続きを表示(約 2,500 文字)【背景技術】
【0002】
半導体装置を製造する際、半導体素子とリードフレーム等(支持部材)とを接合する接合層を形成するため、様々な接合材が用いられている。例えば、150℃程度までの温度で動作させるパワー半導体、LSI等の接合には、接合層の形成に高鉛はんだが用いられてきた。近年、半導体素子の高容量化及び省スペース化が進み、半導体を175℃以上で高温動作させる要求が高まっている。このような半導体装置の動作安定性を確保するためには、接合層に接続信頼性及び高熱伝導特性が必要となる。しかし、175℃以上の温度域では、従来用いられてきた高鉛はんだの接合層では接続信頼性に課題が生じ、熱伝導率も不十分(30Wm
-1

-1
)なため、代替材が求められている。
【0003】
代替材の一つとして、銀粒子の焼結現象により形成される焼結銀層が提案されている(下記特許文献1を参照)。焼結銀層は、熱伝導率が高く(>100Wm
-1

-1
)、パワーサイクルに対する接続信頼性が高いことが報告されており注目されている(下記非特許文献1を参照)。しかし、接続信頼性を確保するには焼結銀層の緻密度向上のために高加圧を伴う熱圧着プロセスが必須であり、半導体素子チップの損傷や熱圧着工程のスループットの低下などの課題がある。更に、銀は材料コストが高いことも課題となっている。
【0004】
別の代替材として、銅を用いた焼結銅層が提案されている。銅は、銀に比べて機械的強度に優れており焼結銀層ほど緻密度を上げなくても高温信頼性が得られやすく、材料コストも低く抑えることができる。このような焼結銅層として、酸化銅粒子を還元・焼結して得られる焼結銅層が提案されている(下記特許文献2及び下記非特許文献2を参照)。この場合、銅粒子及び被着体の酸化被膜を除去して金属表面を維持しつつ焼結を進めること(金属結合を生じさせること)が容易となる観点から、還元剤が併用されることもある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特許第4247800号
特許第5006081号
【非特許文献】
【0006】
R. Khazaka, L. Mendizabal, D. Henry: J. ElecTron. Mater, 43(7), 2014, 2459-2466
T. Morita、 Y. Yasuda: Materials Transactions、 56(6)、 2015、 878-882
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
還元剤としてポリエチレングリコール(PEG)を配合した金属ペーストは、PEGが高極性溶媒としても機能するとともに金属ペーストの加熱温度で還元作用を発現することができ、十分な焼結性を確保しやすいという特性を有する一方で、高湿環境下では溶媒分離(析出物)が発生しやすいことを本発明者らは見出した。
【0008】
一般に、焼結金属層を介して部材同士を接合する場合、金属粒子と分散媒とを含む金属ペーストを分散処理したものを、一方の部材上に印刷法によって塗工することが行われる。これらの作業環境については、所定の管理がなされているが、開放系になる場合もある。金属ペーストの保管時、分散処理時、塗工時又は塗工後などにおいて、高湿環境による溶媒分離が発生すると、印刷不良、塗膜の外観不良又は焼結性の低下を招くおそれがある。
【0009】
そこで、本発明は、PEGを含有しながらも、高湿環境下であっても溶媒分離が発生しにくい接合用金属ペースト、それを用いる接合体の製造方法及び接合体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、以下の[1]~[8]に関する。
[1] 金属粒子と、分散媒と、還元剤と、を含有する接合用金属ペーストであって、前記還元剤としてポリエチレングリコールを含み、分子内に、アミノ基、カルボキシル基及びアセチレン基からなる群より選択される少なくとも一つの基と、ヒドロキシ基と、を有する化合物Aを含む、接合用金属ペースト。
[2] 前記金属粒子が、炭素数が12~18である脂肪酸で表面処理されている、[1]に記載の接合用金属ペースト。
[3] 前記化合物Aとして、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン、ヒドロキシ酢酸、及びアセチレンアルコール系界面活性剤からなる群より選択される少なくとも一種を含む、[1]又は[2]に記載の接合用金属ペースト。
[4] 前記金属粒子が、体積平均粒径が0.01μm以上0.8μm以下であるサブマイクロ銅粒子と、体積平均粒径が2μm以上50μm以下であるマイクロ銅粒子と、を含む、[1]~[3]のいずれかに記載の接合用金属ペースト。
[5] 前記マイクロ銅粒子が、フレーク状である、[4]に記載の接合用金属ペースト。
[6] 第一の部材、[1]~[5]のいずれかに記載の接合用金属ペースト、及び第二の部材がこの順に積層されている積層体を用意する工程と、前記積層体における前記接合用金属ペーストを焼結する焼結工程と、を備える、接合体の製造方法。
[7] 前記第一の部材及び前記第二の部材の少なくとも一方が半導体素子である、[6]に記載の接合体の製造方法。
[8] 第一の部材と、第二の部材と、第一の部材と第二の部材とを接合する、[1]~[5]のいずれかに記載の接合用金属ペーストの焼結体と、を備える、接合体。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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