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公開番号
2025017235
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-02-05
出願番号
2023120245
出願日
2023-07-24
発明の名称
ゲノム編集ツールによる変異の導入効率の推定方法
出願人
プラチナバイオ株式会社
代理人
弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
主分類
G16B
40/20 20190101AFI20250129BHJP(特定の用途分野に特に適合した情報通信技術)
要約
【課題】従来よりも高精度に変異の導入効率を推定する。
【解決手段】ゲノム編集ツールによる変異の導入効率の推定方法であって、変異の導入対象となる細胞の標的ゲノム領域における対照配列情報およびゲノム編集ツールが認識する認識配列情報から、変異の導入によって生じ得る仮想配列を生成する仮想配列生成工程と、仮想配列の一部を用いて、変異の導入を行った細胞の集団の標的ゲノム領域における配列解析情報に含まれる変異の種類および頻度を推定可能な回帰モデルを生成し当該回帰モデルの精度評価指標および完成度評価指標を算出する工程を、各回で異なる仮想配列の組み合せを用いて繰り返すモデル生成工程と、精度評価指標および完成度評価指標が示す評価がそれぞれ所定よりも高かった回帰モデルを用いて、変異の導入効率を推定する推定工程と、を含む。
【選択図】図2
特許請求の範囲
【請求項1】
ゲノム編集ツールによる変異の導入効率の推定方法であって、
前記変異の導入対象となる細胞の、前記変異を導入する標的ゲノム領域における対照配列情報と、前記ゲノム編集ツールが認識する、前記標的ゲノム領域における少なくとも1箇所の認識配列情報とから、前記変異の導入によって前記標的ゲノム領域に生じ得る前記変異を含む仮想配列を前記変異ごとに生成する仮想配列生成工程と、
生成された前記仮想配列の一部である前記仮想配列の組み合わせを用いて、前記変異の導入を行った前記細胞の集団から得られた核酸の前記標的ゲノム領域における配列解析情報に含まれる前記変異の種類および頻度を推定可能な回帰モデルを生成し、当該回帰モデルの精度評価指標および完成度評価指標を算出する工程を、各回で異なる前記組み合わせを用いて所定の回数繰り返すモデル生成工程と、
生成された複数の前記回帰モデルのうち、前記精度評価指標が示す評価が所定の閾値よりも高かった前記回帰モデルの中で、前記完成度評価指標が示す評価が所定の閾値よりも高かった前記回帰モデルを用いて、前記変異の導入効率を推定する推定工程と、を含む、推定方法。
続きを表示(約 1,500 文字)
【請求項2】
前記仮想配列生成工程において、
前記対照配列情報および前記認識配列情報に加え、前記変異を導入するためのテンプレート配列情報をさらに用いて、前記仮想配列を生成する、請求項1に記載の推定方法。
【請求項3】
前記モデル生成工程において、
2回目以降の繰り返しにおいて生成された前記回帰モデルの前記完成度評価指標が示す評価が、それより前に生成されたいずれかの前記回帰モデルにおける前記完成度評価指標が示す評価よりも低かった場合、次回以降の繰り返しにおいて用いる前記仮想配列の組み合わせを、今回用いた前記仮想配列の一部とする、請求項1に記載の推定方法。
【請求項4】
前記仮想配列生成工程において、
生じ得る前記変異として40塩基対超100塩基対以下の欠失を少なくとも1つ含む、複数の前記仮想配列を生成する、請求項1に記載の推定方法。
【請求項5】
ゲノム編集ツールによる変異の導入効率を推定する推定システムであって、
前記変異の導入対象となる細胞の、前記変異を導入する標的ゲノム領域における対照配列情報と、前記ゲノム編集ツールが認識する、前記標的ゲノム領域における少なくとも1箇所の認識配列情報とから、前記変異の導入によって前記標的ゲノム領域に生じ得る前記変異を含む仮想配列を前記変異ごとに生成する仮想配列生成部と、
生成された前記仮想配列の一部である前記仮想配列の組み合わせを用いて、前記変異の導入を行った前記細胞の集団から得られた核酸の前記標的ゲノム領域における配列解析情報に含まれる前記変異の種類および頻度を推定可能な回帰モデルを生成し、当該回帰モデルの精度評価指標および完成度評価指標を算出する処理を、各回で異なる前記組み合わせを用いて所定の回数繰り返すモデル生成部と、
生成された複数の前記回帰モデルのうち、前記精度評価指標が示す評価が所定の閾値よりも高かった前記回帰モデルの中で、前記完成度評価指標が示す評価が所定の閾値よりも高かった前記回帰モデルを用いて、前記変異の導入効率を推定する推定部と、を備える、推定システム。
【請求項6】
ゲノム編集ツールによる変異の導入効率を推定するコンピュータを制御する制御プログラムであって、
前記コンピュータに、
前記変異の導入対象となる細胞の、前記変異を導入する標的ゲノム領域における対照配列情報と、前記ゲノム編集ツールが認識する、前記標的ゲノム領域における少なくとも1箇所の認識配列情報とから、前記変異の導入によって前記標的ゲノム領域に生じ得る前記変異を含む仮想配列を前記変異ごとに生成する仮想配列生成工程と、
生成された前記仮想配列の一部である前記仮想配列の組み合わせを用いて、前記変異の導入を行った前記細胞の集団から得られた核酸の前記標的ゲノム領域における配列解析情報に含まれる前記変異の種類および頻度を推定可能な回帰モデルを生成し、当該回帰モデルの精度評価指標および完成度評価指標を算出する処理を、各回で異なる前記組み合わせを用いて所定の回数繰り返すモデル生成工程と、
生成された複数の前記回帰モデルのうち、前記精度評価指標が示す評価が所定の閾値よりも高かった前記回帰モデルの中で、前記完成度評価指標が示す評価が所定の閾値よりも高かった前記回帰モデルを用いて、前記変異の導入効率を推定する推定工程と、を実行させるための、制御プログラム。
【請求項7】
請求項6に記載の制御プログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲノム編集ツールによる変異の導入効率の推定方法に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)
【背景技術】
【0002】
ゲノム編集は、細胞の標的ゲノム領域のDNA配列を認識して、当該DNA配列を切断可能なゲノム編集ツールを用いて、任意の標的遺伝子のDNA配列に欠失、置換または挿入等の変異を導入する技術である。ゲノム編集ツールとしては、例えば、ジンクフィンガーヌクレアーゼ(ZFN:Zinc-Finger Nuclease)、TALEヌクレアーゼ(Transcription Activator-Like Effector Nuclease)、CRISPR(Clustered Regularly Interspaced Short Palindromic Repeats)/Casタンパク質(CRISPR-associated protein)等が知られている。
【0003】
ゲノム編集ツールを用いた変異の導入は、一般的には細胞集団を対象として行われる。このとき、対象となる全ての細胞のゲノムDNAに一様に同じ変異が導入されることは、通常ない。細胞ごとに導入される変異の種類はそれぞれ異なるため、目的とする種類の変異が導入された細胞の割合、言い換えれば細胞集団のゲノムDNAへの変異の導入効率は、ゲノム編集の至適条件を検討する上で重要な指標となる。
【0004】
例えば非特許文献1には、ゲノム編集ツールによる変異導入効率を推定するための方法が提案されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
David Conant et al., Inference of CRISPR Edits from Sanger Trace Data, The CRISPR Journal, 5(1) 123-130, 2022
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ここで、非特許文献1に記載の方法では、例えば40塩基対を超える欠失の可能性については考慮されない等、ゲノム編集の条件によっては期待する精度が得られない場合が考えられ、改善の余地があった。
【0007】
本発明の一態様に係る推定方法は、従来よりも高精度に変異の導入効率を推定可能な推定方法等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る推定方法は、ゲノム編集ツールによる変異の導入効率の推定方法であって、前記変異の導入対象となる細胞の、前記変異を導入する標的ゲノム領域における対照配列情報と、前記ゲノム編集ツールが認識する、前記標的ゲノム領域における少なくとも1箇所の認識配列情報とから、前記変異の導入によって前記標的ゲノム領域に生じ得る前記変異を含む仮想配列を前記変異ごとに生成する仮想配列生成工程と、生成された前記仮想配列の一部である前記仮想配列の組み合わせを用いて、前記変異の導入を行った前記細胞の集団から得られた核酸の前記標的ゲノム領域における配列解析情報に含まれる前記変異の種類および頻度を推定可能な回帰モデルを生成し、当該回帰モデルの精度評価指標および完成度評価指標を算出する工程を、各回で異なる前記組み合わせを用いて所定の回数繰り返すモデル生成工程と、生成された複数の前記回帰モデルのうち、前記精度評価指標が示す評価が所定の閾値よりも高かった前記回帰モデルの中で、前記完成度評価指標が示す評価が所定の閾値よりも高かった前記回帰モデルを用いて、前記変異の導入効率を推定する推定工程と、を含む。
【0009】
前記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る推定システムは、ゲノム編集ツールによる変異の導入効率を推定する推定システムであって、前記変異の導入対象となる細胞の、前記変異を導入する標的ゲノム領域における対照配列情報と、前記ゲノム編集ツールが認識する、前記標的ゲノム領域における少なくとも1箇所の認識配列情報とから、前記変異の導入によって前記標的ゲノム領域に生じ得る前記変異を含む仮想配列を前記変異ごとに生成する仮想配列生成部と、生成された前記仮想配列の一部である前記仮想配列の組み合わせを用いて、前記変異の導入を行った前記細胞の集団から得られた核酸の前記標的ゲノム領域における配列解析情報に含まれる前記変異の種類および頻度を推定可能な回帰モデルを生成し、当該回帰モデルの精度評価指標および完成度評価指標を算出する処理を、各回で異なる前記組み合わせを用いて所定の回数繰り返すモデル生成部と、生成された複数の前記回帰モデルのうち、前記精度評価指標が示す評価が所定の閾値よりも高かった前記回帰モデルの中で、前記完成度評価指標が示す評価が所定の閾値よりも高かった前記回帰モデルを用いて、前記変異の導入効率を推定する推定部と、を備える。
【0010】
本発明の各態様に係る推定システムは、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを前記推定システムが備える各部(ソフトウェア要素)として動作させることにより前記推定システムをコンピュータにて実現させる推定システムの制御プログラム、およびそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に入る。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)
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