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公開番号2025016835
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-02-05
出願番号2023119554
出願日2023-07-24
発明の名称電池材料の製造方法
出願人プライムプラネットエナジー&ソリューションズ株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類H01M 10/54 20060101AFI20250129BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】リチウムイオン二次電池から電池材料を再生産する際のLi回収率を向上させる。
【解決手段】ここに開示される製造方法は、予め定めた基準SOC以上まで充電されたリチウムイオン二次電池を準備する準備工程と、リチウムイオン二次電池の内部に水系媒体を充填する充填工程と、リチウムイオン二次電池の内部から水系媒体を採集する採集工程とを含む。これによって、負極活物質中のLiが水系媒体に溶出したLi溶液を調製できる。そして、このLi溶液を採集することによって、多量のLiを容易に回収することができる。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
予め定めた基準SOC以上まで充電されたリチウムイオン二次電池を準備する準備工程と、
前記リチウムイオン二次電池の内部に水系媒体を充填する充填工程と、
前記リチウムイオン二次電池の内部から前記水系媒体を採集する採集工程と
を含む、電池材料の製造方法。
続きを表示(約 530 文字)【請求項2】
前記準備工程は、
前記リチウムイオン二次電池のSOCを測定する測定工程と、
測定したSOCが前記基準SOC以上であるか否かを判定する判定工程と、
前記測定したSOCが前記基準SOC未満であったリチウムイオン二次電池を前記基準SOC以上になるまで充電する充電工程と
を含む、請求項1に記載の電池材料の製造方法。
【請求項3】
前記基準SOCは、20%以上100%以下の範囲内に設定される、請求項1に記載の電池材料の製造方法。
【請求項4】
前記採集工程後の前記リチウムイオン二次電池を加熱する焙焼工程と、
前記加熱工程後の前記リチウムイオン二次電池の内部から電極体を回収する選別工程と、
前記電極体を酸液に浸漬する酸滲出工程と
をさらに含む、請求項1に記載の電池材料の製造方法。
【請求項5】
前記充填工程は、前記水系媒体が充填された前記リチウムイオン二次電池を1日以上静置する、請求項1に記載の電池材料の製造方法。
【請求項6】
前記水系媒体は、金属塩を実質的に含有しない、請求項1に記載の電池材料の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
ここに開示される技術は、電池材料の製造方法に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
リチウムイオン二次電池は、様々な分野において広く使用されている。このリチウムイオン二次電池(以下、単に「電池」ともいう)は、様々な金属材料(Li、Ni、Co、Mn、Al、Cuなど)を含んでいる。例えば、正極活物質には、リチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物などのリチウム遷移金属複合酸化物が用いられる。正極芯体には、アルミニウムなどが用いられる。一方、負極活物質には、炭素材料などが用いられる。負極芯体には、銅などが用いられる。また、電池ケースにも、アルミニウムなどが用いられている。
【0003】
近年では、使用済みの電池から有価金属(Li、Ni、Co、Mnなど)を回収して電池材料として再生産する回収技術(電池材料の製造方法)の開発が進められている。例えば、この種の回収技術では、最初に使用済みの電池を焙焼する。次に、電池内部から焙焼後の電極体(ブラックマス)を取り出す。そして、ブラックマスを酸液に浸漬する酸滲出処理を実施する。これによって、金属成分(Li、Ni、Co、Mn、Al、Cuなど)が酸液に溶解した酸滲出液を調製できる。そして、この酸滲出液に対して種々の分離処理(中和沈殿、溶媒抽出など)を実施する。これによって、所望の有価金属を回収し、電池材料として再生産できる。
【0004】
このような回収技術の一例が特許文献1、2に開示されている。これらの文献に記載の通り、従来技術では、有価金属の回収処理を実施する前に、電池を放電することが推奨されていた。例えば、特許文献1は、リチウムイオン二次電池を放電すると正極活物質にLiが吸蔵されるため、Liの回収率が向上するという知見を示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2022-49831号公報
特開2021-72157号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、近年の環境問題への意識の高まりにより、使用済みのリチウムイオン二次電池からのLi回収率をさらに向上させることが求められている。かかる要求に応えるために本発明者が検討を重ねた結果、従来技術で推奨の放電処理がLi回収率を低下させる要因になっていたという驚くべき知見を得た。具体的には、特許文献1等に記載の通り、リチウムイオン二次電池を放電すると、正極活物質中にLiが吸蔵される。しかし、一般的なリチウムイオン二次電池では、正極活物質に隣接した部材である正極芯体にAlが用いられている。すなわち、放電後の電池の正極側にはLiとAlが多量に存在している。この状態で焙焼を行うと、LiとAlとの合金(Li-Al合金)が生成される。このLi-Al合金は、酸液に溶解しにくいため、酸滲出処理で回収することが難しい。この場合、固形分(残渣)側にLiが残留するためLi回収率が低下する要因となる。
【0007】
ここに開示される技術は、上記課題を解決するためになされたものであり、リチウムイオン二次電池から電池材料を再生産する際のLi回収率を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述の課題に対して、以下の構成の電池材料の製造方法(以下、単に「製造方法」ともいう。)が提供される。
【0009】
ここに開示される電池材料の製造方法は、予め定めた基準SOC以上まで充電されたリチウムイオン二次電池を準備する準備工程と、リチウムイオン二次電池の内部に水系媒体を充填する充填工程と、リチウムイオン二次電池の内部から水系媒体を採集する採集工程とを含む。
【0010】
上記構成の製造方法では、一定以上に充電された電池を回収対象とする。上記放電後の電池と反対に、充電後の電池では負極活物質中にLiが吸蔵される。そして、ここに開示される製造方法では、充電後の電池の内部に水系媒体を充填する。これによって、負極活物質中のLiが水系媒体に溶出する。そして、このLiが溶出した水系媒体を採集することによって、多量のLiを容易に回収できる。また、ここに開示される製造方法では、焙焼処理の実施前にLiを回収できるため、合金化によるLi回収率の低下も抑制できる。以上の通り、ここに開示される製造方法によると、高いLi回収率を実現できる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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