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公開番号2025016506
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-02-04
出願番号2024177888,2021540046
出願日2024-10-10,2020-01-09
発明の名称二本鎖RNA及びその使用
出願人ウニベルシダージ デ コインブラ,UNIVERSIDADE DE COIMBRA,セントロ デ ネウロシエンシアス エ ビオロジア セルラル,CENTRO DE NEUROCIENCIAS E BIOLOGIA CELULAR
代理人個人,個人
主分類C12N 15/113 20100101AFI20250128BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】マカド-ジョゼフ病(MJD)のための、二本鎖RNA及びその使用方法を提供する。
【解決手段】本開示は、顕性の機能獲得型変異アタキシン-3タンパク質をコードするアタキシン-3遺伝子におけるエキソン一塩基多型(SNP)に対するRNAサイレンシング技術(例えば、RNA干渉)を使用する。この目的のための、MJDを引き起こす伸長と連鎖不平衡の関係にあるSNPに対して相補的なアンチセンス配列を有する、非常に標的特異的な遺伝子サイレンシングRNAを提供する。前記二本鎖RNAを中枢神経系(CNS)に送達することができる遺伝子送達用ベクターとして選択されたアデノ随伴ウイルスベクター、特に、アデノ随伴ウイルスベクター血清型9(AAV9)も併せて提供する。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
実質的に相補的なセンスリボヌクレオチド配列との間で塩基対を形成したアンチセンス
リボヌクレオチド配列
を含む、リボ核酸(RNA)分子であって、
アンチセンスRNA配列の各リボヌクレオチドが、変異ヒトアタキシン-3遺伝子のマ
カド-ジョゼフ病(MJD)アレルと連鎖不平衡の関係にある一塩基多形を含む、対応す
る変異ヒトアタキシン-3のリボヌクレオチドに対して相補的であり、
変異ヒトアタキシン-3 mRNAの一塩基多型に対して相補的なアンチセンスRNA
配列のリボヌクレオチドが、アンチセンスRNA配列の5’末端のリボヌクレオチドから
リボヌクレオチド10個分離れている、
リボ核酸(RNA)分子。
続きを表示(約 690 文字)【請求項2】
塩基対を形成したセンスリボヌクレオチド配列が、アンチセンスリボヌクレオチド配列
に対して完全に相補的ではない、請求項1に記載のRNA分子。
【請求項3】
アンチセンスリボヌクレオチド配列が、センスリボヌクレオチド配列に対して少なくと
も90%相補的である、請求項1に記載のRNA分子。
【請求項4】
アンチセンスリボヌクレオチド配列が、配列番号1又は13に対して相補的である、請
求項1に記載のRNA分子。
【請求項5】
アンチセンスリボヌクレオチド配列が、配列番号2、3、4、5、6、14、15、1
6、17又は18である、請求項1に記載のRNA分子。
【請求項6】
アンチセンスリボヌクレオチド配列が、配列番号2である、請求項1に記載のRNA分
子。
【請求項7】
アンチセンスRNA配列の5’末端及び3’末端のリボヌクレオチドが、少なくともリ
ボヌクレオチド17個分離れている、請求項1に記載のRNA分子。
【請求項8】
アンチセンスRNA配列の5’末端及び3’末端のリボヌクレオチドが、リボヌクレオ
チド17~21個分離れている、請求項1に記載のRNA分子。
【請求項9】
RNA分子が、単一のRNA分子である、請求項1に記載のRNA分子。
【請求項10】
RNA分子が、miRNAである、請求項7に記載のRNA分子。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、特にマカド-ジョゼフ病(MJD)のための、アレル特異的な非侵襲性の処
置に関する。本開示は、顕性の機能獲得型変異アタキシン-3タンパク質をコードするア
タキシン-3遺伝子におけるエキソン一塩基多型(SNP)に対するRNAサイレンシン
グ技術(例えば、RNA干渉)を使用し、これにより、効果的なMJDの処置をもたらす
。この目的のために、上記疾患を引き起こす伸長と連鎖不平衡の関係にあるSNPに対し
て相補的なアンチセンス配列を有する、非常に標的特異的な遺伝子サイレンシングRNA
を設計し、試験した。
続きを表示(約 3,300 文字)【0002】
さらに、本開示は、遺伝子送達用ベクターとして選択されたアデノ随伴ウイルスベクタ
ー、特に、アデノ随伴ウイルスベクター血清型9(AAV9)にも関するが、この特定の
血清型は血液脳関門(BBB)を効率的に通過するため、侵襲性が最小限の経路(例えば
、静脈内投与)によって、前記二本鎖RNAを中枢神経系(CNS)に送達することがで
きる。
【背景技術】
【0003】
マカド-ジョゼフ病(MJD)は、小脳機能障害及び運動協調性の喪失を特徴とする常
染色体顕性神経変性障害である。この障害は、世界中で最も一般的な種類の脊髄小脳失調
症に相当するものであるが、アタキシン-3遺伝子(MJD1/ATXN3遺伝子)のコ
ード領域における遺伝子変異によって引き起こされる。この遺伝子変異には、CAGトリ
ヌクレオチドリピートとして知られた、アタキシン-3遺伝子のDNAセグメントを要す
る。通常、人間のアタキシン-3遺伝子中のCAGセグメントは、複数回、すなわち、約
10~42回繰り返されている。MJDを発症する人々は、少なくとも1つのアレルにお
いて、CAGリピートの数が増加している。発症者には通常、発症した片方の親から変異
アレルが遺伝している。51超のCAGリピートを有する人々には、MJDの徴候及び症
状を発症する可能性があるが、60以上のリピートを有する人々は、ほぼ必ず障害を発症
する。CAGリピートのサイズが増大すると、細長い(変異した)アタキシン-3タンパ
ク質が生成される。このタンパク質は細胞内で処理されて、ニューロン内に蓄積及び凝集
する細胞傷害性のより小さいフラグメントになる。これは、複数の発症機構を誘導し、最
終的には、いくつかの脳領域に神経変性を起こすことになるが、これが、MJDの徴候及
び症状の根本原因となる。
【0004】
MJDを矯正するための最も直接的で、特異的で、効果的なソリューションの1つは、
RNA干渉(RNAi)を用いて変異アタキシン-3発現を阻害することにより、障害の
一次的原因を標的とすることであろう。RNAiは、メッセンジャーRNA(mRNA)
の配列特異的なダウンレギュレーションを伴う自然発生の機構である。mRNAのダウン
レギュレーションにより、発現するタンパク質の量が減少する。RNAiは、二本鎖RN
A(dsRNA)によって誘導される。dsRNAの鎖のうちの1つは、標的であるmR
NAに対して実質的に又は完全に相補的である。この鎖は、ガイド鎖又はアンチセンス鎖
と呼ばれる。RNAiの機構は、RNA誘導サイレンシング複合体(RISC)へのガイ
ド鎖の取り込みを伴う。このプロセスにおいて、RISCは、5’末端がその相補体とよ
り緩く対合する鎖を好む。RISCは、相補的な塩基対の形成によって標的mRNAに結
合する、マルチプルターンオーバー複合体である。一旦標的mRNAに結合したら、RI
SCは、mRNAを切断し、又は翻訳効率を低下させることができる。RISCは、ガイ
ド鎖のヌクレオチド10及び11に対合した残基間にあるmRNAを切断することができ
る。RNAiは、発見されてから、特定の標的遺伝子をノックダウンするために幅広く使
用されてきた。RNAiを誘導するために利用されてきたトリガーは、低分子干渉RNA
(siRNA)又は短鎖ヘアピン型RNA(shRNA)の使用を伴う。さらに、RNA
iを自然に誘導することができる分子、いわゆるマイクロRNA(miRNA)は、天然
に存在する対応物を模倣する人工miRNAを作製するために使用されてきた。これらの
戦略は、選定した遺伝子を標的化するように設計されたdsRNA分子を用意するという
共通点を有する。RNAiの配列特異的な様式を利用するRNAiをベースとする治療法
が開発中であり、現在、いくつかは臨床試験中である。
【0005】
RNA干渉は、変異アタキシン-3遺伝子と非変異アタキシン-3遺伝子との両方の標
的化に利用されてきた(WO2005105995、Alvesら、2010)。後者の
場合、ラットにおける正常なアタキシン-3タンパク質のノックダウンには、いかなる明
らかな有害な効果もないことが示された。しかしながら、ヒトの脳の神経細胞が変異アタ
キシン-3遺伝子と非変異アタキシン-3遺伝子との両方の長期のサイレンシングに耐え
られるかどうかは、判明していない。したがって、MJDには何十年にもわたる治療が必
要とされるため、サイレンシングを制御する又は変異アレルのみを阻害する努力が検討さ
れるべきである。
【0006】
最も特異的で効果的なソリューションのうちの1つは、アタキシン-3遺伝子のコード
領域内に位置するSNP、特に、疾患アレルと連鎖不平衡の関係にあるSNPベースヌク
レオチドを標的化することであろう。例えば、伸長CAGトラクトの3’末端に位置する
SNP(C
987
GG/G
987
GG:rs12895357)中のシトシン(C)は、
上記疾患と連鎖不平衡の関係にあるものとして記述されており、世界中のMJD患者の7
0%では異常なCAGリピート伸長が伴う。
【0007】
変異アタキシン-3遺伝子のアレル特異的な抑制は、rs12895357のシトシン
(C)を対象とするsiRNA又はshRNAを使用して、細胞(US10072264
B2)及びMJDのげっ歯類モデル(Alvesら、2008a、Nobregaら、2
013)で調査されてきた。しかしながら、これらの従前の研究においては、設計された
配列は、変異アレルの完全なアレル特異的サイレンシングを行うことができなかった。さ
らに、げっ歯類モデルの中枢神経系(CNS)におけるサイレンシング配列の毒性は、持
続的な処置又は野生型動物においては、評価されなかった。実際、shRNAは、長期の
処置の場合、又は高用量が使用された場合においては、強い脳毒性につながり得ると最近
では報告されている。有毒な副作用は、細胞のRNAi機構の飽和及び内因性miRNA
発現の変化と関連付けられている。さらに、従前のげっ歯類モデルにおける変異アタキシ
ン-3のアレル特異的ウイルスベースサイレンシングは、開頭術及び脳実質内へのウイル
スベクターの直接投与を要していたが、このウイルスベクターの直接投与は、侵襲性の手
順であり、潜在的な有害作用と関連付けられおり、脳の隅々までベクターが分散されるの
を制限するが、これにより、MJDの発症領域がすべて標的化されるわけではなくなって
しまう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
WO2005105995
【非特許文献】
【0009】
Alvesら、2010
Alvesら、2008a
Nobregaら、2013
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上記の事実は、本開示によって対処する技術的課題を説明するために開示されている。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)

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