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公開番号2025016363
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-31
出願番号2024112506
出願日2024-07-12
発明の名称硬質表面用洗浄剤組成物
出願人花王株式会社
代理人個人,個人
主分類C11D 10/02 20060101AFI20250124BHJP(動物性または植物性油,脂肪,脂肪性物質またはろう;それに由来する脂肪酸;洗浄剤;ろうそく)
要約【課題】フッ化物を含有する硬質表面用洗浄剤組成物に関し、弱酸性~中性領域のマイルドな条件で水垢汚れ除去性能と硬質表面の腐食防止を両立する硬質表面用洗浄剤組成物、及びそれを用いた硬質表面の洗浄方法を提供する。
【解決手段】(a)フッ化物(以下、(a)成分という)、及び(b)有機酸又はその塩を含有する、硬質表面用洗浄剤組成物であり、(a)成分の含有量がフッ素原子換算で4mM以上240mM以下であり、25℃におけるpHが4.0以上6.5以下であり、下記(式1)より算出される前記硬質表面用洗浄剤組成物中のフッ化水素濃度[HF]が0.25mM以上0.9mM以下である、硬質表面用洗浄剤組成物。
7.08×10-4=[F-][H+]/[HF] (式1)
[F-]:硬質表面用洗浄剤組成物中に含まれる(a)成分中、電離しているフッ素含有量(mM)
[H+]:硬質表面用洗浄剤組成物の25℃におけるpHから算出される水素イオン濃度(mM)
7.08×10-4:フッ化水素の25℃における酸電離定数
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
(a)フッ化物(以下、(a)成分という)、及び(b)有機酸又はその塩(以下、(b)成分という)を含有する、硬質表面用洗浄剤組成物であり、(a)成分の含有量がフッ素原子換算で4mM以上240mM以下であり、25℃におけるpHが4.0以上6.5以下であり、下記(式1)より算出される前記硬質表面用洗浄剤組成物中のフッ化水素濃度[HF]が0.25mM以上0.9mM以下である、硬質表面用洗浄剤組成物。
7.08×10
-4
=[F

][H

]/[HF] (式1)
[F

]:硬質表面用洗浄剤組成物中に含まれる(a)成分中、電離しているフッ素含有量(mM)
[H

]:硬質表面用洗浄剤組成物の25℃におけるpHから算出される水素イオン濃度(mM)
7.08×10
-4
:フッ化水素の25℃における酸電離定数
続きを表示(約 800 文字)【請求項2】
(a)成分が、フッ化水素、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、フッ化リチウム、フッ化アンモニウム、フッ化水素ナトリウム、及びフッ化水素アンモニウムから選ばれる1種以上である、請求項1に記載の硬質表面用洗浄剤組成物。
【請求項3】
(b)成分が、カルボキシ基を有する有機酸である、請求項1又は2に記載の硬質表面用洗浄剤組成物。
【請求項4】
(b)成分が、クエン酸、プロパン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、及びコハク酸から選ばれる1種以上である、請求項1又は2に記載の硬質表面用洗浄剤組成物。
【請求項5】
(b)成分の含有量が、1質量%以上15質量%以下である、請求項1又は2に記載の硬質表面用洗浄剤組成物。
【請求項6】
更に、(c)成分として、(c1)カルボキシル基又はその塩を有する構成単位を含むカルボン酸系ポリマー(以下、(c1)成分という)、及び(c2)スルホン酸基又はその塩を有する構成単位を含むスルホン酸系ポリマー(以下、(c2)成分という))から選ばれる1種以上のポリマーを含有する、請求項1又は2に記載の硬質表面用洗浄剤組成物。
【請求項7】
(c)成分が、(c1)成分である、請求項6に記載の硬質表面用洗浄剤組成物。
【請求項8】
(c)成分の含有量が、0.1質量%以上10質量%以下である、請求項6に記載の硬質表面用洗浄剤組成物。
【請求項9】
更に、(d)成分として、界面活性剤を含有する、請求項1又は2に記載の硬質表面用洗浄剤組成物。
【請求項10】
(d)成分が、アニオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤、及び両性界面活性剤から選ばれる1種以上である、請求項9に記載の硬質表面用洗浄剤組成物。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、硬質表面用洗浄剤組成物、及び硬質表面の洗浄方法に関する。
続きを表示(約 2,600 文字)【背景技術】
【0002】
我々を取り巻く住環境設備には、タイル、プラスチック、金属等を材料とした各種硬質表面が存在し、これら硬質表面は生活場面に於いて様々な汚れが付着する環境に晒されている。なかでも、浴室、台所等として用いられる硬質表面は、日常的に人が接する表面でもあるために、多くの汚れが残留して蓄積し易く、更には洗浄除去し難い性質を有するものとなっている。一般に浴槽、浴室の壁及び床といった浴室に用いられる浴室用洗浄剤としては、金属石鹸、特に脂肪酸のカルシウム塩の汚れを除去するため、界面活性剤、溶剤、金属イオン封鎖剤等を含む洗浄剤が用いられている。また、浴室や台所では水中に含まれるケイ酸が硬質表面上に重合して蓄積することで、うろこ状の模様のように沈着して水垢汚れとなる。この水垢汚れも非常に落ちにくい汚れとして知られている。
【0003】
特許文献1には、界面活性剤0.5~10部,フッ化物0.5~15部,弱酸10~30部,アクリル酸ホモポリマーナトリウム塩1~3部,ホウ砂1~10,溶剤5~20部,脱塩水40~70部、配合するガラススケール洗浄剤が開示されている。
特許文献2には、洗浄促進剤0.3%-5%、有機酸10%-25%、中和剤5%-15%、腐食防止剤0.1%-0.5%、キレート分散剤1%-5%、界面活性剤1%-5%、残部の脱イオン水を配合する、中性の環境保護浴室洗浄剤が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
中国特許出願公開第106190617号明細書
中国特許出願公開第111979054号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来、浴室、台所等として用いられる硬質表面の水垢汚れの洗浄には、強酸性の洗浄剤組成物が用いられ、また該硬質表面の黒カビ汚れの洗浄には、次亜塩素酸系の洗浄剤組成物が用いられており、例えば、浴室等の硬質表面の洗浄で同時に強酸性の洗浄剤組成物と次亜塩素酸系の洗浄剤組成物を用いた場合、両者の洗浄剤組成物を間違えて混合して、有害な塩素が発生してしまう恐れがあり、非常に危険である。そのため、pHが中性付近のマイルドな条件で、硬質表面の水垢汚れの洗浄に優れる洗浄剤組成物が求められる。
また特許文献1のように、強酸性条件下でフッ化物を含有する硬質表面用洗浄剤組成物が開示されている。しかしながら、このような洗浄剤組成物は、水垢汚れを除去できるが、ガラスやアルミニウム等の硬質表面を腐食させてしまうため、ホウ砂などの腐食防止剤を配合する必要がある。そのため、フッ化物を含有する硬質表面用洗浄剤組成物に於いて、弱酸性~中性領域のマイルドな条件で水垢汚れ除去性能と腐食防止性を両立する硬質表面用洗浄剤組成物が求められる。
【0006】
本発明は、フッ化物を含有する硬質表面用洗浄剤組成物に関し、弱酸性~中性領域のマイルドな条件で水垢汚れ除去性能と硬質表面の腐食防止を両立する硬質表面用洗浄剤組成物、及びそれを用いた硬質表面の洗浄方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、(a)フッ化物(以下、(a)成分という)、及び(b)有機酸又はその塩(以下、(b)成分という)を含有する、硬質表面用洗浄剤組成物であり、(a)成分の含有量がフッ素原子換算で4mM以上240mM以下であり、25℃におけるpHが4.0以上6.5以下であり、下記(式1)より算出される前記硬質表面用洗浄剤組成物中のフッ化水素濃度[HF]が0.25mM以上0.9mM以下である、硬質表面用洗浄剤組成物に関する。
7.08×10
-4
=[F

][H

]/[HF] (式1)
[F

]:硬質表面用洗浄剤組成物中に含まれる(a)成分中、電離しているフッ素含有量(mM)
[H

]:硬質表面用洗浄剤組成物の25℃におけるpHから算出される水素イオン濃度(mM)
7.08×10
-4
:フッ化水素の25℃における酸電離定数
【0008】
また本発明は、硬質表面用洗浄剤組成物を硬質表面に所定時間接触させること、その後硬質表面を水ですすぐこと、を行う、硬質表面の洗浄方法に関する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、フッ化物を含有する硬質表面用洗浄剤組成物に関し、弱酸性~中性領域のマイルドな条件で水垢汚れ除去性能と硬質表面の腐食防止を両立する硬質表面用洗浄剤組成物、及びそれを用いた硬質表面の洗浄方法を提供される。
また本発明の硬質表面用洗浄剤組成物の一態様では、硬質表面の腐食防止剤を含有することなく、水垢汚れ除去性能と硬質表面の腐食防止を両立することができる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の硬質表面用洗浄剤組成物が、弱酸性~中性領域のマイルドな条件で水垢汚れ除去性能と硬質表面の腐食防止を両立することができる理由は必ずしも定かではないが以下のように推定される。
水垢は炭酸カルシウムや水中に溶存するケイ酸が硬質表面に繰り返し堆積していくことで形成される。本発明の硬質表面用洗浄剤組成物中に含まれる(a)成分であるフッ化物は該洗浄剤組成物のpHに応じて一部がフッ化水素(HF)となり、このフッ化水素がケイ酸堆積物に作用することで除去性能を発現していると考えられ、pHが低いほどフッ化水素濃度は増し、水垢汚れ除去性能も高まる。一方、ガラス硬質表面もケイ酸を構成単位としており、水垢除去性能とガラス等の硬質表面の腐食防止はトレードオフの関係にある。本発明者らは、本発明の硬質表面用洗浄剤組成物中に含有するフッ化物量、pH、並びに該洗浄剤組成物中のフッ化水素濃度を厳密に制御し、且つ(b)成分である有機酸又はその塩を含有することで、弱酸性~中性領域のマイルドな条件下でも、水垢汚れ除去性能と硬質表面の腐食防止を両立出来ることを見出し本発明に至った。
(【0011】以降は省略されています)

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