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公開番号2025015439
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-30
出願番号2024098750
出願日2024-06-19
発明の名称光照射利用システム、光反応方法、及び光反応装置
出願人株式会社日本触媒
代理人弁理士法人WisePlus
主分類B01J 19/12 20060101AFI20250123BHJP(物理的または化学的方法または装置一般)
要約【課題】 最適な光の照射システムを提供すること、さらにはその光反応がどの様な特徴があるかを明確にするシステムを提供する。
【解決手段】 被照射体に光エネルギーによる作用をもたらすことを目的とした光照射の利用システムであって、該利用システムは、被照射体に対して同一総光量下で、光照射のオン、オフの周波数を変えた複数の間欠的な光照射を行い、所望の結果を得るための最適な光照射の周波数を決定することを特徴とする光照射利用システム。
【選択図】なし




特許請求の範囲【請求項1】
被照射体に光エネルギーによる作用をもたらすことを目的とした光照射の利用システムであって、
該利用システムは、被照射体に対して同一総光量下で、光照射のオン、オフの周波数を変えた複数の間欠的な光照射を行い、所望の結果を得るための最適な光照射の周波数を決定する
ことを特徴とする光照射利用システム。
続きを表示(約 1,400 文字)【請求項2】
被照射体に光エネルギーによる作用をもたらすことを目的とした光照射の利用システムであって、
該利用システムは、被照射体に対して光照射のオン、オフの周波数が1Hz以下の間欠的な光照射を行う
ことを特徴とする光照射利用システム。
【請求項3】
反応原料に間欠的に光を照射して反応させる光反応方法であって、
該光反応方法は、反応原料に対して同一総光量下で、光照射のオン、オフの周波数を変えた複数の間欠的な光照射を行い、所望の結果を得るための最適な光照射の周波数を決定する
ことを特徴とする光反応方法。
【請求項4】
反応原料に間欠的に光を照射して反応させる光反応方法であって、
該光反応方法は、反応原料に対して光照射のオン、オフの周波数が1Hz以下の間欠的な光照射を行う
ことを特徴とする光反応方法。
【請求項5】
反応原料に間欠的に光を照射する光反応を用いて化合物を製造する方法であって、
該製造方法は、反応原料に対して同一総光量下で、光照射のオン、オフの周波数を変えた複数の間欠的な光照射を行い、所望の結果を得るための最適な光照射の周波数を決定する工程と、
反応原料に対して決定された周波数の光照射を行う工程とを含む
ことを特徴とする化合物の製造方法。
【請求項6】
反応原料に間欠的に光を照射する光反応を用いて化合物を製造する方法であって、
該製造方法は、反応原料に対して光照射のオン、オフの周波数が1Hz以下の間欠的な光照射を行う工程を含む
ことを特徴とする化合物の製造方法。
【請求項7】
反応原料に間欠的に光を照射する光反応に用いられる反応装置であって、
該反応装置は、複数の反応容器、電源、照射する光の周波数が制御可能な複数の波形生成回路、並びに、複数の光源を含み、
全ての光源は、それぞれ異なる波形生成回路を通して電源と直接接続され、かつ、
複数の反応容器ごとにそれぞれ異なる光源からの光を直接照射するように光源が配置され、一度に複数の反応容器内で光反応を行うことが可能である
ことを特徴とする光反応装置。
【請求項8】
被照射体に光エネルギーによる作用をもたらすことを目的とした光照射の利用システムであって、
該利用システムは、被照射体に対して複数の異なる波長の光照射を行い、所望の結果を得るための最適な光照射の波長を決定する
ことを特徴とする光照射利用システム。
【請求項9】
被照射体に光エネルギーによる作用をもたらすことを目的とした光照射の利用システムであって、
該利用システムは、被照射体の光吸収スペクトルの吸収端の波長前後50nm以内にピーク波長のある光を被照射体に照射する
ことを特徴とする光照射利用システム。
【請求項10】
被照射体に光エネルギーによる作用をもたらすことを目的とした光照射の利用システムであって、
該利用システムは、被照射体の光吸収スペクトルの禁制遷移を主として励起できる波長の光を被照射体に照射する
ことを特徴とする光照射利用システム。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、被照射体に光エネルギーによる作用をもたらすことを目的としたそれらの解析手法を含む光照射利用システム、光反応方法、光反応装置に関する。
続きを表示(約 3,600 文字)【背景技術】
【0002】
光照射は照明として利用される他、化学反応や除菌、光通信、画像形成、美容や怪我・疾患の治療等の様々な分野で利用されている。これらの光照射の利用のうち、化学反応や除菌等のような、“被照射体に光エネルギーによる作用をもたらすことを目的とした光照射利用”が最近増え始め、美容や怪我・疾患の治療にもその適用範囲を広げて、本格的な利用に向けて検討が盛んになってきている。
このうち光利用の原点である光反応においては、定常光だけでなく間欠的に照射されるパルス光を利用した検討も一部になされており、光反応の反応速度論的効果の検討のためにパルス光照射を利用したり(非特許文献1参照)、パルス光照射の周波数と光反応生成物の収率との関係を検討すること(非特許文献2参照)が行われている。しかしながら、例えばこの光反応は、量産のような実用化という意味ではまだまだ遠いと言わざるを得ない。一方、これらの根幹である光には、上記のようなパルス光、すなわち光の時間的制御だけでなく様々な物性が存在する。例えば、波長のようなエネルギー制御、さらには強度、これは被照射体からは単位面積や単位体積あたり影響を与える光子数、つまりは、光の空間的制御とも言えるパラメータである。これらを制御し、最適な光源を用いることは、これまでの方法では得られることのできなかった生成物の創成さらには取得などの光反応の革新的進化だけでなく、スケールアップつまりは量産化にも有用である。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
石黒勝也、外1名、「有機合成化学協会誌」、1999年、第57巻、P.857-866
トーマス P ニコルス(Thomas P. Nicholls)外3名、「ケミカル コミュニケーションズ(Chemical Communications)」2018年、第54巻、P.4589-4592
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、光の利用の革新的進化やいわゆる社会実装を意味した実用化を目指し、光の物性を制御することで最適な利用を目指すものである。ここでは特に時間的制御、つまり光を連続的に照射するのではなく、間欠的に照射するパルス光のパラメータを制御することを第一に掲げる。以下、原点である光反応を例にその意味を説明する。
光反応は多くの現象の組み合わせであるため、より最適な光の利用のためには、時間や照射するタイミングを制御することは重要である。さらには、複数の現象の組み合わせのうち、それが緩和過程に関係するものであった場合、光のオフ状態を制御することは極めて重要である。緩和過程とは、電子的に励起されたものが基底状態に戻る際の過程のみならず、間接的に光の影響により得られた現象が、光照射がなかった状態に戻る過程、例えば会合体の形成や解離、溶媒和の形成や解離、中間体の生成と消滅、発生種の寿命に伴う減衰、そしてそれら全体に伴う拡散過程などすべてを含む。しかしながら、従来例としては、中間体の寿命を鑑みた間欠的な光の利用は非常に効果的であり、上記非特許文献1、2のように、光反応において周期的な光を利用した例が報告されている。しかしながら、このような間欠的な光の利用については、その効果及び有効な利用方法について未だ十分な検討がされているとはいえないのが現状であり、光反応における間欠的な光の効果的な利用方法(特に複数の周波数での時間制御に関する総合的評価など)について検討する余地がある。
【0005】
第二に、エネルギー制御、つまり光源の波長を制御することでも同様に光反応の最適化や新規生成物の創成が期待される。これまでの検討は、光源として白色光が用いられていたり、LEDでも単に青色との表現にとどまるように光物性を利用した現象を検討しているにも関わらず、そこに着目した例は少なく、検討不足が否めない。技術面においても、最近は様々な波長の光源(LED)が容易に使える様になり詳細な検討を行える土壌が整ってきた。さらに光物性の観点からも、決められた波長での励起のみを用いることは、例えば励起種の量の制御が容易になるだけでなく、例えば、許容遷移の励起と禁制遷移の励起は励起種の量や寿命が異なり、その後の反応に影響を与えると考えられる。故に、エネルギーを制御することは光反応を精密に制御する有力な手段の一つであると考えられる。
そして、これらを複合的に利用することもさらなる新たな効果につながることが期待される。
第三に、光の空間的制御が考えられる。実実験では有限の空間で光反応を行う。光は光源から与えられるため、常に方向性があり異方的である。量産という観点では、これを如何に均一化するかが重要になる。一方で、空間的時間的に光の分布を持たせることで、高光密度から低光密度へ一気に変化させるなどにより反応活性種を大きく非平衡に変化させることが可能になる。このような事での新規生成物も創成も期待できる。しかしながらこれまでの方法は、大光量でとにかく光を届けることに主眼が置かれており、当然、光源近傍では光量過剰になり、光害、つまり過剰反応などの副反応が防げなかった。そこで、空間的に均一に光が当たる位置からの照射になるよう設計することが考えられる。例えば、光源の照射方向以外には反応系を行い、光の減衰が小さくなるように反応系の厚み(光の通過距離)を少なくする、バッチではなくフロー式の反応系を用いる、といったことも一つの方法である。そして、減衰部分を補うべく時間制御も用いて可能な限り副反応などの光害を防ぐことが考えられる。
以上のことから、これら光のパラメータを制御することを目指し、複数のパラメータで光反応を検証することは、その光反応の特徴を明らかにすることであり、それによりこれまで見過ごしていた特徴も明らかにできることから、光反応の新たな解析手法であるとも言える。そして、この検証により最適な(所望の)光反応を設計できる。これにより既存の光反応を含め再度検討することも可能になり、それぞれの反応の再評価が可能になる。以上から、この解析手法を含めた本システムにより、光反応の再定義を実現できると考える。
【0006】
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、最適な光の照射システムを提供すること、さらにはその光反応がどの様な特徴があるかを明確にするシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は、最適な光照射システムについて検討し、光照射のオン、オフを繰り返す間欠的な光照射において周波数を変化させ、それを複数検討することや、光照射の波長を変化させることにより、被照射体への光照射の影響が変化し、得られる生成物が変化することを見出すとともに、間欠的な光照射の周波数や光照射の波長を変化させて複数回の光反応を行うことで、所望の結果を得るための最適な光照射の条件を決定することができることや、特定の周波数や波長の光照射を行うことで特異的な反応結果が得られることも見出した。本発明者はまた、このような間欠的な光照射の周波数や光照射の波長を変化させた光反応の結果の評価に適した反応装置も開発し、さらに、それらの複数のシステムから得られた系統的なデータが光反応の特徴を見出すのに適していることも見出すとともに、そのデータを用いた新たな解析手法を見出し、本発明に到達したものである。
【0008】
すなわち本発明は、以下のとおりである。
[1]被照射体に光エネルギーによる作用をもたらすことを目的とした光照射の利用システムであって、該利用システムは、被照射体に対して同一総光量下で、光照射のオン、オフの周波数を変えた複数の間欠的な光照射を行い、所望の結果を得るための最適な光照射の周波数を決定することを特徴とする光照射利用システム。
【0009】
[2]被照射体に光エネルギーによる作用をもたらすことを目的とした光照射の利用システムであって、該利用システムは、被照射体に対して光照射のオン、オフの周波数が1Hz以下の間欠的な光照射を行うことを特徴とする光照射利用システム。
【0010】
[3]反応原料に間欠的に光を照射して反応させる光反応方法であって、該光反応方法は、反応原料に対して同一総光量下で、光照射のオン、オフの周波数を変えた複数の間欠的な光照射を行い、所望の結果を得るための最適な光照射の周波数を決定することを特徴とする光反応方法。
(【0011】以降は省略されています)

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