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公開番号2025031059
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-03-07
出願番号2023137025
出願日2023-08-25
発明の名称回収吸水性樹脂を分解して得られる可溶化ポリマーの貯蔵方法、移送方法および吸水性樹脂の製造装置
出願人株式会社日本触媒
代理人IBC一番町弁理士法人
主分類C08L 101/14 20060101AFI20250228BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】本発明の目的は、可溶化ポリマーを吸水性樹脂の製造工程に原料として用いる場合に、可溶化ポリマーが製造過程の吸水性樹脂に均一に混合され、得られる吸水性樹脂の重合および物性が安定化する、可溶化ポリマーの貯蔵方法、移送方法および吸水性樹脂の製造装置の提供である。
【解決手段】
吸水性樹脂の製造の原料の一部として用いられる、回収吸水性樹脂を分解して得られる可溶化ポリマーの貯蔵方法であって、前記可溶化ポリマーを30~100℃の加熱状態で貯蔵する、貯蔵方法。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
吸水性樹脂の製造の原料の一部として用いられる、回収吸水性樹脂を分解して得られる可溶化ポリマーの貯蔵方法であって、
前記可溶化ポリマーを30℃以上100℃以下の加熱状態で貯蔵する、貯蔵方法。
続きを表示(約 890 文字)【請求項2】
前記回収吸水性樹脂が、使用済み吸収性物品から回収された使用済み吸水性樹脂である、請求項1に記載の貯蔵方法。
【請求項3】
前記加熱状態の可溶化ポリマーの温度が±10℃の範囲に制御されてなる、請求項1または2に記載の貯蔵方法。
【請求項4】
吸水性樹脂の製造の原料の一部として用いられる、回収吸水性樹脂を分解して得られる可溶化ポリマーの移送方法であって、
前記可溶化ポリマーを30℃以上100℃以下の加熱状態で移送およびろ過する、移送方法。
【請求項5】
前記回収吸水性樹脂が、使用済み吸収性物品から回収された使用済み吸水性樹脂である、請求項4に記載の移送方法。
【請求項6】
前記加熱状態の可溶化ポリマーの温度が±10℃の範囲に制御されてなる、請求項4または5に記載の移送方法。
【請求項7】
不飽和単量体水溶液を重合する重合装置と、重合により得られる含水ゲル架橋重合体を乾燥する乾燥装置と、を有する吸水性樹脂の製造装置であって、
さらに、回収吸水性樹脂の可溶化反応装置、可溶化反応により得られる可溶化ポリマーの加熱および/または保温装置、可溶化ポリマーの移送装置ならびに可溶化ポリマーのろ過装置を有する、吸水性樹脂の製造装置。
【請求項8】
不飽和単量体水溶液を重合する重合装置と、重合により得られる含水ゲル架橋重合体を乾燥する乾燥装置と、を有する吸水性樹脂の製造装置であって、
さらに、複数の回収吸水性樹脂の可溶化反応装置、各可溶化反応装置から可溶化ポリマーを移送する移送装置、および可溶化ポリマーのろ過装置を有し、
前記移送装置が加熱および/または保温手段を有する、吸水性樹脂の製造装置。
【請求項9】
前記回収吸水性樹脂が、使用済み吸収性物品から回収された使用済み吸水性樹脂である、請求項7または8に記載の製造装置。
【請求項10】
請求項7または8に記載の製造装置を用いた、吸水性樹脂の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、回収吸水性樹脂を分解して得られる可溶化ポリマーの貯蔵方法、移送方法および吸水性樹脂の製造装置に関する。
続きを表示(約 1,700 文字)【背景技術】
【0002】
近年、紙おむつ、生理用ナプキン、失禁パット等の吸収性物品には、体液吸収の観点から、その構成材としての吸水性樹脂が、吸水剤として幅広く利用されている。このような吸水性樹脂としては、例えば、澱粉-アクリロニトリルグラフト共重合体の加水分解物、澱粉-アクリル酸グラフト重合体の中和物、酢酸ビニル-アクリル酸エステル共重合体のケン化物、アクリル酸部分中和物重合体の架橋物等が知られているが、吸水性能の観点から、アクリル酸及び/又はその塩を単量体として用いたポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂が、工業的に最も多く生産されている。
【0003】
吸収性物品は使い捨てが一般的であるが、環境意識の高まりから、衛生材料のリサイクルに関心が高まっている。吸収性物品に用いられる吸水性樹脂をリサイクルする技術としては、使用済みの吸収性物品から吸水性樹脂を分別し、取り出した吸水性樹脂をリサイクルする方法がある。例えば、特許文献1では、使用済みの吸収性物品から吸水性樹脂を分別し、取り出した吸水性樹脂に対して洗浄および脱水処理を行う、吸水性樹脂のリサイクル方法が開示されている。また、吸水性樹脂をそのままリサイクルする方法とは別に、吸水性樹脂を分解、可溶化して紙おむつ中の他の部材と分離した後、その可溶化ポリマーを吸水性樹脂の製造工程に添加して再利用する方法が開発されている(特許文献2、特許文献3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2003-326161号公報
国際公開第2020/213298号
国際公開第2022/080342号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
再利用する可溶化ポリマーは、吸水性樹脂に添加される従来の添加剤の添加量と比較して格段にその混合量が多く、リサイクルされる工程において製造過程の材料に均一に混合することが従来の添加剤と比較して困難であった。また、可溶化ポリマーを均一に混合させるために、混合時間を長くすると、生産性の低下につながる。一方で、可溶化ポリマーが均一に混合されないと、最終的に得られる吸水性樹脂の物性(例えば無加圧下吸収倍率)の振れにつながる。
【0006】
本発明の目的は、可溶化ポリマーを吸水性樹脂の製造工程に原料として用いる場合に、可溶化ポリマーが製造過程の吸水性樹脂に均一に混合され、得られる吸水性樹脂の物性が安定化する、可溶化ポリマーの貯蔵方法、移送方法および吸水性樹脂の製造装置の提供である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記の問題を解決すべく、鋭意研究を行った。その結果、使用済み吸収性物品に含まれる吸水性樹脂や吸水性樹脂製造工程中の廃棄吸水性樹脂などの回収吸水性樹脂を分解して得られる可溶化ポリマーを原料の一部として用いて吸水性樹脂を製造するにあたって、可溶化ポリマーが加熱状態で、貯蔵、移送されることによって、上記の課題が解決できることを見出し、本発明の完成に至った。
【0008】
すなわち、上記目的は、可溶化ポリマーを加熱状態で貯蔵、移送することによって達成できる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、使用済み吸収性物品に含まれる吸水性樹脂、吸水性樹脂製造工程中の廃棄吸水性樹脂などの本来廃棄すべき吸水性樹脂を使用した場合に、可溶化ポリマーが製造過程の吸水性樹脂に均一に混合され、得られる吸水性樹脂の物性が安定化する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1は、本発明の一実施形態に係る吸水性樹脂の製造プロセスの一部を示す概略図である。
図2は、本発明の他の実施形態に係る吸水性樹脂の製造プロセスの一部を示す概略図である。
図3は、ベンチュリー管の一部の拡大模式図である。
図4は、本発明の他の実施形態に係る吸水性樹脂の製造プロセスの一部を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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