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公開番号2025031057
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-03-07
出願番号2023137023
出願日2023-08-25
発明の名称吸水性樹脂の製造方法
出願人株式会社日本触媒
代理人IBC一番町弁理士法人
主分類C08F 220/06 20060101AFI20250228BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】可溶化ポリマーを吸水性樹脂の製造工程に原料として用いる吸水性樹脂の製造方法において、可溶化ポリマーが製造過程の吸水性樹脂に均一に混合され、得られる吸水性樹脂の物性が安定化する、吸水性樹脂の製造方法の提供である。
【解決手段】
不飽和単量体含有水溶液を重合して含水ゲル状架橋重合体を得る重合工程と、前記含水ゲル状架橋重合体を乾燥する乾燥工程と、を有し、回収吸水性樹脂の可溶化ポリマーを原料の一部として用いる、吸水性樹脂の製造方法であって、
前記可溶化ポリマーが加熱状態で、製造工程のいずれかで混合される、吸水性樹脂の製造方法。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
不飽和単量体含有水溶液を重合して含水ゲル状架橋重合体を得る重合工程と、前記含水ゲル状架橋重合体を乾燥する乾燥工程と、を有し、回収吸水性樹脂の可溶化ポリマーを原料の一部として用いる、吸水性樹脂の製造方法であって、
前記可溶化ポリマーが加熱状態で、製造工程のいずれかで混合される、吸水性樹脂の製造方法。
続きを表示(約 650 文字)【請求項2】
前記回収吸水性樹脂が、使用済み吸収性物品から回収された使用済み吸水性樹脂である、請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
前記加熱状態の可溶化ポリマーは、30℃以上100℃以下に加熱されてなる、請求項1または2に記載の製造方法。
【請求項4】
前記加熱状態の可溶化ポリマーの温度が±10℃の範囲に制御されてなる、請求項1または2に記載の製造方法。
【請求項5】
前記加熱状態の可溶化ポリマーの濃度が5質量%以上の水溶液である、請求項1または2に記載の製造方法。
【請求項6】
前記加熱状態の可溶化ポリマーを前記乾燥工程より前の製造工程において混合する、請求項1または2に記載の製造方法。
【請求項7】
前記加熱状態の可溶化ポリマーが、前記不飽和単量体、および/または、前記含水ゲル状架橋重合体と混合される、請求項6に記載の製造方法。
【請求項8】
前記加熱状態の可溶化ポリマーが、前記不飽和単量体と混合される、請求項7に記載の製造方法。
【請求項9】
前記混合後、さらに重合開始剤が添加されてから重合開始までが5分以内である、請求項8に記載の製造方法。
【請求項10】
前記可溶化ポリマーと、前記可溶化ポリマーと混合される吸水性樹脂原料と、の温度差が50℃以下である、請求項1または2に記載の製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、回収吸水性樹脂の可溶化ポリマーを原料の一部として用いる、吸水性樹脂の製造方法に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
近年、紙おむつ、生理用ナプキン、失禁パット等の吸収性物品には、体液吸収の観点から、その構成材としての吸水性樹脂が、吸水剤として幅広く利用されている。このような吸水性樹脂としては、例えば、澱粉-アクリロニトリルグラフト共重合体の加水分解物、澱粉-アクリル酸グラフト重合体の中和物、酢酸ビニル-アクリル酸エステル共重合体のケン化物、アクリル酸部分中和物重合体の架橋物等が知られているが、吸水性能の観点から、アクリル酸及び/又はその塩を単量体として用いたポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂が、工業的に最も多く生産されている。
【0003】
吸収性物品は使い捨てが一般的であるが、環境意識の高まりから、衛生材料のリサイクルに関心が高まっている。吸収性物品に用いられる吸水性樹脂をリサイクルする技術としては、使用済みの吸収性物品から吸水性樹脂を分別し、取り出した吸水性樹脂をリサイクルする方法がある。例えば、特許文献1では、使用済みの吸収性物品から吸水性樹脂を分別し、取り出した吸水性樹脂に対して洗浄および脱水処理を行う、吸水性樹脂のリサイクル方法が開示されている。また、吸水性樹脂をそのままリサイクルする方法とは別に、吸水性樹脂を分解、可溶化して紙おむつ中の他の部材と分離した後、その可溶化ポリマーを吸水性樹脂の製造工程に添加して再利用する方法が開発されている(特許文献2、特許文献3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2003-326161号公報
国際公開第2020/213298号
国際公開第2022/080342号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
再利用する可溶化ポリマーは、吸水性樹脂に添加される従来の添加剤の添加量と比較して格段にその混合量が多く、リサイクルされる工程において製造過程の材料に均一に混合することが従来の添加剤と比較して困難であった。また、可溶化ポリマーを均一に混合させるために、混合時間を長くすると、生産性の低下につながる。一方で、可溶化ポリマーが均一に混合されないと、最終的に得られる吸水性樹脂の物性(例えば無加圧下吸収倍率)の振れにつながる。
【0006】
また、上記技術で吸水性樹脂の可溶化ポリマーをリサイクルして得られる吸水性樹脂の性能(例えば、加圧下吸収倍率(AAP))が十分とはいえず、さらなる改善が必要となっている。
【0007】
本発明の目的は、可溶化ポリマーを吸水性樹脂の製造工程に原料として用いる吸水性樹脂の製造方法において、可溶化ポリマーが製造過程の吸水性樹脂に均一に混合され、得られる吸水性樹脂の物性が安定化する吸水性樹脂の製造方法の提供である。また、本発明の他の目的は、可溶化ポリマーを吸水性樹脂の製造工程に原料として用いる吸水性樹脂の製造方法において、得られる吸水性樹脂の性能(特に、加圧下吸収倍率(AAP))が改善する、吸水性樹脂の製造方法の提供である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、上記の問題を解決すべく、鋭意研究を行った。その結果、使用済み吸収性物品に含まれる吸水性樹脂や吸水性樹脂製造工程中の廃棄吸水性樹脂などの回収吸水性樹脂を分解して得られる可溶化ポリマーを原料の一部として用いて吸水性樹脂を製造するにあたって、可溶化ポリマーが加熱状態で、製造工程のいずれかで混合されることによって、上記の課題が解決できることを見出し、本発明の完成に至った。
【0009】
すなわち、上記目的は、不飽和単量体含有水溶液を重合して含水ゲル状架橋重合体を得る重合工程と、前記含水ゲル状架橋重合体を乾燥する乾燥工程と、を有し、回収吸水性樹脂の可溶化ポリマーを原料の一部として用いる、吸水性樹脂の製造方法であって、前記可溶化ポリマーが加熱状態で、製造工程のいずれかで混合される、吸水性樹脂の製造方法によって達成できる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、使用済み吸収性物品に含まれる吸水性樹脂、吸水性樹脂製造工程中の廃棄吸水性樹脂などの本来廃棄すべき吸水性樹脂を使用した場合に、吸水性能(特に加圧下吸収倍率)を改善し、また、吸水性能が安定化した吸水性樹脂を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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