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公開番号
2025025588
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-02-21
出願番号
2023130469
出願日
2023-08-09
発明の名称
リサイクル吸水性樹脂の製造方法
出願人
株式会社日本触媒
代理人
弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
主分類
C08J
11/22 20060101AFI20250214BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約
【課題】優れた吸水速度を有するリサイクル吸水性樹脂を提供し得る、リサイクル吸水性樹脂の製造方法を供する。
【解決手段】使用済み吸収性物品、または、吸水性樹脂の製造過程で生じる廃棄物、から回収された吸水性樹脂由来の可溶化ポリマーを原料の一部として添加する添加工程(A)と、金属キレート剤(A)を添加する添加工程(B)と、を含む、リサイクル吸水性樹脂の製造方法。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
吸水性樹脂を構成する単量体を重合する重合工程、および
前記重合工程にて得られた重合体を乾燥する乾燥工程を含む、リサイクル吸水性樹脂の製造方法であって、
さらに、
使用済み吸収性物品、および/または、吸水性樹脂の製造過程で生じる廃棄物、から回収された吸水性樹脂由来の可溶化ポリマーを添加する添加工程(A)と、
金属キレート剤(A)を添加する添加工程(B)と、を含む、リサイクル吸水性樹脂の製造方法。
続きを表示(約 700 文字)
【請求項2】
前記添加工程(A)が前記重合工程の途中に行われる、請求項1に記載のリサイクル吸水性樹脂の製造方法。
【請求項3】
前記添加工程(B)が前記重合工程の途中に行われる、請求項1に記載のリサイクル吸水性樹脂の製造方法。
【請求項4】
前記可溶化ポリマーは、1種類以上の使用済み吸収性物品、および/または、1種類以上の吸水性樹脂の製造過程で生じる1種類以上の廃棄物、から回収された吸水性樹脂由来の可溶化ポリマーである、請求項1に記載のリサイクル吸水性樹脂の製造方法。
【請求項5】
前記可溶化ポリマーが金属キレート剤(B)を含む、請求項1に記載のリサイクル吸水性樹脂の製造方法。
【請求項6】
前記乾燥工程後に、前記添加工程(A)が再度行われる、請求項3に記載のリサイクル吸水性樹脂の製造方法。
【請求項7】
前記可溶化ポリマーが吸水性樹脂の分解剤を含む、請求項1に記載のリサイクル吸水性樹脂の製造方法。
【請求項8】
前記可溶化ポリマーが酸化剤(A)を含み、
前記重合工程では酸化剤(B)を添加する、請求項1に記載のリサイクル吸水性樹脂の製造方法。
【請求項9】
前記可溶化ポリマーがp-メトキシフェノールを含む、請求項1に記載のリサイクル吸水性樹脂の製造方法。
【請求項10】
前記添加工程(A)では、前記可溶化ポリマーを30℃以上の水溶液の状態で添加する、請求項2に記載のリサイクル吸水性樹脂の製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、リサイクル吸水性樹脂の製造方法に関する。
続きを表示(約 3,400 文字)
【背景技術】
【0002】
近年、紙オムツ、生理用ナプキン、失禁パット等の吸収性物品には、体液吸収の観点から、その構成材としての吸水性樹脂が、吸水剤として幅広く利用されている。このような吸水性樹脂としては、例えば、澱粉-アクリロニトリルグラフト共重合体の加水分解物、澱粉-アクリル酸グラフト重合体の中和物、酢酸ビニル-アクリル酸エステル共重合体のケン化物、アクリル酸部分中和物重合体の架橋物等が知られている。中でも、吸水性能の観点から、アクリル酸および/またはその塩を単量体として用いたポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂が、工業的に最も多く生産されており、当該吸水性樹脂に係る技術が多数開示されている。
【0003】
吸収性物品は使い捨てが一般的であるが、環境意識の高まりから、吸収性物品のリサイクルへの関心が高まっている。吸収性物品に用いられる吸水性樹脂をリサイクルする技術としては、使用済み吸収性物品由来の高吸水性ポリマーを不活化後にオゾン水で処理し、次いでアルカリ水溶液で再活性化した後、親水性微粒子を添加して乾燥する技術(特許文献1)、酸により不活化された高吸水性ポリマーを含む再生用水溶液に、アルカリ金属イオン供給源を添加し、これによって形成させた湿潤状態における高吸水性リサイクルポリマーを乾燥する技術(特許文献2)、高吸水性ポリマーを含む衛生用品構成資材を、酸含有水溶液に浸漬することにより1次脱水された高吸水性ポリマーを得るステップと、1次脱水された高吸水性ポリマーを多価金属イオン供給源に接触させるステップとを有する技術(特許文献3)、使用済み高吸水性ポリマーを脱水し、次いで高吸水性ポリマーの粒子群を付着させた後、乾燥することにより、粒子同士の固着および着色を抑制する技術(特許文献4)などが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
国際公開WO2020/241025号
国際公開WO2019/151538号
国際公開WO2023/007871号
国際公開WO2021/205780号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上述したような従来の技術で得られたリサイクル吸水性樹脂には、吸水速度の観点において改善の余地があった。
【0006】
上記のような状況にあって、本発明の一態様は、優れた吸水速度を有するリサイクル吸水性樹脂を提供し得る、リサイクル吸水性樹脂の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様は、以下の構成を含む。
〔1〕吸水性樹脂を構成する単量体を重合する重合工程、および前記重合工程にて得られた重合体を乾燥する乾燥工程を含む、リサイクル吸水性樹脂の製造方法であって、さらに、使用済み吸収性物品、および/または、吸水性樹脂の製造過程で生じる廃棄物、から回収された吸水性樹脂由来の可溶化ポリマーを添加する添加工程(A)と、金属キレート剤(A)を添加する添加工程(B)と、を含む、リサイクル吸水性樹脂の製造方法。
〔2〕前記添加工程(A)が前記重合工程の途中に行われる、〔1〕に記載のリサイクル吸水性樹脂の製造方法。
〔3〕前記添加工程(B)が前記重合工程の途中に行われる、〔1〕または〔2〕に記載のリサイクル吸水性樹脂の製造方法。
〔4〕前記可溶化ポリマーは、1種類以上の使用済み吸収性物品、および/または、1種類以上の吸水性樹脂の製造過程で生じる1種類以上の廃棄物、から回収された吸水性樹脂由来の可溶化ポリマーである、〔1〕~〔3〕の何れか1つに記載のリサイクル吸水性樹脂の製造方法。
〔5〕前記可溶化ポリマーが金属キレート剤(B)を含む、〔1〕~〔4〕の何れか1つに記載のリサイクル吸水性樹脂の製造方法。
〔6〕前記乾燥工程後に、前記添加工程(A)が再度行われる、〔3〕に記載のリサイクル吸水性樹脂の製造方法。
〔7〕前記可溶化ポリマーが吸水性樹脂の分解剤を含む、〔1〕~〔6〕の何れか1つに記載のリサイクル吸水性樹脂の製造方法。
〔8〕前記可溶化ポリマーが酸化剤(A)を含み、前記重合工程では酸化剤(B)を添加する、〔1〕~〔7〕の何れか1つに記載のリサイクル吸水性樹脂の製造方法。
〔9〕前記可溶化ポリマーがp-メトキシフェノールを含む、〔1〕~〔8〕の何れか1つに記載のリサイクル吸水性樹脂の製造方法。
〔10〕前記添加工程(A)では、前記可溶化ポリマーを30℃以上の水溶液の状態で添加する、〔2〕に記載のリサイクル吸水性樹脂の製造方法。
〔11〕前記金属キレート剤(A)が複数の窒素原子を有する多価リン酸(塩)および/または多価カルボン酸(塩)である、〔1〕~〔10〕の何れか1つに記載のリサイクル吸水性樹脂の製造方法。
〔12〕さらに、前記重合工程後に、無機還元剤を添加する添加工程(C)を含む、〔1〕~〔11〕の何れか1つに記載のリサイクル吸水性樹脂の製造方法。
〔13〕前記可溶化ポリマーの可溶化率が50質量%以上である、〔1〕~〔12〕の何れか1つに記載のリサイクル吸水性樹脂の製造方法。
〔14〕前記可溶化ポリマーがカルシウムイオン、マグネシウムイオンおよびアルミニウムイオンからなる群から選択される1種以上の多価金属カチオンを含む、〔1〕~〔13〕の何れか1つに記載のリサイクル吸水性樹脂の製造方法。
〔15〕前記多価金属カチオンの合計質量に対して、前記金属キレート剤(A)の使用量が2倍質量以上1000倍質量以下である、〔14〕に記載のリサイクル吸水性樹脂の製造方法。
〔16〕さらに、前記乾燥工程後に、無機粒子を添加する添加工程(D)を含む、〔1〕~〔15〕の何れか1つに記載のリサイクル吸水性樹脂の製造方法。
〔17〕前記金属キレート剤(A)の使用量が、前記リサイクル吸水性樹脂100質量%に対して、0.01質量%以上5.0質量%以下である、〔1〕~〔16〕の何れか1つの何れか1項に記載のリサイクル吸水性樹脂の製造方法。
【発明の効果】
【0008】
本発明の一態様によれば、優れた吸水速度を有するリサイクル吸水性樹脂を提供し得る、リサイクル吸水性樹脂の製造方法を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
<1.リサイクル吸水性樹脂の製造方法>
〔1-1〕本発明の一実施形態の技術思想
本発明者らは、使用済み吸収性物品から回収された吸水性樹脂や、吸水性樹脂の製造過程で生じる廃棄物から回収された吸水性樹脂を原料の一部として用いるリサイクル吸水性樹脂の製造方法について研究を行った。その過程で、本発明者らは、そのようなリサイクル吸水性樹脂の製造方法によって得られたリサイクル吸水性樹脂が、吸水速度に劣る場合があることを見出した。吸水速度に劣る吸水性樹脂は、製品用途に不適であるとの問題がある。
【0010】
上記のような吸水速度の劣化は、し尿等の体液由来の物質の残存物や、吸水性樹脂の製造過程で使用した化合物の存在等に起因するものと本発明者らは推測した。係る推測に基づき上記の課題について鋭意検討した結果、本発明者らは、リサイクル吸水性樹脂の製造方法において、系中にキレート剤を添加することにより、換言すれば、リサイクル吸水性樹脂の製造方法がキレート剤の添加工程を含むことにより、優れた吸水速度を有するリサイクル吸水性樹脂を提供し得る、リサイクル吸水性樹脂の製造方法を提供できることを見出し、本発明を完成させるに至った。このような、優れた吸水速度を有するリサイクル吸水性樹脂は、通常の(未使用の)吸水性樹脂と遜色なく、製品用途(例えば、衛生材料用途)に好適に利用することができる。
(【0011】以降は省略されています)
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