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公開番号2025014735
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-30
出願番号2023117531
出願日2023-07-19
発明の名称スイッチング電源用半導体装置およびスイッチング電源装置
出願人ミツミ電機株式会社
代理人個人,個人
主分類H02M 3/28 20060101AFI20250123BHJP(電力の発電,変換,配電)
要約【課題】PWM制御と擬似共振制御を切替え可能な絶縁型スイッチング電源装置における伝導ノイズを低減する。
【解決手段】トランスの一次巻線と直列に接続されたスイッチング素子をオン、オフ制御する駆動信号を生成するスイッチング電源用半導体装置において、二次巻線における共振状態を監視する共振監視回路と、最小のスイッチング周期を与える周期信号を生成するタイマー回路と、周期信号と共振監視回路からの信号とに基づいてターンオン信号を生成する回路と、スイッチング素子の電流が所定の電流値に達したことを検出してターンオフ信号を生成するターンオフ回路と、ターンオン回路及びターンオフ回路の出力に基づいてオン、オフ制御信号を生成する回路と、上記周期信号の区間に揺らぎを与える第1ジッタ信号及び上記電流値に揺らぎを与える第2ジッタ信号を生成する回路を備え、第1と第2のジッタ信号は所定の位相差を有するようにした。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
補助巻線を備えた電圧変換用のトランスの一次巻線と直列に接続されたスイッチング素子をオン、オフ制御する駆動信号を生成するスイッチング電源用半導体装置であって、
前記補助巻線の電圧に基づいて前記トランスの二次巻線における共振状態を監視する共振監視回路と、
前記スイッチング素子のスイッチング周期を規定する周期信号を生成するタイマー回路と、
前記周期信号と前記共振監視回路からの信号に基づいて前記スイッチング素子をオンさせるターンオン信号を出力するターンオン回路と、
前記スイッチング素子に流れる電流が所定の電流値に達したことを検出して前記スイッチング素子をオフさせるターンオフ信号を出力するターンオフ回路と、
前記周期信号の区間に揺らぎを与えるための第1ジッタ信号および前記ターンオフ回路が前記ターンオフ信号を出力する前記所定の電流値に揺らぎを与えるための第2ジッタ信号を生成するジッタ生成回路と、
を備え、前記第1ジッタ信号と前記第2ジッタ信号は所定の位相差を有するように生成されることを特徴とするスイッチング電源用半導体装置。
続きを表示(約 2,000 文字)【請求項2】
前記ジッタ生成回路は、
前記第1ジッタ信号のもととなる第1データを生成するデータ生成回路と、
前記第1データに基づいて前記第1ジッタ信号を生成する第1ジッタ信号生成回路と、
前記第1ジッタ信号を位相シフトすることで前記第2ジッタ信号を生成する第2ジッタ信号生成回路と、
を備え、
前記第1ジッタ信号及び前記第2ジッタ信号の周期は前記スイッチング素子のスイッチング周期よりも長い周期であり、
前記タイマー回路は、前記第1ジッタ信号生成回路から出力される前記第1ジッタ信号に基づいて前記周期信号の区間に揺らぎを与え、
前記ターンオフ回路は、前記第2ジッタ信号生成回路から出力される前記第2ジッタ信号に基づいて前記ターンオフ信号に揺らぎを与えるように構成されることを特徴とする請求項1に記載のスイッチング電源用半導体装置。
【請求項3】
前記ジッタ生成回路は、
前記第1ジッタ信号のもととなる第1データを生成するカウンタ回路と、
前記第1データに所定の加算値を加算して前記第2ジッタ信号のもととなる第2データを生成する加算回路と、
昇順データである前記第1データを降順データに変換して、昇順したのち降順するデータを出力する第1データ変換回路と、
昇順データである前記第2データを降順データに変換して、昇順したのち降順するデータを出力する第2データ変換回路と、
を備え、
前記タイマー回路は、前記第1データ変換回路から出力されるデータに基づいて前記周期信号に揺らぎを与え、
前記ターンオフ回路は、前記第2データ変換回路から出力されるデータに基づいて前記ターンオフ信号に揺らぎを与えるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のスイッチング電源用半導体装置。
【請求項4】
前記加算値は、電源装置が放出する伝導ノイズの周波数スペクトルのピークが最小化されるように設定されていることを特徴とする請求項3に記載のスイッチング電源用半導体装置。
【請求項5】
前記補助巻線に誘起された電圧もしくはその電圧に比例した電圧が入力される第3外部端子を備え、
前記共振監視回路は、
前記第3外部端子の電圧に基づいて、前記スイッチング素子のターンオフ後、前記前記トランスの二次巻線の電流がゼロになった直後に開始されるゼロ電流共振が開始されたことを検出して共振開始検出信号を出力する共振開始検出回路と、
前記第3外部端子の電圧に基づいて、前記ゼロ電流共振の所定の位相を検出して共振位相検出信号を出力する共振位相検出回路と、を有し、
前記ターンオン回路は、前記周期信号と前記共振開始検出信号と前記共振位相検出信号とに基づいて、前記共振開始検出信号の受信前に前記周期信号を受信した時、または前記周期信号の受信の次の前記共振位相検出信号の立ち上がり時に、前記ターンオン信号を生成することを特徴とする請求項1に記載のスイッチング電源用半導体装置。
【請求項6】
前記トランスの二次側から出力される電圧に応じたフィードバック電圧が入力される第1外部端子と、
前記スイッチング素子に流れる電流に比例した電圧が入力される第2外部端子と、
を備え、
前記ターンオフ回路は、前記第1外部端子の電圧と前記第2外部端子の電圧に基づいて前記スイッチング素子に流れる電流が所定の電流値に達したことを検出するものであり、
前記第2ジッタ信号は、前記第2外部端子の電圧より派生した電圧を変動させることで前記所定の電流値に揺らぎを与えることを特徴とする請求項5に記載のスイッチング電源用半導体装置。
【請求項7】
前記第1外部端子と基準電位点との間に直列に接続された固定抵抗及び可変抵抗を有し、前記第1外部端子の電圧を分圧する分圧回路を備え、
前記ターンオフ回路は、前記分圧回路により分圧された電圧と前記第2外部端子の電圧とを比較して前記スイッチング素子に流れる電流が所定の電流値に達したことを検出し、
前記第2ジッタ信号は、前記可変抵抗の抵抗値を変化させることで前記分圧回路による分圧電圧を変動させて前記所定の電流値に揺らぎを与えることを特徴とする請求項6に記載のスイッチング電源用半導体装置。
【請求項8】
請求項1~7のいずれかに記載のスイッチング電源用半導体装置と、補助巻線を備え交流電圧を整流して得られる電圧が一次巻線に印加されるトランスと、前記一次巻線に接続されたスイッチング素子とを備え、前記スイッチング電源用半導体装置を用いて前記スイッチング素子を制御することで二次巻線側に所定の電圧を出力するように構成されていることを特徴とするスイッチング電源装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、スイッチング電源用半導体装置(電源制御用IC)およびスイッチング電源装置に関し、特に電圧変換用トランスを備えた直流電源装置の一次側のスイッチング素子を制御する電源制御用ICおよびその電源制御用ICを用いたスイッチング電源装置に関する。
続きを表示(約 2,600 文字)【背景技術】
【0002】
直流電源装置には、交流電源を整流するダイオード・ブリッジ回路と、該回路で整流された直流電圧を所望の電圧の直流電圧に変換するDC-DCコンバータなどで構成された絶縁型スイッチング電源装置がある。絶縁型のスイッチング電源装置としては、例えば電圧変換用トランスの一次巻線と直列に接続されたスイッチング素子を、PWM(パルス幅変調)制御方式や擬似共振制御方式等でオン、オフ駆動して一次巻線に流れる電流を制御し、二次巻線に誘起される電圧を制御するようにしたスイッチング電源装置が知られている。
【0003】
PWM制御と擬似共振制御にはそれぞれ長所と短所がある。例えばPWM制御は、スイッチング損失や伝導ノイズが大きく電力効率がやや悪いという短所があるものの、音鳴きが小さく、電流連続モードでも動作可能でトランスの電流ピークを抑えることができるため、トランスサイズも小さくできるという長所を有する。一方、擬似共振制御は、ボトムスキップによる音鳴きがあるとともに、電流不連続モードでのみ動作するため、トランスや出力コンデンサなどの部品サイズが大きくなるという短所があるものの、ターンオン時にゼロ電流共振電圧のボトムでターンオンするソフトスイッチング(ソフトターンオン)を行うため、スイッチング損失や伝導ノイズが小さく電力効率が良いという長所がある。
【0004】
擬似共振制御方式を採用した従来の絶縁型スイッチング電源装置は、一般に擬似共振制御でのみ動作するように構成されていた(例えば特許文献1)。
本出願人は、両方の長所を生かすため、二次側からの出力電圧のフィードバック電圧に応じて、PWM制御と擬似共振制御を切り替えるようにした絶縁型スイッチング電源装置に関する発明をなし、先に出願した(特許文献2、3)。
なお、特許文献3の発明は、特許文献2の発明における課題を解決するためになされたものである。ここで、特許文献2の発明における課題とは、出力電圧の切替えが可能な機能を有する電源装置に適用すると、出力電圧を低い電圧に切り替えた場合に、スイッチング周期が大きく変動して出力電圧のリップルが大きくなったり、音鳴きが発生してしまったりするというものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2014-124038号公報
特開2020-58196号公報
特開2021-103931号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
さらに、本出願人は、特許文献3の発明を適用したスイッチング電源装置において、伝導ノイズのスペクトルのピークを低減するため、スイッチング周期を与える周期的なパルス信号にジッタを付加するようにした技術を開発した。
しかしながら、スイッチング周期を与える周期的なパルス信号にジッタを付加するようにした場合、PWM動作時は伝導ノイズの周波数スペクトルのピークの十分な低減効果が得られるが、擬似共振動作時は、図14(A)に示すように、スイッチング周期が特定の周期に集中する。そのため、伝導ノイズのスペクトルピークの低減効果が得られない、あるいはかなり限定的となってしまうという課題があることが明らかになった。
【0007】
本発明は、上記のような課題に着目してなされたもので、その目的とするところは、通常動作中にPWM制御と擬似共振制御を切り替えるようにした絶縁型スイッチング電源装置において、PWM動作時も擬似共振動作時も伝導ノイズの周波数スペクトルのピークを低減できるようにすることにある。
本発明の他の目的は、PWM制御と擬似共振制御のいずれの制御を実行中においても放出される伝導ノイズを抑制することができるスイッチング電源用半導体装置およびスイッチング電源装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本出願に係る発明は、
補助巻線を備えた電圧変換用のトランスの一次巻線と直列に接続されたスイッチング素子をオン、オフ制御する駆動信号を生成するスイッチング電源用半導体装置において、
前記補助巻線の電圧に基づいて前記トランスの二次巻線における共振状態を監視する共振監視回路と、
前記スイッチング素子のスイッチング周期を規定する周期信号を生成するタイマー回路と、
前記周期信号と前記共振監視回路からの信号に基づいて前記スイッチング素子をオンさせるターンオン信号を出力するターンオン回路と、
前記スイッチング素子に流れる電流が所定の電流値に達したことを検出して前記スイッチング素子をオフさせるターンオフ信号を出力するターンオフ回路と、
前記周期信号の区間に揺らぎを与えるための第1ジッタ信号および前記ターンオフ回路が前記ターンオフ信号を出力する前記所定の電流値に揺らぎを与えるための第2ジッタ信号を生成するジッタ生成回路と、
を備え、前記第1ジッタ信号と前記第2ジッタ信号は所定の位相差を有するようにしたものである。
【0009】
上記のような構成によれば、最小のスイッチング周期を与える周期信号に揺らぎを付与することができるとともに、スイッチング素子のオンタイミングに揺らぎを付与することができるため、伝導ノイズの周波数スペクトルのピークを低減でき、それによってPWM制御と擬似共振制御を切替え可能なスイッチング電源装置において、PWM動作と擬似共振動作のいずれの動作時においても電源装置から放出される伝導ノイズを抑制することができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、通常動作中にPWM制御と擬似共振制御を切り替えるようにした絶縁型スイッチング電源装置において、PWM動作時も擬似共振動作時も伝導ノイズの周波数スペクトルのピークを低減でき、伝導ノイズを抑制することができるという効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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