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公開番号
2025014579
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-01-30
出願番号
2023117257
出願日
2023-07-19
発明の名称
二酸化炭素(CO2)のメタン化触媒、その製造方法、それを用いたメタン製造装置、および、それを用いたメタンの製造方法
出願人
国立研究開発法人物質・材料研究機構
代理人
主分類
B01J
23/83 20060101AFI20250123BHJP(物理的または化学的方法または装置一般)
要約
【課題】 300℃以下の低温において優れた触媒活性を有するニッケルを用いた二酸化炭素(CO
2
)のメタン化触媒、その製造方法、それを用いたメタン製造装置、および、それを用いたメタンの製造方法を提供すること。
【解決手段】 本発明の二酸化炭素(CO
2
)のメタン化触媒は、酸化ニッケルまたはニッケル金属と、REの酸化物(ただし、REは、Y、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、および、Luからなる群から選択される少なくとも1種の元素である)と、炭素と、必要に応じて、酸化アルミニウム、イットリア安定化ジルコニア(YSZ)、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、酸化カルシウムおよび酸化シリコンからなる群から少なくとも1種選択されるさらなる酸化物とを含有する多孔質材料からなる。
【選択図】 図1
特許請求の範囲
【請求項1】
酸化ニッケルまたはニッケル金属と、
REの酸化物(ただし、REは、イットリウム(Y)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、イッテルビウム(Yb)、および、ルテチウム(Lu)からなる群から選択される少なくとも1種の元素である)と、
炭素と、
必要に応じて、酸化アルミニウム、イットリア安定化ジルコニア(YSZ)、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、酸化カルシウムおよび酸化シリコンからなる群から少なくとも1種選択されるさらなる酸化物と
を含有する多孔質材料からなる、二酸化炭素(CO
2
)のメタン化触媒。
続きを表示(約 1,100 文字)
【請求項2】
前記炭素は、アモルファス炭素である、請求項1に記載のメタン化触媒。
【請求項3】
前記多孔質材料全体を100質量%とした場合、
前記酸化ニッケルまたはニッケル金属をニッケル金属換算で5質量%以上60質量%以下の範囲で含有し、
前記REの酸化物を15質量%以上85質量%以下の範囲で含有し、
前記炭素を0質量%より大きく70質量%未満の範囲で含有し、
前記さらなる酸化物を0質量%以上55質量%以下の範囲で含有する、請求項1または2に記載のメタン化触媒。
【請求項4】
前記酸化ニッケルまたはニッケル金属をニッケル金属換算で7質量%以上55質量%以下の範囲で含有し、
前記REの酸化物を17.5質量%以上75質量%以下の範囲で含有し、
前記炭素を5質量%以上50質量%以下の範囲で含有し、
前記さらなる酸化物を0質量%以上52.5質量%以下の範囲で含有する、請求項3に記載のメタン化触媒。
【請求項5】
前記酸化ニッケルまたはニッケル金属をニッケル金属換算で10質量%以上50質量%以下の範囲で含有し、
前記REの酸化物を20質量%以上70質量%以下の範囲で含有し、
前記炭素を20質量%以上50質量%以下の範囲で含有し、
前記さらなる酸化物を0質量%以上35質量%以下の範囲で含有する、請求項4に記載のメタン化触媒。
【請求項6】
前記REは、イットリウム、および/または、イッテルビウムである、請求項1~5のいずれかに記載のメタン化触媒。
【請求項7】
前記多孔質材料は、マイクロ孔、メソ孔およびマクロ孔を有する、請求項1~6のいずれかに記載のメタン化触媒。
【請求項8】
前記多孔質材料のBET法による比表面積は、10m
2
/g以上300m
2
/g以下の範囲を満たす、請求項1~7のいずれかに記載のメタン化触媒。
【請求項9】
前記多孔質材料のBET法による比表面積は、60m
2
/g以上300m
2
/g以下の範囲を満たす、請求項8に記載のメタン化触媒。
【請求項10】
前記多孔質材料のt-plot法によるマイクロ孔表面積は、2m
2
/g以上240m
2
/g以下の範囲を満たす、請求項1~9のいずれかに記載のメタン化触媒。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、二酸化炭素(CO
2
)のメタン化触媒、その製造方法、それを用いたメタン製造装置、および、それを用いたメタンの製造方法に関する。
続きを表示(約 4,400 文字)
【背景技術】
【0002】
地球温暖化防止のため、発電、製鉄等のプラントから排出された二酸化炭素(CO
2
)を回収、有効利用する必要がある。そのCO
2
の有効利用技術としてメタネーション反応が知られている。メタネーションとは、次式に示すように、触媒を利用してCO
2
と水素(H
2
)とからメタン(CH
4
)を生成する反応である。
CO
2
+4H
2
⇔CH
4
+2H
2
O
【0003】
メタネーション反応のための触媒(メタネーション触媒)として、ルテニウム(Ru)、ニッケル(Ni)などの金属粒子を酸化物に担持させた触媒が利用されている(例えば、非特許文献1および特許文献1~5を参照)。
【0004】
非特許文献1によれば、Ru等の貴金属触媒は、Ni等の卑金属触媒より低温(300℃以下)で高いメタネーション触媒活性を示す。しかしながら、貴金属は高価であり、資源量が限られるため、メタネーション用触媒としては、Ni等の卑金属を主体とした触媒が望ましい。そのため、近年、Niを用いたメタネーション触媒の研究が盛んである。
【0005】
特許文献1~5によれば、いずれも、Niを酸化セリウム(CeO
2
)、酸化ジルコニウム(ZrO
2
)などの酸化物に担持させた触媒が、高いメタネーション触媒活性を有することを報告する。しかしながら、いずれも、低温(300℃以下)におけるメタネーション触媒活性の効果は貴金属触媒のそれに比べて低く、十分ではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2000-254508号公報
特開2009-034650号公報
特開2010-022944号公報
特開平8-127544号公報
特開2020-37535号公報
【非特許文献】
【0007】
Gabriella Garbarinoら,International Journal of Hydrogen Energy,40(30),9171-9182
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
以上から、本発明の課題は、300℃以下の低温において優れた触媒活性を有するニッケルを用いた二酸化炭素(CO
2
)のメタン化触媒、その製造方法、それを用いたメタン製造装置、および、それを用いたメタンの製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明による二酸化炭素(CO
2
)のメタン化触媒は、酸化ニッケルまたはニッケル金属と、REの酸化物(ただし、REは、イットリウム(Y)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、イッテルビウム(Yb)、および、ルテチウム(Lu)からなる群から選択される少なくとも1種の元素である)と、炭素と、必要に応じて、酸化アルミニウム、イットリア安定化ジルコニア(YSZ)、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、酸化カルシウムおよび酸化シリコンからなる群から少なくとも1種選択されるさらなる酸化物とを含有する多孔質材料からなり、これにより上記課題を解決する。
前記炭素は、アモルファス炭素であってもよい。
前記多孔質材料全体を100質量%とした場合、前記酸化ニッケルまたはニッケル金属をニッケル金属換算で5質量%以上60質量%以下の範囲で含有し、前記REの酸化物を15質量%以上85質量%以下の範囲で含有し、前記炭素を0質量%より大きく70質量%未満の範囲で含有し、前記さらなる酸化物を0質量%以上55質量%以下の範囲で含有してもよい。
前記酸化ニッケルまたはニッケル金属をニッケル金属換算で7質量%以上55質量%以下の範囲で含有し、前記REの酸化物を17.5質量%以上75質量%以下の範囲で含有し、前記炭素を5質量%以上50質量%以下の範囲で含有し、前記さらなる酸化物を0質量%以上52.5質量%以下の範囲で含有してもよい。
前記酸化ニッケルまたはニッケル金属をニッケル金属換算で10質量%以上50質量%以下の範囲で含有し、前記REの酸化物を20質量%以上70質量%以下の範囲で含有し、前記炭素を20質量%以上50質量%以下の範囲で含有し、前記さらなる酸化物を0質量%以上35質量%以下の範囲で含有してもよい。
前記REは、イットリウム、および/または、イッテルビウムであってもよい。
前記多孔質材料は、マイクロ孔、メソ孔およびマクロ孔を有してもよい。
前記多孔質材料のBET法による比表面積は、10m
2
/g以上300m
2
/g以下の範囲を満たしてもよい。
前記多孔質材料のBET法による比表面積は、60m
2
/g以上300m
2
/g以下の範囲を満たしてもよい。
前記多孔質材料のt-plot法によるマイクロ孔表面積は、2m
2
/g以上240m
2
/g以下の範囲を満たしてもよい。
前記多孔質材料のt-plot法によるマイクロ孔表面積は、25m
2
/g以上240m
2
/g以下の範囲を満たしてもよい。
前記多孔質材料中のマイクロ孔の割合は、10%以上85%以下の範囲を満たしてもよい。
前記多孔質材料中のマイクロ孔の割合は、40%以上85%以下の範囲を満たしてもよい。
前記多孔質材料は、BJH法による平均細孔径が5nm以上16nm以下の範囲を満たすメソ孔を有してもよい。
本発明による二酸化炭素のメタン化触媒を製造する方法は、ニッケル塩と、REの酸化物(ただし、REは、イットリウム(Y)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、イッテルビウム(Yb)、および、ルテチウム(Lu)からなる群から選択される少なくとも1種の元素である)と、必要に応じて、酸化アルミニウム、イットリア安定化ジルコニア(YSZ)、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、酸化カルシウムおよび酸化シリコンからなる群から少なくとも1種選択されるさらなる酸化物との混合物を調製することと、前記混合物を酸化雰囲気中で焼成することと、前記焼成後の混合物と、フェノール樹脂、フラン樹脂およびジビニルベンゼン樹脂からなる群から少なくとも1種選択される樹脂とを混合し、樹脂混合物を調製することと、前記樹脂混合物を炭化することとを包含し、これにより上記課題を解決する。
本発明による二酸化炭素のメタン化触媒を製造する方法は、REの酸化物(ただし、REは、イットリウム(Y)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、イッテルビウム(Yb)、および、ルテチウム(Lu)からなる群から選択される少なくとも1種の元素である)と、フェノール樹脂、フラン樹脂およびジビニルベンゼン樹脂からなる群から少なくとも1種選択される樹脂と、必要に応じて、酸化アルミニウム、イットリア安定化ジルコニア(YSZ)、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、酸化カルシウムおよび酸化シリコンからなる群から少なくとも1種選択されるさらなる酸化物との樹脂混合物を調製することと、前記樹脂混合物を炭化することと、前記炭化することによって得られた酸化物含有炭素多孔体をニッケル塩の水溶液に含浸させることと、前記ニッケル塩が含浸した酸化物含有炭素多孔体を酸化雰囲気中で焼成することとを包含し、これにより上記課題を解決する。
前記ニッケル塩は、ニッケルの硝酸塩、硫酸塩、塩素酸塩、臭素酸塩、ヨウ素酸塩、過臭素酸塩、メタ過ヨウ素酸塩、および、チオシアン酸塩からなる群から少なくとも1種選択される塩であってもよい。
本発明によるメタン製造装置は、二酸化炭素と水素とからメタンを生成する触媒を収容する反応容器を備え、前記触媒は、上記二酸化炭素のメタン化触媒であり、これにより上記課題を解決する。
本発明によるメタンを製造する方法は、上記二酸化炭素のメタン化触媒を還元雰囲気下で還元処理することと、前記還元処理されたメタン化触媒を加熱することと、前記還元処理されたメタン化触媒に二酸化炭素と水素とを導入することとを包含し、これにより上記課題を解決する。
【発明の効果】
【0010】
本発明による二酸化炭素のメタン化触媒は、酸化ニッケルまたはニッケル金属と、REの酸化物(ただし、REは、イットリウム(Y)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、イッテルビウム(Yb)、および、ルテチウム(Lu)からなる群から選択される少なくとも1種の元素である)と、炭素と、必要に応じて、酸化アルミニウム、イットリア安定化ジルコニア(YSZ)、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、酸化カルシウムおよび酸化シリコンからなる群から少なくとも1種選択されるさらなる酸化物とを含有する多孔質材料からなる。本発明のメタン化触媒は、Ruのような貴金属を用いないため、コスト削減に有効である。本発明のメタン化触媒は、多孔質材料であるため、二酸化炭素および水素の反応分子が細孔内へ素早く拡散し、メタネーション反応が起こりやすい。そのため、300℃以下の低温であっても、高いメタネーション触媒活性が得られる。特に、酸化ニッケルまたはニッケル金属と特定のREの酸化物との組み合わせにより、メタネーション触媒活性が顕著に向上し得る。本発明のメタン化触媒を用いれば、高いメタン生成効率のメタンの製造方法およびメタン製造装置を提供できる。本発明の上述のメタン化触媒の製造方法は、特別な技術や装置を不要とするため、低コスト化を可能とし、量産化に有利である。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)
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