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公開番号2025014125
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-29
出願番号2024176979,2023546962
出願日2024-10-09,2022-09-07
発明の名称光電変換素子及び化合物
出願人株式会社エネコートテクノロジーズ
代理人個人,個人,個人,個人
主分類H10K 30/50 20230101AFI20250122BHJP()
要約【課題】 本発明は、正孔輸送層が優れた光電変換特性を示し、かつ高い耐久性を有する光電変換素子の提供を目的とする。
【解決手段】 前記目的を達成するために、本発明の光電変換素子は、
第1の電極(12)、正孔輸送層(13)、光電変換層(14)、電子輸送層(15)、及び第2の電極(16)が、前記順序で積層され、
光電変換層(14)は、ペロブスカイト構造を含み、
正孔輸送層(13)は、イオン化ポテンシャルが-5.4eV~-5.7eVの範囲であることを特徴とする。
【選択図】図1


特許請求の範囲【請求項1】
第1の電極、正孔輸送層、光電変換層、電子輸送層、及び第2の電極が、前記順序で積層され、
前記光電変換層は、ペロブスカイト構造を含み、
前記正孔輸送層は、イオン化ポテンシャルが-5.4eV~-5.7eVの範囲であることを特徴とする光電変換素子。
続きを表示(約 3,300 文字)【請求項2】
前記正孔輸送層が、下記化学式(I)で表される化合物を含む請求項1記載の光電変換素子。
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2025014125000061.tif
46
158
前記化学式(I)において、
Ar

は、芳香環を含む構造であり、前記芳香環を構成する原子中にヘテロ原子を含んでいても含んでいなくてもよく、
Ar

は、-L

-X

以外の置換基を有していても有していなくてもよく、
-L

-X

は、1つでも複数でもよく、複数の場合は、各L

及び各X

は、互いに同一であっても異なっていてもよく、
各L

は、Ar

とX

とを結合する原子団であるか、又は共有結合であり、
各X

は、それぞれ、前記第1の電極との間で電荷を授受可能な基である。
【請求項3】
前記化学式(I)において、
各X

が、それぞれ、ホスホン酸基(-P=O(OH)

)、カルボキシ基(-COOH)、スルホ基(-SO

H)、ボロン酸基(-B(OH)

)、又はトリハロゲン化シリル基(-SiX

、ただしXはハロ基)、トリアルコキシシリル基(-Si(OR)

、ただしRはアルキル基)である請求項2記載の光電変換素子。
【請求項4】
前記化学式(I)において、前記Ar

が、下記化学式(I-1)で表される請求項2または3記載の光電変換素子。
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2025014125000062.tif
60
157
前記化学式(I-1)中、
Ar
11
は、環状構造を含む原子団であり、前記環状構造は、芳香環でも非芳香環でもよく、単環でも縮合環でもスピロ環でもよく、環を構成する原子中にヘテロ原子を含んでいても含んでいなくてもよく、
Ar
12
は、芳香環であり、環を構成する原子中にヘテロ原子を含んでいても含んでいなくてもよく、
Ar
12
は、1つ以上の原子をAr
11
と共有してAr
11
と一体化していてもよく、
Ar
12
は、1つでも複数でもよく、複数の場合は互いに同一でも異なっていてもよい。
【請求項5】
前記化学式(I-1)において、前記Ar
11
が、下記化学式(a1)~(a10)のいずれかで表される請求項4記載の光電変換素子。
TIFF
2025014125000063.tif
192
154
【請求項6】
前記化学式(I-1)において、前記各Ar
12
が、それぞれ下記化学式(b)で表される請求項4又は5記載の光電変換素子。
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2025014125000064.tif
59
157
前記化学式(b)において、
炭素原子C

及びC

は、前記化学式(I-1)中の前記Ar
11
における前記環状構造を構成する原子の一部を兼ねており、
前記R

は、水素原子、前記化学式(I)中のX

、又は置換基であり、前記置換基は水素原子を含んでいても含んでいなくてもよく、前記置換基中の水素原子の少なくとも一つは、前記化学式(I)中のX

で置換されていてもよく、
前記各R
11
は、互いに同一でも異なっていてもよく、それぞれ水素原子若しくは置換基であるか、又は、隣接する2つのR
11
は、それらが結合するベンゼン環と一体となって縮合環を形成していてもよく、
前記各R
11
は、さらに置換基を有していても有していなくてもよい。
【請求項7】
前記化学式(b)が、下記化学式(b1)~(b7)のいずれかで表される請求項6記載の光電変換素子。
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2025014125000065.tif
191
163
前記化学式(b1)~(b7)において、C

、C

及びR

は、それぞれ、前記化学式(b)と同じである。
【請求項8】
前記化学式(I)で表される化合物が、下記化学式A-1~A-23のいずれかで表される化合物である請求項2から7のいずれか一項に記載の光電変換素子。
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2025014125000066.tif
184
162
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2025014125000067.tif
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2025014125000070.tif
113
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2025014125000071.tif
155
170
前記化学式A-1~A-23において、
前記各R

は、それぞれ、水素原子であるか、前記化学式(I)中のX

であるか、又は、前記化学式(I)中のX

でさらに置換された置換基であり、互いに同一でも異なっていてもよく、
前記各R

のうち少なくとも1つは、前記化学式(I)中のX

であるか、又は、前記化学式(I)中のX

でさらに置換された置換基であり、
前記R

は、置換基であり、1つでも複数でも存在しなくてもよく、複数の場合は、各R

は、互いに同一でも異なっていてもよい。
【請求項9】
前記化学式(I)で表される化合物が、下記化学式4PATAT、1-legged-3PATAT、1-legged-3PATAT-H、2-legged-3PATAT、4PATTI-C3、又は4PATTI-C4で表される化合物である請求項2から8のいずれか一項に記載の光電変換素子。
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2025014125000072.tif
104
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【請求項10】
第1の電極、正孔輸送層、光電変換層、電子輸送層、及び第2の電極が、前記順序で積層され、
前記光電変換層は、ペロブスカイト構造を含み、
前記正孔輸送層は、請求項2記載の前記化学式(I)で表される化合物を含むことを特徴とする光電変換素子。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、光電変換素子及び化合物に関する。
続きを表示(約 3,400 文字)【背景技術】
【0002】
近年、クリーンエネルギーとして、太陽光発電が注目を浴びており、太陽電池の開発が進んでいる。その一つとして、低コストで製造可能な次世代型の太陽電池として、ペロブスカイト材料を光吸収層に用いた太陽電池が急速に注目を集めている。例えば、非特許文献1では、ペロブスカイト材料を光吸収層に用いた溶液型の太陽電池が報告されている。また、非特許文献2には、固体型のペロブスカイト型太陽電池が高効率を示すことも報告されている。
【0003】
ペロブスカイト型太陽電池の基本構造としては、電極の上に、電子輸送層、光吸収層(ペロブスカイト層)、正孔輸送層(ホール輸送層とも言う)及び裏面電極をこの順に積層する順型構造、電極の上に、正孔輸送層、光吸収層、電子輸送層及び裏面電極を個の順に積層する逆型構造が知られている。電子輸送層とペロブスカイト層との間に多孔質形状からなる電子輸送層を備えることもある。このうち、正孔輸送層には、一般的には、有機半導体の正孔輸送性材料が用いられている(例えば、非特許文献3~10)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
Journal of the American Chemical Society, 2009, 131, 6050-6051.
Science, 2012, 388, 643-647.
ACS Appl. Mater. Interfaces, 2017, 9, 24778-24787.
Energy Environ. Sci., 2014, 7, 1454-1460.
J. Mater. Chem. A, 2014, 2, 6305-6309.
J. Mater. Chem. A, 2015, 3, 12139-12144.
J. Mater. Chem. A, 2018, 6, 7950-7958.
ACS Appl. Mater. Interfaces, 2015, 7, 11107-11116.
Energy & Environmental Science 2014, 7, 2963-2967.
Adv. Energy Mater., 2018, 8, 1801892.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来のペロブスカイト型太陽電池は、その光電変換効率が十分とは言えない。太陽電池の光電変換効率を改善するためには、特に、正孔輸送層の特性の改善が重要である。正孔輸送層に用いる正孔輸送性材料としては、例えば、これまでに、トラクセン化合物(非特許文献3)、ジケトピロロピロール化合物(非特許文献4)、チオフェン化合物(非特許文献5、6)、ジチエノピロール(非特許文献7)等が報告されている。しかし、ペロブスカイト型太陽電池として有用と言えるほどの光電変換効率を発揮することができる化合物はほとんど報告されていない。そこで、色素増感型太陽電池用の正孔輸送材料として開発されたSpiro-OMeTAD([2,2',7,7'-テトラキス(N,N-ジ-p-メトキシフェニルアミノ)-9,9'-スピロビフルオレン])が提案されているが、耐熱性が低いことが知られている(非特許文献8)。また、PTAA(ポリ[ビス(4-フェニル)(2,4,6-トリメチルフェニル)アミン])とよばれるトリフェニルアミン骨格をもつポリマー材料も耐光性が低いことが知られている。さらに、これらの材料をpバッファ層用の正孔輸送材料として用いる場合、添加物としてLiTFSI塩(リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド)を加えて導電性を改良する必要があり、これが素子の劣化の原因の一つになってしまうと考えられる(非特許文献9)。また、近年、ホスホン酸を有するカルバゾール型の正孔輸送材料が報告された(非特許文献10)。この化合物は透明電極として用いられているインジウムスズ化合物(ITO)と反応し、透明電極上で単分子層を形成するものである。この化合物は、20%を超える光電変換効率が報告されており、非常に有効な化合物であるが、一方で、V1036という化合物をITOに吸着した状態でのイオン化ポテンシャル(IP)が-4.98eVであり、容易に酸化されやすい(すなわち耐久性が低い)。このような現状から、特に正孔輸送層が優れた光電変換特性を示し、かつ高い耐久性を有する材料が求められている。
【0006】
そこで、本発明は、正孔輸送層が優れた光電変換特性を示し、かつ高い耐久性を有する光電変換素子、及び化合物の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するために、本発明の第1の光電変換素子は、
第1の電極、正孔輸送層、光電変換層、電子輸送層、及び第2の電極が、前記順序で積層され、
前記光電変換層は、ペロブスカイト構造を含み、
前記正孔輸送層は、イオン化ポテンシャルが-5.4eV~-5.7eVの範囲であることを特徴とする。
【0008】
本発明の第2の光電変換素子は、
第1の電極、正孔輸送層、光電変換層、電子輸送層、及び第2の電極が、前記順序で積層され、
前記光電変換層は、ペロブスカイト構造を含み、
前記正孔輸送層は、下記化学式(I)で表される化合物を含むことを特徴とする。
TIFF
2025014125000002.tif
46
158
前記化学式(I)において、
Ar

は、芳香環を含む構造であり、前記芳香環を構成する原子中にヘテロ原子を含んでいても含んでいなくてもよく、
Ar

は、-L

-X

以外の置換基を有していても有していなくてもよく、
-L

-X

は、1つでも複数でもよく、複数の場合は、各L

及び各X

は、互いに同一であっても異なっていてもよく、
各L

は、Ar

とX

とを結合する原子団であるか、又は共有結合であり、
各X

は、それぞれ、前記第1の電極との間で電荷を授受可能な基である。
【0009】
本発明の化合物は、下記化学式(I)で表されることを特徴とする。
TIFF
2025014125000003.tif
46
158
前記化学式(I)において、
Ar

は、芳香環を含む構造であり、前記芳香環を構成する原子中にヘテロ原子を含んでいても含んでいなくてもよく、
Ar

は、-L

-X

以外の置換基を有していても有していなくてもよく、
-L

-X

は、1つでも複数でもよく、複数の場合は、各L

及び各X

は、互いに同一であっても異なっていてもよく、
各L

は、Ar

とX

とを結合する原子団であるか、又は共有結合であり、
各X

は、それぞれ、電極との間で電荷を授受可能な基である。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、正孔輸送層が優れた光電変換特性を示し、かつ高い耐久性を有する光電変換素子、及び化合物を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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