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公開番号2025012026
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-24
出願番号2023114548
出願日2023-07-12
発明の名称周波数安定化装置、および原子時計装置
出願人株式会社島津製作所
代理人弁理士法人深見特許事務所
主分類H01S 1/06 20060101AFI20250117BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】レーザ光の周波数を好適に安定化させる。
【解決手段】変調信号を用いてレーザ光の位相を変調する電気光学変調器13と、電気光学変調器13によって変調されたレーザ光を共振させる光共振器16と、光共振器16と変調信号とに基づき、レーザ装置10によって照射されるレーザ光の周波数を調整するサーボ回路22とを備える。光共振器16は、電気光学変調器13によって変調されたレーザ光の周波数帯のうち、サイドバンドに対応する周波数のレーザ光を光共振器16において共振させる。
【選択図】図4
特許請求の範囲【請求項1】
原子時計装置であって、
真空容器と、
前記真空容器に対して原子ビームを放射する原子発生装置と、
前記原子発生装置により前記原子ビームが放射された状態で前記真空容器に対してレーザ光を照射することによって、原子のエネルギー準位間遷移を励起するレーザ装置と、
前記真空容器において発生した前記原子のエネルギー遷移確率に比例して生じる光強度を検出する検出装置と、
前記検出装置によって検出された前記光強度に基づき前記レーザ装置によって照射される前記レーザ光の周波数を特定する制御装置と、
前記レーザ装置によって照射される前記レーザ光の周波数を安定化させる周波数安定化装置とを備え、
前記周波数安定化装置は、
変調信号を用いて前記レーザ光の位相を変調する位相変調部と、
前記位相変調部によって変調された前記レーザ光を共振させる光共振部と、
前記光共振部と前記変調信号とに基づき、前記レーザ装置によって照射される前記レーザ光の周波数を調整するレーザ調整部とを備え、
前記光共振部は、前記位相変調部によって変調された前記レーザ光の周波数帯のうち、サイドバンドに対応する周波数の前記レーザ光を前記光共振部において共振させる、原子時計装置。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
前記周波数安定化装置は、
前記変調信号を出力する発振部と、
前記光共振部から出力された前記レーザ光の一部を検出信号として検出する光検出部と、
前記検出信号と前記変調信号との比較値を算出する位相比較部とをさらに備え、
前記レーザ調整部は、前記比較値に基づいて前記レーザ装置によって照射される前記レーザ光の周波数を調整する、請求項1に記載の原子時計装置。
【請求項3】
前記光共振部は、共振器長を前記サイドバンドに対応する周波数に対応した長さに変更可能である、請求項1または請求項2に記載の原子時計装置。
【請求項4】
前記周波数安定化装置は、前記レーザ装置と前記位相変調部との間に配置され、前記レーザ装置によって照射された前記レーザ光の一部を前記原子時計装置に誘導する誘導部をさらに備える、請求項1または請求項2に記載の原子時計装置。
【請求項5】
前記レーザ装置は、第1波長の第1レーザ光を照射する第1レーザ装置と、第2波長の第2レーザ光を照射する第2レーザ装置とを含み、
前記周波数安定化装置は、前記第1レーザ光および前記第2レーザ光の各々の周波数を安定化させる、請求項1または請求項2に記載の原子時計装置。
【請求項6】
前記発振部は、前記光共振部において前記サイドバンドに対応する周波数の前記レーザ光が共振可能な前記変調信号を前記位相変調部へ出力する、請求項2に記載の原子時計装置。
【請求項7】
前記位相比較部は、前記検出信号と、位相が180度反転した前記変調信号とを比較することで、前記比較値を算出する、請求項2に記載の原子時計装置。
【請求項8】
少なくとも1つのレーザ装置によって照射されるレーザ光の周波数を安定化させる周波数安定化装置であって、
変調信号を用いて前記レーザ光の位相を変調する位相変調部と、
前記位相変調部によって変調された前記レーザ光を共振させる光共振部と、
前記光共振部と前記変調信号とに基づき、前記レーザ装置によって照射される前記レーザ光の周波数を調整するレーザ調整部とを備え、
前記光共振部は、前記位相変調部によって変調された前記レーザ光の周波数帯のうち、サイドバンドに対応する周波数の前記レーザ光を前記光共振部において共振させる、周波数安定化装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、レーザ光の周波数を安定化させる周波数安定化装置、および周波数安定化装置から照射されるレーザ光を用いた原子時計装置に関する。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
レーザ光の周波数を安定化させる手法の一つとして、PDH(Pound-Drever-Hall)法がある。PDH法は、光共振器を用いてレーザ光の周波数を安定化させる手法である。PDH法では、電気光学変調器(EOM: Electro-Optic Modulator)によって周波数f

の位相変調をかけられたレーザ光が光共振器に入射する。光共振器から反射した光を偏光ビームスプリッタ(PBS: Polarizing Beam Splitter)で取り出し、光検出器(フォトダイオード)で受光するとキャリアとサイドバンドとの間のビート信号が得られる。PDH法では、得られたビート信号をフィードバック制御のエラー信号として用いることで、キャリアが光共振器の共鳴となる周波数でレーザ光の周波数を安定化させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
R. W. P. Drever, J. L. Hall, F. V. Kowalski, J. Hough, G. M. Ford, A. J. Munley and H. Ward, “Laser Phase and Frequency Stabilization Using an Optical Resonator” Appl. Phys. B: Photophys. Laser Chem. 31, 97-105 (1983).
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
PDH法による周波数の安定度は、光共振器における共振器長の安定度に左右される。共振器長は、極力変化しないことが望ましい。共振器長を変化させる要因の一つは、光共振器に入射する光量の変化である。光共振器に入射し一対のミラー間を往復する光は、共振器内部を加熱し、輻射圧によって光共振器のミラーに力を与える。光共振器に入射する光は、光共振器の熱雑音を生じさせ、この熱雑音によっても周波数の安定度が変化する。したがって、光共振器に入射する光の信号強度は、小さい方が望ましい。
【0005】
一方、光共振器に入射する光の信号強度が小さくなると、光検出器でレーザ光を受光する際、キャリアとサイドバンドとの干渉光の強度が小さくなり、光検出器で検出された光の信号のS/N比が低下する。その結果、レーザ光の周波数の安定度が悪化する。すなわち、光共振器に入射する光量は、小さければ小さいほど、光共振器における共振器長が安定する一方で、光検出器で検出される光の信号のS/N比が低下するという、トレードオフの関係がある。
【0006】
本開示は、かかる問題を解決するためになされたものであり、その目的は、レーザ光の周波数を好適に安定化させることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示は、原子時計装置に関する。原子時計装置は、真空容器と、真空容器に対して原子ビームを放射する原子発生装置と、原子発生装置により原子ビームが放射された状態で真空容器に対してレーザ光を照射することによって、原子のエネルギー準位間遷移を励起するレーザ装置と、真空容器において発生した原子のエネルギー遷移確率に比例して生じる光強度を検出する検出装置と、検出装置によって検出された光強度に基づきレーザ装置によって照射されるレーザ光の周波数を特定する制御装置と、レーザ装置によって照射されるレーザ光の周波数を安定化させる周波数安定化装置とを備える。周波数安定化装置は、変調信号を用いてレーザ光の位相を変調する位相変調部と、位相変調部によって変調されたレーザ光を共振させる光共振部と、光共振部と変調信号とに基づき、レーザ装置によって照射されるレーザ光の周波数を調整するレーザ調整部とを備える。光共振部は、位相変調部によって変調されたレーザ光の周波数帯のうち、サイドバンドに対応する周波数のレーザ光を光共振部において共振させる。
【0008】
本開示は、少なくとも1つのレーザ装置によって照射されるレーザ光の周波数を安定化させる周波数安定化装置に関する。周波数安定化装置は、変調信号を用いてレーザ光の位相を変調する位相変調部と、位相変調部によって変調されたレーザ光を共振させる光共振部と、光共振部と変調信号とに基づき、レーザ装置によって照射されるレーザ光の周波数を調整するレーザ調整部とを備える。光共振部は、位相変調部によって変調されたレーザ光の周波数帯のうち、サイドバンドに対応する周波数のレーザ光を光共振部において共振させる。
【発明の効果】
【0009】
本開示の周波数安定化装置、および原子時計装置によれば、サイドバンドに対応する周波数のレーザ光を共振させることによってレーザ光の周波数を好適に安定化させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
実施の形態1に係る光格子型原子時計の機能ブロック図である。
光格子の概念図である。
実施の形態1に係る周波数安定化装置の機能ブロック図である。
レーザ光の周波数成分について説明するための図である。
エラー信号のシミュレーションを示すグラフである。
周波数安定化装置の周波数安定化処理を示すフローチャートである。
実施の形態2に係る周波数安定化装置の機能ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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