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公開番号
2025010627
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-01-22
出願番号
2024189461,2022521858
出願日
2024-10-29,2021-05-06
発明の名称
軽度認知障害治療剤
出願人
株式会社島津製作所
,
国立研究開発法人国立循環器病研究センター
代理人
弁理士法人NSI国際特許事務所
主分類
A61K
31/4709 20060101AFI20250115BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約
【課題】本発明は、新たな軽度認知障害治療剤を提供することを主な課題とする。
【解決手段】本発明として、例えば、シロスタゾールまたはその塩を有効成分として含有する組成物であって、対象者に投与して軽度認知障害または認知症を治療するための当該有効成分の第2用量を決定するために、その決定に先行して初期用量で当該有効成分が当該対象者に投与される、または当該初期用量で当該対象者に投与後、当該第2用量で当該有効成分が当該対象者に投与される、軽度認知障害または認知症の治療剤を挙げることができる。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
シロスタゾールまたはその塩を有効成分として含有する組成物であって、
対象者に投与して軽度認知障害または認知症を治療するための当該有効成分の第2用量を決定するために、その決定に先行して初期用量で当該有効成分が当該対象者に投与される、または当該初期用量で当該対象者に投与後、当該第2用量で当該有効成分が当該対象者に投与される、
軽度認知障害または認知症の治療剤。
続きを表示(約 1,200 文字)
【請求項2】
当該対象者に対する当該有効成分の初期用量投与後、当該対象者由来のサンプル中におけるシロスタゾール、OPC-13015、および/または他の代謝物の存在量が測定される、請求項1に記載の軽度認知障害または認知症の治療剤。
【請求項3】
当該対象者に対する当該有効成分の初期用量投与後、当該対象者由来のサンプル中における、測定されたシロスタゾールおよびOPC-13015の存在量の合計に対するシロスタゾールもしくはOPC-13015の存在比、またはシロスタゾール、OPC-13015ならびにOPC-13213および/またはOPC-13217の存在量の合計に対するOPC-13015の存在比が算出される、請求項2に記載の軽度認知障害または認知症の治療剤。
【請求項4】
当該有効成分の第2用量が、シロスタゾールまたはOPC-13015の前記存在比に基づき、シロスタゾールの医薬上許容される用量の範囲内で決定される、請求項3に記載の軽度認知障害または認知症の治療剤。
【請求項5】
当該有効成分の第2用量が、認知機能障害が改善されている、または維持していることが既知の認知機能障害改善/維持群におけるシロスタゾールまたはOPC-13015の前記存在比を基準レベルとして、当該対象者におけるシロスタゾールの存在比がその基準レベルより高い場合に、またはOPC-13015の存在比がその基準レベルより低い場合に、シロスタゾールの医薬上許容される用量の範囲内で初期用量より多い用量で決定される、請求項4に記載の軽度認知障害または認知症の治療剤。
【請求項6】
当該有効成分の第2用量が、認知機能障害が悪化していることが既知の認知機能障害悪化群におけるシロスタゾールまたはOPC-13015の前記存在比を基準レベルとして、当該対象者におけるシロスタゾールの存在比がその基準レベルより高い場合に、またはOPC-13015の存在比がその基準レベルより低い場合に、シロスタゾールの医薬上許容される用量の範囲内で初期用量より多い用量で決定される、請求項4または5に記載の軽度認知障害または認知症の治療剤。
【請求項7】
前記有効成分の初期用量が50mgで1日2回であり、第2用量が100mgで1日2回または150mgで1日2回である、請求項1に記載の軽度認知障害または認知症の治療剤。
【請求項8】
当該対象者からのサンプリングが、当該有効成分の初期用量投与後、1時間~7時間の範囲内に行われる、請求項2~7のいずれか一項に記載の軽度認知障害または認知症の治療剤。
【請求項9】
前記サンプルが血漿である、請求項2に記載の軽度認知障害または認知症の治療剤。
【請求項10】
前記サンプルが、有機溶媒を用いた除タンパク法により前処理されている、請求項9に記載の軽度認知障害または認知症の治療剤。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2020年5月11日に日本国特許庁に出願された日本国出願番号第2020-83163号の利益を主張するものである。当該日本国出願は、その出願書類(明細書、特許請求の範囲、図面、要約書)の全体が本明細書に明示されているかのように全ての目的で参照により本明細書に援用される。
本発明は、認知障害治療剤の技術分野に属する。本発明は、シロスタゾールを有効成分として含有する軽度認知障害治療剤に関するものである。詳しくは、本発明は、シロスタゾールを有効成分として含有する軽度認知障害治療剤であって、当該シロスタゾールの用法用量に関するものである。
続きを表示(約 4,800 文字)
【背景技術】
【0002】
軽度認知障害(Mild cognitive impairment;MCI)は、認知症の一歩手前の状態である。認知症における物忘れのような記憶障害が出るものの症状はまだ軽く、正常な状態と認知症の中間に位置する疾患である。MCIでは、蓄積する有害タンパク質の種類に関わらず、初期においては軽度の認知機能の障害が観察されるが、この時点では脳神経組織の不可逆的な変性はまだ生じていないことが多い。
MCIの状態かどうかは、臨床的には、次のような事項などから診断される。
・記憶障害の訴えが本人または家族から認められているか
・客観的に1つ以上の認知機能(記憶や見当識など)の障害が認められるか
・日常生活動作は正常であるか
・認知症ではないか
【0003】
一方、認知症には、脳の異常部位の違いなどによりいくつかの種類があり、アルツハイマー型認知症、脳血管性認知症、前頭側頭型認知症、レビー小体病型認知症、パーキンソン病に伴う認知症などが知られている。これら認知症は、病理的にも不可逆的な神経変性が多く認められる。
代表的な認知症はアルツハイマー型であり、認知症の約5割から7割を占める(非特許文献1)。そして、アルツハイマー型認知症になる一歩手前のMCIの段階でも、アルツハイマー型認知症と同様にアルツハイマー病の原因である脳内アミロイドベータの蓄積が認められている。そのため、当該MCIを放置すると、数年でアルツハイマー型認知症を発症すると考えられる。
アルツハイマー型認知症を完治することは難しいが、一方、アルツハイマー病によるMCIは、適切な治療介入ができれば、認知症の発症を遅らせることが可能である。
【0004】
MCIか否かをスクリーニングする検査方法としては、例えば、MOCA(Montreal Cognitive Assessment)が知られている。MOCAは、視空間・遂行機能、命名、記憶、注意力、復唱、語想起、抽象概念、遅延再生、見当識からなる検査方法である。MOCAでは、25点以下がMCIであり、感度80~100%、特異度50~87%である。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
Blennow K, de Leon MJ, Zetterberg H. : Alzheimer's disease. Lancet. 2006 Jul 29; 368(9533): 387-403
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、軽度認知障害から認知症へ進行するのを予防又は遅らせる方法および治療剤を提供することを主な課題とする。また軽度認知障害の患者における認知機能の改善に有効な方法および治療剤を提供することも課題として挙げることができる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、鋭意検討した結果、MCIの治療において、シロスタゾールによる治療効果をモニタリングし、認知機能を改善できる新たな方法を構築し、これにより上記課題を解決しうることを見出し、本発明を完成するに到った。
本発明として、例えば、以下の態様を挙げることができる。
【0008】
[1]シロスタゾールまたはその塩を有効成分として含有する組成物であって、対象者に投与して軽度認知障害または認知症を治療するための当該有効成分の第2用量を決定するために、その決定に先行して初期用量で当該有効成分が当該対象者に投与される、または当該初期用量で当該対象者に投与後、当該第2用量で当該有効成分が当該対象者に投与される、軽度認知障害または認知症の治療剤。
[2]当該対象者に対する当該有効成分の初期用量投与後、当該対象者由来のサンプル中におけるシロスタゾール、OPC-13015、および/または他の代謝物の存在量が測定される、上記[1]に記載の軽度認知障害または認知症の治療剤。
[3]当該対象者に対する当該有効成分の初期用量投与後、当該対象者由来のサンプル中における、測定されたシロスタゾールおよびOPC-13015の存在量の合計に対するシロスタゾールもしくはOPC-13015の存在比、またはシロスタゾール、OPC-13015ならびにOPC-13213および/またはOPC-13217の存在量の合計に対するOPC-13015の存在比が算出される、上記[2]に記載の軽度認知障害または認知症の治療剤。
[4]当該有効成分の第2用量が、シロスタゾールまたはOPC-13015の前記存在比に基づき、シロスタゾールの医薬上許容される用量の範囲内で決定される、上記[3]に記載の軽度認知障害または認知症の治療剤。
[5]当該有効成分の第2用量が、認知機能障害が改善されている、または維持していることが既知の認知機能障害改善/維持群におけるシロスタゾールまたはOPC-13015の前記存在比を基準レベルとして、当該対象者におけるシロスタゾールの存在比がその基準レベルより高い場合に、またはOPC-13015の存在比がその基準レベルより低い場合に、シロスタゾールの医薬上許容される用量の範囲内で初期用量より多い用量で決定される、上記[4]に記載の軽度認知障害または認知症の治療剤。
[6]当該有効成分の第2用量が、認知機能障害が悪化していることが既知の認知機能障害悪化群におけるシロスタゾールまたはOPC-13015の前記存在比を基準レベルとして、当該対象者におけるシロスタゾールの存在比がその基準レベルより高い場合に、またはOPC-13015の存在比がその基準レベルより低い場合に、シロスタゾールの医薬上許容される用量の範囲内で初期用量より多い用量で決定される、上記[4]または[5]に記載の軽度認知障害または認知症の治療剤。
[7]前記有効成分の初期用量が50mgで1日2回であり、第2用量が100mgで1日2回または150mgで1日2回である、上記[1]~[6]のいずれか一項に記載の軽度認知障害または認知症の治療剤。
[8]当該対象者からのサンプリングが、当該有効成分の初期用量投与後、1時間~7時間の範囲内に行われる、上記[2]~[7]のいずれか一項に記載の軽度認知障害または認知症の治療剤。
[9]前記サンプルが血漿である、上記[2]~[8]のいずれか一項に記載の軽度認知障害または認知症の治療剤。
[10]前記サンプルが、有機溶媒を用いた除タンパク法により前処理されている、上記[9]に記載の軽度認知障害または認知症の治療剤。
[11]前記存在量または存在比が、LC、ELISA法、およびLC-MSからなる群から選択される方法により測定される、上記[2]~[10]のいずれか一項に記載の軽度認知障害または認知症の治療剤。
[12]前記認知症がアルツハイマー型認知症である、上記[1]~[11]のいずれか一項に記載の軽度認知障害または認知症の治療剤。
[13]前記軽度認知障害が見当識の低下である、上記[1]~[11]のいずれか一項に記載の軽度認知障害または認知症の治療剤。
[14]前記剤が経口投与型製剤である、上記[1]~[13]のいずれか一項に記載の軽度認知障害または認知症の治療剤。
[15]対象者が、間欠性跛行症または脳卒中と診断されていない、上記[1]~[14]のいずれか一項に記載の軽度認知障害または認知症の治療剤。
【0009】
[16]次の1~3の工程を含む、軽度認知障害または認知症を治療するためのシロスタゾールの第2用量を決定する方法:
1.シロスタゾールまたはその塩を有効成分として含有する組成物を初期用量で投与された対象者由来のサンプル中におけるシロスタゾールおよびOPC-13015の存在量、またはそれらに加えてOPC-13213および/またはOPC-13217の存在量を測定する工程、
2.シロスタゾールおよびOPC-13015の存在量の合計に対するシロスタゾールもしくはOPC-13015の存在比、またはシロスタゾール、OPC-13015ならびにOPC-13213および/またはOPC-13217の存在量の合計に対するOPC-13015の存在比を算出する工程、
3.上記存在比に基づき、シロスタゾールの医薬上許容される用量の範囲内でシロスタゾールの第2用量を決定する工程。
[17]さらに、認知機能障害が改善されている、または維持されていることが既知の認知機能障害改善/維持群における、シロスタゾールおよびOPC-13015の存在量の合計に対するシロスタゾールもしくはOPC-13015の存在比、またはシロスタゾール、OPC-13015ならびにOPC-13213および/またはOPC-13217の存在量の合計に対するOPC-13015の存在比と、当該対象者におけるシロスタゾールの存在比、またはOPC-13015の存在比とを比較する工程を含む、上記[16]に記載の方法。
[18]さらに、認知機能障害が悪化していることが既知の認知機能障害悪化群における、シロスタゾールおよびOPC-13015の存在量の合計に対するシロスタゾールもしくはOPC-13015の存在比、またはシロスタゾール、OPC-13015ならびにOPC-13213および/またはOPC-13217の存在量の合計に対するOPC-13015の存在比と、当該対象者におけるシロスタゾールの存在比、またはOPC-13015の存在比とを比較する工程を含む、上記[16]または[17]に記載の方法。
[19]当該対象者由来のサンプルが、当該有効成分の初期用量投与後、1時間~7時間の範囲内にサンプリングされたものである、上記[16]~[18]のいずれか一項に記載の方法。
[20]前記サンプルが血漿である、上記[16]~[19]のいずれか一項に記載の方法。
[21]前記サンプルは、有機溶媒を用いた除タンパク法により前処理されている、上記[20]に記載の方法。
[22]前記存在量または存在比が、LC、ELISA法、およびLC-MSからなる群から選択される方法により測定される、上記[16]~[21]のいずれか一項に記載の方法。
[23]前記認知症がアルツハイマー型認知症である、上記[16]~[22]のいずれか一項に記載の方法。
[24]前記軽度認知障害が見当識の低下である、上記[16]~[22]のいずれか一項に記載の方法。
【0010】
[25]上記[1]~[15]のいずれか一項に記載の軽度認知障害または認知症の治療剤;および
当該対象者に対する当該有効成分の初期用量投与後、当該対象者由来のサンプル中におけるシロスタゾール、OPC-13015、および/または他の代謝物の存在量を測定するための分析装置を含む、軽度認知障害または認知症の治療システム。
[26]さらに、検体前処理装置を含む、上記[25]に記載の軽度認知障害または認知症の治療システム。
[27]前記分析装置が、LC、LC-MS、LC-MS/MS、およびELISA分析装置からなる群から選択される装置である、上記[25]または[26]に記載の軽度認知障害または認知症の治療システム。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)
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