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公開番号
2025003011
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-01-09
出願番号
2023103445
出願日
2023-06-23
発明の名称
スイングロータ式遠心分離機、及び該遠心分離機を備える分析試料前処理装置
出願人
株式会社島津製作所
代理人
弁理士法人京都国際特許事務所
主分類
B04B
5/02 20060101AFI20241226BHJP(物理的または化学的工程を行なうための遠心装置または機械)
要約
【課題】ロータの回転を停止させたときに試料容器を確実に所定の位置に存在させることができるスイングロータ式遠心分離機を提供する。
【解決手段】スイングロータ式遠心分離機(10)は、回転軸(111)の周りに回転するロータ(11)と、前記ロータに、前記回転軸に垂直な回動軸の周りに回動可能に保持され、試料容器(20)を保持する保持部(113)を備えるキャリア(12)と、前記キャリアを前記回動軸に関して所定の角度に調整する傾き調整機構(13)とを備える。ロータの回転を停止させたときにキャリアを所定の角度に調整することにより、保持部に保持された試料容器を確実に所定の位置に存在させることができる。
【選択図】図2
特許請求の範囲
【請求項1】
回転軸の周りに回転するロータと、
前記ロータに、前記回転軸に垂直な回動軸の周りに回動可能に保持され、試料容器を保持する保持部を備えるキャリアと、
前記キャリアを前記回動軸に関して所定の角度に調整する傾き調整機構と
を備えるスイングロータ式遠心分離機。
続きを表示(約 750 文字)
【請求項2】
前記傾き調整機構が、前記キャリアを前記回動軸の周りに前記所定の角度まで回動させるように該キャリアの一部を押圧する押圧機構を備える、請求項1に記載のスイングロータ式遠心分離機。
【請求項3】
前記押圧機構が、前記キャリアの上部のうち前記回動軸よりも前記ロータの回転に関して外側の位置を、前記キャリアを前記回動軸の周りに前記所定の角度まで回動させる所定の高さまで下方に押圧するものである、請求項2に記載のスイングロータ式遠心分離機。
【請求項4】
前記押圧機構が、分析試料前処理装置が備えるロボットアームである、請求項3に記載のスイングロータ式遠心分離機。
【請求項5】
請求項3又は4に記載のスイングロータ式遠心分離機における前記キャリアの傾きを調整する方法であって、
前記キャリアの上部に水準器を載置したうえで、該上部のうち前記回動軸よりも前記ロータの回転に関して外側の位置を前記押圧機構で下方に押圧してゆき、該水準器が水平であることを示したときの該押圧機構の高さを前記所定の高さとして記録する予備実験を行い、
前記スイングロータ式遠心分離機の使用時に、前記ロータの回転を停止した後、前記位置を前記押圧機構により前記高さまで下方に押圧する
ことを特徴とするスイングロータ式遠心分離機のキャリアの傾き調整方法。
【請求項6】
請求項1~4のいずれか1項に記載のスイングロータ式遠心分離機と、
前記キャリアが前記所定の角度に調整された状態における前記保持部の位置と前記スイングロータ式遠心分離機の外部との間で試料容器を移動させるロボットアームと
を備える分析試料前処理装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、スイングロータ式遠心分離機、及び、クロマトグラフ等の分析装置で分析する試料に対する前処理を行うための装置であって該遠心分離機を備える分析試料前処理装置に関する。
続きを表示(約 2,400 文字)
【背景技術】
【0002】
分析装置において試料の分析が行われる前に、試料の前処理が行われることがある。例えば、特許文献1に記載の分析試料前処理装置は、クロマトグラフによる分析の前に試料の前処理を実行する装置であって、分析対象の試料を計量して試料容器内に導入する試料導入部、試料容器を振とうすることにより内容物を攪拌する振とう部、試料容器に所定の溶媒や内部標準試薬等の添加物を添加する添加部、試料容器に遠心力を加えることにより試料容器の内容物に対して遠心分離の処理を行う分離部、試料容器内で分離された分離物をピペットで抽出する抽出部等を備える。また、この分析試料前処理装置はベルトコンベア及びロボットアームを備え、それらにより上記各部間で試料容器を移送する。
【0003】
分離部では、スイングロータ式遠心分離機(例えば特許文献2参照)が好適に用いられる。スイングロータ式遠心分離機は、遠心分離処理時に略鉛直方向の軸の周りに高速回転するロータと、試料容器を収容するキャリアを備える。キャリアは、略水平な回動軸により、収容された試料容器が略鉛直方向(試料容器の底が下側となる方向)となる角度と略水平方向(試料容器の底がロータの回転の外側となる方向)となる角度の間で回動可能にロータに保持される。この遠心分離機を使用する際には、試料容器を略鉛直方向となるようにキャリアに取りつけた後、ロータを高速回転させる。これにより、試料容器は遠心力によって略水平となった状態で高速回転し、試料容器内の内容物に遠心力が試料容器の底に向く方向に働く。ロータの回転を停止させると、試料容器は略鉛直状態に戻る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2021-131335号公報
特開2014-151247号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
スイングロータ式遠心分離機では、停止時のロータの回転位置は制御されているが、キャリアを回動させる回動軸の摩擦抵抗等により、ロータの回転を停止させたときにキャリアが完全には元の向きまで戻らず、試料容器が略鉛直よりも手前のやや傾斜した状態でキャリアが停止することがある。そうすると、試料容器の姿勢が本来の戻るべき略鉛直状態からずれてしまい、その結果、試料容器の位置が本来の戻るべき位置からずれてしまう。上述の分析試料前処理装置のようにロボットアームを用いて試料容器を移送する場合には、所定の位置に試料容器が存在することを前提としてロボットアームが試料容器を取り出そうとするが、上記のようにスイングロータ式遠心分離機において試料容器が本来の位置からずれてしまうと試料容器をキャリアから取り出すことができなくなる。
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、ロータの回転を停止させたときに試料容器を確実に所定の位置に存在させることができるスイングロータ式遠心分離機、及び該遠心分離機を備える分析試料前処理装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために成された本発明に係るスイングロータ式遠心分離機は、
回転軸の周りに回転するロータと、
前記ロータに、前記回転軸に垂直な回動軸の周りに回動可能に保持され、試料容器を保持する保持部を備えるキャリアと、
前記キャリアを前記回動軸に関して所定の角度に調整する傾き調整機構と
を備える。
【0008】
本発明に係る分析試料前処理装置は、
前記スイングロータ式遠心分離機と、
前記キャリアが前記所定の角度に調整された状態における前記保持部の位置と前記スイングロータ式遠心分離機の外部との間で試料容器を移動させるロボットアームと
を備える。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係るスイングロータ式遠心分離機では、保持部に試料容器を保持した状態でロータを回転させることにより遠心分離処理を行った後、ロータの回転を停止させ、さらに、傾き調整機構によりキャリアを回動軸に関して所定の角度に調整する。これにより、ロータの回転を停止させた時点ではキャリアが回動軸に関して本来の(所定の)角度(傾き)とは異なる角度となった場合にも、傾き調整機構により所定の角度に調整される。これにより、保持部(及びそれに保持された試料容器)を確実に所定の位置に存在させることができる。そのため、ロボットアームを用いて、試料容器を保持部から取り出すことや、次に遠心分離処理を行う試料容器を保持部に保持させることを確実に実行することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本発明に係る分析試料前処理装置の実施形態を示す概略図。
本発明に係るスイングロータ式遠心分離機の一実施形態の構成を示す上面図(a)及びA-A縦断面図(b)。
本実施形態の遠心分離機において、ロータの回転前のキャリア(a)、ロータの回転中のキャリア(b)、及びロータの停止直後(傾き調整を行う前)のキャリア(c)の傾きの状態を示す図。
キャリアが傾斜していない状態でキャリアから試料容器を取り出す様子を示す図(a)、及びキャリアが傾斜していることによりキャリアから試料容器を取り出すことができない様子を示す図(b)。
キャリアの回動軸よりもロータの回転の外側の部分を所定の高さまで押し下げることによりキャリアの傾斜を調整する様子を示す図。
キャリアが傾斜していない状態における保持部の位置を求めるための操作を示す図。
キャリアの傾きを調整する際にキャリアを押す位置(a)及び引く位置(b)を示す図。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)
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