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公開番号2025129508
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-09-05
出願番号2024026185
出願日2024-02-26
発明の名称データ処理方法、情報処理装置、およびプログラム
出願人株式会社島津製作所
代理人弁理士法人深見特許事務所
主分類G01N 27/62 20210101AFI20250829BHJP(測定;試験)
要約【課題】pooled QCを使用せずに、分析装置で得られた測定値を補正すること。
【解決手段】データ処理方法は、分析装置による測定により得られた所定成分の測定値を補正するためにコンピュータによって実行される。データ処理方法は、測定値を受け付けるステップS14と、測定値を用いて第1の基準値および第2の基準値を算出するステップS20,S22を含む。データ処理方法は、第1の基準値および第2の基準値を用いて、測定値を補正するステップS24を含む。
【選択図】図7
特許請求の範囲【請求項1】
複数のサンプルを分析装置で測定し得られた所定成分の測定値のうちN番目(Nは3≦Nを満たす整数)の測定値を補正するためにコンピュータによって実行されるデータ処理方法であって、
前記コンピュータは、プロセッサと、インターフェイスと、を備え、
前記インターフェイスによって、前記分析装置により得られた複数の測定値を受け付けるステップと、
前記プロセッサによって、少なくともM番目とQ番目(MおよびQはM<N<Qを満たす自然数)の測定を含む2以上の測定時において、前記複数のサンプルの各々を混合して得られる標準サンプルを測定した場合に得られる各々の基準値を推定するステップと、
前記プロセッサによって、前記各々の基準値を用いて、前記N番目の測定値を補正するステップと、を含み、
前記各々の基準値を推定するステップは、
前記プロセッサによって、T(TはT<Qを満たす自然数)からQ番目の測定値を用いて、前記標準サンプルをQ番目の測定時に測定した場合に得られるQ番目の基準値を推定するステップと、
前記プロセッサによって、L(LはL<Mを満たす自然数)からM番目の測定値を用いて、前記標準サンプルをM番目の測定時に測定した場合に得られるM番目の基準値を推定するステップと、を有するデータ処理方法。
続きを表示(約 1,200 文字)【請求項2】
前記Q番目の基準値を推定するステップは、測定の順番がQ番目の測定に近い測定時に得られた測定値に大きな係数を乗じて重み付けするステップを有し、
前記M番目の基準値を推定するステップは、測定の順番がM番目の測定に近い測定時に得られた測定値に大きな係数を乗じて重み付けするステップを有する、請求項1に記載のデータ処理方法。
【請求項3】
前記各々の基準値を推定するステップは、前記複数の測定値の平均である平均値を算出するステップをさらに有し、
前記Q番目の基準値を推定するステップおよび前記M番目の基準値を推定するステップでは、前記平均値が用いられる、請求項1に記載のデータ処理方法。
【請求項4】
前記Q番目の基準値を推定するステップは、k番目の測定値をP(k)とし、k番目の基準値をI(k)とした場合に、rをTとし、kをQとして式(1)にてQ番目の基準値を算出するステップを有し、
TIFF
2025129508000006.tif
15
114
前記M番目の基準値を推定するステップは、rをLとし、kをMとして式(1)にてM番目の基準値を算出するステップを有する、請求項1または請求項2に記載のデータ処理方法。
【請求項5】
前記Q番目の基準値を推定するステップは、k番目の測定値をP(k)とし、k番目の基準値をI(k)とした場合に、前記複数の測定値の平均値をPmeanとし、rをTとし、kをQとして式(2)にてQ番目の基準値を算出するステップを有し、
TIFF
2025129508000007.tif
15
114
前記M番目の基準値を推定するステップは、rをLとし、kをMとして式(2)にてM番目の基準値を算出するステップを有する、請求項1または請求項3に記載のデータ処理方法。
【請求項6】
前記Tおよび前記Lは1である、請求項1~3のいずれか1項に記載のデータ処理方法。
【請求項7】
前記N番目の測定値を補正するステップは、前記Q番目の基準値および前記M番目の基準値を用いてLOESS平滑化を行い算出された近似曲線に基づいて前記N番目の測定値を補正する、請求項1~3のいずれか1項に記載のデータ処理方法。
【請求項8】
前記測定値のうち異常値を検出し除外するステップを、さらに備える請求項1~3のいずれか1項に記載のデータ処理方法。
【請求項9】
前記異常値は、前記測定値のPCAからスコアプロットを利用したクラスタ分析手法、および箱ひげ図を用いた検出手法のいずれか1つの手法を用いて検出される、請求項8に記載のデータ処理方法。
【請求項10】
前記測定値において、欠損値を補完するステップを、さらに備える請求項1~3のいずれか1項に記載のデータ処理方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、データ処理方法、情報処理装置、およびプログラムに関し、より特定的には、分析装置により取得された測定値を補正するためのデータ処理に関する。
続きを表示(約 3,200 文字)【背景技術】
【0002】
分析装置により得られる測定値は、測定時の温度、湿度、分析装置の状態、および分析装置の機差に影響を受ける場合がある。たとえば、質量分析装置において、質量分析部の汚れが測定感度に影響を与える場合がある。したがって、同一のサンプルを同一の質量分析装置で測定した場合であっても、質量分析部の洗浄の前後では、得られる測定値が異なる場合がある。したがって、分析装置により得られた測定値は、測定誤差を含み得る。測定誤差は、たとえば、試料が測定されたタイミングが異なることに起因する誤差、試料が測定された環境が異なることに起因する誤差、試料の分析に用いられた機器が異なることに起因する誤差である。
【0003】
当該測定誤差を補正する方法として、Dunn, Warwick B., et al. "Procedures for large-scale metabolic profiling of serum and plasma using gas chromatography and liquid chromatography coupled to mass spectrometry." Nature protocols 6.7 (2011): 1060-1083.(非特許文献1)は、全てのサンプルを同量混合したpooled QCの測定値に基づいて、サンプルの測定値を補正する技術を開示している。非特許文献1では、サンプルの測定の合間にpooled QCを測定する。測定後にpooled QCの測定値のみでLOESS平滑化を行い、近似曲線を算出する。算出された近似曲線に基づいて、各サンプルの測定値を補正する。この方法は、QC-based robust LOESS signal correction(QC-RLSC)法と呼ばれる。
【0004】
pooled QCは、全てのサンプルを同量ずつ混合させて作成される。全てのサンプルを同量ずつ混合させることにより、pooled QCが含む各成分の量は、当該成分の全サンプルの平均となる。すなわち、pooled QCの測定値は、全サンプルの測定値の平均値に近づくので、pooled QCの測定値がサンプルの測定値と極端に異なることを防ぐことができる。また、全てのサンプルを混合してpooled QCを作成することで、少なくともいずれか1つのサンプルに含まれる成分は、pooled QCに含まれることになる。したがって、補正の対象となる成分が測定の開始時に未知であっても、当該成分の測定値について測定後に補正処理を実行することができる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
Dunn, Warwick B., et al. "Procedures for large-scale metabolic profiling of serum and plasma using gas chromatography and liquid chromatography coupled to mass spectrometry." Nature protocols 6.7 (2011): 1060-1083.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
非特許文献1において開示された方法では、全てのサンプルを同量ずつ混合させてpooled QCが作成される。そのため、たとえば、サンプルが固体である場合には、pooled QCを作成することが困難な場合がある。したがって、pooled QCを作成せずに、同等の補正手法によりサンプルの測定値を補正できるようなデータ処理手法が求められている。
【0007】
本開示は、このような事情を鑑みてなされたものであり、その目的は、pooled QCを使用せずに、分析装置で得られた測定値を補正するための技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の第1の態様に従うデータ処理方法は、複数のサンプルを分析装置で測定し得られた所定成分の測定値のうちN番目(Nは3≦Nを満たす整数)の測定値を補正するためにコンピュータによって実行される。コンピュータは、プロセッサと、インターフェイスと、を備える。当該データ処理方法は、1)インターフェイスによって、分析装置により得られた複数の測定値を受け付けるステップと、2)プロセッサによって、少なくともM番目とQ番目(MおよびQはM<N<Qを満たす自然数)の測定を含む2以上の測定時において、複数のサンプルの各々を混合して得られる標準サンプルを測定した場合に得られる各々の基準値を推定するステップと、3)プロセッサによって、各々の基準値を用いて、N番目の測定値を補正するステップと、を含む。各々の基準値を推定するステップは、a)プロセッサによって、T(TはT<Qを満たす自然数)からQ番目の測定値を用いて、標準サンプルをQ番目の測定時に測定した場合に得られるQ番目の基準値を推定するステップと、b)プロセッサによって、L(LはL<Mを満たす自然数)からM番目の測定値を用いて、標準サンプルをM番目の測定時に測定した場合に得られるM番目の基準値を推定するステップと、を有する。
【0009】
本開示の第2の態様に従う情報処理装置は、少なくとも1つ以上のプロセッサと、1つ以上のプロセッサにアクセス可能なメモリと、を備える。メモリは、プロセッサによって実行される1つ以上の命令を格納する。プロセッサは、1つ以上の命令を実行することにより、複数のサンプルを分析装置で測定し得られた所定成分の測定値を受け付け、少なくともM番目とQ番目(MおよびQはM<Qを満たす自然数)の測定を含む2以上の測定時において、複数のサンプルの各々を混合して得られる標準サンプルを測定した場合に得られる各々の基準値を推定し、各々の基準値を用いて、N番目(Nは、M<N<Qを満たす自然数)の測定値を補正する。プロセッサは、各々の基準値を推定する際に、T(TはT<Qを満たす自然数)からQ番目の測定値を用いて、標準サンプルをQ番目の測定時に測定した場合に得られるQ番目の基準値を推定し、L(LはL<Mを満たす自然数)からM番目の測定値を用いて、標準サンプルをM番目の測定時に測定した場合に得られるM番目の基準値を推定する。
【0010】
本開示の第3の態様に従うプログラムは、コンピュータに搭載されるプロセッサによって実行される。プログラムは、コンピュータに、複数のサンプルを分析装置で測定し得られた所定成分の測定値を受け付けることと、少なくともM番目とQ番目(MおよびQはM<Qを満たす自然数)の測定を含む2以上の測定時において、複数のサンプルの各々を混合して得られる標準サンプルを測定した場合に得られる各々の基準値を推定することと、各々の基準値を用いて、N番目(Nは、M<N<Qを満たす自然数)の測定値を補正することと、を実行させる。プログラムは、コンピュータに、各々の基準値を推定する際に、T(TはT<Qを満たす自然数)からQ番目の測定値を用いて、標準サンプルをQ番目の測定時に測定した場合に得られるQ番目の基準値を推定することと、L(LはL<Mを満たす自然数)からM番目の測定値を用いて、標準サンプルをM番目の測定時に測定した場合に得られるM番目の基準値を推定することと、を実行させる。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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