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公開番号
2025065661
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-04-22
出願番号
2023175016
出願日
2023-10-10
発明の名称
固液遠心分級装置
出願人
三菱化工機株式会社
代理人
個人
主分類
B04B
1/02 20060101AFI20250415BHJP(物理的または化学的工程を行なうための遠心装置または機械)
要約
【課題】分級精度及び処理時間の大幅な短縮など処理能力を向上し得る固液遠心分級装置を提供する。
【解決手段】遠心力により回転筒部内において固形物と液体とに分級し、分級された液体と固形物とをそれぞれ個別に回収する遠心分級装置であって、回転軸方向で両端を開放した中空の回転筒部1と、被処理流体を回転筒部1の上方から供給する被処理流体供給部31と、回転筒部1の一端開放口5上で回転可能に備えられ、被処理流体供給部31から供給された被処理流体に初期の遠心力を与えて回転筒部1内へと被処理流体を送るインペラー部43と、を含む。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
遠心力により回転筒部内において固形物と液体とに分級し、分級された液体と固形物とをそれぞれ個別に回収する遠心分級装置であって、
回転軸方向で両端を開放した中空の回転筒部と、
被処理流体を前記回転筒部の上方から供給する被処理流体供給部と、
前記回転筒部の一端開放口上で回転可能に備えられ、前記被処理流体供給部から供給された前記被処理流体に初期の遠心力を与えて前記回転筒部内へと前記被処理流体を送るインペラー部と、を含むことを特徴とする固液遠心分級装置。
続きを表示(約 880 文字)
【請求項2】
前記回転筒部の他端開放口の外方に配設されており、分級作業終了後、前記他端開放口から前記回転筒部内に挿入され、前記回転筒部内面に付着した固形物を掻き取り回収する掻き取り回収部を含むことを特徴とする請求項1に記載の固液遠心分級装置。
【請求項3】
前記インペラー部は、前記回転筒部の一端開放口上に一体に構成され、前記回転筒部と同期して回転することを特徴とする請求項2に記載の固液遠心分級装置。
【請求項4】
前記インペラー部は、
鉛直方向で上端を水平方向に裁断して円錐台状に形成した本体部と、
前記本体部の外面に、前記本体部の上端から裾部方向に向けて湾曲状に形成した複数のスプライン突部と、で構成し、
前記スプライン突部は、
前記突部に沿って前記回転筒部内へと送り出される被処理流体が、前記回転筒部の内面上端の所定領域を避けて前記回転筒部内面に衝突することで、前記所定領域が、前記固形物が付着しにくい固形物付着抑制領域となるように、前記スプライン突部を湾曲形成していることを特徴とする請求項3に記載の固液遠心分級装置。
【請求項5】
前記掻き取り回収部は、前記回転筒部の他端開放口の内径及び前記回転筒部の内面に付着する固形物層の内径よりも小径に形成されると共に、前記回転筒部内に挿入され、前記固形物付着抑制領域に達した際に、前記固形物付着抑制領域の前記回転筒部内面に摺接あるいは近接できるように変形可能に構成されていることを特徴とする請求項2に記載の固液遠心分級装置。
【請求項6】
前記掻き取り回収部は、鉛直方向に昇降作動可能に構成されると共に、前記回転筒部が回転あるいは自己が回転しつつ降下することにより前記固形物を掻き取り回収することを特徴とする請求項5に記載の固液遠心分級装置。
【請求項7】
前記回転筒部は、鉛直方向上下位置で軸受により両持ち保持されていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の固液遠心分級装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、遠心力により固形物と液体とに分級可能な固液遠心分級装置に関する。
続きを表示(約 2,500 文字)
【背景技術】
【0002】
例えば近年需要が増えているスマートフォンや人工知能を搭載した電子機器などにおいて、小型化、高性能化のニーズから内部で使用されている電子部品では高密度化、高集積化が進んでいる。このは高密度化、高集積化のために使用される電子材料もその素材粒子のレベルで微細化や均質化が求められている。
【0003】
電子材料の素材粒子は例えば1μm以下のいわゆるサブミクロンサイズであることから、遠心分離による湿式分級も有効な手段となっている。しかしながら、高遠心力場で分離、沈殿した粒子はある程度の硬さをもつ固形物となり易い為、従来の遠心分離機では構造上その排出を自動では出来ず、生産性の面から高精度の湿式分級を実現しながら自動排出機能をもつ装置のニーズが高まっている。
【0004】
固液遠心分級装置としては、例えば、特許文献1に開示の固液遠心分級装置が開示されており、現状においてほぼこの形態のものが使用されている。
この特許文献1に開示の装置は、鉛直方向軸を回転中心として回転可能に構成された回転筒部内に、回転筒部と同期して回転する平面視で十字状に構成された4枚の矩形状フィンを内装している。
そして、鉛直方向で回転筒部の下方から被処理流体を供給し、高速回転する筒部及びフィンによる遠心力により回転力を与え、重力に抗して筒部上方へと送りながら固形物と液体とに分離させている。このとき、固形物と液状物の比重差により遠心力の差が発生し、相対的に比重の大きい固形物は回転筒部の内面に付着するとともに、相対的に比重の小さい液状物は回転筒部から外方へと回収される。すなわち、粒径の大きいものは筒部内面に押し付けられて付着する。他方で粒径の細かい粒子を含む液体は筒部上方から回収される。そして、液体が回収された後、回転筒部の内面に付着した固形物を掻き取り回収する。
【0005】
しかし、特許文献1に開示の構成では、被処理流体が回転筒部内に供給されてから遠心力が作用する構成であるため処理効率が悪く、期待した分級、すなわち、例えば、100nmよりも大きな粒径のものと、それよりも細かい粒径のものと、を分級するということはなし得ていなかったためニーズに応え得るものは提供できていなかった。
なお、回転筒部を大型化すれば被処理流体に遠心力を付与する時間も長くなるため、期待する細かい粒径以下に分級することも可能であるが、回転筒部を大型化すると20000回転との高速回転のために軸受部分などの損耗が激しく、極端に寿命を短くすると言った課題を有しているため、回転筒部の大型化による対応は好ましくない。
【0006】
また、特許文献1の固液遠心分級装置では、回転筒部内に上述した通りフィンが内装されており、その状態のままでは固形物の回収作業ができない。従って、まずは、そのフィンを回転筒部内から抜き出す分解作業が必要である。この作業工程を簡単に説明すると、回転筒部を装置本体部分から取り外し、取り外した回転筒部を所定の設置台に載せた後、筒内からフィンを抜き出す。そして、フィンを抜き出した後、所定の掻き出し治具を回転筒部内に挿入させて筒部内面に付着した固形物を全て掻き出し回収する。抜き出したフィンにも固形物が付着されていることが多いため、フィンに付着している固形物も全て回収する。そして、固形物の回収作業が終了すると、回転筒部内面及びフィンの洗浄工程を経て回転筒部内へのフィンの組み込み作業を行って終了し、次の分級作業に移る。
【0007】
特許文献1等の固液遠心分級装置の場合、上述した通りの問題があることから回転筒部の容量を小さくしているため、筒部内に固形物が溜まるまでの時間が極めて短く、例えば、30分程度で掻き取り作業をする必要がある。すなわち、30分毎の分解、掻き取り、洗浄、組み込みの作業工程が必要である。このように30分毎に上述した分解作業、掻き取り作業、洗浄作業、及び組み込み作業をする必要があるため、作業手間が掛かるばかりでなく、時間的ロスも多く、結果として運転時間の低下を招くものである。
【0008】
さらに、専属の作業員が2人くらいは必要であったため、人的コストの高騰を招く要因ともなっていた。
また、掻き取り対象となる固形物から毒性の高い揮発性のガスが発生するものもある。一日のうちで何度もそのような環境下に作業員が晒されるということは健康被害を及ぼす虞もあり好ましい状況ではない。
【0009】
また、回転筒部の下方から重力に抗して被処理流体を供給する構成であったため、被処理流体の漏れや跳ねなどによる周辺汚染など生じないように、被処理流体の供給部と回転筒部との連結構造(配管構造)が複雑で大掛かりにならざるを得なかった。なお回収作業の際は、回転筒部内面に装着していたシートを取り出してから、シートを広げてスクレーパで固形物を掻き取り回収していた。回収作業が終了した後は、シートを洗浄又は新品のシートと交換し、回転筒内部やフィンなどを清掃した後に組み込み、装置を立ち上げ、指定回転数に達した後に生産運転が可能となっていた。
【0010】
また、特許文献2に示す形態の固液遠心分級装置も提供されている。
特許文献2に示す先行技術は、回転筒部内に掻き取り部が内装されている。
すなわち、特許文献2に示す先行技術では、回転筒部内に掻き取り部を内装し固形物と液体とを分級した後、掻き取り部を作動させて回転筒部の内面に付着している固形物を掻き取り回収することができるものであるため、特許文献1のように回転筒部・フィンなどの分解作業及び組み込み作業などが不要である。また、特許文献2では、被処理流体の供給部が回転筒部の上方に設けられており、回転筒部の上方から被処理流体を供給する構成を採用しているため、被処理流体の漏れや跳ねなどの不具合も生じ難く、被処理流体の供給部と回転筒部との連結構造を複雑かつ大掛かりにすることもない。
(【0011】以降は省略されています)
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