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公開番号2025079620
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-05-22
出願番号2023192410
出願日2023-11-10
発明の名称サイクロン式固液分離装置及びサイクロン式固液分離装置の残渣収容排出方法
出願人株式会社ヨシダ鉄工
代理人個人
主分類B04C 5/185 20060101AFI20250515BHJP(物理的または化学的工程を行なうための遠心装置または機械)
要約【課題】環境負荷を抑制するとともに、簡易な残渣収容排出機構により装置の部品点数の増加やサイズの増大がなく、装置の動作範囲も小さく省スペースでありながらスムーズな固液分離と、目的物の高効率な回収が可能なサイクロン式固液分離装置の提供。
【解決手段】残渣Xが含まれたダーティ液L1を所定圧力で装置内部に供給して旋回流によって固液分離を行う本体部10と、前記本体部10の下端から連設され、残渣収容体200bに穿たれた第2の収容部に沈積した残渣X及び一部のダーティ液L1のみを排出する残渣収容排出機構20を備えるサイクロン式固液分離装置。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
旋盤やフライス盤等の工作機械から排出される残渣が含まれたダーティ液を所定圧力で装置内部に供給する供給口と、内部に生じる旋回流によって前記残渣と分離されたクリーン液が排出されるクリーン液排出口と、下端には前記残渣及びダーティ液の一部を排出する残渣排出口を備えた本体部と、
前記残渣排出口と連通する管状体である第1の収容部と、第2の収容部である孔が穿たれた残渣収容体と、残渣収容体を内包するとともに残渣の収容と排出を妨げない開口を有する外殻によって構成された残渣収容排出機構を備え、
前記残渣収容排出機構は、前記第1の収容部と第2の収容部がひとつの連続した孔形状を呈する状態である収容形態と、前記収容形態から前記第1の収容部と前記第2の収容部を分断して第1の収容部の底面を形成するとともに、前記第2の収容部に沈積した残渣及び一部のダーティ液のみを排出する状態である排出形態にその形態を変化させることを特徴とするサイクロン式固液分離装置。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
残渣収容排出機構は、前記第1の収容部と第2の収容部がひとつの連続した孔形状を呈する状態である収容形態と、前記収容形態から残渣収容体を外殻に内包された状態で回転させて前記第2の収容部に沈積した残渣及び一部のダーティ液を排出する状態である排出形態にその形態を変化させるに際し、前記排出形態において、前記残渣収容体の第2の収容部が穿たれていない部分が、前記第1の収容部の底面部分を形成して第1の収容部と第2の収容部を分断することを特徴とする請求項1に記載のサイクロン式固液分離装置。
【請求項3】
前記残渣収容体は円柱状を呈しており、2つの底面である円の中心を結ぶ線が水平となるように配されるとともにその側面に第2の収容部が穿たれて、前記2つの底面である円の中心を結ぶ線を軸に180°回転させることにより、収容形態と排出形態にその形態が変化することを特徴とする請求項2に記載のサイクロン式固液分離装置。
【請求項4】
前記残渣収容体は球状を呈しており、その表面に第2の収容部が穿たれて、球の中心を通る水平な線を軸に180°回転させることにより、収容形態と排出形態にその形態が変化することを特徴とする請求項2に記載のサイクロン式固液分離装置。
【請求項5】
前記第2の収容部は、前記収容形態において、開口である上方から底部である下方にかけて徐々に内径が小さくなるように前記残渣収容体に穿たれていることを特徴とする請求項3又は4にサイクロン式固液分離装置。
【請求項6】
旋盤やフライス盤等の工作機械から排出される残渣が含まれたダーティ液を所定圧力で装置内部に供給し、内部に生じる旋回流によって前記残渣と分離するサイクロン式固液分離装置の残渣収容排出方法であって、
前記本体部下方に連設される第1の収容部と、前記第1の収容部の下方に回転可能に配された残渣収容体に穿たれた第2の収容部によってひとつの連続した孔形状となる収容凹部を形成するとともに、前記収容凹部にサイクロン式固液分離装置の本体部においてクリーン液と分離された残渣及び一部のダーティ液を収容し、前記残渣収容体を回転させることで、第1の収容部と第2の収容部を分断するとともに第1の収容部の底面を形成して第1の収容部に収容された残渣及びダーティ液を維持したまま、第2の収容部に収容された残渣及び一部のダーティ液のみを鉛直方向に排出することを特徴とするサイクロン式固液分離装置の残渣収容排出方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、旋盤やフライス盤等の工作機械から排出される残渣(切り屑)を含んだ使用済みのクーラント(ダーティ液)を残渣と再利用するためのクーラント(クリーン液)に分けるサイクロン式固液分離装置に関する。
続きを表示(約 3,000 文字)【背景技術】
【0002】
旋盤やフライス盤等の工作機械から排出される残渣(切り屑)を含んだ使用済みのクーラント(ダーティ液)を残渣と再利用するためのクーラント(クリーン液)に分離するに際し、様々な装置や手段が提供されているが、そのうちのひとつにサイクロンによる固液分離装置(以下、サイクロン式固液分離装置と示す。)が挙げられる。
このサイクロン式固液分離装置は、構造が簡単であり、小型で処理能力が大きいという特徴を持っていることから、工作機械に使用されたクーラントの固液分離に用いられるだけでなく、多くの分野で粒子の分級、濃縮、捕集等に様々な用途で使用されており、分離される固体が「目的物」、「目的物」である固体が含まれる液体が「搬送流体」、目的物と搬送流体の混合物が固液混合体である。
そして、通常サイクロン式固液分離装置の下方に位置する目的物の収集部分に工夫を施すアプローチで分離性能を向上させる種々の技術が開示されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、高い捕集効率でシングルミクロン粒子を捕集するサイクロンを提供することを課題として、その解決手段として、円筒形状の上部胴筒4aと逆円錐形状の下部胴筒4bを有するサイクロン本体4と、原料および流体を導入する導入口8と、上部胴筒の上縁部を覆い中央部に開口部12を有する天板4cと、上部胴筒の鉛直中心軸に沿って開口部に挿入され、原料および流体の旋回運動によって、原料および流体から分離された微粉および流体を上昇させてサイクロン本体から排出する第一排出口10と、旋回運動によって得られた粗粉および流体を前記下部胴筒の下端から排出する第二排出口4fと、第二排出口の下部に接続され、粗粉および流体を捕集する捕集箱6と、捕集箱から粗粉および流体をアンダーフローさせるアンダーフロー機構7とを備えるサイクロン装置2であって、捕集箱内の上部には、上端が第二排出口に接続され、下方に広がる略円錐台形状を有する空洞部16が形成されたサイクロン装置が開示されている。
【0004】
また、特許文献2には、省スペースで固形物の分離効率を向上できる固液分離装置を提供することを課題とし、その解決手段として、固形物を含む原水を旋回させて遠心分離させ、固形物を含むスラリーを外部へ排出するスラリー排出管5を下部に有し、処理水を外部へ排出する処理水排出管7を上部に有する遠心分離機3と;原水を貯留する原水槽2と;原水槽の原水を前記遠心分離機へ圧送する送水ポンプP1と;遠心分離機のスラリー排出管が挿入され、スラリー排出管から排出されるスラリーに含まれる固形物をスラッジの形態で沈降させる回収ポット6,6A,6Bと;回収ポットの上部に挿入され、回収ポット内のスラリーの上澄み水を排出する上澄み排出管と;回収ポットの下部に沈降したスラッジを排出するスラッジ排出管8を有する。スラリー排出管の下端5eと回収ポットの底部6bとの間に間隙が設けられ、スラリー排出管の下端5eは上澄み排出管の下端7eよりも低い位置にある固液分離装置が開示されている。
【0005】
しかしながら、サイクロン式固液分離装置は、固液混合体が加圧送液されて旋回流となって適切な遠心力が生じている状態でない場合には、上述のような先行技術を組み合わせても、目的物と搬送流体との分離がうまく行われず、固液混合体のまま目的物の収集部分に沈積してしまう問題が解決できない。
固液混合体が加圧送液されて旋回流となって適切な遠心力が生じている状態でない場合とは、サイクロン式固液分離装置の始動直後や、固液混合体の加圧送液が終了した場合が想定される。
また、図9に示すように、従来、目的物の収集部分は取り外し可能な回収容器が設けられており、回収容器内に目的物及び固液混合体が沈積すると、適宜回収容器を取り外し、別の(新しい)収納容器を取り付けるような構造となっているか、サイクロン式固液分離装置の下方に、コンベア装置等の複雑な排出機構が連設されており、落下する目的物及び固液混合体を排出するような構造となっていた。
【0006】
そこで、本願発明者は特許第7366437号において、環境負荷を抑制するとともに、簡易な排出機構により装置の部品点数の増加やサイズの増大を行わずに省スペースでスムーズな固液分離と、高効率な目的物の回収が可能なサイクロン式固液分離装置を提供することを課題として、残渣が含まれたダーティ液を所定圧力で装置内部に供給して旋回流によって固液分離を行う本体部と、前記本体部の下端から連設され、第2の収容部に沈積した残渣及び一部のダーティ液を水平方向にピストンをスライドさせることで排出する残渣収容排出機構を備えるサイクロン式固液分離装置を開示した(特許文献3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開2016-41398号公報
特開2015-205278号公報
特許第7366437号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献3によって、省スペースでスムーズな固液分離と、高効率な目的物の回収が可能となったが、残渣及び一部のダーティ液を排出する動作として摺動距離が長くなる構成によって生じる液漏れの問題の解消や、更に簡易な構成で省スペースなサイクロン式固液分離装置及びサイクロン式固液分離装置の残渣収容排出方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のサイクロン式固液分離装置は、旋盤やフライス盤等の工作機械から排出される残渣が含まれたダーティ液を所定圧力で装置内部に供給する供給口と、内部に生じる旋回流によって前記残渣と分離されたクリーン液が排出されるクリーン液排出口と、下端には前記残渣及びダーティ液の一部を排出する残渣排出口を備えた本体部と、前記残渣排出口と連通する管状体である第1の収容部と、第2の収容部である孔が穿たれた残渣収容体と、残渣収容体を内包するとともに残渣の収容と排出を妨げない開口を有する外殻によって構成された残渣収容排出機構を備え、前記残渣収容排出機構は、前記第1の収容部と第2の収容部がひとつの連続した孔形状を呈する状態である収容形態と、前記収容形態から前記第1の収容部と前記第2の収容部を分断して第1の収容部の底面を形成するとともに、前記第2の収容部に沈積した残渣及び一部のダーティ液のみを排出する状態である排出形態にその形態を変化させることを特徴とする。
【0010】
本発明のサイクロン式固液分離装置を構成する残渣収容排出機構は、前記第1の収容部と第2の収容部がひとつの連続した孔形状を呈する状態である収容形態と、前記収容形態から残渣収容体を外殻に内包された状態で回転させて前記第2の収容部に沈積した残渣及び一部のダーティ液を排出する状態である排出形態にその形態を変化させるに際し、前記排出形態において、前記残渣収容体の第2の収容部が穿たれていない部分が、前記第1の収容部の底面部分を形成して第1の収容部と第2の収容部を分断することを特徴とする。
(【0011】以降は省略されています)

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