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公開番号
2025054978
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-04-08
出願番号
2023164244
出願日
2023-09-27
発明の名称
遠心機及び遠心機の運転方法
出願人
エッペンドルフ・ハイマック・テクノロジーズ株式会社
代理人
青稜弁理士法人
主分類
B04B
13/00 20060101AFI20250401BHJP(物理的または化学的工程を行なうための遠心装置または機械)
要約
【課題】遠心機において、周囲温度に応じて圧縮機用モータの停止状態の最短保持時間を変化させることで、再起動不良を避けつつロータ温度の変動を少なくする。
【解決手段】ロータ室4の温度を測定するロータ室用温度センサ5と、凝縮器11bの周囲の温度を測定する周囲温度センサ13を設ける。制御装置8は、ロータ室の温度を停止温度閾値に到達したら圧縮機11aの駆動用モータを停止させて、停止時間閾値を経過した後であってロータ室の温度が再起動温度閾値に到達したら圧縮機11aの駆動用モータを起動するオンオフ制御を行う。この際、測定された周囲温度に応じて、圧縮機11aの停止時間の閾値(最短保持時間)を変更するようにした。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
ロータと、前記ロータを収納するロータ室を形成するボウルと、前記ロータを回転駆動する駆動部と、前記ロータ室を冷却する冷凍機と、前記駆動部及び前記冷凍機の運転を制御する制御装置と、を有する遠心機であって、
前記冷凍機は、冷媒を圧縮する圧縮機と、前記圧縮を駆動するモータと、前記圧縮された冷媒を凝縮する凝縮器と、前記ロータ室の外周に設けれている蒸発器と備え、
前記ロータ室の温度を測定するロータ室用温度センサと、前記凝縮器の周囲の温度を測定する周囲温度センサを設け、
前記制御装置は、
前記ロータ室の温度を停止温度閾値に到達したら前記モータの駆動を停止させて、停止時間閾値を経過した後であって前記ロータ室の温度が起動温度閾値に到達したらモータの駆動を再開させる、オンオフ制御を行い、
前記周囲温度センサによって測定された周囲温度に応じて、前記停止時間閾値の長さを変更することを特徴とする遠心機。
続きを表示(約 1,300 文字)
【請求項2】
前記周囲温度センサは、前記ロータ室と前記駆動部と前記冷凍機を収容する筐体の内部であって、前記筐体の外部から取り込まれて前記凝縮器へ至る空気に曝される位置に設けられることを特徴とする請求項1に記載の遠心機。
【請求項3】
前記停止時間閾値は、周囲温度が低い場合は停止時間が短くなるように設定され、温度が上昇するにつれて停止時間が段階的に又は連続的に長くなるように設定されることを特徴する請求項2に記載の遠心機。
【請求項4】
前記停止時間閾値は、前記ロータ室内に配置されている前記ロータの種類に応じて、それぞれ設定されることを特徴とする請求項3に記載の遠心機。
【請求項5】
前記制御装置は、プロセッサと記憶部を含んで構成され、
前記記憶部には、装着される前記ロータごとの周囲温度に対する前記停止時間閾値の設定基準があらかじめ格納されることを特徴とする請求項4に記載の遠心機。
【請求項6】
前記設定基準は、周囲温度の区分毎の複数の前記停止時間閾値のリスト、又は、周囲温度を変数とした前記停止時間閾値の計算用関数式であることを特徴とする請求項5に記載の遠心機。
【請求項7】
ロータと、前記ロータを収納するロータ室を形成するボウルと、前記ロータを回転駆動する駆動部と、前記ボウルの外周側に巻回される冷却配管による蒸発器に冷媒を供給する冷凍機と、前記駆動部及び前記冷凍機の運転を制御する制御装置と、を有する遠心機の運転方法であって、
前記ロータ室の温度を測定するロータ室用温度センサと、前記冷凍機の周囲の温度を測定する周囲温度センサを設け、
前記制御装置は、
前記冷凍機の運転によって前記ロータ室の温度が停止温度閾値に到達したら前記冷凍機の運転を停止させ、
前記ロータごとに設定される停止時間閾値が経過した後であって、前記ロータ室の温度が再起動温度閾値に到達したら前記冷凍機の運転を再開させる、オンオフ制御を行うものであって、
前記冷凍機の運転中に前記周囲温度センサからの出力を監視して、周囲温度に変化があった際には前記停止時間閾値を変更することを特徴とする遠心機の運転方法。
【請求項8】
前記停止時間閾値は選択して装着される前記ロータごとに設定され、周囲温度が低い場合は停止時間が短くされ、温度が上昇するにつれて段階的に、又は、連続的に長くなるように変更されることを特徴する請求項7に記載の遠心機の運転方法。
【請求項9】
前記制御装置は、プロセッサと記憶部を含んで構成され、
前記記憶部には、装着される前記ロータごとの周囲温度に対する前記停止時間閾値の設定基準があらかじめ格納され、
前記制御装置は周囲温度の変動を検知したら前記記憶部から、前記ロータの種類に応じた前記設定基準を読み出して、前記停止時間閾値を更新することを特徴とすることを特徴とする請求項8に記載の遠心機の運転方法。
【請求項10】
前記制御装置は、周囲温度の変動を検知したら前記冷凍機のモータの稼働時に前記停止時間閾値を更新するように制御することを特徴とする特徴とする請求項9に記載の遠心機の運転方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明はロータを回転させる遠心機において、オンオフ制御される圧縮機の停止から再起動に至る時間を短縮する技術に関する。
続きを表示(約 2,500 文字)
【背景技術】
【0002】
遠心分離機は、チューブやボトルに入れた試料をロータに保持させて、チャンバ内のクラウンにセットされたロータを高速回転させることで、遠心力によって密度の大きい物質を沈殿させて試料を分離する。この際、遠心分離機の制御装置は、短時間にロータを加速させ、設定された時間分の一定の高速回転を行い、その後減速させる。また、遠心分離運転中は、ロータ室内を低温(例えば4℃)に冷却保持することによって、ロータに収容される試料を一定の低温にて維持する。
【0003】
ロータ室を冷却するために、ロータ室を形成するボウルの周囲に冷却配管が設けられ、圧縮機を用いた冷凍機が用いられる。初期の頃の冷凍機では、圧縮機用モータの回転数は電源周波数に依存する単一の回転数とされ、温度制御は圧縮機用モータのオン及びオフの制御を行うことによって行われていた。現在の冷凍機では、インバータ制御による可変速圧縮機を用いることが多く、必要とされる冷却能力に応じて圧縮機用モータの回転を増加させ、又は、減少させるようにする。しかしながら、ロータ室内の温度が設定温度まで冷却された後に、ロータの種類や周囲温度によっては、圧縮機用モータの稼働可能な最小回転数でも冷却能力が高すぎてしまう場合が生じる。その場合は、圧縮機用モータの可変速運転だけで制御するのではなく、圧縮機用モータの間欠的なオンとオフを繰り返す、いわゆる、“オンオフ運転”が行われる。
【0004】
圧縮機用モータを稼働状態から一時的に停止させると、冷却系の高圧側と低圧側の圧力差が存在するため、圧力差が所定値以下となるまで時間をおかないと冷却機用モータの再起動ができない場合が生ずる。従来の遠心機で圧縮機用モータのオンオフ制御を行う場合には、圧縮機用モータが停止してから再起動まで所定の時間(例えば2分)かかる為に冷凍機の断続運転制御による細かな温度制御が難しかった。このため、特許文献1では、一定時間の停止時間が経過した後に圧縮機用モータを起動するという制約が、再起動禁止区間として時間値を基準として設けられている。これは、圧縮機のオイル潤滑上の理由からで、サクション管と吐出管の間で圧力差が所定値以下となるまでオンにできないことと、圧力差が所定値以上でオフにする必要があるからである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開平5-228400号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
引用文献1のような、可変速圧縮機を用いる場合であっても、連続可変速運転だけでは温度制御を行うことができずに、間欠的に可変速圧縮機のオン又はオフ運転が必要になる場合がある。冷凍機をオンオフ制御する影響により、ロータ温度は設定温度前後で変動することになるが、オンオフ制御の頻度を高くすればその変動を小さくすることが可能である。しかしながら、冷凍機の構成部品の1つである圧縮機は、停止してから一定時間以上経過してから起動しないと起動不良を起こすため、停止状態の最短保持時間を設けてその時間以上の停止状態を保持してから再起動するように制御することが不可欠である。
【0007】
従来の遠心機においては、停止状態の最短保持時間は、冷凍機のおかれた環境温度(周囲温度)によらずに一定値と設定していた。この場合、周囲温度が動作保証温度上限で運転したときであっても圧縮機用モータの起動不良が起きないような最短保持時間を設定せねばならなかった。一方、このようにして設定された最短保持時間を用いて圧縮機用モータのオンオフ制御を行うことは、周囲温度が低いときは必要以上に圧縮機用モータの停止状態を長く保持することになるため、ロータ温度の変動が大きくなる要因の一つになっていた。また、ロータについても同様に、最も停止状態を長く保持する必要のあるロータ(大抵の場合、最も風損の大きいロータ)に合わせて、どのようなロータを装着した際でも圧縮機用モータの起動不良が起きないような最短保持時間を設定していた。したがって、最も風損の大きいロータ以外のロータでは、必要以上に停止状態が長く設定されるため、ロータ温度の変動が大きくなっていた。
【0008】
本発明は上記背景に鑑みてなされたもので、その目的は圧縮機の周囲温度に応じて圧縮機用モータの停止状態の最短保持時間を変化させることで、起動不良を避けつつロータ温度の変動を少なくした遠心機を実現することにある。
【0009】
本発明の他の目的は、装着されるロータの種類に応じて圧縮機用モータの停止状態の最短保持時間を変化させることで、起動不良を避けつつロータ温度の変動を少なくした遠心機を実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本願において開示される発明のうち代表的な特徴を説明すれば次の通りである。
本発明の一つの特徴によれば、ロータと、ロータを収納するロータ室を形成するボウルと、ロータを回転駆動する駆動部と、ロータ室を冷却する冷凍機と、駆動部及び冷凍機の運転を制御する制御装置を有する遠心機であって、冷凍機は、冷媒を圧縮する圧縮機と、圧縮を駆動するモータと、圧縮された冷媒を凝縮する凝縮器と、ロータ室の外周に設けられている蒸発器を備える。また、遠心機に、ロータ室の温度を測定するロータ室用温度センサと、凝縮器の周囲の温度を測定する周囲温度センサを設けた。遠心機の制御装置は、遠心分離運転中にロータ室の温度が停止温度閾値T
off
に到達したら圧縮機のモータの駆動を停止させて、停止時間閾値Xが経過した後であってロータ室の温度が起動温度閾値T
on
に到達したら圧縮機のモータの駆動を再開させるようなオンオフ制御を行うようにした。この際、制御装置は、周囲温度センサによって測定された周囲温度に応じて、遠心分離運転中に停止時間閾値の長さをその都度変更する。
(【0011】以降は省略されています)
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