TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
公開番号2025006398
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-17
出願番号2023107175
出願日2023-06-29
発明の名称イオン検出器及び質量分析装置
出願人浜松ホトニクス株式会社,株式会社島津製作所
代理人個人,個人,個人
主分類H01J 43/26 20060101AFI20250109BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】正イオン及び負イオンのそれぞれについてイオンの検出効率の向上を図ることができるイオン検出器を提供する。
【解決手段】イオン検出器1は、イオンPが入射することで電子Eを放出するコンバージョンダイノード3と、電子Eが入射する第1段ダイノード42aを有する電子増倍部4と、イオンPを通過させるイオン通過口51a、及び電子Eを通過させる電子通過口51bを有するボックス電極5と、イオン通過口51aに配置されており、イオンPを通過させる隙間6aを有する導電性の遮蔽部6と、コンバージョンダイノード3に第1電位を付与し、第1段ダイノード42aに第2電位を付与し、ボックス電極5に第3電位を付与し、遮蔽部6に第4電位を付与する電位付与部8と、を備える。第1電位及び第3電位は、イオンPの極性とは逆極性である。第2電位は、第1電位よりも高い。第3電位と第4電位とは、実質的に同電位である。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
イオンが入射することで電子を放出するコンバージョン領域を有するコンバージョンダイノードと、
前記電子が入射する第1段ダイノードを有する電子増倍部と、
前記コンバージョンダイノードを収容しており、前記コンバージョン領域に進行する前記イオンを通過させる第1開口、及び前記コンバージョン領域から前記第1段ダイノードに進行する前記電子を通過させる第2開口を有するボックス電極と、
前記第1開口に配置されており、前記コンバージョン領域に進行する前記イオンを通過させる隙間を有する導電性の遮蔽部と、
前記コンバージョンダイノードに第1電位を付与し、前記第1段ダイノードに第2電位を付与し、前記ボックス電極に第3電位を付与し、前記遮蔽部に第4電位を付与する電位付与部と、を備え、
前記第1電位及び前記第3電位は、前記イオンの極性とは逆極性であり、
前記第2電位は、前記第1電位よりも高く、
前記第3電位と前記第4電位とは、実質的に同電位である、イオン検出器。
続きを表示(約 1,300 文字)【請求項2】
前記遮蔽部は、前記隙間として、前記第1開口に沿って二次元に配置された複数の隙間を有する、請求項1に記載のイオン検出器。
【請求項3】
前記第1開口は、前記コンバージョン領域の中心を通る第1中心線に垂直な方向から見た場合に、前記第1中心線に対して一方側に配置されており、
前記第2開口は、前記第1中心線に垂直な前記方向から見た場合に、前記第1中心線に対して他方側に配置されており、
前記第1段ダイノードは、前記第2開口と向かい合っている、請求項1又は2に記載のイオン検出器。
【請求項4】
前記第1電位と前記第3電位とは、実質的に同電位である、請求項1又は2に記載のイオン検出器。
【請求項5】
前記隙間の面積は、前記第1開口の面積の50%以上である、請求項1又は2に記載のイオン検出器。
【請求項6】
前記第1開口に進行する前記イオンを通過させるアパーチャを有する仕切り部を更に備える、請求項1又は2に記載のイオン検出器。
【請求項7】
偏向電極を更に備え、
前記ボックス電極は、前記アパーチャの第2中心線に垂直な方向から見た場合に、前記第2中心線に対して一方側に配置されており、
前記偏向電極は、前記第2中心線に垂直な前記方向から見た場合に、前記第2中心線に対して他方側に配置されており、
前記電位付与部は、前記偏向電極にグランド電位もしくは前記イオンの極性と同じ極性である電位を付与する、請求項6に記載のイオン検出器。
【請求項8】
前記第1開口は、前記アパーチャの第2中心線に垂直な方向から見た場合に、前記第2中心線に近付くほど前記アパーチャから離れるように傾斜している、請求項6に記載のイオン検出器。
【請求項9】
イオン化部と、
質量分離部と、
イオン検出器と、を備え、
前記イオン検出器は、
イオンが入射することで電子を放出するコンバージョン領域を有するコンバージョンダイノードと、
前記電子が入射する第1段ダイノードを有する電子増倍部と、
前記コンバージョンダイノードを収容しており、前記コンバージョン領域に進行する前記イオンを通過させる第1開口、及び前記コンバージョン領域から前記第1段ダイノードに進行する前記電子を通過させる第2開口を有するボックス電極と、
前記第1開口に配置されており、前記コンバージョン領域に進行する前記イオンを通過させる隙間を有する導電性の遮蔽部と、
前記コンバージョンダイノードに第1電位を付与し、前記第1段ダイノードに第2電位を付与し、前記ボックス電極に第3電位を付与し、前記遮蔽部に第4電位を付与する電位付与部と、を備え、
前記第1電位及び前記第3電位は、前記イオンの極性とは逆極性であり、
前記第2電位は、前記第1電位よりも高く、
前記第3電位と前記第4電位とは、実質的に同電位である、質量分析装置。
【請求項10】
前記質量分離部は、四重極型の質量分離部である、
請求項9に記載の質量分析装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、イオン検出器及び質量分析装置に関する。
続きを表示(約 3,300 文字)【背景技術】
【0002】
正イオンを検出するためのイオン検出器として、イオンが入射することで電子を放出するコンバージョンダイノードと、コンバージョンダイノードから放出された電子を増倍する電子増倍部と、コンバージョンダイノードを収容しており、コンバージョンダイノードに進行するイオンを通過させる第1開口、及びコンバージョンダイノードから第1段ダイノードに進行する電子を通過させる第2開口を有するボックス電極と、を備えるものが知られている(例えば、特許文献1参照)。このようなイオン検出器では、ノイズとなり得る迷光がコンバージョンダイノードに入射するのを抑制するためにボックス電極が用いられる場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2011-086403号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したようなイオン検出器では、正イオンの検出だけでなく負イオンの検出も可能とするために、コンバージョンダイノードに付与する電位を切り替え可能にすることが考えられる。具体的には、コンバージョンダイノードに正の電位を付与して、負イオンが入射することでコンバージョンダイノードから放出された正イオンを第1段ダイノードに入射させるようにすることが考えられる。その場合、負イオンから正イオンへの変換効率が低いため、結果として、負イオンの検出効率が低下するおそれがある。
【0005】
本発明は、正イオン及び負イオンのそれぞれについてイオンの検出効率の向上を図ることができるイオン検出器及び質量分析装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のイオン検出器は、[1]「イオンが入射することで電子を放出するコンバージョン領域を有するコンバージョンダイノードと、前記電子が入射する第1段ダイノードを有する電子増倍部と、前記コンバージョンダイノードを収容しており、前記コンバージョン領域に進行する前記イオンを通過させる第1開口、及び前記コンバージョン領域から前記第1段ダイノードに進行する前記電子を通過させる第2開口を有するボックス電極と、前記第1開口に配置されており、前記コンバージョン領域に進行する前記イオンを通過させる隙間を有する導電性の遮蔽部と、前記コンバージョンダイノードに第1電位を付与し、前記第1段ダイノードに第2電位を付与し、前記ボックス電極に第3電位を付与し、前記遮蔽部に第4電位を付与する電位付与部と、を備え、前記第1電位及び前記第3電位は、前記イオンの極性とは逆極性であり、前記第2電位は、前記第1電位よりも高く、前記第3電位と前記第4電位とは、実質的に同電位である、イオン検出器」である。
【0007】
上記[1]に記載のイオン検出器では、正イオンを検出する場合に、コンバージョンダイノードに、負の電位である第1電位が付与され、電子増倍部の第1段ダイノードに、第1電位よりも高い第2電位が付与される。このとき、コンバージョンダイノードを収容しているボックス電極に、負の電位である第3電位が付与され、ボックス電極の第1開口に配置された遮蔽部に、第3電位と実質的に同電位である第4電位が付与される。これにより、正イオンを、ボックス電極の第1開口に配置された遮蔽部の隙間を介してコンバージョンダイノードのコンバージョン領域に入射させることができる。また、コンバージョン領域から放出された電子を、ボックス電極の第2開口を介して第1段ダイノードに入射させることができる。このとき、正イオンをコンバージョン領域に入射させる電界と電子を第1段ダイノードに入射させる電界とが互いに干渉することがボックス電極によって抑制されるため、正イオンをコンバージョン領域に確実に入射させることができると共に、電子を第1段ダイノードに確実に入射させることができる。更に、電子を引き寄せる電界が第1開口を介してボックス電極内に形成されることが遮蔽部によって抑制されるため、電子を第1段ダイノードに確実に入射させることができる。よって、上記[1]に記載のイオン検出器によれば、正イオンの検出効率の向上を図ることができる。
【0008】
上記[1]に記載のイオン検出器では、負イオンを検出する場合に、コンバージョンダイノードに、正の電位である第1電位が付与され、電子増倍部の第1段ダイノードに、第1電位よりも高い第2電位が付与される。このとき、コンバージョンダイノードを収容しているボックス電極に、正の電位である第3電位が付与され、ボックス電極の第1開口に配置された遮蔽部に、第3電位と実質的に同電位である第4電位が付与される。これにより、負イオンを、ボックス電極の第1開口に配置された遮蔽部の隙間を介してコンバージョンダイノードのコンバージョン領域に入射させることができる。また、コンバージョン領域から放出された電子を、ボックス電極の第2開口を介して第1段ダイノードに入射させることができる。このとき、負イオンをコンバージョン領域に入射させる電界と電子を第1段ダイノードに入射させる電界とが互いに干渉することがボックス電極によって抑制されるため、負イオンをコンバージョン領域に確実に入射させることができると共に、電子を第1段ダイノードに確実に入射させることができる。更に、電子を押し戻す電界が第1開口を介してボックス電極内に形成されることが遮蔽部によって抑制されるため、電子を第1段ダイノードに確実に入射させることができる。よって、上記[1]に記載のイオン検出器によれば、負イオンの検出効率の向上を図ることができる。
以上により、上記[1]に記載のイオン検出器によれば、正イオン及び負イオンのそれぞれについてイオンの検出効率の向上を図ることができる。
【0009】
本発明のイオン検出器は、[2]「前記遮蔽部は、前記隙間として、前記第1開口に沿って二次元に配置された複数の隙間を有する、上記[1]に記載のイオン検出器」であってもよい。当該[2]に記載のイオン検出器によれば、正イオンを検出する場合には、コンバージョン領域から放出された電子を引き寄せる電界が第1開口を介してボックス電極内に形成されるのを確実に抑制しつつ、正イオンに第1開口を確実に通過させることがきる。負イオンを検出する場合には、コンバージョン領域から放出された電子を押し戻す電界が第1開口を介してボックス電極内に形成されるのを確実に抑制しつつ、負イオンに第1開口を確実に通過させることがきる。したがって、正イオン及び負イオンのそれぞれについてイオンの検出効率の更なる向上を図ることができる。
【0010】
本発明のイオン検出器は、[3]「前記第1開口は、前記コンバージョン領域の中心を通る第1中心線に垂直な方向から見た場合に、前記第1中心線に対して一方側に配置されており、前記第2開口は、前記第1中心線に垂直な前記方向から見た場合に、前記第1中心線に対して他方側に配置されており、前記第1段ダイノードは、前記第2開口と向かい合っている、上記[1]又は[2]に記載のイオン検出器」であってもよい。当該[3]に記載のイオン検出器によれば、第1段ダイノードがボックス電極の第2開口と向かい合っているため、電子を第1段ダイノードに入射させる電界を容易に且つ確実に形成することができ、電子を第1段ダイノードにより確実に入射させることができる。また、ボックス電極の第1開口がコンバージョン領域の第1中心線に対して一方側に配置されており、ボックス電極の第2開口がコンバージョン領域の第1中心線に対して他方側に配置されているため、電子を第1段ダイノードに入射させる電界が、コンバージョン領域に進行する検出対象のイオンに影響するのを抑制することができ、検出対象のイオンをコンバージョン領域により確実に入射させることができる。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する
Flag Counter

関連特許

個人
電波吸収体
15日前
個人
テーブルタップ
12日前
三洋化成工業株式会社
軟磁性材料
2日前
キヤノン株式会社
電子機器
12日前
株式会社GSユアサ
蓄電装置
12日前
株式会社GSユアサ
蓄電装置
12日前
古河電池株式会社
制御弁式鉛蓄電池
8日前
株式会社ヨコオ
同軸コネクタ
8日前
日本特殊陶業株式会社
保持装置
2日前
株式会社ユーシン
スイッチ装置
12日前
株式会社ユーシン
スイッチ装置
12日前
個人
六角形パネル展開アレーアンテナ
12日前
株式会社半導体エネルギー研究所
電池
1日前
三洲電線株式会社
撚線導体
2日前
住友電装株式会社
コネクタ
8日前
ローム株式会社
半導体装置
12日前
TDK株式会社
コイル部品
8日前
イビデン株式会社
プリント配線板
15日前
太陽誘電株式会社
コイル部品
12日前
日産自動車株式会社
電子機器
15日前
株式会社デンソー
半導体装置
12日前
大和電器株式会社
コンセント
8日前
株式会社村田製作所
二次電池
15日前
日本圧着端子製造株式会社
コネクタ
16日前
オムロン株式会社
リード線整列治具
12日前
株式会社デンソー
半導体装置
12日前
三洋化成工業株式会社
リチウムイオン電池
2日前
ニチコン株式会社
コンデンサ
8日前
富士電機株式会社
半導体装置
12日前
ローム株式会社
半導体発光装置
8日前
日本無線株式会社
モノポールアンテナ
12日前
個人
ユニバーサルデザインコンセントプラグ
12日前
株式会社ダイフク
搬送車
15日前
トヨタ自動車株式会社
非水系二次電池
15日前
TDK株式会社
電子部品
8日前
河村電器産業株式会社
速結端子
15日前
続きを見る