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公開番号2025010513
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-21
出願番号2024108594
出願日2024-07-05
発明の名称窒化ホウ素薄膜の作製方法および窒化ホウ素薄膜
出願人宇川精密材料科技股分有限公司,PENTAPRO MATERIALS INC
代理人AIPPAY弁理士法人
主分類C23C 16/38 20060101AFI20250110BHJP(金属質材料への被覆;金属質材料による材料への被覆;化学的表面処理;金属質材料の拡散処理;真空蒸着,スパッタリング,イオン注入法,または化学蒸着による被覆一般;金属質材料の防食または鉱皮の抑制一般)
要約【課題】低温での操作が可能であり、基板への熱的損傷のリスクを低減し、またエネルギー消費を削減できる窒化ホウ素薄膜の製造方法および該窒化ホウ素薄膜そのものを提供する。
【解決手段】
本発明は、ホウ素および窒素原子を含む前駆体をエネルギー制御装置に供給する工程、該エネルギー制御装置内で前駆体の励起状態を形成する工程、最後に、基板上に窒化ホウ素を含む材料層を形成する工程を主に含み、本発明の方法の主要な特徴は、特定の波長範囲の電磁波を放射する第1電磁波源を備えたエネルギー制御装置を使用することである。さらに、本方法には、窒化ホウ素薄膜の形成をさらに促進するためのいくつかの追加的な工程が含まれる。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
(a) ホウ素原子および窒素原子を含む前駆体をエネルギー制御装置に供給する工程と、
(b) 前記エネルギー制御装置において、前記前駆体の励起状態を形成する工程と、
(c) 基板上に窒化ホウ素を含む材料層を形成する工程と、を含み、
前記前駆体の励起状態は、ホウ素原子および窒素原子、または結合解離状態にある、ホウ素配位子および窒素配位子を含み、
前記エネルギー制御装置は、特定の波長範囲の電磁波を放射する第1電磁波源を含む窒化ホウ素薄膜の作製方法。
続きを表示(約 820 文字)【請求項2】
前記前駆体は、ホウ素と窒素の原子比が1:1の化合物から選択される請求項1に記載の窒化ホウ素薄膜の作製方法。
【請求項3】
前記前駆体は、ホウ素と窒素の原子比が1:1である、ボラジン、トリメチルアミンボラン、テトラメチルアンモニウムボラン、窒化ホウ素、アンモニアボラン、トリス(エチルメチルアミノ)ボランからなる群から選択される1種以上を含む請求項2に記載の窒化ホウ素薄膜の作製方法。
【請求項4】
前記基板を構成する材料が、金属、金属合金、セラミック、ポリマーまたはそれらの組み合わせから選択される1種以上を含む請求項1に記載の窒化ホウ素薄膜の作製方法。
【請求項5】
前記材料層は、六方晶窒化ホウ素、立方晶窒化ホウ素、またはアモルファス窒化ホウ素を含む請求項1に記載の窒化ホウ素薄膜の作製方法。
【請求項6】
前記工程(a)において、前記前駆体は、25℃から400℃の温度でエネルギー制御装置に供給される請求項1に記載の窒化ホウ素薄膜の作製方法。
【請求項7】
前記エネルギー制御装置への前記前駆体の供給は、不活性キャリアガスを使用して行われる請求項6に記載の窒化ホウ素薄膜の作製方法。
【請求項8】
前記不活性キャリアガスは、アルゴン、ヘリウム、窒素、またはそれらの組み合わせから選択される1種以上で構成される請求項7記載の窒化ホウ素薄膜の作製方法。
【請求項9】
前記不活性キャリアガスに占める前記前駆体のモル濃度は、0.5%以上10%以下である請求項7記載の窒化ホウ素薄膜の作製方法。
【請求項10】
前記不活性キャリアガスの前記エネルギー制御装置への流量が20sccm以上40sccm以下である請求項7記載の窒化ホウ素薄膜の作製方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、薄膜の作製方法および薄膜そのものに関し、より詳細には、窒化ホウ素薄膜の作製方法および窒化ホウ素薄膜に関する。本発明は、薄膜の分野に属する発明であり、特に窒化ホウ素薄膜の作製方法に関する。
続きを表示(約 2,800 文字)【背景技術】
【0002】
窒化ホウ素薄膜は、その独特な機械的、熱的、化学的、および電気的特性により広範な分野で注目を集めている。これらの特性は、窒化ホウ素薄膜を、特に高温高圧環境で使用することに適しており、例えば、切削工具、電子デバイス、保護コーティングなどに利用されている。窒化ホウ素薄膜の合成は、一般的には、化学気相成長(CVD)や物理気相成長(PVD)技術が使用され、ホウ素尿素やアミノボランなどの前駆体が用いられる。
【0003】
しかしながら、高品質のBN薄膜を合成するためには、薄膜の化学量論、相、および微細構造の制御が難しいため、依然として課題が存在する。例えば、従来の化学気相成長技術は、高温環境を必要とするため、基板に熱損傷を与えることもあるし、エネルギー消費が増加することがある。一方、物理気相成長技術は、低温で実施できるが、薄膜の化学量論および相制御に限界がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
よって、窒化ホウ素薄膜は、多くの優れた特性を有しているにもかかわらず、その製造プロセスにおける課題が依然として高く、実用化に至りにくい。よって、これらの課題に対処することは、当業者が非常に着目しているテーマである。本発明は、前述の課題を解決することを目的とするものであり、窒化ホウ素薄膜の作製方法および窒化ホウ素薄膜そのものを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の目的およびその他の目的に従って、本発明は以下のステップを含む窒化ホウ素薄膜の製造方法を提供する。まず、ホウ素原子および窒素原子を含む前駆体をエネルギー制御装置に供給する。次に、エネルギー制御装置内で前駆体の励起状態を形成する。この励起状態は、ホウ素および窒素原子を含み、さらにそのうちの一部または全ての配位子が結合破壊状態にある。その後、基板上にホウ素窒化物を含む材料層を形成する。この過程で、エネルギー制御装置には特定の波長範囲内の電磁波を放出する第1電磁波源が含まれる。
【0006】
特定の実施形態では、前駆体は、ホウ素と窒素の原子比が1:1である化合物から選択される。さらに、前駆体は、ボラジン(B
3

6

3
)、トリス(ジメチルアミノ)ボラン(TDMAB、C
3

12
BN)、テトラメチルアンモニウムボラン、ホウ素尿素、アミノボラン(BH
6
N)、およびトリス(エチルメチルアミノ)ボラン(TEMAB)を含む化合物から選択され、それらいずれもがホウ素と窒素の原子比が1:1の化合物である。いくつかの実施形態では、基板の表面に粒子の堆積を減少させるために基板バイアスを形成することも含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
本発明による基板上にホウ素窒化物層を形成する方法の実施形態を示すフローチャートである。
本発明のエネルギー制御装置の一実施形態を示す図である。
本発明のエネルギー制御装置の別の実施形態を示す図である。
ホウ素窒化物薄膜が形成された基板を示す図である。
反応室の内部を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1に示される作業工程を参照し、本発明は、基板上に窒化ホウ素薄膜を作製する方法を提供する。本発明の方法は、まず、ステップS110で示されるように、ホウ素および窒素原子を含む前駆体をエネルギー制御装置に供給することから始まる。ここで、前駆体は、ホウ素と窒素の原子比が1:1である化合物から選択される。当該化合物としては、ボラジン(ホウ素-窒素環状化合物、B
3

6

3
)、トリメチルアミンボラン(C
3

12
BN)、テトラメチルアンモニウムボロハイドライド、ホウ素窒化物、アンモニアボラン(BH
6
N)、およびトリエチルメチルアミンボラン(TEMAB)からなる群より選択される1種以上が含まれる。
【0009】
ボラジンは、室温で無色の液体であり、その高い熱安定性から窒化ホウ素薄膜を作製するための前駆体として公知に使用される。トリス(ジメチルアミノ)ボランは、高い反応性と揮発性で知られ、化学気相成長プロセスに適している。テトラメチルアンモニウムボロハイドライドは、空気中で安定した化合物で、窒化ホウ素薄膜の単一の原料前駆体として使用することができる。ホウ素尿素は、通常の条件下で安定しており、窒化ホウ素ナノチューブを合成するための前駆体として使用できる。アミノボランは、室温で固体であり、窒化ホウ素ナノチューブおよびナノシートを合成するための前駆体として使用できる。トリス(エチルメチルアミノ)ボランは、通常の条件下で安定した化合物であり、窒化ホウ素薄膜を合成するための前駆体として使用できる。本発明では、これらの化合物を単独、または組み合わせて使用される。
【0010】
本発明のエネルギー制御装置の一実施形態を図1および図2Aを参照しつつ詳述する。エネルギー制御装置100は、電源101、第1電磁波源102、および、導波管やアンテナなどのように電磁波を放出する伝搬装置103を含む。電源101は、第1電磁波源102にエネルギーを供給して電磁波を生成する。第1電磁波源102は、指定された波長およびエネルギーレベルで電磁波を生成する装置であり、伝搬装置103は電磁波を前駆体に向けて導く。さらに、エネルギー制御装置100には、電磁波の波長およびエネルギーを調整する制御システム104が含まれる。本実施形態において、制御システム104は、マイクロプロセッサ104aまたは他のタイプのコントローラ、および電磁波の波長とエネルギーを監視するセンサ104bが含まれる。マイクロプロセッサ104aは、センサ104bの読み取り値に基づいて第1電磁波源102の動作を調整し、電磁波を所望の波長およびエネルギーレベルに維持する。また、エネルギー制御装置100には冷却システム105および安全システム106が含まれる。冷却システム105は、エネルギー制御装置100のコンポーネントを冷却し、過熱を防ぐために設けられている。安全システム106は、動作中のエネルギー制御装置100の安全を確保するための装置であり、異常な動作が検出された場合に自動的に装置を停止させる。さらに、エネルギー制御装置100は、前駆体を導入し、また排出するチャネル(図示せず)を備える。
(【0011】以降は省略されています)

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