発明の詳細な説明【技術分野】 【0001】 関連出願の相互参照 この国際PCT出願は、2019年6月18日に出願された「Method and System to Assess Disease Using Dynamical Analysis of Cardiac and Photoplethysmographic Signals」と表題が付けられた米国仮特許出願第62/863,005号、及び2019年6月18日に出願された「Method and System to Assess Disease Using Dynamical Analysis of Biophysical Signals」と表題が付けられた米国仮特許出願第62/862,991号への優先権及び利益を主張し、その各々が、その全体において参照により本明細書中に組み入れられる。 続きを表示(約 3,100 文字)【0002】 本開示は、一般的に、1つ又は複数の生理学的システムならびにそれらの関連付けられる機能、活性、及び異常を特徴付けるための非侵襲的方法及びシステムに関する。より具体的には、一態様において、本開示は、とりわけ心血管疾患、肺疾患、及び心肺疾患、過程又は病態の存在、非存在、重症度、及び/又は局在化を予測及び/又は検出するために、単独で、又は生理学的現象及びシステムの他の種類の測定との併用においてプレチスモグラフィ関連の測定を利用する非侵襲的方法に関する。別の態様では、本開示は、そのために心臓関連の測定値を利用する非侵襲的方法に関する。別の態様では、本開示は、そのためにプレチスモグラフィ関連測定及び心臓関連測定の両方を利用する非侵襲的方法に関する。 【背景技術】 【0003】 用語「生物物理学的シグナル」は、以下により詳細に記載するように、情報が得られうる任意の生理学的シグナルを包含する。限定することを望まないが、生物物理学的シグナルは、部分的には、そのようなシグナルが取るエネルギーの形態(例えば、電気、音響、化学、熱、磁気、光学など)により、それらが起こりうる及び/又は関連付けられうる1つ又は複数の生理学的システム(例、循環/心血管、神経、呼吸など)により、関連器官系により、組織型により、細胞型により、細胞成分、例えばオルガネラなど(それらの組み合わせを含む)により特徴付けられうる。生物物理学的シグナルは、受動的もしくは能動的に、又はその両方で取得されうる。 【0004】 しばしば、生物物理学的シグナルは、侵襲的又は最小侵襲的技術(例、カテーテルを介して)及び/又は放射線の使用(例、核画像)、運動/ストレス(例、トレッドミル又は核ストレス検査)ならびに/あるいは薬理学的及び/又は他の薬剤(例、血管拡張剤、造影剤)の投与との関連において、又はそれを介して取得される。これらの種々のモダリティによって、そのようなシグナルを取得するコストが適度に又は著しく増加しうる。なぜなら、それらは、しばしば患者が移動することを要求する、さらには時折、例えば、病院又はホテルなどでの一泊の滞在を要求する高価な機器をしばしば介して、特殊な環境において投与されることが必要になりうるからである。これらのモダリティの一部は、副作用、例えば、例、感染症又はアレルギー反応などについて患者へのリスクを増加させうる。一部のモダリティは、望ましくない放射線の線量に患者を曝露させる。及び、例えば、運動又はトレッドミルの場合では、検査は、別の場合では起こらなかったであろう中程度の又はさらには重篤な有害事象(例、心筋梗塞)を誘発しうる。さらに、これらの種々のモダリティによって、一般的に、その生物物理学的シグナルが特徴付けられている患者の健康の状態、疾患、又は病態を確認するために要求される時間が、時折、数週間又は数ヶ月のオーダーで、しばしば、中程度の又はさらには重篤な健康状態である、あるいはそれに苦しんでいる患者について増加される。このことによって、失われた仕事の生産性及び社会にとってのより高い全体的な医療費が招かれる。そのような遅延はまた、患者(それ自体が患者の健康に有害でありうる)、彼らの家族、友人、及び患者のニーズに応対する他の介護者に勘定的な犠牲を強要しうる。 【0005】 そのようなものとして、哺乳類又は非哺乳類の生物における種々の疾患、病変、又は病態の存在、非存在、重症度及び(一部の場合では)局在化を評価(例、予測及び/又は検出)することが、現在の方法及びシステムが提供するよりもより安全に、より低いコストで、及び/又はより短い時間で達成されうるように、侵襲及び/又は低侵襲技術、放射線、運動/ストレス、ならびに/あるいは薬理学的な及び/又は他の薬剤を使用する必要性を最小限にする、又はさらには排除する生物物理学的シグナルから情報を得ることが望まれる。 【0006】 本明細書中に記載する方法及びシステムは、この必要性に対処し、多種多様な環境において-病院から救急室、研究所、戦場又はリモート設定まで、患者のプライマリケアの医師又は他の介護者とのポイントオブケア、及びさらには家庭で、多種多様な臨床及びさらには研究の必要性のために使用されうる。限定しないが、以下の記載によって、心臓又は心血管関連の疾患状態及び病態;特に、種々の形態における肺高血圧症(PH)、種々の形態における冠動脈疾患(CAD)、及び種々の形態における心不全の状況におけるそのような使用のための例示的な方法及びシステムが提供される。 【発明の概要】 【課題を解決するための手段】 【0007】 例示された方法及びシステムによって、生物物理学的シグナル、例えばフォトプレチスモグラフィシグナル及び/又は心臓シグナルなどの非線形動力学的特性(例えばリアプノフ指数(LE)、相関次元、エントロピー(K2)、あるいはポアンカレマップに由来する統計的及び/又は幾何学的特性など)を特徴付け及び特定し、疾患又は病態、あるいはその指標(例えば、とりわけ、冠動脈疾患、心不全(異常な左心室拡張末期圧疾患を含むが、それに限定しない)、及び肺高血圧症を含むが、それらに限定しない)の存在及び/又は局在化を予測することができる1つ又は複数の動力学的解析が容易になる。 【0008】 一部の実施形態では、力学系及び非線形力学特色、例えばエントロピー率「K2」、フラクタル次元の相関次元「D2」、リアプノフ指数(「LE」)、相互情報量(MI)及び相関(XC)などが抽出される。一部の実施形態では、ポアンカレマップに関連付けられる1つ又は複数の特色が抽出される。 【0009】 本明細書中で使用する「心臓シグナル」は、例えば、心筋の収縮を起こす、心血管系の構造、機能、及び/又は活動に関連付けられる1つ又は複数のシグナル-そのシグナルの電気/電気化学伝導の側面を含む-を指す。心臓シグナルは、一部の実施形態では、心電図シグナル、例えば、例、心電図(ECG)又は他のモダリティなどを介して取得されるものを含みうる。 【0010】 本明細書中で使用する「フォトプレチスモグラフィシグナル」は、酸素化及び脱酸素化ヘモグロビンによる光吸収における測定変化に対応する、光センサから取得されるシグナル波形、例えば赤色及び赤外線スペクトル中の波長を有する光などを指す。フォトプレチスモグラフィシグナルは、一部の実施形態では、パルスオキシメータ又はフォトプレチスモグラム(PPG)を介して取得されたローシグナルを含む。一部の実施形態では、フォトプレチスモグラフィシグナルは、疾患又は異常状態を診断する目的のために、そのようなシグナル波形を取得するように構成されているカスタム又は専用装置又は回路(既製のデバイスを含む)から取得される。フォトプレチスモグラフィシグナルは、典型的には、赤色フォトプレチスモグラフィシグナル(例、約625~740ナノメートルの波長を最も支配的に有する可視光スペクトル中の電磁シグナル)及び赤外フォトプレチスモグラフィシグナル(例、可視スペクトルの公称赤色端から約1mmまで伸長する電磁シグナル)を含むが、他のスペクトル、例えば近赤外線、青色及び緑色などが、用いられているフォトプレチスモグラフィ関連測定の型及び/又はモードに依存して、異なる組み合わせにおいて使用されうる。 (【0011】以降は省略されています) この特許をJ-PlatPatで参照する