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公開番号
2025009957
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-01-20
出願番号
2024102477
出願日
2024-06-26
発明の名称
筆記具用油性インキ組成物及びそれを内蔵した筆記具
出願人
パイロットインキ株式会社
,
株式会社パイロットコーポレーション
代理人
主分類
C09D
11/16 20140101AFI20250109BHJP(染料;ペイント;つや出し剤;天然樹脂;接着剤;他に分類されない組成物;他に分類されない材料の応用)
要約
【課題】着色剤の析出や筆跡乾燥性の悪化等の不具合を生じることなく、白化現象を効果的に抑制することができ、鮮明な筆跡が長期に亘って形成できる筆記具用油性インキ組成物と筆記具を提供する。
【解決手段】炭素数5以下の脂肪族アルコール及び/又はグリコールエーテルから選ばれる有機溶剤と、着色剤と、樹脂と、特定の化学構造式で表される1,3-ジオキソラン類とを含んでなる筆記具用油性インキ組成物とそれを内蔵した筆記具。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
炭素数5以下の脂肪族アルコール及び/又はグリコールエーテルから選ばれる有機溶剤と、着色剤と、樹脂と、下記一般式(1)又は(2)で表される1,3-ジオキソラン類とを含んでなる筆記具用油性インキ組成物。
TIFF
2025009957000004.tif
107
143
〔式中、R1及びR2は、水酸基、炭素数4以下の直鎖アルキルの1価又は2価アルコール、アリール基から選ばれる置換基、又は、基部の炭素と合わせた炭素数5~6の芳香環であり、R3及びR4は、水酸基及び炭素数1~18のアルキル基、アリール基、ハロゲン化アルキル基から選ばれる置換基であり、R5及びR6は、ハロゲン、炭素数4以下の直鎖アルコール、炭素数4以下の直鎖アルコールのポリオキシエチレン付加物から選ばれる置換基を表す。〕
続きを表示(約 450 文字)
【請求項2】
1,3-ジオキソラン類の沸点が170℃~230℃の範囲にある請求項1記載の筆記具用油性インキ組成物。
【請求項3】
1,3-ジオキソラン類がインキ組成物全量中0.1質量%~20質量%の範囲で用いられる請求項1又は2に記載の筆記具用油性インキ組成物。
【請求項4】
ポリエーテル変性シリコーンを含んでなる請求項1記載の筆記具用油性インキ組成物。
【請求項5】
ポリエーテル変性シリコーンが側鎖型ポリエーテル変性シリコーン、両末端型ポリエーテル変性シリコーン、ABN型ポリエーテル変性シリコーンから選ばれる一種以上である請求項4記載の筆記具用油性インキ組成物。
【請求項6】
ポリエーテル変性シリコーンがインキ組成物全量中0.01質量%~5質量%の範囲で用いられる請求項4又は5に記載の筆記具用油性インキ組成物。
【請求項7】
前記請求項1乃至6のいずれかに記載の筆記具用油性インキ組成物を内蔵してなる筆記具。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は筆記具用油性インキ組成物に関する。更には、筆跡乾燥時に生じる白化を抑制することで鮮明な筆跡が形成できる筆記具用油性インキ組成物とそれを内蔵した筆記具に関する。
続きを表示(約 2,700 文字)
【背景技術】
【0002】
従来、マーキングペン等に用いられる油性インキは、筆跡の速乾性を得るために低級アルコール等の揮発性(低沸点)の有機溶剤が主溶媒として用いられている。そのため、高湿度下では有機溶剤の蒸発に伴う温度降下により空気中の水分が凝結し筆跡塗膜が白ボケしてしまう。これは、筆跡塗膜中の樹脂が部分的に析出し、塗膜表面が均等に平滑にならず凹凸状に形成されることで、筆跡が光を乱反射して白く見えてしまうという白化現象という問題である。
前記問題を解消するために、各種化合物の添加が検討されており、例えば、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルや、乳酸n-ブチルを添加する技術が開示されている(例えば、特許文献1、2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開平08-48926号公報
特開昭63-135468号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
引用文献の技術は、前記ジプロピレングリコールモノメチルエーテルや乳酸n-ブチルを油性インキ中に添加することで、筆跡の乾燥時間を遅らせて塗膜の形成速度を調整し、前述の白化を生じ難くするものであるが、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルにおいては、溶解性の点で着色剤の種類が限定されてしまったり、乳酸n-ブチルにおいては臭気が強く、白化抑制効果が得られる量を添加した際に筆跡の乾燥性を悪化させてしまうものであった。
【0005】
本発明は、着色剤の析出や筆跡乾燥性の悪化等の不具合を生じることなく、前述の白化現象を効果的に抑制することができ、鮮明な筆跡が長期に亘って形成できる筆記具用油性インキ組成物と筆記具を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の筆記具用油性インキ組成物は、炭素数5以下の脂肪族アルコール及び/又はグリコールエーテルから選ばれる有機溶剤と、着色剤と、樹脂と、下記一般式(1)又は(2)で表される1,3-ジオキソラン類とを含んでなることを要件とする。
TIFF
2025009957000001.tif
107
143
〔式中、R1及びR2は、水酸基、炭素数4以下の直鎖アルキルの1価又は2価アルコール、アリール基から選ばれる置換基、又は、基部の炭素と合わせた炭素数5~6の芳香環であり、R3及びR4は、水酸基及び炭素数1~18のアルキル基、アリール基、ハロゲン化アルキル基から選ばれる置換基であり、R5及びR6は、ハロゲン、炭素数4以下の直鎖アルコール、炭素数4以下の直鎖アルコールのポリオキシエチレン付加物から選ばれる置換基を表す。〕
更に、1,3-ジオキソラン類の沸点が170℃~230℃の範囲にあること、1,3-ジオキソラン類がインキ組成物全量中0.1質量%~20質重量%の範囲で用いられることを要件とする。
更に、ポリエーテル変性シリコーンを含んでなること、ポリエーテル変性シリコーンが側鎖型ポリエーテル変性シリコーン、両末端型ポリエーテル変性シリコーン、ABN型ポリエーテル変性シリコーンから選ばれる一種以上であること、ポリエーテル変性シリコーンがインキ組成物全量中0.01質量%~5質量%の範囲で用いられることを要件とする。
更には、前記筆記具用油性インキ組成物を内蔵してなる筆記具を要件とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明により、着色剤の析出や筆跡乾燥性の悪化等の不具合を生じることなく、空気中の水分凝結や、樹脂の部分的な析出に伴う白化現象を効果的に抑制することができる。そのため、鮮明な筆跡が長期に亘って形成できる筆記具用油性インキ組成物と筆記具を提供できる。更にポリエーテル変性シリコーンにより、前記効果と合わせて、安定したインキ組成を維持したまま、濡れ性の悪い筆記面に対してもはじきを生じることなく密着性に優れた、良好な筆跡が形成できる。これらを合わせることで、環境温度や筆記面を問わず、より鮮明な筆跡が得られるものとなる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の油性インキ組成物は、溶剤として炭素数5以下の脂肪族アルコールやグリコールエーテルから選ばれる有機溶剤を主溶剤として用いた際に、一般式(1)や(2)で表される1,3-ジオキソラン類を用いることで、筆跡の白化現象を抑制することができるため、鮮明で良好な筆跡を形成できるものである。
【0009】
前記一般式(1)や(2)で表される1,3-ジオキソラン類は、油性インキ中に添加することで、筆跡の乾燥性を損なうことなく、有機溶剤の蒸発に伴う温度降下による空気中の水分凝結が起こす部分的な樹脂の析出を抑制できるものと推察される。また、筆記により筆跡塗膜を形成する際には、樹脂の造膜速度を均一に保つことができるため、塗膜表面が均等に平滑になるので、筆跡が光を乱反射して白化することがなく、鮮明な色相が視覚されるようになると推察される。
【0010】
前記一般式(1)で表される1,3-ジオキソラン類としては、式中のR1及びR2が、水酸基、炭素数4以下の直鎖アルキルの1価又は2価アルコール、ベンゼンから選ばれる置換基、又は、基部の炭素と合わせた炭素数5~6の芳香環(シクロペンタジエンやベンゼン)であり、R3及びR4は、水酸基、炭素数1~18のアルキル基、アリール基、ハロゲン化アルキル基から選ばれる置換基が適用できる。
また、前記一般式(2)で表される1,3-ジオキソラン類としては、R5及びR6が、ハロゲン、炭素数4以下の直鎖アルコール、炭素数4以下の直鎖アルコールのポリオキシエチレン付加物から選ばれる置換基が適用できる。
具体的には、2-2-ジメチル-4-ヒドロキシメチル-1,3-ジオキソラン、4-(2-ヒドロキシエチル)-2,2-ジメチル-1,3-ジオキソラン、2,2-ジイソプロピル-1,3-ジオキソラン、2-フェニル-1,3-ジオキソラン、2-ブロモメチル-1,3-ジオキソラン、2-オキソ-1,3-ジオキソラン、4-フルオロ-2-オキソ-1,3-ジオキソラン、1,2-メチレンジオキシベンゼン等が挙げられる。
(【0011】以降は省略されています)
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