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公開番号
2025009223
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-01-20
出願番号
2023112080
出願日
2023-07-07
発明の名称
ミュオン計測装置及びミュオン計測方法
出願人
株式会社東芝
,
東芝エネルギーシステムズ株式会社
代理人
弁理士法人東京国際特許事務所
主分類
G01T
5/02 20060101AFI20250110BHJP(測定;試験)
要約
【課題】放射線環境下においても対象物を通過するミュオンを利用して、対象物が含有する特定物質の重量を好適に測定できること。
【解決手段】測定対象の対象物1を挟んで対向位置に設けられ、対象物を通過するミュオンμを計測してミュオン軌跡を検出するミュオン軌跡検出器11と、チェレンコフ光を放射して計測し、チェレンコフ光の放射ついて放射線に対する感度よりもミュオンに対する感度を高く設定することで、放射線による事象を排除し且つミュオンよる事象を選択するチェレンコフ検出器12と、チェレンコフ検出器の計測結果に基づきミュオンによる事象を判定すると共に、この判定したミュオンによる事象について、ミュオン軌跡検出器の計測値に基づきミュオン軌跡を再構成してミュオン散乱を解析する軌跡判定部14と、ミュオン散乱に基づき、対象物が含有する特定物質の重量を求める重量判定部15と、を有して構成されたものである。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
放射線環境下で動作するミュオン計測装置であって、
計測対象の対象物を挟んで対向位置に設けられ、前記対象物を通過するミュオンを計測してミュオン軌跡を検出するミュオン軌跡検出器と、
チェレンコフ光を放射して計測し、前記チェレンコフ光の放射について放射線に対する感度よりも前記ミュオンに対する感度を高く設定することで、前記放射線による事象を排除し且つ前記ミュオンによる事象を選択するチェレンコフ検出器と、
前記チェレンコフ検出器の計測結果に基づき前記ミュオンによる事象を判定すると共に、この判定したミュオンによる事象について前記ミュオン軌跡検出器の計測値に基づき前記ミュオン軌跡を再構成してミュオン散乱を解析する軌跡判定部と、
前記ミュオン散乱に基づき前記対象物が含有する特定物質の重量を求める重量判定部と、を有して構成されたことを特徴とするミュオン計測装置。
続きを表示(約 1,200 文字)
【請求項2】
前記ミュオン軌跡検出器は、対象物から放出される放射線を遮蔽する遮蔽体を備えて構成されたことを特徴とする請求項1に記載のミュオン計測装置。
【請求項3】
前記チェレンコフ検出器は、チェレンコフ光を放射する屈折率nの放射体と、この放射体から放射された前記チェレンコフ光を計測する光センサとを有し、
前記屈折率nは、ミュオンが前記チェレンコフ光を放射し得る最小のエネルギに相当する屈折率の値以上で、且つ放射線がチェレンコフ光を放射し得る最小のエネルギに相当する屈折率の値未満に設定されたことを特徴とする請求項1に記載のミュオン計測装置。
【請求項4】
前記チェレンコフ検出器は、チェレンコフ光を放射する屈折率nの放射体と、この放射体から放射された前記チェレンコフ光を計測する光センサとを有し、
前記屈折率nは、ミュオンが前記チェレンコフ光を放射し得る最小のエネルギに相当する屈折率の値以上で、且つ放射線がチェレンコフ光を放射し得る最小のエネルギを超えた近傍のエネルギに相当する屈折率の値以下に設定されたことを特徴とする請求項1に記載のミュオン計測装置。
【請求項5】
前記軌跡判定部は、チェレンコフ検出器からの計測結果に基づいてミュオンによる事象を判定すると共に、ミュオン軌跡検出器の計測値からミュオン軌跡を再構成して前記ミュオン軌跡の変化を求め、このミュオン軌跡の変化からミュオン散乱を解析するよう構成されたことを特徴とする請求項1に記載のミュオン計測装置。
【請求項6】
前記重量判定部は、軌跡判定部にて解析されたミュオン散乱に基づき、対象物が含有する特定物質の重量と前記ミュオン散乱との関係性から前記特定物質の重量を導出するよう構成されたことを特徴とする請求項1に記載のミュオン計測装置。
【請求項7】
放射線環境下で行うミュオン計測方法であって、
計測対象の対象物を挟んで対向位置に設けられたミュオン軌跡検出器が、前記対象物を通過するミュオンを計測してミュオン軌跡を検出するステップと、
チェレンコフ光の放射について放射線に対する感度よりも前記ミュオンに対する感度を高く設定することで、前記放射線による事象を排除し且つ前記ミュオンによる事象を選択するチェレンコフ検出器が、チェレンコフ光を放射して計測するステップと、
軌跡判定部が、前記チェレンコフ検出器の計測結果に基づき前記ミュオンによる事象を判定すると共に、この判定したミュオンによる事象について前記ミュオン軌跡検出器の計測値に基づき前記ミュオン軌跡を再構成してミュオン散乱を解析するステップと、
重量判定部が、前記ミュオン散乱に基づき前記対象物が含有する特定物質の重量を求めるステップと、を有することを特徴とするミュオン計測方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、放射線環境下で動作するミュオン計測装置及びミュオン計測方法に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)
【背景技術】
【0002】
ウラン等の核燃料は、核セキュリティの観点から国際的な取り扱いが厳しく管理されている。特に、原子炉で使用された使用済み燃料は、大量の核分裂性成分を含み放射能を持つため、遮蔽及び冷却等の対策を講じた上で厳重な管理が必要になる。既存の燃焼度計測装置は、原子炉で発生した使用済み燃料を再処理施設で受け入れる際などに用いられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開平2-222884号公報
特開2017-161465号公報
特開2021-189050号公報
特開2022-187538号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
事前情報が不足している核燃料や燃料デブリにおいて、含有する核物質の重量を計測する方法として複数の手法が提案されている。特に、特許文献2では、透過力の強い宇宙線ミュオンの散乱角分布を計測することで、組成不明の物質中に含まれる核燃料の重量を計測する手法が提案されている。また、特許文献3では、宇宙線ミュオンに加えて、ガンマ線γや中性子線を計測することで、物質中に含まれる核燃料の重量の推定精度を向上させる方法が提案されている。
【0005】
ところが、ミュオン計測装置を含む一般的な放射線検出器では放射線環境下でノイズを生じる。つまり、これら提案では、高い放射能を持った物質を計測する際に、ノイズによる悪影響が生じる恐れがある。ミュオン計測装置では、ミュオンが直線的に通過するため、ミュオン軌跡の直線性からノイズとミュオンの信号を弁別することができる。しかし、高い放射線環境下においてはノイズが大量に生じるため、ノイズの事象数が主となることで、ミュオンの事象とノイズの事象とを弁別することが困難になる。また、ノイズが直線的な位置で計測された場合には、偽軌跡を誤って計測してしまうことがある。
【0006】
荷電粒子の遮蔽は容易ではあるものの、ガンマ線は遮蔽が困難で、コンプトン散乱などによってミュオン計測装置内にノイズを生じやすい。特に、放射性廃棄物が高い放射能を持って大量のガンマ線を放出する場合には、ミュオン計測装置を利用する上でガンマ線由来のノイズが問題となる。
【0007】
本発明の実施形態は、上述の事情を考慮してなされたものであり、放射線環境下においても対象物を通過するミュオンを利用して、対象物が含有する特定物質の重量を好適に測定することができるミュオン計測装置及びミュオン計測方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の実施形態におけるミュオン計測装置は、放射線環境下で動作するミュオン計測装置であって、計測対象の対象物を挟んで対向位置に設けられ、前記対象物を通過するミュオンを計測してミュオン軌跡を検出するミュオン軌跡検出器と、チェレンコフ光を放射して計測し、前記チェレンコフ光の放射について放射線に対する感度よりも前記ミュオンに対する感度を高く設定することで、前記放射線による事象を排除し且つ前記ミュオンによる事象を選択するチェレンコフ検出器と、前記チェレンコフ検出器の計測結果に基づき前記ミュオンによる事象を判定すると共に、この判定したミュオンによる事象について前記ミュオン軌跡検出器の計測値に基づき前記ミュオン軌跡を再構成してミュオン散乱を解析する軌跡判定部と、前記ミュオン散乱に基づき前記対象物が含有する特定物質の重量を求める重量判定部と、を有して構成されたことを特徴とするものである。
【0009】
本発明の実施形態におけるミュオン計測方法は、放射線環境下で行うミュオン計測方法であって、計測対象の対象物を挟んで対向位置に設けられたミュオン軌跡検出器が、前記対象物を通過するミュオンを計測してミュオン軌跡を検出するステップと、チェレンコフ光の放射について放射線に対する感度よりも前記ミュオンに対する感度を高く設定することで、前記放射線による事象を排除し且つ前記ミュオンによる事象を選択するチェレンコフ検出器が、チェレンコフ光を放射して計測するステップと、軌跡判定部が、前記チェレンコフ検出器の計測結果に基づき前記ミュオンによる事象を判定すると共に、この判定したミュオンによる事象について前記ミュオン軌跡検出器の計測値に基づき前記ミュオン軌跡を再構成してミュオン散乱を解析するステップと、重量判定部が、前記ミュオン散乱に基づき前記対象物が含有する特定物質の重量を求めるステップと、を有することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明の実施形態によれば、放射線環境下においても対象物を通過するミュオンを利用して、対象物が含有する特定物質の重量を好適に測定することができる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)
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