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公開番号
2025008869
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-01-20
出願番号
2023111456
出願日
2023-07-06
発明の名称
皮むき用切込み装置及び皮むき用切込み方法
出願人
矢崎総業株式会社
代理人
個人
,
個人
,
個人
主分類
H02G
1/12 20060101AFI20250109BHJP(電力の発電,変換,配電)
要約
【課題】太物電線やボビンに巻かれて保管された被覆電線を対象としたときの切込み精度を向上させることができる皮むき用切込み装置及び皮むき用切込み方法を提供する。
【解決手段】皮むき用切込み装置1のカット機構11が、導電性の切込み用カッター刃111と、被覆電線2の最外導体と切込み用カッター刃111の接触を、電源接続部13、最外導体、及び切込み用カッター刃111を含む電気回路を流れる電流に基づいて検知する接触検知部113と、切込み用カッター刃111を外周面2aに対する交差方向D12に移動させる機構であって、切込み用カッター刃111の移動中に接触検知部113で接触が検知されると、交差方向D12の切込み用カッター刃111の位置を調節して指定された切込み深さに応じた位置へと位置付けて切込みを入れさせる切込み用移動機構112と、を備えたことを特徴とする。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
芯線が絶縁層で覆われた、又は、前記絶縁層と、その内側に1層以上積層された導体層とで前記芯線が覆われた被覆電線の電線軸回りに1つ又は複数配置される切込み用機構部分を一対一に有するように1つ又は複数設けられ、各前記切込み用機構部分で前記被覆電線の外周面から指定された切込み深さまでの切込みを入れるカット機構と、
前記被覆電線に前記切込みを入れた状態の前記切込み用機構部分を前記電線軸回りに回転させて前記切込みを前記電線軸回りに延伸させることで、前記切込み深さに応じた皮むき部分を除去可能とする回転機構と、
前記被覆電線において前記外周面から最も浅い最外導体に、前記被覆電線における前記カット機構による切込み位置よりも先端側の接続位置で電源を接続する電源接続部と、
を備え、
前記カット機構が、
前記外周面に対する交差方向について移動可能な導電性の切込み用カッター刃と、
前記最外導体と前記切込み用カッター刃の接触を、前記電源接続部、前記最外導体、及び前記切込み用カッター刃を含む電気回路を流れる電流に基づいて検知する接触検知部と、
前記切込み用カッター刃を前記交差方向に移動させる機構であって、前記切込み用カッター刃の移動中に前記接触検知部で前記接触が検知されると、前記交差方向の前記切込み用カッター刃の位置を調節して前記切込み深さに応じた位置へと位置付けて前記切込みを入れさせる切込み用移動機構と、
を備えたことを特徴とする皮むき用切込み装置。
続きを表示(約 910 文字)
【請求項2】
前記切込み用移動機構が、サーボモータを有し、当該サーボモータによって前記切込み用カッター刃を移動させる機構であることを特徴とする請求項1に記載の皮むき用切込み装置。
【請求項3】
前記電源接続部が、前記電源と、当該電源を前記最外導体に接続する電源機構部分と、を備え、
前記電源機構部分が、
前記電源に電気的に接続されて前記交差方向に移動可能な導電性の電源用カッター刃と、
前記電源用カッター刃を前記交差方向に移動させる機構であって、前記電源用カッター刃を移動させて前記外周面に切り込ませることで前記最外導体に接触させる電源用移動機構と、
を備えたことを特徴とする請求項1に記載の皮むき用切込み装置。
【請求項4】
前記電源用移動機構が、サーボモータを有し、当該サーボモータによって前記電源用カッター刃を移動させる機構であることを特徴とする請求項3に記載の皮むき用切込み装置。
【請求項5】
請求項1~4のうち何れか一項に記載の皮むき用切込み装置を用い、当該皮むき用切込み装置に前記被覆電線をセットするとともに、前記交差方向について前記切込み用カッター刃を前記外周面から離れた初期位置に位置付ける準備工程と、
前記電源接続部によって、前記最外導体に前記先端側で前記電源を接続する電源接続工程と、
前記電流に基づいて前記切込み用カッター刃と前記最外導体との接触が検知されるまで前記切込み用カッター刃を移動させる第1切込み工程と、
前記第1切込み工程による前記切込み用カッター刃の移動中に前記接触検知部で前記接触が検知されると、前記交差方向の前記切込み用カッター刃の位置を調節して前記切込み深さに応じた位置へと位置付けて前記切込みを入れさせる第2切込み工程と、
前記被覆電線に前記切込みを入れた状態の前記切込み用機構部分を前記電線軸回りに回転させて前記切込みを前記電線軸回りに延伸させることで前記皮むき部分を除去可能とする回転工程と、
を備えたことを特徴とする皮むき用切込み方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
被覆電線の皮むき用に外周面から切込みを入れる皮むき用切込み装置及び皮むき用切込み方法に関するものとなっている。
続きを表示(約 2,700 文字)
【背景技術】
【0002】
従来、被覆電線に対する端部処理の1つとして、被覆を除去して内部の芯線等の導体を露出させる皮むき処理が広く行われている。そして、この皮むきのために、被覆電線の外周面から切込みを入れることで皮むき部分を除去可能とする皮むき用切込み装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。この特許文献1に記載されているタイプの皮むき用切込み装置では、外周面に食い込むように被覆電線を挟み付けた一対のV字カッター刃を電線軸回りに回転させることで、皮むき用の切込みが形成されることとなっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2000-350324号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、被覆電線には、芯線の周りに、例えば内部被覆、編組、金属箔、及び外部被覆等といった複数層の被覆材が積層されて設けられた太物電線がある。上述のタイプの皮むき用切込み装置では、多くの場合、被覆電線を挟み付けるときのV字カッター刃の移動の基準が電線軸に設定され、この電線軸からの距離としてV字カッター刃の移動先の位置が特定される。そして、V字カッター刃は、その特定された移動先に応じた切込み深さで食い込むように電線軸に向かって動かされて被覆電線を挟み付ける。例えば、上記の太物電線を切込み対象とする場合、芯線の半径、及び複数層の被覆材の各厚みの合計から皮むき対象の被覆材の厚みを差し引いた電線軸からの距離としてV字カッター刃の移動先の位置が特定される。このとき、太物電線では、電線軸を基準としたV字カッター刃の移動先の位置における公差が、芯線の半径の公差と皮むき対象以外の被覆材の厚みの公差との積上げ公差となるので大きくなりがちとなる。その結果、V字カッター刃の移動精度が低くなる。例えば上記の太物電線における所望の被覆材まで切込みを入れようとしたときに、V字カッター刃の移動精度の低さに起因して切込みが深過ぎ、内側に残すべき被覆材まで切込みが入ってしまう可能性がある。あるいは、切込みが浅過ぎ、皮むきに十分な切込みが入らなくなる可能性がある。
【0005】
また、被覆電線の多くはボビンに巻かれて保管されるが、この保管中に、自重による負荷によって芯線や被覆が変形して偏平となってしまったり、偏芯して電線軸が被覆電線の中心からずれてしまったりすることがある。このような変形や偏心が生じた被覆電線について上述のタイプの皮むき用切込み装置で切込みを入れると、一対のV字カッター刃を電線軸回りに回転させたとき、V字カッター刃による切込み深さが電線軸回りに変動することになる。その結果、電線軸回りに、ある個所では切込みが深過ぎて内部の残すべき部位まで切込みが入ってしまったり、他の箇所では逆に浅過ぎて十分な切込みが入らなかったりする可能性がある。
【0006】
このように、被覆電線を挟み付けた一対のV字カッター刃を電線軸回り回転させる上述のタイプの皮むき用切込み装置では、太物電線やボビンに巻かれて保管された被覆電線を対象としたときに切込みの精度が低下するという問題がある。
【0007】
従って、本発明は、上記のような問題に着目し、太物電線やボビンに巻かれて保管された被覆電線を対象としたときの切込み精度を向上させることができる皮むき用切込み装置及び皮むき用切込み方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、皮むき用切込み装置は、芯線が絶縁層で覆われた、又は、前記絶縁層と、その内側に1層以上積層された導体層とで前記芯線が覆われた被覆電線の電線軸回りに1つ又は複数配置される切込み用機構部分を一対一に有するように1つ又は複数設けられ、各前記切込み用機構部分で前記被覆電線の外周面から指定された切込み深さまでの切込みを入れるカット機構と、前記被覆電線に前記切込みを入れた状態の前記切込み用機構部分を前記電線軸回りに回転させて前記切込みを前記電線軸回りに延伸させることで、前記切込み深さに応じた皮むき部分を除去可能とする回転機構と、前記被覆電線において前記外周面から最も浅い最外導体に、前記被覆電線における前記カット機構による切込み位置よりも先端側の接続位置で電源を接続する電源接続部と、を備え、前記カット機構が、前記外周面に対する交差方向について移動可能な導電性の切込み用カッター刃と、前記最外導体と前記切込み用カッター刃の接触を、前記電源接続部、前記最外導体、及び前記切込み用カッター刃を含む電気回路を流れる電流に基づいて検知する接触検知部と、前記切込み用カッター刃を前記交差方向に移動させる機構であって、前記切込み用カッター刃の移動中に前記接触検知部で前記接触が検知されると、前記交差方向の前記切込み用カッター刃の位置を調節して前記切込み深さに応じた位置へと位置付けて前記切込みを入れさせる切込み用移動機構と、を備えたことを特徴とする。
【0009】
また、上記課題を解決するために、皮むき用切込み方法は、上述の皮むき用切込み装置を用い、当該皮むき用切込み装置に前記被覆電線をセットするとともに、前記交差方向について前記切込み用カッター刃を前記外周面から離れた初期位置に位置付ける準備工程と、前記電源接続部によって、前記最外導体に前記先端側で前記電源を接続する電源接続工程と、前記電流に基づいて前記切込み用カッター刃と前記最外導体との接触が検知されるまで前記切込み用カッター刃を移動させる第1切込み工程と、前記第1切込み工程による前記切込み用カッター刃の移動中に前記接触検知部で前記接触が検知されると、前記交差方向の前記切込み用カッター刃の位置を調節して前記切込み深さに応じた位置へと位置付けて前記切込みを入れさせる第2切込み工程と、前記被覆電線に前記切込みを入れた状態の前記切込み用機構部分を前記電線軸回りに回転させて前記切込みを前記電線軸回りに延伸させることで前記皮むき部分を除去可能とする回転工程と、を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
上記の皮むき用切込み装置及び皮むき用切込み方法によれば、太物電線やボビンに巻かれて保管された被覆電線を対象としたときの切込み精度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)
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