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公開番号2025007312
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-17
出願番号2023108613
出願日2023-06-30
発明の名称細胞の代謝により産生された、培養液中に溶存する二酸化炭素の量を制御しながら培養する方法及び細胞培養装置
出願人日揮株式会社
代理人個人,個人,個人,個人,個人
主分類C12M 3/02 20060101AFI20250109BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】細胞の代謝により産生され、培養液中に溶存する二酸化炭素の量を制御しながら培養する新たな方法及びそのための培養装置を提供の提供。
【解決手段】培養槽と、
前記培養槽の内部に設置され、前記培養槽の上部から前記培養槽の底面方向に延びた回転軸を中心として回転する、前記培養液を撹拌するための撹拌翼と、
を備える細胞培養装置を用いる方法であり、
前記撹拌翼は、羽部と、前記羽部との連結部とを有し、
前記羽部は、羽部上部と、前記羽部上部から水深方向に延在する羽部下部とを有するものであり、
所望の時期又は期間、前記羽部上部を前記培養液の界面の上方の気相へ突出させた状態で、前記撹拌翼を所定の回転速度で回転させながら、細胞を培養する工程、
を含む方法、及びそのための細胞培養装置を提供する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
細胞の代謝により産生された、培養液中に溶存する二酸化炭素の量を制御しながら培養する方法であって、
前記培養液を収納する培養槽と、
前記培養槽の内部に設置され、前記培養槽の上部から前記培養槽の底面方向に延びた回転軸を中心として回転する、前記培養液を撹拌するための撹拌翼と、
を備える細胞培養装置を用いる方法であり、
前記撹拌翼は、羽部と、前記羽部との連結部とを有し、
前記羽部は、羽部上部と、前記羽部上部から水深方向に延在する羽部下部とを有するものであり、
所望の時期又は期間、前記羽部上部を前記培養液の界面の上方の気相へ突出させた状態で、前記撹拌翼を所定の回転速度で回転させながら、細胞を培養する工程、
を含む、方法。
続きを表示(約 610 文字)【請求項2】
前記培養液中に溶存する二酸化炭素の量を測定し、その量に応じて前記撹拌翼の回転速度及び/又は前記界面の位置を調節する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記回転速度が、0.5m/秒~1.5m/秒の翼先端速度となるよう前記撹拌翼を回転させる、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記培養槽は、50L~100,000Lの培養液が適用される、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項5】
前記羽部下部は、前記界面から前記培養槽の底面の最深部の距離の50%以上の深さにある培養液と接触する、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項6】
前記羽部は、前記回転軸との間に所定の間隔を有する、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項7】
前記撹拌翼の連結部は、前記培養槽の底面部から隙間を設けて、略垂直に配置された羽部底部である、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項8】
培養液中に溶存する酸素の量を制御する酸素制御機構を備える、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項9】
前記酸素制御機構は、スパージャーである、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記スパージャーが、焼結金属、オリフィス又はSPG膜である、請求項9に記載の方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、細胞の代謝により産生された、培養液中に溶存する二酸化炭素の量を制御しながら培養する方法に関する。また、本発明は、当該方法に用いるための細胞培養装置に関する。
続きを表示(約 1,600 文字)【背景技術】
【0002】
医薬品製造、再生医療又は培養肉製造の分野において、大量の動物細胞を培養する必要がある。動物細胞を大量に培養する方法としては、通気撹拌培養が最も実績のある大量培養の方法として採用されている。
【0003】
動物細胞の通気撹拌培養では、撹拌による過度なせん断応力によって動物細胞がダメージを受けやすい。したがって、培養液の酸素及び二酸化炭素(CO

)のガス交換のために、撹拌回転数を上げて、通気気泡を微細化したり、流動状態を改善することによってガス交換効率を向上させることには制限がある。
【0004】
また、スパージャー(「散気管」ともいう。)を用いて通気する場合も、その流量は細胞の酸素消費量が大腸菌等の微生物と比較しても絶対的に多くなく、通気により発生する泡の培養液界面での破泡によって細胞の死滅が起こり、培養上面での泡沫の発生によりガス交換の効率低下も発生するといわれていることから、通気流量を上げるには限界がある。そのため、通常の動物細胞培養では空気ではなく、純酸素をスパージャーで通気して、通気流量を抑えながらも細胞の酸素要求を満たしている状態で培養が行われる。
【0005】
上記のように、通気条件、撹拌条件の制限から、細胞の呼吸により生じるCO

が培養液に蓄積する傾向にあり、特に大規模な動物細胞培養になるにつれて、溶存CO

の蓄積が起こりやすく、その結果として溶存CO

濃度が上昇する。培養液中の溶存CO

濃度が上昇すると細胞の増殖性やタンパク質の生産性の阻害が起こるとの報告がある。
【0006】
そのため、酸素供給用のスパージャーとは別に、CO

除去用のスパージャーを併設し、そのスパージャーに窒素(N

)又は空気を通気して曝気する方法があるが、この方法では、動物細胞培養槽でのスパージャーからの酸素供給のための通気量以上に窒素又は空気を深部通気する必要がある。
【0007】
また、この方法も曝気により発生する泡の破泡の発生によるガス交換の効率低下が発生し得ることと、酸素供給とCO

除去を2本のスパージャーで通気流量制限することになるので最適な培養条件を設定することが困難である。
【0008】
培養液から溶存CO

を除去する場合、CO

は培養上面の気相部からしか抜ける箇所はなく、培養液面上部の空間には、通常の動物細胞培養槽ではガス交換と、培養槽内の無菌性を担保するための陽圧保持のために、培養液上面の気相部分に空気の通気(上面通気)を行っている。
【0009】
上面通気量を上げることで、CO

を除去する効果の上昇が期待されるが、培養槽内の陽圧保持圧力との関係から、通気量を大きく上げることには限界があり、通常の動物細胞培養槽ではただ単純にガス交換と培養槽内の陽圧保持のために上面通気するだけで、それ以上の工夫はなされてない。
【0010】
特許文献1及び2では、培養液上面に発生する泡を除去するための消泡翼について開示している。当該消泡翼は、培養液の界面を撹拌することにより、培養液の界面に発生した、細胞の死滅を引き起こす泡を消泡する。しかしながら、引用文献1に開示される消泡翼は、培養液の界面付近のみは撹拌する羽形状であり、培養液の界面を消泡翼の位置となるようにその液量を固定する必要があり、フェドバッチ等の液面の変化を伴うような培養には対応できない。また、培養液の液量が変わるために消泡翼を移動させる必要がある。
(【0011】以降は省略されています)

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