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公開番号
2025004405
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-01-15
出願番号
2023104077
出願日
2023-06-26
発明の名称
電動弁
出願人
日本サーモスタット株式会社
代理人
個人
主分類
F16K
11/076 20060101AFI20250107BHJP(機械要素または単位;機械または装置の効果的機能を生じ維持するための一般的手段)
要約
【課題】ロータリ式の弁体を備える電動弁において、冷却液中の異物が弁体の外壁とハウジング内壁との間に入り込んだ場合でも、異物が弁体の回転を阻害することを抑制し、且つ大型化を抑制することのできる電動弁を提供する。
【解決手段】一端に開口を有し、外周に連通口を有するハウジング11と、前記ハウジング内に回転可能に挿入されて前記連通口を開閉する弁体12と、前記連通口に装着されて前記弁体の外周に摺接するシール部材14と、前記弁体を回転駆動する駆動装置と、を備え、前記弁体は、筒状の弁部を有し、前記弁部には、前記連通口を閉塞可能な外壁と、前記連通口と連通可能な弁孔と、前記弁部の一端に形成されて前記開口と連通する弁開口と、異物回収部12hと、が形成され、前記異物回収部は、前記弁部の外周であって、前記シール部材が摺接しない非シール領域に形成される溝又は孔である。
【選択図】図2
特許請求の範囲
【請求項1】
一端に開口を有し、外周に連通口を有するハウジングと、
前記ハウジング内に回転可能に挿入されて前記連通口を開閉する弁体と、
前記連通口に装着されて前記弁体の外周に摺接するシール部材と、
前記弁体を回転駆動する駆動装置と、を備え、
前記弁体は、
筒状の弁部を有し、
前記弁部には、
前記連通口を閉塞可能な外壁と、前記連通口と連通可能な弁孔と、前記弁部の一端に形成されて前記開口と連通する弁開口と、異物回収部と、が形成され、
前記異物回収部は、前記弁部の外周であって、前記シール部材が摺接しない非シール領域に形成される溝又は孔であることを特徴とする電動弁。
続きを表示(約 260 文字)
【請求項2】
前記異物回収部は、前記弁部の外壁において、前記弁体の回転中心となる軸線に沿った軸方向の一端から他端にわたって長尺に形成されている
ことを特徴とする請求項1に記載の電動弁。
【請求項3】
前記弁体は、2つ以上の前記弁部が、前記弁体の回転中心となる軸線に沿った軸方向に連結され、
隣り合う前記弁部の、少なくとも一方の弁外壁に形成された前記異物回収部は、前記軸方向において他方の弁部に形成された前記弁孔と重なる位置にある
ことを特徴とする請求項1に記載の電動弁。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、電動弁に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)
【背景技術】
【0002】
例えば自動車用冷却装置に用いられるロータリ式の流量制御弁では、バルブハウジング内に外壁が球面、あるいは直胴に形成された円筒状の弁体を、外部から回転操作可能に収容配置したものがある。このロータリ式の流量制御弁では、球体状あるいは円筒状の弁体を用いるとともに、バルブハウジング内の弁室に接続させて設けられている通路に対し、弁体の回転動作により通路を適宜開閉することにより所望の動作が得られるように構成されている。
【0003】
前記バルブハウジング内の弁室の内壁は、弁体の外壁に沿って形成され、弁体の外壁とハウジングの内壁との距離は、周方向で同じに形成されている。
しかしながら、バルブハウジング内の冷却液中の異物が、弁体の外壁とハウジングの内壁との間に噛み込まれた場合や異物が留まり続けた場合、弁体の回転が阻害される虞がある。また、弁体の駆動に係る負荷トルクが増大したり、圧損抵抗が増大したりする虞がある。
【0004】
このような課題に対し、特許文献1に開示された発明にあっては、図4に示すように、弁体200を回転可能に収容するハウジング201の内壁201aの径方向断面形状を多角形状とした構造を開示している。
即ち、ハウジング内壁201aは、回転軸205からの距離が周方向で異なるように形成されているため、冷却液中の異物Mが弁体200の外壁200aとハウジング内壁201aとの間に入り込んだ場合、弁体200が軸周りに回転することにより異物Mは大きな隙間206に移動する。これにより、弁体200の回転を阻害する可能性を低減することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2019-211069号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に開示された発明の構造のようにハウジング201の内壁201aの径方向断面形状を多角形状とし、弁体200との間に異物Mを逃がす隙間206を設けた場合、電動弁が大型化するという課題があった。
【0007】
本発明は、前記した点に着目してなされたものであり、ロータリ式の弁体を備える電動弁において、冷却液中の異物が弁体の外壁とハウジング内壁との間に入り込んだ場合でも、異物が弁体の回転を阻害することを抑制し、且つ大型化を抑制することのできる電動弁を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記した課題を解決するために、本発明に係る電動弁は、一端に開口を有し、外周に連通口を有するハウジングと、前記ハウジング内に回転可能に挿入されて前記連通口を開閉する弁体と、前記連通口に装着されて前記弁体の外周に摺接するシール部材と、前記弁体を回転駆動する駆動装置と、を備え、前記弁体は、筒状の弁部を有し、前記弁部には、前記連通口を閉塞可能な外壁と、前記連通口と連通可能な弁孔と、前記弁部の一端に形成されて前記開口と連通する弁開口と、異物回収部と、が形成され、前記異物回収部は、前記弁部の外周であって、前記シール部材が摺接しない非シール領域に形成される溝又は孔であることに特徴を有する。
【0009】
このような構成によれば、前記弁部の外周であって、シール部材が摺接しない非シール領域に異物回収部が形成される。
これによりハウジングの内壁と弁体の外壁との隙間に冷却液中の異物が侵入したとしても、弁体の回転にともない、異物回収部内に異物を収容することができる。それにより、弁体の回転に伴って、異物がハウジングの内壁と弁体の外壁とに同時に接触することを抑制し、異物が弁体の回転を阻害することを防止することができる。
また、異物を収容する異物回収部は、弁体の外壁に形成されるため、電動弁の大型化を抑制することができる。さらに、異物回収部が弁体に形成された溝又は孔からなるので、弁体の回転にともない異物回収部のエッジで異物をかき取ることができるため、異物回収効果が従来よりも高くなる。
【0010】
尚、前記異物回収部は、前記弁部の外壁において、前記弁体の回転中心となる軸線に沿った軸方向の一端から他端にわたって長尺に形成されていることが好ましい。
このように溝や孔からなる異物回収部が、弁部の回転軸方向の一端から他端にわたって長尺に形成されていることにより、異物をかき取る異物回収部のエッジを長くできる。このため、異物回収部のエッジで異物をかきとる効果をより高められる。
(【0011】以降は省略されています)
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