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公開番号
2025001640
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-01-08
出願番号
2024078976
出願日
2024-05-14
発明の名称
車両用空調装置
出願人
サンデン株式会社
代理人
弁理士法人エビス国際特許事務所
主分類
B60H
1/22 20060101AFI20241225BHJP(車両一般)
要約
【課題】ホットガス暖房運転において、速暖性を確保しながら、吹出温度の変動を抑制してユーザの快適性を向上させる。
【解決手段】圧縮機、室内熱交換部、及び、外部熱交換部を含む冷媒回路と、前記冷媒回路を制御する制御装置と、を備えた車両用空調装置において、冷媒回路は、圧縮機で圧縮した冷媒の少なくとも一部を、室内熱交換部及び外部熱交換部を経由することなく減圧して圧縮機に戻すホットガスバイパスと、ホットガスバイパスを流れる冷媒の流量を調整する流量調整部と、を有し、制御装置は、圧縮機で圧縮した冷媒の一部を室内熱交換部に流し、残りをホットガスバイパスに流すホットガス暖房モードにおいて、その起動時に圧縮機を所定の固定回転数で駆動した後に、FF制御及びFB制御により圧縮機の回転数を制御するFF/FBモードを実行すると共に、FF/FBモードへの切替時に、FB制御の積分項に所定の初期値を設定する、車両用空調装置を提供する。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
圧縮機、室内熱交換部、及び、外部熱交換部を含む冷媒回路と、前記冷媒回路を制御する制御装置と、を備えた車両用空調装置において、
前記冷媒回路は、
前記圧縮機で圧縮した冷媒の少なくとも一部を、前記室内熱交換部及び前記外部熱交換部を経由することなく減圧して前記圧縮機に戻すホットガスバイパスと、
前記ホットガスバイパスを流れる冷媒の流量を調整する流量調整部と、を有し、
前記制御装置は、
前記圧縮機で圧縮した冷媒の一部を前記室内熱交換部に流し、残りを前記ホットガスバイパスに流すホットガス暖房モードを実行可能であり、
前記ホットガス暖房モードにおいて、該ホットガス暖房モードの起動時に前記圧縮機を所定の固定回転数で駆動する固定モードを実行した後に、フィードフォワード制御及びフィードバック制御により前記圧縮機の回転数を制御するFF/FBモードを実行すると共に、前記固定モードから前記FF/FBモードへの切替時に、フィードバック制御の積分項に所定の初期値を設定する、車両用空調装置。
続きを表示(約 340 文字)
【請求項2】
前記初期値は、
前記FF/FBモードにおいて算出される目標回転数のフィードフォワード項と比率項、及び、前記固定回転数に基づいて算出される値である、請求項1記載の車両用空調装置。
【請求項3】
前記制御装置は、
前記圧縮機の目標回転数として、外気温度に基づいて算出される目標回転数、及び、ユーザ設定に基づいて算出される目標回転数のうち、いずれか大きい方を前記固定回転数として前記固定モードを実行する、請求項1記載の車両用空調装置。
【請求項4】
前記制御装置は、
車室内に吹き出される空気の吹出温度が所定の閾値以上である場合に、前記固定モードから前記FF/FBモードに切替える、請求項1記載の車両用空調装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用空調装置に関するものである。
続きを表示(約 1,400 文字)
【背景技術】
【0002】
近年、車両に搭載されたバッテリから供給される電力によって走行用モータを駆動するハイブリッド自動車や電気自動車等の車両が普及している。このような車両に搭載される車両用空調装置として、ヒートポンプ(冷媒回路)を熱源とするものが知られている。
【0003】
ヒートポンプを利用した車両用空調装置は、暖房運転時に、外部熱交換器を吸熱器として機能させ、外気から暖房熱源を得ている。このため、外気温が極低温になると、外気からの吸熱が難しくなり、暖房能力が大きく低下することになる。これに対し、極低温環境下で有効な暖房として、外気等から吸熱を行わずに、冷媒回路の圧縮機から吐出された高温高圧冷媒を利用するホットガス暖房が知られている。
【0004】
例えば、特許文献1の車両用空調装置では、ヒートポンプにおいて、次のように冷媒を循環させてホットガス暖房運転を行っている。すなわち、ヒートポンプでは、圧縮機から吐出した高温高圧冷媒のうち、一部をバイパス流路に流して減圧した後に圧縮機に戻し、残りを室内熱交換器において車室内への送風空気と熱交換させた後に減圧させ、外部熱交換器を経由させることなく圧縮機に戻している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2023-46604号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述のような車両用空調装置では、通常、ホットガス暖房運転の開始からフィードフォワード制御(以下、FF制御)及びフィードバック制御(以下、FB制御)によって所定の周期で算出した目標回転数で駆動するように圧縮機を制御している。この場合、例えば、ホットガス暖房の起動時において、圧縮機が停止した状態から最大回転数で駆動するようになるまでに時間を要するため、速暖性に欠け、ユーザの快適性を損なうことがある。
【0007】
これに対し、速暖性を担保するために、ホットガス暖房運転の開始から高い固定回転数で圧縮機を駆動させ、その状態を一定時間以上に亘って継続させると、NVH(Noise Vibration Harshness)が生じ、圧縮機の耐久性が低下する。また、圧縮機が固定回転数で駆動していると、外乱が入力された場合に冷媒圧力の調整を行うことができないという問題がある。
【0008】
そこで、ホットガス暖房運転の開始時に圧縮機を固定回転数で駆動し、その後、例えば、室内熱交換器の出口温度又は出口冷媒圧力が目標値に到達した場合に、FF制御及びFB制御に切替えて圧縮機を制御することが考えられる。
【0009】
しかしながら、FF制御及びFB制御への切替え時には、それまでのFB制御の実行時間が殆どない又は短いためFB制御の積分項が小さく、算出される目標回転数がそれまでの固定回転数よりも小さい値となる。このため、FF制御及びFB制御への切替え時に、圧縮機の回転数が一時的に低下し、これに起因して吹出温度が変動し、ユーザの快適性が損なわれることがある。
【0010】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、ホットガス暖房運転において、速暖性を確保しながら、吹出温度の変動を抑制してユーザの快適性を向上させること、などを課題としている。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)
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