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公開番号
2025001463
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-01-08
出願番号
2023101069
出願日
2023-06-20
発明の名称
鉄道車両用電力変換器の駆動制御システムおよび駆動制御方法
出願人
株式会社日立製作所
代理人
弁理士法人第一国際特許事務所
主分類
B60L
3/00 20190101AFI20241225BHJP(車両一般)
要約
【課題】電力変換器を構成する半導体素子の温度超過および損傷を発生させない範囲で、実稼働条件に応じて、電力変換器を最適に駆動制御し、鉄道車両の消費電力を低減する。
【解決手段】鉄道車両が搭載するモータに電力を供給する電力変換器の駆動制御システムとして、複数の半導体素子から構成される前記電力変換器を駆動制御する指令を出力する演算装置を備え、演算装置は、実稼働での半導体素子の温度履歴を基にして当該半導体素子の現在の損傷度を演算し、また、実稼働での鉄道車両の運行履歴を基にして半導体素子の将来の温度履歴予測値および半導体素子の将来の損傷度予測値を演算し、更に、半導体素子の将来の温度履歴予測値、半導体素子の現在の損傷度および半導体素子の将来の損傷度予測値に基づいて制御パラメータを選定し、当該制御パラメータを用いて指令を出力する。
【選択図】図2
特許請求の範囲
【請求項1】
鉄道車両が搭載するモータに電力を供給する電力変換器の駆動制御システムであって、
複数の半導体素子から構成される前記電力変換器を駆動制御する指令を出力する演算装置を備え、
前記演算装置は、
実稼働での前記半導体素子の温度履歴を基にして当該半導体素子の現在の損傷度を演算し、また、実稼働での前記鉄道車両の運行履歴を基にして前記半導体素子の将来の温度履歴予測値および前記半導体素子の将来の損傷度予測値を演算し、更に、
前記半導体素子の将来の温度履歴予測値、前記半導体素子の現在の損傷度および前記半導体素子の将来の損傷度予測値に基づいて制御パラメータを選定し、当該制御パラメータを用いて前記指令を出力する
ことを特徴とする駆動制御システム。
続きを表示(約 1,800 文字)
【請求項2】
請求項1に記載の駆動制御システムであって、
前記演算装置は、
実稼働での前記鉄道車両の運行履歴を基にして前記半導体素子の将来の消費電力予測値および前記モータの将来の消費電力予測値を演算し、
前記半導体素子の将来の温度履歴予測値が所定の温度閾値以下で、かつ、前記半導体素子の現在の損傷度および前記半導体素子の将来の損傷度予測値に基づく前記半導体素子の損傷度が所定の損傷度閾値以下となる条件で、当該半導体素子の将来の消費電力予測値および前記モータの将来の消費電力予測値に基づいて前記制御パラメータを選定する
ことを特徴とする駆動制御システム。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の駆動制御システムであって、
前記演算装置を、地上側設備としてまたは前記鉄道車両の車上側に備え、前記地上側設備として備える場合には、当該演算装置と前記電力変換器との間のデータを送受する伝送装置を備える
ことを特徴とする駆動制御システム。
【請求項4】
請求項1または請求項2に記載の駆動制御システムであって、
前記制御パラメータは、前記電力変換器を駆動するためのキャリアパタンである
ことを特徴とする駆動制御システム。
【請求項5】
請求項1または請求項2に記載の駆動制御システムであって、
実稼働での前記鉄道車両の運行履歴は、当該鉄道車両に関して、位置、走行速度、ノッチ、外気温度、乗車率、前記モータの電流および前記電力変換器のキャリア周波数、の各時間履歴の内の所定数以上の時間履歴である
ことを特徴とする駆動制御システム。
【請求項6】
請求項1または請求項2に記載の駆動制御システムであって、
実稼働での前記鉄道車両の運行履歴に対し、当該鉄道車両の運行条件が変更された場合の運行条件変更シナリオを用いて、前記半導体素子の将来の、温度履歴予測値、損傷度予測値および消費電力予測値、並びに前記モータの将来の消費電力予測値、を演算する
ことを特徴とする駆動制御システム。
【請求項7】
請求項6に記載の駆動制御システムであって、
前記運行条件変更シナリオは、前記鉄道車両に関して、運行時間の変更、乗車率の変動、走行路線の変更、運転士の変更および自動運転化の有無、並びに、気候の変動、の内少なくとも一つ以上である
ことを特徴とする駆動制御システム。
【請求項8】
請求項1または請求項2に記載の駆動制御システムであって、
前記演算装置は、前記制御パラメータを選定できない場合には、前記半導体素子の交換指令を生成する
ことを特徴とする駆動制御システム。
【請求項9】
鉄道車両が搭載するモータに電力を供給する電力変換器の駆動制御方法であって、
複数の半導体素子から構成される前記電力変換器に対して、
実稼働での前記半導体素子の温度履歴を取得し、当該温度履歴を基にして前記半導体素子の現在の損傷度を演算し、
実稼働での前記鉄道車両の運行履歴を取得し、当該運行履歴を基にして前記半導体素子の将来の温度履歴予測値および前記半導体素子の将来の損傷度予測値を演算し、
前記半導体素子の将来の温度履歴予測値、前記半導体素子の現在の損傷度および前記半導体素子の将来の損傷度予測値に基づいて制御パラメータを選定し、
前記制御パラメータを用いて前記電力変換器を駆動制御する指令を出力する
ことを特徴とする駆動制御方法。
【請求項10】
請求項9に記載の駆動制御方法であって、
前記運行履歴を基にして前記半導体素子の将来の消費電力予測値および前記モータの将来の消費電力予測値を演算し、
前記制御パラメータを、前記半導体素子の将来の温度履歴予測値が所定の温度閾値以下で、かつ、前記半導体素子の現在の損傷度および前記半導体素子の将来の損傷度予測値に基づく前記半導体素子の損傷度が所定の損傷度閾値以下となる条件で、当該半導体素子の将来の消費電力予測値および前記モータの将来の消費電力予測値に基づいて選定する
ことを特徴とする駆動制御方法。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、鉄道車両が搭載するモータに電力を供給する電力変換器の駆動制御システムおよび駆動制御方法に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)
【背景技術】
【0002】
鉄道車両では、一般的に、その床下に、駆動用モータに供給する電力を制御する電力変換装置が搭載される。電力変換装置には、電流のスイッチングを行って直流/交流の電力変換を行う半導体素子から構成される電力変換器が設置される。半導体素子においては、通電時およびスイッチング時に熱が発生する。この熱により、半導体素子が高温になると、変換効率の低下や素子の劣化が懸念されるため、半導体素子を所定の温度範囲になるように、冷却、制御する必要がある。
【0003】
一方、鉄道車両の電力消費量の低減には、制御パラメータの一つであるキャリア周波数を高くして、駆動用モータの高調波損失を低減することが有効である。ここで、キャリア周波数を高くすると、電力変換器を構成する半導体素子の損失が上昇し、それに伴い半導体素子の温度が上昇する。さらに、半導体素子の温度サイクルにより繰り返し発生する熱応力による損傷が発生しやすくなる。
【0004】
鉄道車両に搭載される電力変換装置の例として、ここでは、特許文献1および特許文献2を挙げる。
特許文献1には、電源からの電力を変換して電気車の負荷に電力を供給する電力変換部と、電力変換部を冷却する冷却部と、電力変換部をPWM制御する制御部を備え、制御部は、電気車の位置、電力変換部の温度、電気車制御装置の内部の温度、外気温又は電気車の乗車率のいずれか少なくとも1つ以上のパラメータに基づいて、PWM制御のキャリア周波数、キャリアパルス数又は電力変換部の出力電力を変更する構成が開示されている。かかる従来技術によれば、適切な冷却性能を有し、小型かつ低コストな電気車制御装置を提供する効果が期待される。
【0005】
特許文献2には、電気車のモータごとに設けられ、供給電力をモータを制御する交流電力に変換するインバータを有する電力変換回路と、電気車が定速運転モードで走行する際、電力変換回路の入力電流値またはモータの電流値に基づいて、それぞれのインバータを起動または停止する制御部とを備えた電気車制御装置の構成が開示されている。かかる従来技術によれば、走行状態における高効率な運転状態を、よりきめ細かく制御することのできる電気車制御装置を提供する効果が期待される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2016-140204号公報
特開2015-6063号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
一般的に、電力変換装置は、代表路線における最悪条件で半導体素子の温度が許容値以下、寿命が稼働予定期間以上となるように、設計段階において制御パラメータを設定している。しかしながら、実稼働においては、鉄道車両における、モータ電流、周囲温度、乗車率などの運行履歴が最悪条件ではなく、半導体素子の温度および損傷度がそれぞれの許容値に対し余裕がある場合がある。
【0008】
このような条件において、鉄道車両の消費電力を低減するには、制御パラメータの一つであるキャリア周波数を高くして駆動用モータの高調波損失を低減することが有効である。ただし、半導体素子の温度および損傷度がそれぞれの許容値を超えないようにする必要性があるため、キャリア周波数を変更した際の将来の温度および損傷度を予測する必要がある。
【0009】
そこで、本発明は、上述した課題に鑑みてなされたものであり、半導体素子の温度超過および損傷を発生させない範囲で、実稼働条件に応じて鉄道車両の消費電力を低減等することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、鉄道車両が搭載するモータに電力を供給する電力変換器に対して代表的な本発明の駆動制御システムの一つは、複数の半導体素子から構成される電力変換器を駆動制御する指令を出力する演算装置を備え、演算装置は、実稼働での半導体素子の温度履歴を基にして当該半導体素子の現在の損傷度を演算し、また、実稼働での鉄道車両の運行履歴を基にして半導体素子の将来の温度履歴予測値および半導体素子の将来の損傷度予測値を演算し、更に、半導体素子の将来の温度履歴予測値、半導体素子の現在の損傷度および半導体素子の将来の損傷度予測値に基づいて制御パラメータを選定し、当該制御パラメータを用いて指令を出力するものである。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)
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