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公開番号2025001257
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-08
出願番号2023100743
出願日2023-06-20
発明の名称シート
出願人株式会社SUBARU
代理人弁理士法人青海国際特許事務所,個人
主分類B60N 2/888 20180101AFI20241225BHJP(車両一般)
要約【課題】後面衝突時の前席乗員の鞭打ち傷害を抑制するとともに前面衝突時の後席乗員の頭部傷害を抑制したシートを提供する。
【解決手段】ヘッドレスト部30を有するシート1を、ヘッドレスト部の左右側部に設けられた左右フレーム31L,31Rと、左右フレームに取り付けられた左衝撃吸収部材40L、右衝撃吸収部材40Rとを備え、左衝撃吸収部材は、左被入力面部41Lと左連結部43Lとを有し、右衝撃吸収部材は、右被入力面部41Rと右連結部43Rとを有し、左連結部の左被入力面部側の端部は、左連結部と左フレームとの結合箇所に対して、車両前方かつ右側に配置され、右連結部の右被入力面部側の端部は、右連結部と右フレームとの結合箇所に対して、車両前方かつ左側に配置され、左右被入力面部は左右方向に間隔を隔てて配置される構成とする。
【選択図】図4
特許請求の範囲【請求項1】
着座する乗員の頭部後方に設けられるヘッドレスト部を有するシートであって、
前記ヘッドレスト部の左右側部に設けられた左フレーム及び右フレームと、
前記左フレームに取り付けられた左衝撃吸収部材と、
前記右フレームに取り付けられた右衝撃吸収部材と
を備え、
左衝撃吸収部材は、前記乗員の後頭部と対向して配置された左被入力面部と、前記左被入力面部の左側端部と前記左フレームとを連結する左連結部とを有し、
右衝撃吸収部材は、前記乗員の後頭部と対向して配置された右被入力面部と、前記右被入力面部の右側端部と前記右フレームとを連結する右連結部とを有し、
前記左連結部の前記左被入力面部側の端部は、前記左連結部と前記左フレームとの結合箇所に対して、車両前方かつ右側に配置され、
前記右連結部の前記右被入力面部側の端部は、前記右連結部と前記右フレームとの結合箇所に対して、車両前方かつ左側に配置され、
前記左被入力面部の右側端部と前記右被入力面部の左側端部とは左右方向に間隔を隔てて配置されること
を特徴とするシート。
続きを表示(約 440 文字)【請求項2】
前記左衝撃吸収部材及び前記右衝撃部材の前方側に弾性部材が設けられ、
前記弾性部材は、前記乗員の頭部を中央側へ誘導する斜面部が形成されること
を特徴とする請求項1に記載のシート。
【請求項3】
前記左衝撃吸収部材の前記左被入力面部と前記左連結部とがプレート状に一体に形成され、
前記右衝撃吸収部材の前記右被入力面部と前記右連結部とがプレート状に一体に形成されること
を特徴とする請求項1又は請求項2に記載のシート。
【請求項4】
前記左衝撃吸収部材及び前記右衝撃吸収部材は、上下方向に複数配列されること
を特徴とする請求項1又は請求項2に記載のシート。
【請求項5】
前記ヘッドレスト部における前記左被入力面部の右側端部と前記右被入力面部の左側端部との間隔に、前記ヘッドレスト部を前後方向に貫通する開口が設けられること
を特徴とする請求項1又は請求項2に記載のシート。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、車両等の移動体に設けられるシートに関する。
続きを表示(約 3,000 文字)【背景技術】
【0002】
自動車等の車両のシートのヘッドレスト周辺部に関する技術として、例えば特許文献1には、前面側と後面側とを交互に切り起こし状に形成することにより内腔空部を有せしめたヘッドレスト補強部材を背もたれ枠部材の上部に固着又は背もたれ枠部材と一体形成し、補強部材を内側に収め得る袋状部と、背もたれの背面状部を覆う背面部と、背もたれの両肩を覆う肩部とを連続一体あるいは前後別体に成型された緩衝材を補強材及び背もたれ枠部材に外嵌したものが記載されている。
特許文献2には、シートバックに保持されるステーと、ステーに連結されてパッドに内設される内設体とを有する車両用シートのヘッドレスト装置において、内設体は、前記パッドを略中央部において支持する中央支持部と、パッドを両側部において支持する側方支持部とを有し、側方支持部が前方に向けて凹となるように湾曲状に形成されることにより、中央支持部が前方に向けて凸となるように突出状に屈曲形成されており、中央支持部が後方に向けて押圧されると、前記側方支持部が前方に向けて凹となるように湾曲状に形成された後面部位とステーとの連結箇所を支点として前方に向けて回動する構成にしたものが記載されている。
特許文献3には、車両用シートのシートバックの上部位置に設けられて乗員の頭部を支持するヘッドレストにおいて、乗員の後頭部を支持する後頭支持部と、後頭支持部の両サイドに位置して乗員の側頭部を支持する側頭支持部と、側頭支持部を後頭支持部に対して前後方向に相対移動させることのできる作動構造を備えた可動機構とを有し、可動機構は、後頭支持部と側頭支持部との間で揺動運動可能に配設された揺動部材を有し、各揺動部材は、それらの揺動運動時に前方に揺動する一方側の面部によって各側頭支持部を押圧し側頭支持部による乗員の側頭部を支持する側頭支持位置を前方移動させると共に、それらの後方に揺動する他方側の面部によって後頭支持部を押圧し該後頭支持部による乗員の後頭部を支持する後頭支持位置を後方移動させるようになっており、各揺動部材は、後頭支持部と各側頭支持部との形状内部に跨って揺動運動するようになっており、各揺動部材を揺動運動させるための駆動は、各揺動部材の前方に揺動する一方側の面部の背面側に配設されたエアバッグを膨張展開させることによって行われるようになっているものが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
実公昭54- 11928号公報
特許第4075452号
特許第5087960号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前後方向に複数の座席が設けられる車両において、前席シートのヘッドレスト部分は、後面衝突時(被追突時)における前席乗員の鞭打ち傷害抑制、前面衝突時における後席乗員の頭部の衝突による傷害の抑制に重要な部分である。
上述した問題に鑑み、本発明の課題は、後面衝突時の前席乗員の鞭打ち傷害を抑制するとともに前面衝突時の後席乗員の頭部傷害を抑制したシートを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した課題を解決するため、本発明の一態様に係るシートは、着座する乗員の頭部後方に設けられるヘッドレスト部を有するシートであって、前記ヘッドレスト部の左右側部に設けられた左フレーム及び右フレームと、前記左フレームに取り付けられた左衝撃吸収部材と、前記右フレームに取り付けられた右衝撃吸収部材とを備え、左衝撃吸収部材は、前記乗員の後頭部と対向して配置された左被入力面部と、前記左被入力面部の左側端部と前記左フレームとを連結する左連結部とを有し、右衝撃吸収部材は、前記乗員の後頭部と対向して配置された右被入力面部と、前記右被入力面部の右側端部と前記右フレームとを連結する右連結部とを有し、前記左連結部の前記左被入力面部側の端部は、前記左連結部と前記左フレームとの結合箇所に対して、車両前方かつ右側に配置され、前記右連結部の前記右被入力面部側の端部は、前記右連結部と前記右フレームとの結合箇所に対して、車両前方かつ左側に配置され、前記左被入力面部の右側端部と前記右被入力面部の左側端部とは左右方向に間隔を隔てて配置されることを特徴とする。
これによれば、車両の後面衝突時には、シートに着座した乗員の後頭部が前方側からヘッドレスト部に押し込まれ、左衝撃吸収部材、右衝撃吸収部材の左被入力面部、右被入力面部に荷重を伝達する。これにより、各衝撃吸収部材は各連結部が屈曲して各被入力面部が後退する方向に変形してエネルギを吸収する。これにより、乗員の鞭打ち傷害が抑制される。
一方、車両の前面衝突時には、シートの後方に着座した乗員の頭部が後方側からヘッドレスト部に押し込まれ、各衝撃吸収部材の各被入力面部に荷重を伝達する。これにより、各衝撃吸収部材は各連結部が屈曲して各被入力面部が前進する方向に変形してエネルギを吸収する。これにより、後席乗員の頭部傷害が抑制される。
【0006】
本発明において、前記左衝撃吸収部材及び前記右衝撃部材の前方側に弾性部材が設けられ、前記弾性部材は、前記乗員の頭部を中央側へ誘導する斜面部が形成される構成とすることができる。
これによれば、後面衝突時に乗員の頭部が左右方向にオフセットしている場合に、乗員の頭部が中央側に誘導されることにより、各衝撃吸収部材の各被入力面部に適切に荷重伝達を行わせ、上述した効果を適切に得ることができる。
【0007】
本発明において、前記左衝撃吸収部材の前記左被入力面部と前記左連結部とがプレート状に一体に形成され、前記右衝撃吸収部材の前記右被入力面部と前記右連結部とがプレート状に一体に形成される構成とすることができる。
これによれば、部品点数を低減して構成を簡素化することができる。
【0008】
本発明において、前記左衝撃吸収部材及び前記右衝撃吸収部材は、上下方向に複数配列される構成とすることができる。
これによれば、ヘッドレスト部に昇降機構を設けることなく広範な体格の乗員に適合させることが可能となる。
これにより、バックレスト部の上端部にクロスメンバ等の硬質部品を配置する必要がなくなり、硬質部品との衝突による後席乗員の傷害を抑制することができる。
【0009】
本発明において、前記ヘッドレスト部における前記左被入力面部の右側端部と前記右被入力面部の左側端部との間隔に、前記ヘッドレスト部を前後方向に貫通する開口が設けられる構成とすることができる。
これによれば、車室内における視界を改善するとともに、髪形に起因する不快感を低減することができる。
【発明の効果】
【0010】
以上説明したように、本発明によれば、後面衝突時の前席乗員の鞭打ち傷害を抑制するとともに前面衝突時の後席乗員の頭部傷害を抑制したシートを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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