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公開番号2025000166
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-07
出願番号2023099868
出願日2023-06-19
発明の名称水剥離性光学粘着シート
出願人日東電工株式会社
代理人弁理士法人いくみ特許事務所
主分類C09J 7/38 20180101AFI20241224BHJP(染料;ペイント;つや出し剤;天然樹脂;接着剤;他に分類されない組成物;他に分類されない材料の応用)
要約【課題】水リワーク性を確保しつつ高温高湿での接着信頼性を確保できる水剥離性光学粘着シートを提供する。
【解決手段】本発明の水剥離性光学粘着シートは、所定の水剥離試験での粘着力Fw1が0.5N/10mm以下であり、所定の高温高湿剥離試験での粘着力Fzが1.0N/10mm以上である。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
水剥離性光学粘着シートであって、
下記の第1水剥離試験での粘着力Fw

が0.5N/10mm以下であり、
下記の高温高湿剥離試験での粘着力Fzが1.0N/10mm以上である、水剥離性光学粘着シート。
第1水剥離試験:
まず、フロート法で作製されたアルカリガラス板に対し、前記水剥離性光学粘着シートの幅10mm×長さ100mmの粘着シート片を貼り合わせて、第1積層体を得る。次に、前記第1積層体を、50℃、0.5MPaおよび15分の条件で加熱加圧処理する。次に、第1積層体を、室温で30分間、静置する。次に、20μLの蒸留水を、前記アルカリガラス板と前記粘着シート片との界面における前記粘着シート片の長さ方向一端に前記蒸留水が接するように、前記第1積層体の前記アルカリガラス板上に供給する。次に、25℃、相対湿度50%、剥離角度180°および引張速度300mm/分の条件で前記粘着シート片の前記長さ方向一端側を引っ張ることにより、前記アルカリガラス板から前記粘着シート片を剥離して前記粘着力Fw

を測定する。
高温高湿剥離試験:
まず、フロート法で作製されたアルカリガラス板に対し、前記水剥離性光学粘着シートの幅10mm×長さ100mmの粘着シート片を貼り合わせて、第2積層体を得る。次に、前記第2積層体を、50℃、0.5MPaおよび15分の条件で加熱加圧処理する。次に、第2積層体を、室温で30分間、静置する。次に、前記第2積層体を、60℃、相対湿度93%および15分の条件で高温高湿処理する。次に、60℃、相対湿度93%、剥離角度180°および引張速度300mm/分の条件で前記粘着シート片の長さ方向一端側を引っ張ることにより、前記アルカリガラス板から前記粘着シート片を剥離して前記粘着力Fzを測定する。
続きを表示(約 990 文字)【請求項2】
ヘイズが1%以下である、請求項1に記載の水剥離性光学粘着シート。
【請求項3】
下記の屈曲試験において、屈曲回数20万で剥がれが生じない、請求項1に記載の水剥離性光学粘着シート。
屈曲試験:
まず、厚さ25μmのポリエチレンテレフタレートフィルムと、厚さ75μmのポリイミドフィルムとの間が、前記水剥離性光学粘着シートによって接合された、積層フィルムを用意する。次に、前記積層フィルムを、50℃、0.5MPaおよび15分の条件で加熱加圧処理する。次に、積層フィルムから、幅25mm×長さ100mmの試験片を切り出す。次に、温度60℃および相対湿度95%の環境下で、面状体無負荷U字伸縮試験機により、前記試験片における長さ方向の中央部を、前記試験片の前記ポリイミドフィルム側が曲げの外側、曲げ半径1.5mm、曲げ角度180°および屈曲速度60rpmの条件で、屈曲させる。
【請求項4】
60℃および相対湿度95%における飽和水分率が5質量%以下である、請求項1に記載の水剥離性光学粘着シート。
【請求項5】
下記の第2水剥離試験において粘着力Fw

を有し、前記粘着力Fw

に対する前記粘着力Fw

の変動率が70%以下である、請求項1から4のいずれか一つに記載の水剥離性光学粘着シート。
第2水剥離試験:
まず、フロート法で作製されたアルカリガラス板に対し、前記水剥離性光学粘着シートの幅10mm×長さ100mmの粘着シート片を貼り合わせて、第3積層体を得る。次に、前記第3積層体を、50℃、0.5MPaおよび15分の条件で加熱加圧処理する。次に、第3積層体を、室温で72時間、静置する。次に、20μLの蒸留水を、前記アルカリガラス板と前記粘着シート片との界面における前記粘着シート片の長さ方向一端に前記蒸留水が接するように、前記第3積層体の前記アルカリガラス板上に供給する。次に、25℃、相対湿度50%、剥離角度180°および引張速度300mm/分の条件で前記粘着シート片の前記長さ方向一端側を引っ張ることにより、前記アルカリガラス板から前記粘着シート片を剥離して前記粘着力F

を測定する。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、水剥離性光学粘着シートに関する。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
ディスプレイパネルは、例えば、画素パネル、偏光フィルムおよびカバーフィルムなどの要素を含む積層構造を有する。ディスプレイパネルの製造過程では、積層構造に含まれる要素どうしの接合のために、例えば、光学的に透明な粘着シート(光学粘着シート)が用いられる。
【0003】
一方、水剥離性を有する光学粘着シート(水剥離性光学粘着シート)が知られている。水剥離性光学粘着シートは、被着体に貼り合わされた後に当該被着体と粘着シートとの界面に水性液体の液滴(水滴等)を浸入させることにより、粘着力を低下させることができる光学粘着シートである。このような水剥離性光学粘着シートは、被着体に貼り合わせた後、必要に応じて、水を用いて被着体から容易に剥離できる。例えば、ディスプレイパネルの製造過程では、被着体への水剥離性光学粘着シートの貼り合わせに不良(位置ずれ等)が生じた場合、水を用いて当該粘着シートを被着体から剥離して、代わりの光学粘着シートでの貼合せ作業を実施できる(水リワーク性)。このような、ディスプレイパネル用途の水剥離性光学粘着シートについては、例えば下記の特許文献1に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2020-23679号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1には、アクリルベースポリマーと界面活性剤とを含有する水剥離性光学粘着シートが記載されている。界面活性剤は、遊離の状態で粘着シート中に分散している。この粘着シートにおいては、粘着面に界面活性剤が存在することにより、水剥離性が発現する。しかし、界面活性剤は、アクリルベースポリマーと比較して分子量が有意に小さいため、粘着シート内において粘着面とその近傍に次第に移動して偏在化する傾向を有する。特許文献1の粘着シートにおいては、比較的多量の界面活性剤が粘着面に偏在化することにより、高温高湿環境下での粘着シートの粘着力が低下する。本発明者らは、特許文献1の粘着シートに関してこのような知見を得た。
【0006】
本発明は、水リワーク性を確保しつつ高温高湿での接着信頼性を確保できる水剥離性光学粘着シートを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明[1]は、水剥離性光学粘着シートであって、下記の第1水剥離試験での粘着力Fw

が0.5N/10mm以下であり、下記の高温高湿剥離試験での粘着力Fzが1.0N/10mm以上である、水剥離性光学粘着シートを含む。
【0008】
第1水剥離試験:
まず、フロート法で作製されたアルカリガラス板に対し、前記水剥離性光学粘着シートの幅10mm×長さ100mmの粘着シート片を貼り合わせて、第1積層体を得る。次に、前記第1積層体を、50℃、0.5MPaおよび15分の条件で加熱加圧処理する。次に、第1積層体を、室温で30分間、静置する。次に、20μLの蒸留水を、前記アルカリガラス板と前記粘着シート片との界面における前記粘着シート片の長さ方向一端に前記蒸留水が接するように、前記第1積層体の前記アルカリガラス板上に供給する。次に、25℃、相対湿度50%、剥離角度180°および引張速度300mm/分の条件で前記粘着シート片の前記長さ方向一端側を引っ張ることにより、前記アルカリガラス板から前記粘着シート片を剥離して前記粘着力Fw

を測定する。
【0009】
高温高湿剥離試験:
まず、フロート法で作製されたアルカリガラス板に対し、前記水剥離性光学粘着シートの幅10mm×長さ100mmの粘着シート片を貼り合わせて、第2積層体を得る。次に、前記第2積層体を、50℃、0.5MPaおよび15分の条件で加熱加圧処理する。次に、第2積層体を、室温で30分間、静置する。次に、前記第2積層体を、60℃、相対湿度93%および15分の条件で高温高湿処理する。次に、60℃、相対湿度93%、剥離角度180°および引張速度300mm/分の条件で前記粘着シート片の長さ方向一端側を引っ張ることにより、前記アルカリガラス板から前記粘着シート片を剥離して前記粘着力Fzを測定する。
【0010】
本発明[2]は、ヘイズが1%以下である、上記[1]に記載の水剥離性光学粘着シートを含む。
(【0011】以降は省略されています)

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