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公開番号2025000274
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-07
出願番号2023100043
出願日2023-06-19
発明の名称光学粘着シート
出願人日東電工株式会社
代理人弁理士法人いくみ特許事務所
主分類C09J 7/38 20180101AFI20241224BHJP(染料;ペイント;つや出し剤;天然樹脂;接着剤;他に分類されない組成物;他に分類されない材料の応用)
要約【課題】被着体に対する接着信頼性と事後的な水リワーク性の発現とを両立できる光学粘着シートを提供する。
【解決手段】本発明の粘着シート10は、ベースポリマーとして光重合ポリマーを含有する。粘着シート10は、所定の初期剥離試験での粘着力Fn1が1.4N/10mm以上であり、所定の第1水剥離試験での粘着力Fw1が1.2N/10mm超であり、且つ、所定の第2水剥離試験での粘着力Fw2が1.2N/10mm以下である。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
ベースポリマーとして光重合ポリマーを含有する光学粘着シートであって、
下記の初期剥離試験での粘着力Fn

が1.4N/10mm以上であり、
下記の第1水剥離試験での粘着力Fw

が1.2N/10mm超であり、
下記の第2水剥離試験での粘着力Fw

が1.2N/10mm以下である、光学粘着シート。
初期剥離試験:
まず、フロート法で作製されたアルカリガラス板に対し、前記光学粘着シートの幅10mm×長さ100mmの粘着シート片を貼り合わせて、積層体を得る(用意ステップ)。次に、前記積層体を、50℃、0.5MPaおよび15分の条件で加熱加圧処理する(加熱加圧ステップ)。次に、前記積層体を、室温で30分間、静置する(静置ステップ)。次に、25℃、相対湿度50%、剥離角度180°および引張速度300mm/分の条件で前記粘着シート片の長さ方向一端側を引っ張ることにより、前記アルカリガラス板から前記粘着シート片を剥離して粘着力を測定する(測定ステップ)。
第1水剥離試験:
前記静置ステップの後であって前記測定ステップの前に水供給ステップを実施すること以外は、前記初期剥離試験と同じである。前記水供給ステップでは、20μLの蒸留水を、前記アルカリガラス板と前記粘着シート片との界面における前記粘着シート片の長さ方向一端に前記蒸留水が接するように、前記積層体の前記アルカリガラス板上に供給する。
第2水剥離試験:
前記静置ステップにおいて前記積層体を室温で72時間静置すること以外は、前記第1水剥離試験と同じである。
続きを表示(約 740 文字)【請求項2】
下記の常温剥離試験において粘着力Fn

を有し、前記粘着力Fn

に対する前記粘着力Fw

の比率が0.4以下である、請求項1に記載の光学粘着シート。
常温剥離試験:
前記静置ステップにおいて前記積層体を室温で72時間静置すること以外は、前記初期剥離試験と同じである。
【請求項3】
下記の常温剥離試験での粘着力Fn

が3.0N/10mm以上である、請求項1に記載の光学粘着シート。
常温剥離試験:
前記静置ステップにおいて前記積層体を室温で72時間静置すること以外は、前記初期剥離試験と同じである。
【請求項4】
下記の第3水剥離試験において粘着力Fw

を有し、前記粘着力Fw

に対する前記粘着力Fw

の変動率が30%以下である、請求項1から3のいずれか一つに記載の光学粘着シート。
第3水剥離試験:
前記静置ステップにおいて前記積層体を室温で168時間静置すること以外は、前記第1水剥離試験と同じである。
【請求項5】
前記光重合ポリマーが、反応性界面活性剤を含む重合性成分の重合物である、請求項1から3のいずれか一つに記載の光学粘着シート。
【請求項6】
前記光学粘着シートが非反応性界面活性剤を更に含有する、請求項1から3のいずれか一つに記載の光学粘着シート。
【請求項7】
前記光学粘着シートが親水性オリゴマーを更に含有する、請求項1から3のいずれか一つに記載の光学粘着シート。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、光学粘着シートに関する。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
ディスプレイパネルは、例えば、画素パネル、偏光フィルムおよびカバーフィルムなどの要素を含む積層構造を有する。ディスプレイパネルの製造過程では、積層構造に含まれる要素どうしの接合のために、例えば、光学的に透明な粘着シート(光学粘着シート)が用いられる。
【0003】
一方、水剥離性を有する光学粘着シート(光学粘着シート)が知られている。光学粘着シートは、被着体に貼り合わされた後に当該被着体と粘着シートとの界面に水性液体の液滴(水滴等)を浸入させることにより、粘着力を低下させることができる光学粘着シートである。このような光学粘着シートは、被着体に貼り合わせた後、必要に応じて、水を用いて被着体から容易に剥離できる。例えば、ディスプレイパネルの製造過程では、被着体への光学粘着シートの貼り合わせに不良(位置ずれ等)が生じた場合、水を用いて当該粘着シートを被着体から剥離して、代わりの光学粘着シートでの貼合せ作業を実施できる(水リワーク性)。このような、ディスプレイパネル用途の水剥離性の光学粘着シートについては、例えば下記の特許文献1に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2020-23679号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1には、アクリルベースポリマーと界面活性剤とを含有する光学粘着シートが記載されている。界面活性剤は、遊離の状態で粘着シート中に分散している。この粘着シートにおいては、粘着面に界面活性剤が存在することにより、水剥離性が発現する。しかし、特許文献1の光学粘着シートにおいては、比較的多量の界面活性剤が配合されているため、被着体に対する光学粘着シートの貼合わせ直後から水剥離性が発現する。そのような光学粘着シートは、当該粘着シートが用いられる加工工程中、或いはその後の保管中または移動中に、被着体上の光学粘着シートに意図しない水が付着した場合、当該粘着シートに浮きおよび剥がれが発生するという不具合を有する。そのような不具合を避ける観点から、光学粘着シートには、事後的に水剥離性が発現することが求められる場合がある。
【0006】
本発明は、被着体に対する良好な接着信頼性と事後的な水リワーク性の発現とを両立できる光学粘着シートを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明[1]は、ベースポリマーとして光重合ポリマーを含有する光学粘着シートであって、下記の初期剥離試験での粘着力Fn

が1.4N/10mm以上であり、下記の第1水剥離試験での粘着力Fw

が1.2N/10mm超であり、下記の第2水剥離試験での粘着力Fw

が1.2N/10mm以下である、光学粘着シートを含む。
【0008】
初期剥離試験:
まず、フロート法で作製されたアルカリガラス板に対し、前記光学粘着シートの幅10mm×長さ100mmの粘着シート片を貼り合わせて、積層体を得る(用意ステップ)。次に、前記積層体を、50℃、0.5MPaおよび15分の条件で加熱加圧処理する(加熱加圧ステップ)。次に、前記積層体を、室温で30分間、静置する(静置ステップ)。次に、25℃、相対湿度50%、剥離角度180°および引張速度300mm/分の条件で前記粘着シート片の長さ方向一端側を引っ張ることにより、前記アルカリガラス板から前記粘着シート片を剥離して粘着力を測定する(測定ステップ)。
【0009】
第1水剥離試験:
前記静置ステップの後であって前記測定ステップの前に水供給ステップを実施すること以外は、前記初期剥離試験と同じである。前記水供給ステップでは、20μLの蒸留水を、前記アルカリガラス板と前記粘着シート片との界面における前記粘着シート片の長さ方向一端に前記蒸留水が接するように、前記積層体の前記アルカリガラス板上に供給する。
【0010】
第2水剥離試験:
前記静置ステップにおいて前記積層体を室温で72時間静置すること以外は、前記第1水剥離試験と同じである。
(【0011】以降は省略されています)

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