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公開番号2025012929
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-24
出願番号2023116132
出願日2023-07-14
発明の名称水まわり部材
出願人TOTO株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類C09K 3/18 20060101AFI20250117BHJP(染料;ペイント;つや出し剤;天然樹脂;接着剤;他に分類されない組成物;他に分類されない材料の応用)
要約【課題】実使用環境下で良好な防汚性を発揮するとともに、良好な小物載置安定性も発揮する載置部を備える水まわり部材の提供。
【解決手段】載置部12は、基材と、当該基材の表面に形成された機能層とを備え、基材は、JIS-B0633(2001)に準拠して測定される、その表面の算術平均粗さRaが0.1μm未満であり、その表面にケイ素原子と酸素原子とを含み、機能層は、パーフルオロポリエーテル鎖を含み、載置部12は、その表面における、ステアリン酸ナトリウム2ppmおよびトリステアリン1ppmを含むイオン交換水である疑似汚水の接触角が104°以上であり、載置部12の表面をX線光電子分光法(XPS)測定することによって得られるスペクトルのピーク分離によって得られる、パーフルオロポリエーテル鎖の主鎖を構成する炭素原子の数に対するパーフルオロポリエーテル鎖における酸素原子の数の割合が0.6未満である。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
水受け部と載置部とを備える水まわり部材であって、
前記載置部は、基材と、当該基材の表面に形成された機能層とを備え、
前記基材は、JIS-B0651(2001)に準拠した触針式表面粗さ測定装置により、JIS-B0633(2001)に準拠して測定される、その表面の算術平均粗さRaが0.1μm未満であり、
前記基材は、その表面に、ケイ素原子と酸素原子とを含み、
前記機能層は、パーフルオロポリエーテル鎖を含み、
前記載置部は、その表面における、ステアリン酸ナトリウム2ppmおよびトリステアリン1ppmを含むイオン交換水である疑似汚水の接触角が104°以上であり、
前記載置部の表面をX線光電子分光法(XPS)測定することによって得られるスペクトルのピーク分離によって得られる、前記パーフルオロポリエーテル鎖の主鎖を構成する炭素原子の数に対する前記パーフルオロポリエーテル鎖における酸素原子の数の割合(以下、「O/C比」という。)が0.6未満であることを特徴とする水まわり部材。
続きを表示(約 310 文字)【請求項2】
前記載置部は、直線摺動式測定法により、荷重を25g/cm

、移動速度を500mm/min、RANGEを100%、移動モードをシングルモード、測定長さを20mm、摺動子として不織布を用いる条件で測定される、表面の動摩擦係数が0.11を超える、請求項1に記載の水まわり部材。
【請求項3】
前記O/C比が0を超え0.5以下である、請求項1に記載の水まわり部材。
【請求項4】
前記基材は衛生陶器からなる、請求項1~3のいずれかに記載の水まわり部材。
【請求項5】
前記水受け部および前記載置部が一体である、請求項4に記載の水まわり部材。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、良好な防汚性と良好な小物載置安定性とを兼ね備えた水まわり部材に関する。
続きを表示(約 2,700 文字)【背景技術】
【0002】
水まわりで用いられる部材(水まわり部材)は、水が存在する環境下で用いられるため、その表面には水が付着しやすい。この表面に付着した水が乾燥することで、水まわり部材の表面に、水道水に含まれる成分であるシリカやカルシウムを含んだ水垢が形成される。また、水まわり部材の表面には、タンパク質や皮脂、カビ等の微生物、金属石鹸などの汚れも付着しやすい。例えば、水まわり部材の一例である洗面器においては、手洗い等の行為が行われるため、その表面には、水垢だけでなく、皮脂等のヒト由来の有機汚れも付着しやすい。さらに、表面に固着した汚れや水垢を除去する場合、強アルカリ性や強酸性の洗剤を使用したり、拭き取るのに必要な力が強くなったり、拭き取り回数が多くなったりする。つまり、水まわり部材は高負荷の使用環境におかれる。そこで近年では、汚れ付着防止のために表面を撥水撥油処理することができ、水まわり部材との密着性や耐久性に優れたパーフルオロポリエーテル鎖を含有する化合物を部材表面に適用する技術が提案されている。
【0003】
例えば、特開2011-021088号公報(特許文献1)には、釉薬層を有する衛生陶器の表面に、パーフルオロポリエーテルからなる主剤と、特定平均分子量のアルカンを含む溶媒とを含む防汚塗料を塗布して防汚層を形成することが記載されている。特許文献1によれば、パーフルオロポリエーテルにはCF

側鎖が含まれ(段落0013-0014)、このパーフルオロポリエーテルと特定平均分子量のアルカンを含む防汚塗料を塗布することで平滑性に優れた防汚層を形成し(段落0016)、これにより水垢に基づく防汚性と油分に基づく防汚性とをともに向上させるとされている。
【0004】
また、特開2016-204656号公報(特許文献2)には、特定構造のパーフルオロポリエーテル基含有ポリマー変性シランを含む表面処理剤で表面処理された物品は、優れた撥水撥油性および耐摩耗性を有することが記載されている。
【0005】
また、特開2022-059417号公報(特許文献3)には、CF

側鎖を有する側鎖型パーフルオロポリエーテル基含有ポリマーと、側鎖を有さない直鎖型パーフルオロポリエーテル基含有ポリマーとを所定の割合で含むコーティング剤を、化学強化ガラス基材に塗布、硬化して形成した層を有する物品は、撥水撥油性に優れ、適度なすべり性(動摩擦係数)を有することが記載されている。
【0006】
また、特開2008-308628号公報(特許文献4)には、2種のパーフルオロポリエーテル-ポリシロキサン共重合体変性シランが混合された含フッ素コーティング剤組成物の硬化被膜は、動摩擦係数が低く、超音波洗浄前後における動摩擦係数の上昇が抑制される(低動摩擦な表面を持続できる)ことが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開2011-021088号公報
特開2016-204656号公報
特開2022-059417号公報
特開2008-308628号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明者らは、水まわり部材の基材の表面に特定のパーフルオロポリエーテル鎖を適用することにより、当該パーフルオロポリエーテル鎖が有する可撓性又は弾き性に起因して、水まわり部材を実際に使用する環境下(以下、「実使用環境下」ともいう)、例えば水道水と皮脂等の有機汚れとが混在した状態で水まわり部材の表面に接触する環境下で、良好な防汚性を発揮する水まわり部材が得られることを見出した。
ところで、水まわり部材には、その使用に伴って使用される小物類を載置することがある部位(載置部)を備えるタイプが存在する。本発明者らは、このような載置部の基材の表面が平滑性を有する場合において、載置部の基材の表面に上記した特定のパーフルオロポリエーテル鎖を適用し、載置部に上記した良好な防汚性を付与した場合、小物がひとりでに滑り出し、例えば水受け部に落下してしまうことがあるという新規な課題を見出した。すなわち、良好な防汚性の発揮を可能とする特定のパーフルオロポリエーテル鎖が有する可撓性又は弾き性が、載置部における小物載置安定性を阻害してしまうことがあるという新規な課題を見出した。
そして、今般、実使用環境下における良好な防汚性と、良好な小物載置安定性との両立を実現した載置部を備える水まわり部材の新規な構成を見出した。すなわち、表面が平滑な基材の当該表面に、より特定のパーフルオロポリエーテル鎖を適用することで、実使用環境下で良好な防汚性を発揮するとともに、良好な小物載置安定性も発揮する載置部を備える水まわり部材が得られることを見出した。本発明は、これらの知見に基づくものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明による水まわり部材は、
水受け部と載置部とを備え、
前記載置部は、基材と、当該基材の表面に形成された機能層とを備え、
前記基材は、JIS-B0651(2001)に準拠した触針式表面粗さ測定装置により、JIS-B0633(2001)に準拠して測定される、その表面の算術平均粗さRaが0.1μm未満であり、
前記基材は、その表面に、ケイ素原子と酸素原子とを含み、
前記機能層は、パーフルオロポリエーテル鎖を含み、
前記載置部は、その表面における、ステアリン酸ナトリウム2ppmおよびトリステアリン1ppmを含むイオン交換水である疑似汚水の接触角が104°以上であり、
前記載置部の表面をX線光電子分光法(XPS)測定することによって得られるスペクトルのピーク分離によって得られる、前記パーフルオロポリエーテル鎖の主鎖を構成する炭素原子の数に対する前記パーフルオロポリエーテル鎖における酸素原子の数の割合(以下、「O/C比」という。)が0.6未満であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、平滑な表面を有する基材の当該表面に、特定のパーフルオロポリエーテル鎖を適用することにより、実使用環境下で良好な防汚性を発揮するとともに、良好な小物載置安定性も発揮する載置部を備える水まわり部材が提供される。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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