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公開番号2024177051
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-12-19
出願番号2024016498
出願日2024-02-06
発明の名称電動液圧アクチュエーター、及びブレーキ装置
出願人日本アイキャン株式会社
代理人弁理士法人一色国際特許事務所
主分類F15B 15/18 20060101AFI20241212BHJP(流体圧アクチュエータ;水力学または空気力学一般)
要約【課題】電磁弁を用いずに液圧アクチュエーター内の作動流体を確実に排出することができる電動液圧アクチュエーターを提供する。
【解決手段】モーター3を動力とするポンプ7、第1状態となるように付勢されつつ第1状態と第2状態とを往復運動する液圧アクチュエーター5、リザーバー4、液圧アクチュエーターを液圧で制御する流体回路を備え、流体回路は、流体をポンプから液圧アクチュエーターに供給する加圧用流路201、流体を液圧アクチュエーターからアンロードバルブ61を介してリザーバーへ排出させる排出用流路300、加圧用流路の途上で分岐してアンロードバルブにパイロット圧に加圧された流体を供給するパイロット流路301、ポンプの動作中にパイロット圧を発生させる機構27、流体をポンプから液圧シリンダーへの方向にのみ通過させる逆止弁26を備え、ポンプが動作すると第2状態に移行し、ポンプが停止すると第1状態に復帰する。
【選択図】 図4
特許請求の範囲【請求項1】
回転動力を出力するモーターと、
前記モーターの回転動力によって動作するポンプと、
前記ポンプにより加圧された作動流体によって動作する液圧アクチュエーターと、
前記作動流体を蓄積するリザーバーと、
前記液圧アクチュエーターの動作を液圧により制御するための流体回路と、
を備え、
前記液圧アクチュエーターは、供給される前記作動流体の液圧に応じて第1動作状態と第2動作状態との間で往復運動するとともに、常時第1動作状態に復帰する方向に付勢されており、
前記流体回路は、
前記ポンプにより加圧された前記作動流体を液圧アクチュエーターに供給するための加圧用流路と、
前記液圧アクチュエーターと前記リザーバーとをアンロードバルブを介して開閉自在に連絡させる減圧用流路と、
前記減圧用流路を閉止させるために、前記アンロードバルブにパイロット圧に加圧された作動油を供給するパイロット流路と、
前記パイロット圧を発生させるパイロット圧発生機構と、
前記加圧用流路の途上に介在して前記ポンプから前記液圧アクチュエーターに向かう順方向にのみ前記作動流体を通過させるための逆止弁と、
を含み、
前記パイロット圧発生機構は、前記ポンプの動作中に前記パイロット圧を発生し、
前記パイロット流路は、前記加圧用流路における前記ポンプから前記逆止弁に至る途上で分岐して前記アンロードバルブに至り、
前記ポンプの動作中に前記パイロット圧が発生して前記第2動作状態に移行し、前記ポンプが停止すると前記パイロット圧が消失して前記減圧用流路が開通し、前記第1動作状態に復帰する、
電動液圧アクチュエーター。
続きを表示(約 2,400 文字)【請求項2】
請求項1に記載の電動液圧アクチュエーターであって、
前記ポンプから前記液圧アクチュエーターに至る前記加圧用流路の途上に前記パイロット圧発生機構を構成する絞り機構と、前記逆止弁とがこの順に配置されてなる、
電動液圧アクチュエーター。
【請求項3】
請求項2に記載の電動液圧アクチュエーターであって、前記絞り機構はオリフィスである、電動液圧アクチュエーター。
【請求項4】
請求項1に記載の電動液圧アクチュエーターであって、
前記逆止弁が前記パイロット圧発生機構を兼ね、
前記逆止弁は、前記ポンプから供給される作動流体が所定のパイロット圧以上であるときに当該作動流体を前記液圧アクチュエーターの方向に送出する、
電動液圧アクチュエーター。
【請求項5】
請求項1に記載の電動液圧アクチュエーターであって、
前記パイロット圧発生機構は、親弁と子弁とからなるアンロードリリーフバルブと、絞り機構とで構成され、
前記親弁は、絞り弁を内蔵し、前記パイロット流路に接続される親弁一次ポートと、前記リザーバーに連絡する流路に接続される親弁二次ポートと、前記絞り弁を介して前記親弁一次ポートに連絡する親弁パイロットポートとを有するとともに、所定の方向を上下方向として、前記親弁一次ポートにおける液圧によって上方に付勢される親弁スプールと、当該親弁スプールを下方に付勢する親弁スプリングとを有し、
前記子弁は、前記親弁パイロットポートに接続される子弁一次ポートと、前記絞り機構を介して前記リザーバーに連絡する流路に接続される子弁二次ポートと、前記逆止弁から前記液圧アクチュエーターに至る流路に接続される子弁パイロットポートとを有するとともに、所定の方向を上下方向として、前記子弁一次ポートにおける液圧により上方に付勢される弁体と、前記子弁パイロットポートにおける液圧により上方に付勢される子弁スプールと、前記弁体を下方に付勢する子弁スプリングとを有し、
前記子弁は、P2>P3として、前記子弁一次ポートにおける液圧P1を、前記弁体を上方に押圧する液圧P2と、前記子弁スプールを下方に押圧する液圧P3とに分散させるとともに、前記液圧P1が所定のカットアウト圧力になると、前記弁体が一方向に押圧されて前記子弁一次ポートと前記子弁二次ポートとが開通してアンロード状態となり、
前記親弁は、前記子弁のアンロード状態に伴って減圧した前記親弁パイロットポート側の前記液圧P1と、前記親弁一次ポート側の液圧P5との差圧により、前記親弁スプールが上方に押圧されて親弁一次ポートと親弁二次ポート間が開通してアンロード状態となり、
前記子弁がアンロード状態になると、前記子弁パイロットポートにおける液圧P4により、当該アンロード状態が維持され、
前記親弁と前記子弁とがともにアンロード状態になると、前記絞り機構の通過抵抗によって発生する前記液圧P1と前記親弁スプリングが前記親弁スプールを下方に付勢することで発生する液圧とによって前記液圧P5が前記パイロット圧に維持されるとともに、前記液圧P4により前記液圧アクチュエーターが前記第2動作状態に維持される、
電動液圧アクチュエーター。
【請求項6】
請求項5に記載の電動液圧アクチュエーターであって、
前記アンロードリリーフバルブは、作動流体の流路が形成されてなる金属ブロックに、前記親弁と前記子弁とが取り付けられてなる一体的なユニットであり、
前記親弁と前記子弁は、前記金属ブロックに対して着脱可能に構成されたカートリッジである、
電動液圧アクチュエーター。
【請求項7】
請求項6に記載の電動液圧アクチュエーターであって、前記金属ブロック内に形成された流路の途上に前記絞り機構が介在して、前記ユニットが前記パイロット圧発生機構を構成している、電動液圧アクチュエーター。
【請求項8】
請求項1に記載の電動液圧アクチュエーターであって、
前記流体回路は、前記パイロット流路から分岐しつつ絞り機構を経て前記リザーバーに至る流路を備え、
前記絞り機構は、前記ポンプの動作時において、前記パイロット圧発生機構による流路抵抗よりも高い流路抵抗を有するとともに、前記ポンプの停止時において、前記加圧用流路における前記ポンプから前記パイロット圧発生機構に至る流路と、前記パイロット流路とに残留する作動流体による残圧を解消する、
電動液圧アクチュエーター。
【請求項9】
請求項1~8のいずれかに記載の電動液圧アクチュエーターであって、
前記液圧アクチュエーターは直動式の液圧アクチュエーターであり、
直動式の前記液圧アクチュエーターのピストンが下死点にあるときに前記第1動作状態となり、
前記ピストンが上死点にあるときに前記第2動作状態となり、
前記ピストンは、ピストンロッドの先端に接続された外部機構により下死点となる方向に付勢されている、
電動液圧アクチュエーター。
【請求項10】
請求項1~8のいずれかに記載の電動液圧アクチュエーターであって、
前記液圧アクチュエーターは直動式の液圧アクチュエーターであり、
直動式の前記液圧アクチュエーターのピストンが下死点にあるときに前記第1動作状態となり、
前記ピストンが上死点にあるときに前記第2動作状態となり、
前記ピストンを常時下死点方向に付勢するスプリング機構を備える、
電動液圧アクチュエーター。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、電動液圧アクチュエーター、及びブレーキ装置に関する。
続きを表示(約 2,400 文字)【背景技術】
【0002】
電動液圧アクチュエーターは、モーターによって動作するポンプ(インペラポンプ、ギヤポンプ等)と、ポンプによって加圧された作動流体(作動油等)によって動作する液圧アクチュエーターと、流体回路とを備える。流体回路は、ポンプ、リザーバー、及び液圧油圧アクチュエーターのそれぞれを相互に接続する作動流体の流路と、流路の途上に介在してリザーバーに蓄積された作動流体を液圧アクチュエーターに供給して液圧アクチュエーターを作動させたり、作動状態にある液圧アクチュエーターから作動流体をリザーバーへ向けて排出させたりするための弁機構とを備える。
【0003】
なお、電動液圧アクチュエーターとしては、液圧アクチュエーターに油圧シリンダーを用いた電動油圧シリンダーがよく知られている。電動油圧シリンダーが備える流体回路(油圧回路)は、モーターの動力により動作するポンプと、油圧回路の適所に設置された弁機構とを制御し、例えば、リザーバー、ポンプ、油圧シリンダーの順に作動流体である作動油の流路を形成し、油圧シリンダーのシリンダーチューブ内に作動油を充填し、ピストンを押し上げる。なお、ピストンロッドの先端には、動作対象となる何らかの他の機構が連結されて、他の機構の動作が電動油圧シリンダーの動作に連動する。また、ピストンは、他の機構による復元力や、電動油圧シリンダーが備えるスプリング等の機構(以下、「付勢機構」と言うことがある。)によって、押し下げられる方向に常時付勢されており、油圧回路によりシリンダーチューブ内への作動油の供給が停止されるとともに、シリンダーチューブ内とリザーバーとを連絡する流路が形成されると、付勢機構によりピストンが押し下げられる。
【0004】
電動油圧シリンダーは、例えば、電動押上機ブレーキに用いられる。電動油圧シリンダーは、電動押上機ブレーキにおいて、電動油圧シリンダーを通電状態にしてピストンロッドが押し上げられると、ドラムブレーキやディスクブレーキ等の制動機構が、ブレーキパッドを開放するように動作する。制動機構は、スプリング等によって制動状態に復帰する方向に常時付勢されており、電動油圧シリンダーの電源を切ると油圧シリンダー内の作動油が排出されるとともに、制動機構の付勢力によりブレーキパッドがブレーキドラムやブレーキディスクに押し当てられる。それにより、ブレーキ装置が制動状態となる。そして、電動押上機ブレーキに用いられる電動油圧シリンダーの油圧回路は、電磁弁とその制御回路とを備え、流路の適所に配置された電磁弁を開閉制御することで、油圧シリンダーに作動油を充填したり、充填された作動油をリザーバーに戻したりするための流路を形成する。
【0005】
なお、電動油圧押上機ブレーキに用いられる電動油圧シリンダーについては、例えば、以下の特許文献1や特許文献2に「電気液圧式ブレーキ解除装置」として開示されている。また、以下の特許文献3には「電動液圧アクチュエーター」、及びその電気液圧アクチュエーターを備えた「ディスクブレーキ装置」が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特許第6322699号公報
特許第6353036号公報
特許7262870号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
一般的に、電動液圧アクチュエーターが備える流体回路では、作動流体の流路の適所に電磁弁が配置されている。流体回路は、適宜な電磁弁が開閉制御されることで、ポンプによって加圧された作動流体を液圧アクチュエーターに導くための流路と、液圧アクチュエーターから作動流体を強制的に排出させてリザーバーに戻すための流路とを素早く切り替えることができる。このように、電磁弁は、流体回路を高速かつ高精度に動作させることができる。
【0008】
しかしながら、電磁弁は電気を必要とするため、電気の供給が停止した場合には油圧回路が正常に動作できない。また電磁弁は、周囲の電気的ノイズによって誤動作する可能性もある。そのため、電動液圧アクチュエーターを電動押上機ブレーキに用いる場合には、停電時や電磁弁が誤動作したときであっても、アクチュエーター内の作動流体を確実に排出するように動作するような何らかの安全機構を備えた流体回路が必要となる。非常時に安全機構が確実を動作するように日常的な保守点検も必要となる。したがって、電動液圧アクチュエーターは、電磁弁を備えた流体回路により、設置コストや保守に掛かるコストが増大し易い。
【0009】
さらに、電磁弁に対して長時間にわたって通電し続けたり、高頻度で動作を繰り返させたりする場合には、消費電力が大きくなる。消費電力が大きくなれば、ランニングコストが増加する。また、電動液圧アクチュエーターにおいて、電磁弁は、モーターとは異なり、作動流体に直接接触することから、消費電力の増大による発熱により作動流体の粘度を低下させ、液圧アクチュエーターの動作に必要な液圧が得られなくなる可能性がある。発熱対策として冷却機構等を電動液圧アクチュエーターに設ければ、電動液圧アクチュエーターの小型化が難しくなるとともに、電動液圧アクチュエーターをより安価に提供することが難しくなる。
【0010】
そこで、本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、電磁弁を用いずにアクチュエーター内の作動流体を確実に排出することができる流体回路を備えた電動液圧アクチュエーター、及び当該電動液圧アクチュエーターを備えたブレーキ装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)

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