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公開番号2024133812
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-03
出願番号2023043784
出願日2023-03-20
発明の名称油圧駆動装置
出願人株式会社不二越
代理人個人
主分類F15B 11/02 20060101AFI20240926BHJP(流体圧アクチュエータ;水力学または空気力学一般)
要約【課題】油圧駆動装置の定馬力制御とロードセンシング制御を行うにあたり、その制御の応答性を向上させつつ、装置全体をコンパクトなものとする。
【解決手段】油圧ポンプ12の斜板の傾斜角(θ)は油圧駆動式の傾斜角変更手段40で位置制御され、当該傾斜角変更手段40の位置制御は電磁比例制御弁42からの圧油の調整により行われるようになっており、当該電磁比例制御弁42は定馬力制御とロードセンシング制御のいずれか一方の制御のための指令信号を選択的に受けて制御されている。また、斜板の傾斜角(θ)の位置に応じた信号を前記電磁比例制御弁42に伝達するフィードバック機構が設けられている。また、ロードセンシング目標流量は、油圧ポンプ12のポンプ吐出容量に、検出実差圧の平方根に対する目標差圧の平方根の比率を乗じた値に基づいて演算される。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
原動機と、前記原動機により駆動され斜板により吐出容量を変更することができる可変容量型の油圧ポンプと、前記油圧ポンプから吐出される圧油により駆動される複数のアクチュエータと、前記油圧ポンプから前記複数のアクチュエータに供給される圧油の流量をそれぞれ制御する複数の方向切換弁と、前記複数の方向切換弁の前後差圧をそれぞれ制御する複数の圧力補償弁と、前記油圧ポンプの吐出流量を制御するポンプ制御手段と、を備えており、
前記油圧ポンプの吐出圧と前記複数のアクチュエータの最高負荷圧力との差圧を検出実差圧として検出して、前記複数の方向切換弁の前後差圧が前記検出実差圧となるように、前記複数の圧力補償弁によって制御されている油圧駆動装置において、
前記斜板の傾斜角は油圧駆動式の傾斜角変更手段で位置制御され、前記傾斜角変更手段の位置制御は電磁比例制御弁からの圧油の調整により行われるようになっており、前記電磁比例制御弁は前記原動機の稼働状況に応じた定馬力制御と前記複数のアクチュエータの負荷状況に応じたロードセンシング制御のいずれか一方の制御のための指令信号を選択的に受けて制御されていることを特徴とする油圧駆動装置。
続きを表示(約 510 文字)【請求項2】
前記斜板の傾斜角の位置に応じた信号を前記電磁比例制御弁に伝達するフィードバック機構がさらに設けられていることを特徴とする請求項1に記載の油圧駆動装置。
【請求項3】
前記傾斜角変更手段とフィードバック機構とは、前記斜板、プランジャ、シリンダバレルと機械的に一体的に組み合わされて前記油圧ポンプのハウジングに格納されていることを特徴とする請求項2に記載の油圧駆動装置。
【請求項4】
前記ポンプ制御手段は、前記電磁比例制御弁への指令信号を演算する機能を備えた制御ユニットを備えており、前記制御ユニットは、前記検出実差圧が目標差圧となるために必要とされるロードセンシング目標流量の値を演算し、前記電磁比例制御弁は前記ロードセンシング目標流量の値に応じた大きさの指令信号で駆動されるようになっていることを特徴とする請求項1に記載の油圧駆動装置。
【請求項5】
前記ロードセンシング目標流量は、前記油圧ポンプのポンプ吐出容量に、前記検出実差圧の平方根に対する前記目標差圧の平方根の比率を乗じた値に基づいて演算されることを特徴とする請求項4に記載の油圧駆動装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は可変容量型の油圧ポンプの吐出圧を複数のアクチュエータの最高負荷圧力より目標差圧だけ高くなるようロードセンシング制御し、かつ複数の方向切換弁の前後差圧をそれぞれ圧力補償弁により制御する油圧式ショベル等の油圧駆動装置に係わる。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
従来、油圧式ショベル等の油圧建設機械においては、ロードセンシング制御が広く利用されており、例えば、特許文献1には、可変容量型の油圧ポンプの吐出容量の制御に際し、原動機の負荷状況に応じた定馬力制御とロードセンシング制御を組み合わせて制御するようにした油圧駆動装置が開示されている。
【0003】
上記特許文献1に記載の油圧駆動装置では原動機の負荷状況に応じた定馬力制御を行うトルク制御部と、可変容量型の油圧ポンプの吐出圧をアクチュエータの負荷圧力に応じた所定の目標差圧とするためのロードセンシング制御部の2つの異なる制御部でそれぞれポンプの吐出容量の指令値を演算し、その2つの演算値のうちの小さい方の指令値を選択して、2つのON/OFF切換式の電磁弁の切換え制御によりポンプ吐出流量を制御している。
【0004】
そして、上記特許文献1に記載のロードセンシング制御部では目標差圧と実差圧とに相違量がある場合に、その相違量に応じた目標ポンプ傾斜角量を対応させたゲイン設定部のマップを予め設けておくことで、ポンプの吐出容量の指令信号をON/OFF切換式の電磁弁に出力している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開平5-79502号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記特許文献1に記載の油圧駆動装置では、複数のマップを切り換えることで、油圧駆動装置の使用状況に応じた応答速度を自動調整することができるなどのメリットがあるが、ゲイン設定部のマップを予め設けておく必要があり、その値の設定のための試行錯誤や事前試験に多大な労力を要するなどの不便な面もあった。
【0007】
また、上記特許文献1に記載の油圧駆動装置では、2つの電磁弁のON/OFF制御によりポンプ吐出流量を制御しており、そのON/OFF制御に合わせた制御システム構成となっているため、ゲインの設定の仕方や電磁弁のON/OFF制御時間の間隔が実際の装置の駆動状況とうまくあわなかった場合などにハンチングなどの不安定な状態になる可能性もあり、その制御の応答性についてもさらなる向上が求められている。また、高い応答性と追従性を備えつつも、制御システムが複雑になったり、装置全体が大型化してしまったりしないようにすることも求められている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するため、本発明における油圧駆動装置は、原動機と、前記原動機により駆動され斜板により吐出容量を変更することができる可変容量型の油圧ポンプと、前記油圧ポンプから吐出される圧油により駆動される複数のアクチュエータと、前記油圧ポンプから前記複数のアクチュエータに供給される圧油の流量をそれぞれ制御する複数の方向切換弁と、前記複数の方向切換弁の前後差圧をそれぞれ制御する複数の圧力補償弁と、前記油圧ポンプの吐出流量を制御するポンプ制御手段と、を備えており、前記油圧ポンプの吐出圧と前記複数のアクチュエータの最高負荷圧力との差圧を検出実差圧として検出して、前記複数の方向切換弁の前後差圧が前記検出実差圧となるように、前記複数の圧力補償弁によって制御されている油圧駆動装置において、前記斜板の傾斜角は油圧駆動式の傾斜角変更手段で位置制御され、前記傾斜角変更手段の位置制御は電磁比例制御弁からの圧油の調整により行われるようになっており、前記電磁比例制御弁は前記原動機の稼働状況に応じた定馬力制御と前記複数のアクチュエータの負荷状況に応じたロードセンシング制御のいずれか一方の制御のための指令信号を選択的に受けて制御されているものである。
【0009】
また、好ましくは、前記斜板の傾斜角の位置に応じた信号を前記電磁比例制御弁に伝達するフィードバック機構がさらに設けられているものであり、さらには、前記傾斜角変更手段とフィードバック機構とは、前記斜板、プランジャ、シリンダバレルと機械的に一体的に組み合わされて前記油圧ポンプのハウジングに格納されているものである。
【0010】
あるいは、ロードセンシング制御部分に関して、好ましくは、前記ポンプ制御手段は、前記電磁比例制御弁への指令信号を演算する機能を備えた制御ユニットを備えており、前記制御ユニットは、前記検出実差圧が目標差圧となるために必要とされるロードセンシング目標流量の値を演算し、前記電磁比例制御弁は前記ロードセンシング目標流量の値に応じた大きさの指令信号で駆動されるようになっているものである。さらに好ましくは、前記ロードセンシング目標流量は、前記油圧ポンプのポンプ吐出容量に、前記検出実差圧の平方根に対する前記目標差圧の平方根の比率を乗じた値に基づいて演算されるようになっているものである。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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