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公開番号2024175651
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-12-18
出願番号2024060996
出願日2024-04-04
発明の名称分析システム及び分析方法
出願人株式会社島津製作所,チンタオ シングル-セル バイオテック シーオー エルティーディ―
代理人弁理士法人京都国際特許事務所
主分類G01N 1/00 20060101AFI20241211BHJP(測定;試験)
要約【課題】より簡単な装置構造でサンプルを迅速且つ自動的に捕捉、識別及び検出してサンプル粒子のスペクトル及びマススペクトル情報を取得でき、検出効率を向上させるとともにコストを低減する分析システム及び分析方法を提供する。
【解決手段】サンプル粒子が含まれる溶液が貯蔵される又は流れる流路系と、該流路系に向けて設置され該流路系中のサンプル粒子を捕捉する光ピンセットと、該流路系中のサンプル粒子の光学的情報を検出する光学検出器と、該流路系の後段に設置された質量分析計とを含み、該流路系において、少なくとも部分的に光ピンセットの駆動でサンプル粒子を質量分析計に搬送させる分析システム。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
分析システムであって、
サンプル粒子が含まれる溶液が貯蔵される又は流れる流路系と、
前記流路系に向けて設置され前記流路系中の前記サンプル粒子を捕捉する光ピンセットと、
前記流路系中の前記サンプル粒子の光学的情報を検出する光学検出器と、
前記流路系の後段に設置された質量分析計とを含み、
前記流路系において、少なくとも部分的に前記光ピンセットの駆動で前記サンプル粒子を質量分析計に搬送させることを特徴とする分析システム。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
前記サンプル粒子は細胞、細胞小器官、単細胞微生物のうちの1種又は複数種の組み合わせであることを特徴とする請求項1に記載の分析システム。
【請求項3】
前記流路系は、前記溶液を貯蔵する貯液器と、前記貯液器に連通する流体通路とを含み、
前記光ピンセットは、前記貯液器と前記流体通路との間を相対的に移動することにより、少なくとも部分的に光勾配力を利用して前記サンプル粒子を前記貯液器から前記流体通路に移動させることを特徴とする請求項1に記載の分析システム。
【請求項4】
前記流体通路には出口端に向かって流れる流体を有し、前記流体通路の前記出口端にはイオン化装置が設置され、前記質量分析計のイオン入口は前記イオン化装置と対向して設けられることを特徴とする請求項3に記載の分析システム。
【請求項5】
前記流路系は、
前記流体通路に形成され、且つ前記貯液器の下流に位置するノズル口と、
前記ノズル口に対応して設けられるインクジェットアクチュエータとをさらに含み、
前記サンプル粒子を有す液滴が前記ノズル口を介して1つずつ排出されることを特徴とする請求項4に記載の分析システム。
【請求項6】
前記流体通路は第1流体通路と第2流体通路を含み、前記貯液器の出口、前記ノズル口及び前記インクジェットアクチュエータはいずれも前記第1流体通路に接続され、前記イオン化装置は前記第2流体通路に接続され、前記第2流体通路には通路開口が設けられ、前記通路開口は前記ノズル口に対応して設けられ、前記ノズル口から排出された前記液滴を受けることを特徴とする請求項5に記載の分析システム。
【請求項7】
前記流路系は、前記ノズル口の下方に設けられるターゲットプレートをさらに含むことを特徴とする請求項5に記載の分析システム。
【請求項8】
前記イオン化装置は、エレクトロスプレーイオン源、大気圧化学イオン化イオン源、誘導結合プラズマイオン化イオン源、或いはマトリックス支援レーザー脱離イオン源であることを特徴とする請求項4に記載の分析システム。
【請求項9】
前記光学検出器は、ラマン分光計、赤外分光計、蛍光分析計、または光学顕微鏡のうちの1種又は複数種の組み合わせであることを特徴とする請求項1に記載の分析システム。
【請求項10】
前記溶液から前記サンプル粒子を識別するための画像認識システムをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の分析システム。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、分析技術分野に関し、特に分析システム及び分析方法に関する。
続きを表示(約 1,600 文字)【背景技術】
【0002】
光ピンセットは、強く集光したレーザービームによって形成された光トラップであり、光勾配力を利用して細胞を捕まえ移動させることができ、ひいては細胞内部まで食い込んで細胞小器官をコントロールすることができ、細胞生物学の研究で広く利用されている。
【0003】
研究により、光ピンセットと分析機器とを組み合わせることにより、溶液から細胞を正確に捕捉するとともに、該細胞の物質組成、分子構造、分子エネルギー準位などの情報を取得することができることが発見された。これに対して、多くの研究者は、光ピンセットに基づくさまざまの分析システム及び分析方法を提案した。
【0004】
2015年に、Yinmei Liらが発表した文献「光ピンセット技術の研究現況」では、光ピンセット技術とラマンスペクトル検出技術を組み合わせてラマン光ピンセット(Raman optical tweezers)により単一細胞又は小胞のラマンシグナルを捕捉及び測定することで、細胞における物質の成分又は構造情報を得るという単一小胞を検出するラマンスペクトルが開示された。しかし、さらに分子レベルの物質組成情報を得ることができなかった。
【0005】
特許文献1には、単一細胞のサブ細胞領域を生化学的に検出及び分析するための方法及び装置が提案されており、光ピンセット技術と質量分析計とを組み合わせ、力発生器(光ピンセットなど)技術を利用して分離された細胞又は細胞小器官を捕捉、分離し、分離された細胞及び細胞小器官をマイクロ流路を介して光学やイオン化に基づく敏感検出器(質量分析計など)に搬送して検出することで、1つの装置において細胞の分離、パッケージング、搬送及び検出を完成することができる。
【0006】
Aliらは、非特許文献1において、単細胞の薬力学及び薬物動態情報を同時に提供することができる、ラマンスペクトルとマススペクトルを順次使用して標的単一細胞を選択し測定する方法を開示した。しかし、上記過程において、単一細胞に対する操作と移動はいずれも手作業を必要とし、自動化レベルが低いとともに、ラマンスペクトルと質量スペクトルとのテストスループットが互いにミスマッチし、テスト効率が大きく制限される虞がある。
【0007】
以上、単一細胞スペクトルとマススペクトルの合併分析は生物学研究、薬物開発、腫瘍治療などの分野にとって重要であるが、単一細胞のスペクトルとマススペクトル情報を自動的に検出できる単一細胞分析機器は未だなく、従来の単一細胞のスペクトル-質量分析合併分析技術は、手作業の複雑さに制限され、実施が難しく、分析効率も低く、特定の応用分野で普及することが困難である。したがって、従来の細胞分析技術の上記の問題を解決するための改良策が必要となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
米国特許US7767435B2
【非特許文献】
【0009】
Ali et al.,「Single-Cell Screening of Tamoxifen Abundance and Effect Using Mass Spectrometry and Raman-Spectroscopy」,Anal.Chem.,2019,91,2710
【発明の概要】
【0010】
従来技術の上記問題に鑑み、本発明の技術案は、より簡単な装置構造でサンプルを自動的に捕捉、識別及び検出してサンプル粒子のスペクトル及びマススペクトル情報を取得でき、検出効率を向上させるとともにコストを低減する分析システム及び分析方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)

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