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公開番号2024176977
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-12-19
出願番号2023095899
出願日2023-06-09
発明の名称3次元画像データの位置合わせ方法およびX線撮影装置
出願人株式会社島津製作所
代理人個人
主分類G01N 23/046 20180101AFI20241212BHJP(測定;試験)
要約【課題】複数のCTデータを精度良く位置合わせすることが可能な3次元画像データの位置合わせ方法およびX線撮影装置を提供する。
【解決手段】この3次元画像データの位置合わせ方法は、被写体40の第1部分41を、等方的な形状を有する少なくとも3つの位置決め部材30とともにX線撮影することにより取得された第1X線画像データ22に基づいて、第1CTデータ23を生成するステップと、第1CTデータの撮影範囲と重複する重複範囲26を含み、被写体40の第2部分42を、重複範囲26に配置された少なくとも3つの位置決め部材30とともにX線撮影することにより取得された第2X線画像データ24に基づいて、第2CTデータ25を生成するステップと、第1CTデータ23および第2CTデータ25における位置決め部材30に基づいて、第1CTデータ23と第2CTデータ25との位置合わせを行うステップと、を備える。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
被写体の第1部分を、等方的な形状を有する少なくとも3つの位置決め部材とともにX線撮影することにより取得された第1X線画像データに基づいて、3次元の第1CTデータを生成するステップと、
前記第1CTデータの撮影範囲と重複する重複範囲を含み、前記被写体の前記第1部分の一部を含む第2部分を、前記重複範囲に配置された前記少なくとも3つの位置決め部材とともにX線撮影することにより取得された第2X線画像データに基づいて、3次元の第2CTデータを生成するステップと、
前記第1CTデータおよび前記第2CTデータにおける等方的な形状を有する前記位置決め部材に基づいて、前記第1CTデータと前記第2CTデータとの位置合わせを行うステップと、を備える、3次元画像データの位置合わせ方法。
続きを表示(約 1,600 文字)【請求項2】
前記位置決め部材は、前記等方的な形状として、前記位置決め部材の中心に対して点対称な形状を有しており、
前記位置合わせを行うステップにおいて、前記位置決め部材の点対称な形状に基づいて、前記第1CTデータと前記第2CTデータとの位置合わせを行う、請求項1に記載の3次元画像データの位置合わせ方法。
【請求項3】
前記位置決め部材は、前記点対称な形状として球形状を有しており、
前記位置合わせを行うステップにおいて、球形状の前記位置決め部材の中心位置に基づいて、前記第1CTデータと前記第2CTデータとの位置合わせを行う、請求項2に記載の3次元画像データの位置合わせ方法。
【請求項4】
前記位置合わせを行うステップにおいて、
前記第1CTデータにおける、前記少なくとも3つの前記位置決め部材のうちの少なくとも2つの前記位置決め部材の間の第1距離と、前記第2CTデータにおける、前記第1距離に対応する前記少なくとも2つの前記位置決め部材の間の第2距離とを取得し、
前記第1距離と前記第2距離とを一致させるように、前記第1CTデータおよび前記第2CTデータの少なくとも一方を拡大または縮小することにより、前記第1CTデータと前記第2CTデータとの位置合わせを行う、請求項1に記載の3次元画像データの位置合わせ方法。
【請求項5】
前記少なくとも3つの位置決め部材の各々の中心位置は、同一直線上ではなく、1つの平面を特定するように構成されている、請求項1に記載の3次元画像データの位置合わせ方法。
【請求項6】
前記少なくとも3つの位置決め部材が設けられた位置決め治具を、X線源と検出器とを結ぶ直線に直交する回転軸を中心として回転する被写体載置部に配置した状態においてX線撮影することにより、前記第1X線画像および前記第2X線画像を取得するステップをさらに備える、請求項1に記載の3次元画像データの位置合わせ方法。
【請求項7】
前記位置決め治具は、前記少なくとも3つの位置決め部材が設けられた、前記被写体の周囲を取り囲む筒状部材により形成される、請求項6に記載の3次元画像データの位置合わせ方法。
【請求項8】
前記第2CTデータを生成するステップにおいて、少なくとも、前記第1CTデータの撮影範囲と重複する前記重複範囲として、X線源と検出器とを結ぶ直線に直交する前記被写体の回転軸の軸方向に重複する第1範囲を含むように生成される、請求項1に記載の3次元画像データの位置合わせ方法。
【請求項9】
前記第2CTデータを生成するステップにおいて、少なくとも、前記第1CTデータの撮影範囲と重複する前記重複範囲として、X線源と検出器とを結ぶ直線を含む水平面の面内方向に重複する第2範囲を含むように生成される、請求項1に記載の3次元画像データの位置合わせ方法。
【請求項10】
前記位置合わせを行うステップにおいて、
前記第1CTデータにおける、前記少なくとも3つの前記位置決め部材のうちの少なくとも2つの前記位置決め部材の間の第1距離と、前記第2CTデータにおける、前記第1距離に対応する前記少なくとも2つの前記位置決め部材の間の第2距離とを取得し、
前記位置決め部材に対する3次元座標測定に基づいて取得された、前記少なくとも3つの前記位置決め部材のうちの少なくとも2つの前記位置決め部材の間の測定距離を取得し、
前記測定距離と前記第1距離とを一致させるように、前記第1CTデータを拡大または縮小するとともに、前記測定距離と前記第2距離とを一致させるように、前記第2CTデータを拡大または縮小することにより、前記第1CTデータと前記第2CTデータとの位置合わせを行う、請求項1に記載の3次元画像データの位置合わせ方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、3次元画像データの位置合わせ方法およびX線撮影装置に関する。
続きを表示(約 3,000 文字)【背景技術】
【0002】
従来、第1X線画像に基づいて生成された第1CTデータと、第2X線画像に基づいて生成され、第1CTデータの撮影範囲と重複する重複範囲を含む第2CTデータとを位置合わせする3次元画像データの位置合わせ方法が知られている(たとえば、特許文献1)。
【0003】
上記特許文献1には、X線CT装置(X線撮影装置)による撮影方法として、被検体の一部分にX線を照射して画像(第1X線画像)を撮影した後に、X線の照射を停止した状態で、被検体を体軸方向に所定の距離移動し、被検体の他の部分にX線を照射して画像(第2X線画像)を撮影することが開示されている。上記特許文献1には、被検体の各部分の画像は、合成に利用されるオーバーラップ領域(重複範囲)を有するように撮影されることが開示されている。上記特許文献1には、このような被検体の移動と被検体の部分的な撮影とを繰り返し、被検体の各部分の画像を合成することによって、被検体の広い範囲の画像を得ることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2014-61278号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1には明記されていないが、上記特許文献1に示されたX線CT装置(X線撮影装置)は、医療用X線撮影装置であると考えられる。これに対して、医療用ではなく、計測用X線撮影装置においても、撮影部の移動と被写体の部分的な撮影とを繰り返し、被写体の各部分のCTデータを合成することによって、被写体全体のCTデータを得ることが行われている。この際、被写体の各部分の画像は、合成に利用されるオーバーラップ領域を有するように撮影される。
【0006】
しかしながら、被写体の各部分のCTデータを合成する場合、被写体を載置する被写体載置部の傾斜や、X線管の熱膨張により発生するひずみによるX線焦点の移動(ドリフト)などに起因して、被写体の各部分のCTデータ間の相対的な位置関係を求めることは困難である。また、一方の形状データを基準として、他方の形状データを平行移動または回転移動させて一方の形状データとの相対距離が最小となる位置に移動させるベストフィットと呼ばれる手法では、形状が大きいほど位置決めに大きく寄与する。この場合、大きい形状であるほど透過するX線の経路長が長くなるため、アーチファクトにより面形状に誤差が生じやすくなる場合がある。そのため、ベストフィット法では、CTデータを繋ぎ合わせる際に誤差を含みうる形状データを用いるため、形状データの位置合わせが困難な場合がある。上記のように、被写体の各部分のCTデータを合成して被写体全体のCTデータを生成する場合に、被写体の各部分のCTデータを位置合わせすることが困難であるという問題がある。そのため、複数のCTデータを精度良く位置合わせすることが望まれている。
【0007】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、複数のCTデータを精度良く位置合わせすることが可能な3次元画像データの位置合わせ方法およびX線撮影装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明の第1の局面における3次元画像データの位置合わせ方法は、被写体の第1部分を、等方的な形状を有する少なくとも3つの位置決め部材ととともにX線撮影することにより取得された第1X線画像データに基づいて、3次元の第1CTデータを生成するステップと、第1CTデータの撮影範囲と重複する重複範囲を含み、被写体の第1部分の一部を含む第2部分を、重複範囲に配置された少なくとも3つの位置決め部材とともにX線撮影することにより取得された第2X線画像データに基づいて、3次元の第2CTデータを生成するステップと、第1CTデータおよび第2CTデータにおける等方的な形状を有する位置決め部材に基づいて、第1CTデータと第2CTデータとの位置合わせを行うステップと、を備える。
【0009】
この発明の第2の局面におけるX線撮影装置は、X線を照射するX線源と、X線源から照射されたX線を検出する検出器とを含み、被写体を撮影する撮影部と、被写体と撮影部との相対角度が異なる複数の角度から撮影した複数のX線画像データに基づいて、CTデータを生成する画像処理部と、を備え、画像処理部は、被写体の第1部分を、等方的な形状を有する少なくとも3つの位置決め部材とともに撮影部によるX線撮影により取得された第1X線画像データに基づいて、3次元の第1CTデータを生成し、第1CTデータの撮影範囲と重複する重複範囲を含み、被写体の第1部分の一部を含む第2部分を、重複範囲に配置された少なくとも3つの位置決め部材とともに撮影部によるX線撮影により取得された第2X線画像データに基づいて、3次元の第2CTデータを生成し、第1CTデータおよび第2CTデータにおける等方的な形状を有する位置決め部材に基づいて、第1CTデータと第2CTデータとの位置合わせを行う。
【発明の効果】
【0010】
上記第1の局面における3次元画像データの位置合わせ方法、および、上記第2の局面におけるX線撮影装置では、上記のように、被写体の第1部分を、等方的な形状を有する少なくとも3つの位置決め部材とともに撮影部によるX線撮影により取得された第1X線画像データに基づいて、3次元の第1CTデータを生成し、被写体の第1部分の一部を含む第2部分を、重複範囲に配置された少なくとも3つの位置決め部材とともに撮影部によるX線撮影により取得された第2X線画像データに基づいて、3次元の第2CTデータを生成し、第1CTデータおよび第2CTデータにおける等方的な形状を有する位置決め部材に基づいて、第1CTデータと第2CTデータとの位置合わせを行う。これにより、被写体載置部の傾斜やX線焦点の移動(ドリフト)などに起因してCTデータ間において被写体の各部分の位置がずれている場合であっても、第1CTデータと第2CTデータとの重複範囲に配置された少なくとも3つの位置決め部材に基づいて、第1CTデータと第2CTデータとの位置合わせを精度良く行うことができる。また、位置決め部材を回転させながら撮影されたX線画像データに基づいて生成された第1CTデータおよび第2CTデータにおいて、位置決め部材は等方的な形状を有するため、位置決め部材の中心位置を精度良く取得することができる。そのため、誤差を含みうる形状データを位置合わせするベストフィット法よりも、等方的な形状を有する位置決め部材に基づいて第1CTデータと第2CTデータとの位置合わせを精度良く行うことができる。これらの理由から、第1CTデータと第2CTデータとを精度良く位置合わせすることができる。そのため、複数のCTデータを精度良く位置合わせすることができる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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