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公開番号
2024174280
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-12-16
出願番号
2023117303
出願日
2023-07-19
発明の名称
多孔質アルミナ支持体に基づく高応答感度の触媒燃焼式水素センサの製造方法
出願人
浙江工業大学
代理人
個人
,
個人
,
個人
,
個人
主分類
G01N
27/16 20060101AFI20241209BHJP(測定;試験)
要約
【課題】従来のフィラメント触媒燃焼式水素センサが破断しやすく、耐用年数が短く、MEMS触媒燃焼式水素センサのプロセスが複雑で、コストが高く、感度が低いという問題を克服し、多孔質アルミナ支持体に基づく新型触媒燃焼式水素センサ及びその製造方法を提供する。
【解決手段】多孔質アルミナシート、パラジウムナノ粒子、白金抵抗体及びアルミナ薄膜を含む。白金抵抗体は多孔質アルミナシートの底面に位置し、且つ表面がアルミナ薄膜で被覆され、前記パラジウムナノ粒子は多孔質アルミナシートの細孔側に付着し、シートの表面及び細孔の内部にいずれもパラジウムナノ粒子が付着する。本発明に係る触媒燃焼式水素センサは、異なる水素濃度での無炎燃焼により生じる熱が異なり、多孔質アルミナシートの温度に影響を与え、白金抵抗体の抵抗値は温度の上昇とともに増加し、更に白金抵抗体の変化を監視することで水素濃度の定量的検出を実現する。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
多孔質アルミナ支持体に基づく高応答感度の触媒燃焼式水素センサであって、多孔質アルミナシート、パラジウムナノ粒子、白金抵抗体及びアルミナ薄膜を含み、
前記多孔質アルミナシートはシングルパス構造であり、すなわち、シートの一方の面にはマイクロナノスケール細孔が分布し、他方の面は細孔無し平面であり、該細孔無し平面は多孔質アルミナシートの底面と定義され、
前記多孔質アルミナシートの底面に白金抵抗体とアルミナ薄膜担体が順に付着し、前記パラジウムナノ粒子は多孔質アルミナシートの細孔側に付着し、シートの表面及び細孔の内部にいずれもパラジウムナノ粒子が付着する、
ことを特徴とする多孔質アルミナ支持体に基づく高応答感度の触媒燃焼式水素センサ。
続きを表示(約 1,600 文字)
【請求項2】
パラジウムナノ粒子のサイズは1~100nmであり、触媒の作用を発揮し、それによって水素と酸素ガスは比較的温和な条件下で無炎燃焼して熱を発生させる、
ことを特徴とする請求項1に記載の多孔質アルミナ支持体に基づく高応答感度の触媒燃焼式水素センサ。
【請求項3】
アルミナ薄膜は、白金抵抗体が環境ガスと接触しないように白金抵抗体の表面を被覆する、
ことを特徴とする請求項1に記載の多孔質アルミナ支持体に基づく高応答感度の触媒燃焼式水素センサ。
【請求項4】
シングルパス構造の多孔質アルミナシートは白金抵抗体を支持し、パラジウムナノ粒子触媒を担持する作用を発揮し、シートの厚さ範囲は10~200μmであり、前記シートの片面に分布するマイクロナノスケール細孔構造では、細孔の深さは5~180μmであり、細孔の直径は50~400nmであり、細孔ピッチは65~500nmである、
ことを特徴とする請求項1に記載の多孔質アルミナ支持体に基づく高応答感度の触媒燃焼式水素センサ。
【請求項5】
白金抵抗体の厚さは0.5~10μmであり、白金抵抗体の電極隙間は0.05~5mmである、
ことを特徴とする請求項1に記載の多孔質アルミナ支持体に基づく高応答感度の触媒燃焼式水素センサ。
【請求項6】
アルミナ薄膜の厚さは1~10μmである、
ことを特徴とする請求項1に記載の多孔質アルミナ支持体に基づく高応答感度の触媒燃焼式水素センサ。
【請求項7】
請求項1に記載の多孔質アルミナ支持体に基づく高応答感度の触媒燃焼式水素センサの製造方法であって、
物理蒸着法によって多孔質アルミナシートの底面に白金抵抗体を堆積させ、そのパターンを金属マスクで実現するステップ1)と、
白金抵抗体を堆積させた後、物理蒸着によって白金抵抗体の表面に1層のアルミナ薄膜を製造し、白金抵抗体の表面を均一に被覆し、白金抵抗体を環境ガスと接触させないステップ2)と、
クラスタービーム蒸着機器を使用して多孔質アルミナシートの細孔側にパラジウムナノ粒子を堆積させ、シートの表面及び細孔の内部にいずれもパラジウムナノ粒子を付着させるステップ3)と、
を含むことを特徴とする請求項1に記載の多孔質アルミナ支持体に基づく高応答感度の触媒燃焼式水素センサの製造方法。
【請求項8】
ステップ1)では、まず、電子ビーム蒸着法を使用して多孔質アルミナシートの底面に厚さ1~10nmの金属チタン又はクロム薄膜を粘着層として堆積させ、次に、同じ方法を使用して白金抵抗体を更に堆積させ、そのパターンを金属マスクで実現する、
ことを特徴とする請求項1に記載の多孔質アルミナ支持体に基づく高応答感度の触媒燃焼式水素センサの製造方法。
【請求項9】
ステップ2)中では、スパッタリング電源がRF電源であるマグネトロンスパッタリングコーティング機器を使用してアルミナ薄膜を堆積させ、ターゲットはアルミナターゲットを選択し、スパッタリング電力は100~200Wであり、スパッタリングチャンバー内のアルゴン気圧は0.3~2Paに維持される、
ことを特徴とする請求項1に記載の多孔質アルミナ支持体に基づく高応答感度の触媒燃焼式水素センサの製造方法。
【請求項10】
ステップ3)では、クラスタービーム機器を使用して多孔質アルミナシートの細孔側にパラジウムナノ粒子を堆積させ、スパッタリングガスとバッファガスはいずれもアルゴンであり、スパッタリングガスとバッファガスの流量はそれぞれ60~70sccmと70~80sccmであり、スパッタリング電力は5~30Wであり、スパッタリング時間は3500-4500sである、
ことを特徴とする請求項1に記載の多孔質アルミナ支持体に基づく高応答感度の触媒燃焼式水素センサの製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明はガスセンサの技術分野に関し、具体的には、多孔質アルミナ支持体に基づく高応答感度の触媒燃焼式水素センサ及びその製造方法に関する。
続きを表示(約 3,100 文字)
【背景技術】
【0002】
水素エネルギーは理想的な再生可能エネルギーとして知られており、水素エネルギー及び関連産業の発展を促進することは環境ガバナンス及びエネルギー利用の重要な戦略的方向性となっている。しかしながら、水素拡散速度が速く、生産、輸送及び使用中に非常に漏れやすく、空気中の漏れ濃度の体積百分率が4~75%である場合、火炎に遭遇すると強く爆発してしまう。また、水素の無色無臭の特性によって人間の五官に感知され難い。従って、感度が高く、応答速度が速く、安全で信頼できる水素センサを開発することは水素の安全な製造及び応用に対して非常に重要である。
【0003】
水素燃料電池自動車は新エネルギー自動車の一種として、ゼロ汚染、ゼロ排出の特性により、水素エネルギーの分野で注目されている。燃料電池用水素の安全性を確保することは、水素燃料電池自動車の発展を推進するための基盤である。燃料電池自動車の分野では、車載式水素センサは製品性能の安定性に対して非常に高い要件を持つ。触媒燃焼式水素センサは自動補償機能を有することで、デバイス自体のドリフトや環境の温度及び湿度変化による影響を大幅に排除し、それによって車載分野での高安定性の実用的なニーズを満たすことができる。しかしながら、従来の触媒燃焼式水素センサはほとんどフィラメント構造を使用し、頻繁な車載振動によりフィラメントが破断し、デバイスが故障し、車載分野での普及が大幅に制限される。マイクロナノ加工技術の進歩に伴い、微小電気機械システム(MEMS)に基づく触媒燃焼式水素センサは登場し、フィラメント構造が破断しやすいという欠陥を効果的に解決することができるが、作製コストが高く、プロセスが複雑である(MEMS技術に基づく触媒燃焼ガスセンサ[J].現代情報科技、2018,2(10):179-181)。また、平面構造のMEMS触媒燃焼式ガスセンサは動作中に熱損失が発生しやすいという問題があり、すなわち、平面構造での局所触媒燃焼による生じた熱は環境温度で失われる傾向がある。従って、白金抵抗体の温度変化は極めて限られるため、デバイスの感度が低く、フィラメント構造の触媒燃焼式ガスセンサに比べて、平面構造に基づくMEMS触媒燃焼ガスセンサの感度は何の利点も示さず、これはMEMS触媒燃焼式ガスセンサのもう1つの欠点である。これに基づいて、コストが低く、性能が高い触媒燃焼式水素センサを開発することは現在、解決する必要がある課題である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、従来のフィラメント触媒燃焼式水素センサが破断しやすく、耐用年数が短く、MEMS触媒燃焼式水素センサのプロセスが複雑で、コストが高く、感度が低いという問題を克服し、多孔質アルミナ支持体に基づく新型触媒燃焼式水素センサ及びその製造方法を提供することを目的とし、本発明の触媒燃焼式水素センサは低コスト、及び高性能等の利点を有する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を実現するために、本発明は多孔質アルミナ支持体に基づく触媒燃焼式水素センサデバイスを提案する。前記触媒燃焼素子は多孔質アルミナシートの底面を基板として採用し、マスクを使用して物理蒸着と組み合わせて白金抵抗体とアルミナ薄膜を製造し、クラスタービーム蒸着法を使用して多孔質アルミナシートの細孔側にパラジウムナノ粒子を堆積させる。前記触媒燃焼素子が動作している時、水素はパラジウムナノ粒子の触媒作用で無炎燃焼して大量の熱を放出し、多孔質アルミナシートの温度に影響を与え、白金抵抗体の抵抗値は温度の上昇とともに増加し、更に白金抵抗体の変化を監視することで水素濃度の定量的検出を実現する。従来のMEMS触媒燃焼ガスセンサ及びフィラメント式触媒燃焼ガスセンサに比べて、本発明に係るセンサは主に以下の長所を有する。1、従来のMEMS触媒燃焼ガスセンサが高価で、プロセスが複雑であるという欠点を回避する。2、フィラメント構造が破断しやすいという欠陥がなく、安定性が高く、再利用可能であるとい優れた性能を提供する。3、デバイスの感度を向上させ、デバイスの動作温度を低下させる。多孔質アルミナ支持体に基づく構造は触媒のために優れた担体を提供し、細孔内にあるパラジウムナノ粒子によって生じた熱は細孔全体の軸方向構造に分布し、ヒートパイプと類似する効果を形成し、無炎燃焼時の熱損失を大幅に回避でき、それにより大きな温度変化が発生し、デバイスの感度を大幅に向上させ、デバイスの初期動作温度を低下させる。
【0006】
本発明の革新は、低い動作温度で優れた性能を有する多孔質アルミナ支持体を用いた触媒燃焼式水素センサを設計することである。多孔質アルミナシートを白金抵抗体及び触媒の支持基板とし、平面構造の白金抵抗体を触媒燃焼の主体素子として使用し、この触媒燃焼式水素センサが有する平面式構造の特徴は、車載式ガスセンサにおいて頻繁な振動によりフローティング白金抵抗体が破断して故障しやすいという欠点を効果的に回避することができる。また、前記多孔質アルミナ支持体に基づく触媒燃焼式水素センサはシングルパスアルミナシートを選択して白金抵抗体を支持し、パラジウム触媒を担持し、その製造過程は複雑なMEMSプロセスを回避し、デバイスのコストを低減させる。より重要なこととして、本発明特許に係る多孔質アルミナ支持体に基づく高応答感度の触媒燃焼式水素センサは、触媒を多孔質アルミナシートの細孔側に堆積させることで、触媒と水素の無炎燃焼時の熱を細孔全体の内部に分布させ、熱損失を減少させ、センサの感度を向上させることができる。
【0007】
前記多孔質アルミナ支持体に基づく高応答感度の触媒燃焼式水素センサでは、多孔質アルミナシートはシングルパス構造であり、すなわち、シートの一方の面にはマイクロナノスケール細孔が分布し、他方の面は細孔無し平面であり、該細孔無し平面は多孔質アルミナシートの底面と定義される。触媒燃焼素子は多孔質アルミナシートの底面を基板とし、且つ基板に白金抵抗体とアルミナ薄膜が順に付着し、多孔質アルミナシートの細孔側を触媒担体領域とし、触媒材料は多孔質アルミナシートの細孔側に付着し、白金抵抗体の変化を監視することで水素濃度の定量的検出を実現する。
【0008】
好適には、触媒燃焼式水素センサの基板は多孔質アルミナシートの底面を選択する。多孔質アルミナシートの底面の厚さは触媒燃焼主体素子を効果的に支持できる必要があり、多孔質アルミナシートの厚さは10~200μmの範囲であり得る。
【0009】
好適には、触媒燃焼式水素センサの触媒担体領域は多孔質アルミナシートの細孔側を選択し、多孔質チャネルの深さは触媒燃焼中の熱を触媒主体素子の白金抵抗体に効果的に伝達できることを確保する必要があり、多孔質アルミナシートの細孔の深さは5~180μmの範囲であり得る。
【0010】
好適には、触媒燃焼式水素センサの触媒担体領域は多孔質アルミナシートの細孔側を選択する。多孔質アルミナシートの細孔の直径は、触媒燃焼過程における蓄熱を確保するように触媒を細孔の内部に堆積させることができるという要件を満たす必要があり、多孔質アルミナシートの細孔の直径は50~400nmの範囲であり得る。
(【0011】以降は省略されています)
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