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公開番号
2025016324
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-01-31
出願番号
2023219617
出願日
2023-12-26
発明の名称
固体担持型マンガン触媒及びその製造方法並びに使用方法
出願人
浙江工業大学
代理人
個人
,
個人
,
個人
,
個人
主分類
B01J
31/22 20060101AFI20250124BHJP(物理的または化学的方法または装置一般)
要約
【課題】固体担持型マンガン触媒及びその製造方法並びに使用方法を提供する。
【解決手段】固体担持型マンガン触媒の製造過程は、有機配位子を金属マンガン塩と錯体化して、触媒活性単位を形成し、そしてコモノマーと重合させて、式I又はIIに示す固体担持型マンガン触媒を得ることを含む。前記固体担持型マンガン触媒は、不均一キラル触媒に属し、高い触媒活性と優れたエナンチオ選択性(ee値が98.3%まで)を有し、反応溶媒に不溶であるため、反応系からの分離回収が容易であり、安定性が高い。また、連続フロー触媒と組み合わせることで、高い触媒活性を長期間維持することができ、α,β-不飽和カルボニル化合物の不斉エポキシ化反応に使用できる。
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【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
固体担持型マンガン触媒であって、式I又は式IIに示す構造を有し、
JPEG
2025016324000027.jpg
47
170
一般式Iにおいて、R
1
は、水素、C
1
~C
6
直鎖状または分岐鎖状のアルキル、C
3
~C
6
のシクロアルキル、置換アリール又は複素環アリールから選択され、好ましくはメチル、エチル又はシクロへキシルであり、R
2
は、水素、C
1
~C
6
直鎖状または分岐鎖状のアルキル、C
3
~C
6
のシクロアルキル、置換アリール又は複素環アリール、ハロゲンから選択される1つであり、好ましくは水素又はBrであり、
一般式I、IIにおいて、前記nは、1~200自然数から選択される1つであり、好ましくは30であり、Xは、
-
OTf、
-
OAc、ClO
4
-1
、NO
3
-1
、ハロゲンアニオンから選択される1つであり、好ましくは
-
OTfである、ことを特徴とする固体担持型マンガン触媒。
続きを表示(約 2,800 文字)
【請求項2】
Boc-L-プロリナールと式1に示す4-ビニルベンジルアミンが反応してイミン中間体を生成し、NaBH
4
で還元し、中間体2を得るステップ(1)と、
トリフルオロ酢酸の触媒作用で、中間体2にBoc保護基の除去反応を行い、中間体3を得るステップ(2)と、
K
2
CO
3
の存在下で、中間体3が置換基含有2-クロロメチルベンゾイミダゾール又は2-クロロメチルピリジンと求核置換反応し、N
4
中心を有する有機配位子L1又はL2を生成するステップ(3)と、
有機配位子L1又はL2が金属マンガン塩MnX
2
と配位反応して、触媒活性単位C1又はC2を得るステップ(4)と、
触媒活性単位C1又はC2がジビニルベンゼンDVBとアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)の作用で、共重合反応を行い、式I又は式IIに示す固体担持型マンガン触媒を得るステップ(5)とを含み、反応式は、以下のとおりであり、
JPEG
2025016324000028.jpg
167
170
ステップ(3)において、置換基含有2-クロロメチルベンゾイミダゾールの置換基R
1
、R
2
は、式Iと同じであり、ステップ(4)において、金属マンガン塩MnX
2
のアニオンXは、式I又はIIと同じである、ことを特徴とする請求項1に記載の固体担持型マンガン触媒の製造方法。
【請求項3】
前記ステップ(1)において、Boc-L-プロリナールと4-ビニルベンジルアミンとのモル比は、0.8~1.5:1であり、前記反応は、ジクロロメタン溶液中で行われ、反応温度が0~40℃であり、反応時間が0.5~12hであり、NaBH
4
と4-ビニルベンジルアミンとのモル比が2~6:1であり、前記NaBH
4
還元反応は、メタノール溶液中で行われ、反応温度が-10~40℃であり、反応時間が0.5~12hである、ことを特徴とする請求項2に記載の固体担持型マンガン触媒の製造方法。
【請求項4】
前記ステップ(2)において、TFAと中間体2とのモル比は、5~50:1であり、好ましくは15~25:1であり、前記反応は、ジクロロメタン溶液中で行われ、反応温度が-10~40℃であり、反応時間が0.5~24hである、ことを特徴とする請求項2に記載の固体担持型マンガン触媒の製造方法。
【請求項5】
前記ステップ(3)において、置換基含有2-クロロメチルベンゾイミダゾール又は2-クロロメチルピリジンと中間体3とのモル比は、2.0~4.0:1であり、K
2
CO
3
と中間体3とのモル比は、1.0~4.0:1であり、前記反応は、アセトニトリル溶液中で行われ、反応温度が20~70℃であり、反応時間が1~12hである、ことを特徴とする請求項2に記載の固体担持型マンガン触媒の製造方法。
【請求項6】
前記ステップ(4)において、金属マンガン塩MnX
2
と有機配位子L1又はL2とのモル比は、1.0~1.5:1であり、前記反応は、アセトニトリル溶液中で行われ、反応温度が20~70℃であり、反応時間が0.5~12hである、ことを特徴とする請求項2に記載の固体担持型マンガン触媒の製造方法。
【請求項7】
前記ステップ(5)において、DVBと触媒活性単位C1又はC2とのモル比は、10~100:1であり、好ましくは20~40:1であり、AIBNとDVBとのモル比は、0.1%~10%:1であり、好ましくは1%~3%:1であり、前記反応は、テトラヒドロフラン溶液中で行われ、反応温度が60~120℃であり、反応時間が8~48hである、ことを特徴とする請求項2に記載の固体担持型マンガン触媒の製造方法。
【請求項8】
α,β-不飽和カルボニル化合物を有機溶媒に溶かし、固体担持型マンガン触媒I又はIIを添加し、同時に酸添加剤と酸化剤を添加し、反応温度が-45~30℃であり、反応と精製の後、エナンチオ選択性の高いエポキシ化合物を製造し、固体担持型マンガン触媒I又はIIを遠心回収し、反応式は、以下のとおりであり、
JPEG
2025016324000029.jpg
35
170
上記反応式α,β-不飽和カルボニル化合物の構造において、R
3
は、C
1
~C
6
直鎖状または分岐鎖状のアルキル、C
3
~C
6
のシクロアルキル、置換アリール又は複素環アリールであり、R
4
は、C
1
~C
6
直鎖状または分岐鎖状のアルキル、C
3
~C
6
のシクロアルキル、置換アリール又は複素環アリール、アルコキシ、アミノ又は置換アミノである、ことを特徴とする請求項1に記載の固体担持型マンガン触媒の、α,β-不飽和カルボニル化合物の不斉エポキシ化反応における使用方法。
【請求項9】
前記酸化物は、過酸化水素水、メタクロロ過安息香酸、t-ブチルパーオキサイド、及びヨードシルベンゼンのうちの1つであり、それとα,β-不飽和カルボニル化合物とのモル比は、1.2~2:1であり、反応に添加する酸は、酢酸、2,2-ジメチル酪酸、2-エチルへキサン酸、酪酸、4-メチル吉草酸、4-フェニル酪酸、2-エチル酪酸、及び2,2-ジメチルプロピオン酸のうちの1つであり、それとα,β-不飽和カルボニル化合物とのモル比は、2~8:1であり、前記有機溶媒は、アセトニトリルである、ことを特徴とする請求項8に記載の使用方法。
【請求項10】
使用方法は、固体担持型マンガン触媒I又はIIとシリカゲルを乳鉢でよく粉砕し、固定床反応器に充填し、1つのチャンネルにはα,β-不飽和カルボニル化合物と酸添加剤を有機溶媒に溶かして調製された溶液Aがあり、溶液A中のα,β-不飽和カルボニル化合物と酸添加剤の濃度がそれぞれ0.2~0.4mol/Lと0.8~2mol/Lであり、もう1つのチャンネルには酸化剤を有機溶媒に溶かして調製された溶液Bがあり、溶液B中の酸化剤の濃度が0.5~2mol/Lであり、注射ポンプによって液体の流速をそれぞれ制御し、反応温度が-45~30℃であり、反応系の滞留時間が10~30minであり、反応と精製の後、エナンチオ選択性の高いエポキシ化合物を製造することである、ことを特徴とする請求項8に記載の使用方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、触媒化学の技術分野に関し、具体的に固体担持型マンガン触媒及びその製造方法並びに使用方法に関する。
続きを表示(約 3,100 文字)
【背景技術】
【0002】
オレフィンの不斉エポキシ化は、有機合成反応の重要なタイプであり、生成されたキラルのエポキシ化合物は、重要な医薬中間体である。そのため、このようなエポキシ化反応に効率的な触媒を開発することは非常に重要である。多くの研究者は、金属酸化酵素P450の活性サイトを模倣することによって、生体模倣触媒を開発し、これらの触媒のうち、Salen配位子は、金属と形成された錯体の製造が容易であり、触媒活性が高いなどの特徴により研究者の注目を集めている。その後、科学者らは、非ヘムN
4
キラル配位子と金属マンガンによって形成されるマンガン錯体により触媒される反応がより高い反応選択性とエナンチオ選択性を有することを発見し、不斉エポキシ化反応の効率的な触媒であることが証明されている。
【0003】
1990年に、Jacobsonらは、キラルシッフ塩基錯体を触媒として用いた反応系を報告しており(非特許文献1)、得られたエポキシドは、収率が93%に達し、ee値が93%に達し、非官能性オレフィンの不斉エポキシ化反応において非常に良好な結果が得られているが、この均一触媒は、分離・回収・再利用が困難であり、反応系にダイマー失活が生じやすいなどの欠陥がある。これらの問題を解決するために、2000年に、Kimの研究グループは、樹脂に付着できる不均一JandaJel触媒を開発しており、得られたエポキシドは、ee値が97%に達することができ、しかしながら、この複合物は、3回しかサイクル使用されなかった(非特許文献2)。2008年に、包河彬の研究グループは、スチレンの不斉エポキシ化をプローブ反応とし、Salen-Mn(III)錯体を触媒とし、メタクロロ過安息香酸を酸素源とし、NMOを軸配位子として用いると、触媒効果が最適であり、生成物は、転化率が85%であり、選択性が90%であり、ee値が60%に達することができ、この反応において、固体担持キラルSalen-Mn(III)触媒は、性質が安定し、6回サイクル使用できることを発見した(非特許文献3)。2021年に、Sunの研究グループは、有機多孔質骨格に担持した非ヘムマンガンN
4
触媒の設計及び合成を報告しており、このPOP系マンガン触媒は、オレフィンの不斉エポキシ化に対して高い反応活性を有し、生成物は、ee値が96%に達することができ且つ回収再利用が容易であるが、触媒の基質の種類が少なく、触媒が5回しかサイクル使用されないとともに、グラムスケールの反応では一定の増幅効果がある(非特許文献4)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
J. Am. Chem. Soc. 1990, 112, 2801-2803.
J. Am. Chem. Soc. 2000, 122, 6929-6934.
高等学校化学学報,2008, 29, 927-931.
ACS Catal. 2021, 11, 10964-10973.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来技術にある上記課題に対して、本発明は、均一触媒を回収再利用できないという問題を解決するとともに、連続フロー触媒に用いることで、増幅反応において収率とエナンチオ選択性が下がるという課題を解決する、固体担持型マンガン触媒の製造方法を提供する。この触媒は、高い触媒活性と優れたエナンチオ選択性を有し、α,β-不飽和カルボニル化合物の不斉エポキシ化反応における用途を実現することができる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によって採用される技術案は、以下のとおりである。
【0007】
固体担持型マンガン触媒であって、式(I)又は式(II)に示す構造を有し、
JPEG
2025016324000001.jpg
47
170
一般式Iにおいて、R
1
は、水素、C
1
~C
6
直鎖状または分岐鎖状のアルキル、C
3
~C
6
のシクロアルキル、置換アリール又は複素環アリールから選択され、R
2
は、水素、C
1
~C
6
直鎖状または分岐鎖状のアルキル、C
3
~C
6
のシクロアルキル、置換アリール又は複素環アリール、ハロゲンから選択される1つであり、
一般式I、IIにおいて、前記nは、1~200自然数から選択される1つであり、Xは、OTf
-1
、OAc
-1
、ClO
4
-1
、NO
3
-1
、ハロゲンアニオンから選択される1つである。
【0008】
本発明の式I又はIIに示す固体担持型マンガン触媒は、それぞれ触媒活性単位C1又はC2をジビニルベンゼン(DVB)と重合させて得られる。
【0009】
前記固体担持型マンガン触媒の製造方法であって、
Boc-L-プロリナールと式1に示す4-ビニルベンジルアミンが反応してイミン中間体を生成してから、NaBH
4
で還元し、中間体2を得るステップ(1)と、
トリフルオロ酢酸(TFA)の触媒作用で、中間体2のBoc保護基を除去し、中間体3を得るステップ(2)と、
K
2
CO
3
の存在下で、置換基含有2-クロロメチルベンゾイミダゾール又は2-クロロメチルピリジンを添加して求核置換を行い、N
4
中心を有する有機配位子L1又はL2を生成するステップ(3)と、
L1又はL2に金属マンガン塩MnX
2
を添加して配位反応して、触媒活性単位C1又はC2を得るステップ(4)と、
C1又はC2にジビニルベンゼン(DVB)とアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)を添加し、共重合反応を行い、固体担持型マンガン触媒I又はIIを得るステップ(5)とを含み、
JPEG
2025016324000002.jpg
167
170
ステップ(3)において、置換基含有2-クロロメチルベンゾイミダゾールの置換基R
1
、R
2
は、式Iと同じであり、ステップ(4)において、金属マンガン塩MnX
2
のアニオンXは、式I又はIIと同じである。
【0010】
前記ステップ(1)において、Boc-L-プロリナールと4-ビニルベンジルアミンとのモル比は、0.8~1.5:1であり、前記反応は、ジクロロメタン溶液中で行われ、反応温度が0~40℃であり、反応時間が0.5~12hであり、NaBH
4
と4-ビニルベンジルアミンとのモル比が2~6:1であり、前記NaBH
4
還元反応は、メタノール溶液中で行われ、反応温度が-10~40℃であり、反応時間が0.5~12hである。
(【0011】以降は省略されています)
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