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公開番号2025004739
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-15
出願番号2024031257
出願日2024-03-01
発明の名称四座シクロメタル化白金(II)錯体、電子デバイス及びそれらの応用
出願人浙江工業大学,浙江華顕光電科技有限公司,ZHEJIANG HUAXIAN PHOTOELECTRICITY TECHNOLOGY CO., LTD
代理人個人,個人,個人,個人
主分類C07F 15/00 20060101AFI20250107BHJP(有機化学)
要約【課題】四座シクロメタル化白金(II)錯体、電子デバイス及びそれらの応用を提供することを課題とする。
【解決手段】本発明は、有機エレクトロルミネッセンスの技術分野に属し、特に、四座シクロメタル化白金(II)錯体、電子デバイス及びそれらの応用に関する。本発明は、配位子の適切な位置に2,6-ジ(フェニル)tert-ブチルフェニルを導入することにより、ピリジンユニット間の二面角が増加し、分子間のスタッキングが減少する。同時に、励起状態の電荷分布を改善し、材料の励起状態により多くの金属からピリドカルベンへの電荷移動状態を持たせて、デバイス寿命を延長し、良好な化学的安定性及び熱的安定性を有し、蒸着型OLEDデバイスを製造するのが容易である。蛍光ドーピング材料と組み合わせた後、正孔と電子の輸送のバランスが取れ、ホストとゲスト間のエネルギー伝達がより効率的になる。有機エレクトロルミネッセンスデバイスとして使用すると、電流効率及び寿命の点で明らかに改善され、点灯電圧が大幅に低下する。OLEDディスプレイ及び照明の分野への幅広い応用が期待されている。
【選択図】なし

特許請求の範囲【請求項1】
四座シクロメタル化白金(II)錯体であって、以下に示す化学構造式のいずれか1つから選択され、式中、「D」は重水素を表し、「Ph」はフェニル基を表すことを特徴とする、四座シクロメタル化白金(II)錯体。
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204
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続きを表示(約 2,000 文字)【請求項2】
電子デバイスにおける請求項1に記載の四座シクロメタル化白金(II)錯体の応用。
【請求項3】
前記電子デバイスとしては、有機エレクトロルミネッセンスデバイス、有機集積回路、有機電界効果トランジスタ、有機薄膜トランジスタ、有機発光トランジスタ、有機太陽電池、有機光検出器、有機光受容体、有機電場消光素子、発光電気化学セル及び有機レーザーダイオードが挙げられることを特徴とする、請求項2に記載の応用。
【請求項4】
有機エレクトロルミネッセンスデバイスであって、陰極、陽極及び前記陽極と前記陰極の間に介在する有機機能層を含み、前記有機機能層は請求項1に記載の四座シクロメタル化白金(II)錯体を含有することを特徴とする、有機エレクトロルミネッセンスデバイス。
【請求項5】
有機エレクトロルミネッセンスデバイスであって、前記有機機能層は、発光層を含み、前記発光層中には請求項1に記載の四座シクロメタル化白金(II)錯体が含有されることを特徴とする、有機エレクトロルミネッセンスデバイス。
【請求項6】
前記発光層中には蛍光ドーピング材料も含有し、前記蛍光ドーピング材料は式(BN1)~式(BN5)で表される化合物のいずれか1種以上から選択されることを特徴とする、請求項5に記載の有機エレクトロルミネッセンスデバイス。
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77
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[式中、Xは、O、S、Se又はNR
300
であり、


、X

、X

、X

は、それぞれ独立して、O、S、Se又はNで表され、


~R

は、それぞれ独立して、一、二、三、四置換又は無置換を表す。R

~R

は、それぞれ独立して、水素、重水素、N、C1-C30アルキル基、C6-C60アリール基からなる群から選択され、前記R

~R
11
は、それぞれ独立して、水素、重水素、N、C1-C30アルキル基、C6-C60アリール基からなる群を表す。]
【請求項7】
前記R

、R

、R

、R

は、それぞれ独立して、置換又は非置換のジフェニルアミン、置換又は非置換のカルバゾリル基から選択され、前記置換は複数回の置換であってもよく、置換基を含む場合、前記置換基は重水素、C1-C30アルキル基、C6-C30アリール基から選択されることを特徴とする、請求項6に記載の有機エレクトロルミネッセンスデバイス。
【請求項8】
前記R

~R

、R
10
~R
11
は、それぞれ独立して、水素、C1-C30アルキル基、C6-C60アリール基からなる群から選択されることを特徴とする、請求項6に記載の有機エレクトロルミネッセンスデバイス。
【請求項9】
前記蛍光ドーピング材料は、以下に示す化学構造式のいずれか1つから選択され、式中、Phはフェニル基を表し、D4及びD5はそれぞれ4個及び5個の重水素原子で置換されていることを意味することを特徴とする、請求項6に記載の有機エレクトロルミネッセンスデバイス。
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【請求項10】
有機光エレクトロニクスデバイスであって、基板層と、前記基板上にある第1電極と、前記第1電極の上にある有機発光機能層と、前記有機発光機能層の上にある第2電極とを備え、前記有機発光機能層は請求項1に記載の四座シクロメタル化白金(II)錯体を含有することを特徴とする、有機光エレクトロニクスデバイス。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、有機エレクトロルミネッセンスの技術分野に属し、特に、四座シクロメタル化白金(II)錯体、電子デバイス及びそれらの応用に関する。
続きを表示(約 2,600 文字)【背景技術】
【0002】
有機発光ダイオード(OLED)は、新世代のフルカラーディスプレイ及び照明技術である。応答速度が遅い、視野角が狭い、バックライトが必要、消費電力が高いなどの欠点がある液晶ディスプレイに比べ、OLEDは自発光デバイスとしてバックライトが不要で省エネルギー、駆動電圧が低く、応答速度が速く、解像度とコントラストが高く、視野角が広く、抜群の低温特性を有する。OLEDデバイスは、より薄く柔軟な構造にすることができる。なお製造コストが低く、製造工程が簡単で、大面積に製造できるという利点もある。したがってOLEDは、ハイエンド電子製品航空宇宙分野で幅広く巨大な応用可能性を秘めており、投資が徐々に増加し、研究開発がさらに深くなり、製造設備がアップグレードや改良されることで、OLEDsは将来的に非常に幅広い応用シナリオと発展の見通しを持つことになる。
【0003】
OLED発展の中核は、発光材料の設計及び開発である。現在応用されているOLEDデバイス中の発光層の多くは、ホスト材料にゲスト発光材料をドープするホストゲスト発光系の仕組みを使用し、一般にホスト材料のエネルギーギャップは一般にゲスト発光材料より大きく、エネルギーをホスト材料からゲスト材料に伝達し、ゲスト材料が励起されて発光する。一般的に使用される有機燐光ゲスト材料は、一般にイリジウム(III)、白金(II)、Pd(II)などの重金属原子である。一般的に使用される燐光有機材料mCBP(3,3’-bis(9-carbazolyl)-biphenyl)及び2,6-mCPy(2,6-bis(9-carbazolyl)-pyridine)は、高効率と高い三重項エネルギー準位を備え、有機材料として使用するとき、有機発光材料からゲスト燐光発光材料へ三重項エネルギーを効率的に移動させることができる。しかし正孔は、輸送しやすいが電子が流れにくいというmCBPの特性と、2,6-mCPyは正孔輸送が劣るため、発光層の電荷のバランスが崩れ、発光層の電流効率が低下してしまう。また、現在応用されている重金属燐光性有機錯体分子シクロメタル化イリジウム(III)錯体分子の数は限られている。地殻中の金属白金元素の存在量及び世界全体の年間生産量は、金属イリジウム元素の10倍程度であり、イリジウム(III)錯体燐光材料を調製するために用いられるIrCl

・H

Oの価格も白金(II)錯体燐光材料の調製に用いられるPtCl

の価格よりもはるかに高い。さらにイリジウム(III)錯体燐光材料の調製には、イリジウム(III)含有二量体、イリジウム(III)中間体の配位子交換、mer-イリジウム(III)錯体の合成、及びmer-からfac-イリジウム(III)錯体異性体への変換という4段反応に関与し、全収率を大幅に低下させ、原料IrCl

・H

Oの利用率を大幅に低下させ、イリジウム(III)錯体燐光材料の調製コストをアップさせる。これに対し白金(II)錯体燐光材料の調製は、最終段の配位子の金属化・設計白金塩の反応だけで済み、白金元素の利用率が高く、白金(II)錯体燐光材料の調製コストをさらに削減することができる。要するに白金(II)錯体燐光材料の調製コストは、イリジウム(III)錯体燐光材料の調製コストよりもはるかに低い。しかし、白金錯体材料及びデバイスの開発にはやはり技術的な困難があり、デバイスの効率及び寿命をいかに向上させるかが重要な研究課題となっている。したがって、新しい燐光性金属白金(II)錯体の開発が急務となっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、四座シクロメタル化白金(II)錯体、電子デバイス及びそれらの応用を提供することを目的とする。本発明の四座シクロメタル化白金(II)錯体は、発光層のゲスト燐光材料としてデバイスに優れた性能を持たせることができる。さらに、四座シクロメタル化白金(II)錯体を特定のホスト材料と組み合わせると、電子デバイス、特に有機エレクトロルミネッセンスデバイスの電流効率を向上させ、デバイス寿命を延ばすことができるだけではなく、コンポーネントの動作電圧も低下できる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、以下に示す化学構造式のいずれか1つから選択される四座シクロメタル化白金(II)錯体を提供する。式中、「D」は重水素を表し、「Ph」はフェニル基を表す。
【0006】
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【0007】
また、本発明は、電子デバイスにおける上記式Pt1~Pt45で示される構造を有する四座シクロメタル化白金(II)錯体の応用も提供する。
【0008】
また、前記電子デバイスとしては、有機エレクトロルミネッセンスデバイス(OLED)、有機集積回路(O-IC)、有機電界効果トランジスタ(O-FET)、有機薄膜トランジスタ(O-TFT)、有機発光トランジスタ(O-LET)、有機太陽電池(O-SC)、有機光検出器、有機光受容体、有機電場消光素子(O-FQD)、発光電気化学セル(LEC)及び有機レーザーダイオード(O-laser)が挙げられる。
【0009】
別の態様において、本発明は、上記式Pt1~Pt45で示される構造を有する四座シクロメタル化白金(II)錯体を含む有機エレクトロルミネッセンスデバイスも提供する。
【0010】
また、前記有機エレクトロルミネッセンスデバイスは、陰極、陽極及び陽極と陰極の間に介在する有機機能層を含み、前記有機機能層は上述したように式(I)又は式(II)で示される構造を有する四座シクロメタル化白金(II)錯体を含有する。
(【0011】以降は省略されています)

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