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公開番号2024172711
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-12-12
出願番号2023090601
出願日2023-06-01
発明の名称車両ユーザの異音感度特性の可視化方法および装置
出願人日産自動車株式会社
代理人個人,個人
主分類G01H 17/00 20060101AFI20241205BHJP(測定;試験)
要約【課題】車両のユーザが実際にどのような音を異音と感じるかには個人差があり、しかも、どのような環境で生じた音をユーザが異音と感じたかを他者は知ることができない。
【解決手段】車室内において継続的に音をマイクロフォンで計測し、ユーザが異音と感じて所定のスイッチを操作したら、所定時間の間の音データを取得する(S10~S30)。同時に、そのときの車両情報および環境情報を取得し(S40,S50)、音データに車両情報および環境情報を紐付けてユーザの1つの異音感度情報として保存する(S60)。同じユーザの複数の異音感度情報を取得・分析して、当該ユーザの異音感度特性を特定し、その結果を、ディスプレイ等の情報表示部に表示する(S70,S80)。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
車両の車室内において継続的に音を取得し、
車両自体に関する情報ならびに車両の運転状態を表す複数のパラメータを含む車両情報を取得し、
少なくとも天候および道路の情報を含む環境情報を取得し、
車室内のユーザが現在の音を異音と感じたことを検出し、
ユーザが異音と感じたことを検出したときに、計測されていた音のデータを取得するとともに、そのときの車両情報および環境情報と紐付けて、上記ユーザの1つの異音感度情報として保存し、
上記ユーザの複数の異音感度情報を取得・分析して、当該ユーザの異音感度特性を可視化する、
車両ユーザの異音感度特性の可視化方法。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
車室内の音に反応したユーザの動作に基づき、ユーザが現在の音を異音と感じたことを検出する、
請求項1に記載の車両ユーザの異音感度特性の可視化方法。
【請求項3】
ユーザが現在の音を異音と感じたときに操作するスイッチを車室内に設け、このスイッチの入力に基づき、ユーザが現在の音を異音と感じたことを検出する、
請求項2に記載の車両ユーザの異音感度特性の可視化方法。
【請求項4】
音声認識もしくは画像認識によって、音に反応したユーザの動作を検出する、
請求項2に記載の車両ユーザの異音感度特性の可視化方法。
【請求項5】
正常状態において発生し得る音を、車両情報および環境情報に紐付けて記憶した正常音情報を予め有し、
ユーザが異音と感じたことを検出したときに取得した音が上記正常音情報に含まれる音であるか否かを判定し、
正常音情報に含まれる音であれば、異音感度情報として取り込まない、
請求項1に記載の車両ユーザの異音感度特性の可視化方法。
【請求項6】
正常音情報に含まれる音であると判定したときに、異音でない旨をユーザに提示する、
請求項5に記載の車両ユーザの異音感度特性の可視化方法。
【請求項7】
異音でない旨の提示に併せて、この判定に対しユーザが納得したかどうかの納得度の入力を求め、そのときの音データと車両情報と環境情報と納得度とを併せて当該ユーザの異音に関する1つのデータとして保存する、
請求項6に記載の車両ユーザの異音感度特性の可視化方法。
【請求項8】
特定ユーザの異音感度特性を他のユーザの異音感度特性と比較して表示する、
請求項1に記載の車両ユーザの異音感度特性の可視化方法。
【請求項9】
異音を複数種類に分類し、各々の種類について、特定ユーザの異音感度特性を他のユーザの異音感度特性と比較して表示する、
請求項8に記載の車両ユーザの異音感度特性の可視化方法。
【請求項10】
さらに、
同一車種についての1人もしくは複数人のユーザの複数の異音感度情報の中から同一種類に属する異音を抽出するとともに、車両情報および環境情報の少なくとも一方に基づいて異なる条件毎に発生件数を集計し、
件数の多い条件が既存の車両設計ないし車両検査の異音管理条件に含まれているか否かを判定し、
含まれていない場合は、上記の件数の多い条件を、車両設計ないし車両検査の異音管理条件に追加する、
請求項1に記載の車両ユーザの異音感度特性の可視化方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
この発明は、車両ユーザの異音感度特性すなわちどのような音を各ユーザが異音として認識するかという特性を可視化する方法および装置に関する。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
車両として例えば一般的な乗用自動車を製造・販売する自動車製造会社にあっては、製造・販売した自動車に関する種々のクレームに対処する必要がある。種々のクレームの中で、運転中に車室内でユーザが気付く異音(異常音ともいう)に関するクレームの割合が比較的に高い。
【0003】
特許文献1には、動作音として非定常音を伴う光ディスクドライブ等の工業製品の品質検査方法が開示されている。ここでは、検査対象のワークと同種の良品サンプルの動作音を複数のサンプルから良品音情報として予め取得しておき、生産ラインでマイクロフォンにより取得される検査対象ワークの音を、心理音響パラメータを介して数値化される良品サンプルの音と比較する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2011-242223号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
車両のユーザ(多くの場合は運転者)が実際にどのような音を異音と感じるかには個人差があり、例えば全く同じ音であってもあるユーザは異音と感じ、別のユーザは気にならない、といったことが生じる。しかも、どのような環境で生じた音をユーザが異音と感じたかを他者は知ることができない。従って、個々のクレームへの対応ならびに車両の設計開発や車両検査等における改善にクレームの内容を反映させることが困難であった。
【0006】
特許文献1の方法は、工業製品の量産工程での画一的な品質検査に過ぎず、実際に工業製品を使用する個々のユーザの特性を考慮するものではない。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明の車両ユーザの異音感度特性の可視化方法は、
車両の車室内において継続的に音を取得し、
車両自体に関する情報ならびに車両の運転状態を表す複数のパラメータを含む車両情報を取得し、
少なくとも天候および道路の情報を含む環境情報を取得し、
車室内のユーザが現在の音を異音と感じたことを検出し、
ユーザが異音と感じたことを検出したときに、計測されていた音のデータを取得するとともに、そのときの車両情報および環境情報と紐付けて、上記ユーザの1つの異音感度情報として保存し、
上記ユーザの複数の異音感度情報を取得・分析して、当該ユーザの異音感度特性を可視化する。
【0008】
なお、ここで「可視化」とは、人間が直接「見る」ことができない現象・事象・関係性を何らかの「見る」ことができるものにすることを広く意味しており、必ずしもグラフ表示や画像表示に限られない。「定量化」と実質的に同義であるとも言える。
【発明の効果】
【0009】
この発明によれば、実際に車両が運転されている実環境において個々のユーザの異音感度特性を把握することができ、異音に関するユーザからのクレームへの対応が容易となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
第1実施例の構成を示すブロック図。
第1実施例の処理の流れを示すフローチャート。
第1実施例による第1の表示例の説明図。
異音感度情報のデータの一例を示す説明図。
第2の表示例の説明図。
第3の表示例の説明図。
第4の表示例の説明図。
第2実施例の構成を示すブロック図。
第2実施例の処理の流れを示すフローチャート。
第2実施例による第5の表示例の説明図。
第6の表示例の説明図。
第7の表示例の説明図。
第3実施例の構成を示すブロック図。
第3実施例の処理の流れを示すフローチャート。
第3実施例による第8の表示例の説明図。
第4実施例の構成を示すブロック図。
第4実施例の処理の流れを示すフローチャート。
第4実施例による第9の表示例の説明図。
第5実施例の構成を示すブロック図。
第5実施例の処理の流れを示すフローチャート。
第5実施例による第10の表示例の説明図。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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