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公開番号2024172165
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-12-12
出願番号2023089709
出願日2023-05-31
発明の名称繊維構造体、複合材料、三次元細胞集合体、培養肉、繊維構造体を生産する方法、及び、複合材料を生産する方法
出願人国立大学法人東京農工大学
代理人弁理士法人RYUKA国際特許事務所
主分類D04H 1/4266 20120101AFI20241205BHJP(組みひも;レース編み;メリヤス編成;縁とり;不織布)
要約【解決手段】 フィブロインを含む1以上の繊維を有する繊維層を備える繊維構造体が提供される。1以上の繊維のモノフィラメントの平均繊維径は、5μm未満である。エタノール中における繊維層の体積と、乾燥状態における繊維層の質量とに基づいて導出される繊維層の見かけ密度は、10mg/cm3未満である。1以上の繊維のそれぞれは、例えば、実質的にシルクフィブロインからなる。エタノール中における繊維層の厚さは、例えば、100μm以上である。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
フィブロインを含む1以上の繊維を有する繊維層を備え、
前記1以上の繊維のモノフィラメントの平均繊維径は、5μm未満であり、
エタノール中における前記繊維層の体積と、乾燥状態における前記繊維層の質量とに基づいて導出される前記繊維層の見かけ密度は、10mg/cm

未満である、
繊維構造体。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
前記1以上の繊維のモノフィラメントの平均繊維径は、1.0μm以上2.5μm以下であり、
前記繊維層の見かけ密度は、7mg/cm

未満である、
請求項1に記載の繊維構造体。
【請求項3】
前記1以上の繊維のそれぞれは、実質的にシルクフィブロインからなる、
請求項1に記載の繊維構造体。
【請求項4】
エタノール中における前記繊維層の厚さは、100μm以上であり、
請求項1に記載の繊維構造体。
【請求項5】
前記繊維層は、フィブロインを含む紡糸原液を、前記紡糸原液を凝固させるための凝固用流体に射出して得られる糸条を含み、
前記凝固用の流体の温度は、前記流体の凝固点である第1温度よりも大きく、第2温度よりも小さな値に設定され、
前記第2温度と、前記凝固点との差の絶対値は、1℃以上55℃以下である、
請求項1に記載の繊維構造体。
【請求項6】
請求項1に記載の繊維構造体と、
高分子化合物を分散質として含む高分子ゲルと、
を備え、
前記繊維構造体の少なくとも一部は、前記高分子ゲルの内部に配される、
複合材料。
【請求項7】
フィブロインを含む1以上の繊維を有する繊維層と、
高分子化合物を分散質として含む高分子ゲルと、
を備え、
前記繊維層の少なくとも一部は、前記高分子ゲルの内部に配される、
複合材料。
【請求項8】
前記1以上の繊維のモノフィラメントの平均繊維径は、5μm未満であり、
前記高分子ゲルの内部における前記繊維層の厚さは、100μm以上である、
請求項7に記載の複合材料。
【請求項9】
前記高分子ゲルの分散媒は、水を含み、
前記高分子化合物は、セリシン、フィブロイン、ゼラチン、マンナン、グルコマンナン、コラーゲン、アガロース、ヒアルロン酸、アルギネート、フィブリン、フィブロネクチン、カードラン、パラミロン、カゼイン、寒天、ガム、ポリエチレングリコール、及び、ポリビニルアルコールからなる群から選択される少なくとも1つを含む、
請求項7に記載の複合材料。
【請求項10】
前記高分子ゲルの分散媒は、実質的に水であり、
前記高分子化合物は、セリシンである、
請求項6又は請求項7に記載の複合材料。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、繊維構造体、複合材料、三次元細胞集合体、培養肉、繊維構造体を生産する方法、及び、複合材料を生産する方法に関する。
続きを表示(約 2,900 文字)【背景技術】
【0002】
特許文献1~2には、糸条をエタノール中で堆積させる技術が開示されている。非特許文献1には、低温の乾式静電紡績法により繊維層を作製する技術が開示されている。非特許文献2には、培養肉の作製への応用が見込まれる足場材料が開示されている。非特許文献3~6には、シルクセリシンの各種の性質が開示されている。
(先行技術文献)
(特許文献)
(特許文献1) 米国特許第8853298号明細書
(特許文献2) 国際公開第2019/163696号明細書
(非特許文献)
(非特許文献1)Marc Simonet et.al.,"Ultraporous 3D polymer meshes by low-temperature electrospinning: Use of ice crystals as a removable void template",Polymer and Engineering and Science,2007,Vol.47,No.12,p.2020-2026
(非特許文献2)Mark J. Post et.al.,"Scientific, sustainability and regulatory challenges of cultured meat",Nature Food,2020,Vol.1,No.7,p.403-415
(非特許文献3)蘇王ら、「ポリビニルアルコール/セリシン系ブレンド含水ゲル膜の構造と物性」、日本蚕糸学雑誌、1998、67、p.295-302
(非特許文献4)Sasaki, M. et.al.,"Development of a novel serum-free freezing medium for mammalian cells using the silk protein sericin",Biotechnology and Applied Biochemistry,2005,Vol.42,No.2,p.183-188
(非特許文献5)Song, Y. et al."Silk sericin patches delivering miRNA-29-enriched extracellular vesicles-decorated myoblasts (SPEED) enhances regeneration and functional repair after severe skeletal muscle injury",2022,Biomaterials,Vol.287,121630
(非特許文献6)Ghosh, S. et al."Sericin, a dietary additive: Mini review",Journal of Medicine, Radiology, Pathology and Surgery,2017,4,p.13-17
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本発明の第1の態様においては、繊維構造体が提供される。上記の繊維構造体は、例えば、フィブロインを含む1以上の繊維を有する繊維層を備える。上記の繊維構造体において、1以上の繊維のモノフィラメントの平均繊維径は、例えば、5μm未満である。上記の繊維構造体において、エタノール中における繊維層の体積と、乾燥状態における繊維層の質量とに基づいて導出される繊維層の見かけ密度は、10mg/cm

未満である。
【0004】
上記の何れかの繊維構造体において、1以上の繊維のモノフィラメントの平均繊維径は、1.0μm以上2.5μm以下であってよい。上記の何れかの繊維構造体において、繊維層の見かけ密度は、7mg/cm

未満であってよい。上記の何れかの繊維構造体において、1以上の繊維のそれぞれは、実質的にシルクフィブロインからなる繊維であってよい。上記の何れかの繊維構造体において、エタノール中における繊維層の厚さは、100μm以上であってよい。
【0005】
上記の何れかの繊維構造体において、繊維層は、フィブロインを含む紡糸原液を、紡糸原液を凝固させるための凝固用流体に射出して得られる糸条を含んでよい。凝固用の流体の温度は、流体の凝固点である第1温度よりも大きく、第2温度よりも小さな値に設定されてよい。第2温度と、凝固点との差の絶対値は、1℃以上55℃以下であってよい。
【0006】
本発明の第2の態様においては、複合材料が提供される。上記の複合材料は、例えば、上記の第1の態様に係る何れかの繊維構造体を備える。上記の複合材料は、例えば、高分子化合物を分散質として含む高分子ゲルを備える。上記の複合材料において、繊維構造体の少なくとも一部は、例えば、高分子ゲルの内部に配される。
【0007】
本発明の第3の態様においては、複合材料が提供される。上記の複合材料は、例えば、フィブロインを含む1以上の繊維を有する繊維層を備える。上記の複合材料は、例えば、高分子化合物を分散質として含む高分子ゲルを備える。上記の複合材料において、繊維層の少なくとも一部は、高分子ゲルの内部に配される。
【0008】
上記の第2の態様又は第3の態様に係る何れかの複合材料において、1以上の繊維のモノフィラメントの平均繊維径は、5μm未満であってよい。上記の何れかの複合材料において、高分子ゲルの内部における繊維層の厚さは、100μm以上であってよい。
【0009】
上記の第2の態様又は第3の態様に係る何れかの複合材料において、高分子ゲルの分散媒は、水を含んでよい。上記の何れかの複合材料において、高分子化合物は、セリシン、フィブロイン、ゼラチン、マンナン、グルコマンナン、コラーゲン、アガロース、ヒアルロン酸、アルギネート、フィブリン、フィブロネクチン、カードラン、パラミロン、カゼイン、寒天、ガム、ポリエチレングリコール(PEG)、及び、ポリビニルアルコール(PVA)からなる群から選択される少なくとも1つを含んでよい。
【0010】
上記の第2の態様又は第3の態様に係る何れかの複合材料において、高分子ゲルの分散媒は、実質的に水であってよい。上記の何れかの複合材料において、高分子化合物は、セリシンであってよい。上記の何れかの複合材料において、フィブロインは、シルクフィブロインであってよい。上記の何れかの複合材料において、高分子ゲルの分散媒は、実質的に水であってよい。上記の何れかの複合材料において、高分子化合物は、熱水抽出法により得られたシルクセリシンであってよい。
(【0011】以降は省略されています)

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