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公開番号
2024171380
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-12-12
出願番号
2023088344
出願日
2023-05-30
発明の名称
合成燃料製造装置及び合成燃料製造方法
出願人
本田技研工業株式会社
代理人
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
主分類
C10G
2/00 20060101AFI20241205BHJP(石油,ガスまたはコークス工業;一酸化炭素を含有する工業ガス;燃料;潤滑剤;でい炭)
要約
【課題】FT合成反応による炭化水素の生成状態に応じて製造する合成燃料の種別を決定し、それに用いられる炭化水素の分留に適した分留温度で効率よく分留器を稼働させることができる合成燃料製造装置及び合成燃料製造方法を提供する。
【解決手段】本発明の合成燃料製造装置は、フィッシャー・トロプシュ反応に活性を示す触媒を有し、原料ガスから炭化水素を含有するFT粗油を生成する反応器と、反応器の下流側に設けられ、FT粗油を分留し、所定範囲の炭素数の炭化水素を分離する分留器と、分留器の下流側に設けられ、分留器によって分離された炭化水素から燃料製品を生成する改質器と、を備える合成燃料製造装置であって、反応器と分留器の間に設けられ、FT粗油に含まれる芳香族炭化水素の濃度CAを検出する芳香族検出手段を更に備え、検出された芳香族炭化水素の濃度CAに応じて、分留器の分留温度Tfraを変化させることを特徴とする。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
フィッシャー・トロプシュ合成反応(FT合成反応)に活性を示すFT反応触媒を有し、原料ガスから炭化水素を含有するFT粗油を生成する反応器と、
前記反応器の下流側に設けられ、前記FT粗油を分留し、所定範囲の炭素数の炭化水素を分離する分留器と、
前記分留器の下流側に設けられ、前記分留器によって分離された炭化水素から燃料製品を生成する改質器と、を備える合成燃料製造装置であって、
前記反応器と前記分留器の間に設けられ、前記FT粗油に含まれる芳香族炭化水素の濃度を検出する芳香族検出手段を更に備え、
検出された前記芳香族炭化水素の前記濃度に応じて、前記分留器の分留温度を変化させることを特徴とする合成燃料製造装置。
続きを表示(約 850 文字)
【請求項2】
前記分留器は、分留温度を切り替え可能な温度可変式の分留器であることを特徴とする、請求項1に記載の合成燃料製造装置。
【請求項3】
前記分留器は、それぞれが異なる分留温度に設定された複数の分留器であり、
前記複数の分留器には、前記反応器の下流側から分岐する分岐部を有する分岐配管がそれぞれ接続されており、
前記分岐部は、検出された前記芳香族炭化水素の前記濃度に基づき、前記分岐配管のうち、前記反応器と連通させる配管を切り替える切替弁を有することを特徴とする請求項1に記載の合成燃料製造装置。
【請求項4】
前記反応器と前記芳香族検出手段の間に設けられた熱交換式気液分離装置を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の合成燃料製造装置。
【請求項5】
検出された前記芳香族炭化水素の前記濃度が所定のしきい値を下回った場合に、前記FT反応触媒の再生処理又は交換が必要であることを報知する報知手段を更に備えることを特徴とする、請求項1~4のいずれか1項に記載の合成燃料製造装置。
【請求項6】
フィッシャー・トロプシュ合成反応(FT合成反応)に活性を示すFT反応触媒を有する反応器により、原料ガスから炭化水素を含有するFT粗油を生成するFT粗油生成工程と、
前記反応器の下流側に設けられた分留器により、前記FT粗油を分留し、所定範囲の炭素数の炭化水素を分離する分留工程と、
前記分留器の下流側に設けられた改質器により、前記分離された炭化水素から燃料製品を生成する改質工程と、を有する合成燃料製造方法であって、
前記反応器と前記分留器の間に設けられた芳香族検出手段により、前記FT粗油に含まれる芳香族炭化水素の濃度を検出する芳香族検出工程を更に有し、
検出された前記芳香族炭化水素の前記濃度に応じて、前記分留工程における分留温度を変化させることを特徴とする合成燃料製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、原料ガスからフィッシャー・トロプシュ反応により得られた粗油を改質し合成燃料を生成する合成燃料製造装置及び合成燃料製造方法に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)
【背景技術】
【0002】
従来、気候変動の緩和または影響軽減を目的として自動車の排気ガス規制が一段と進んでおり、その一環として、二酸化炭素(CO
2
)の有効利用に関する研究開発が行われている。例えば、二酸化炭素と水素(H
2
)を反応させて一酸化炭素(CO)と水(H
2
O)を生成する逆シフト反応と、一酸化炭素と水素の合成ガスから触媒反応を用いて炭化水素(HC)を合成するフィッシャー・トロプシュ合成反応(以下、「FT合成反応」という。)を組み合わせることで、二酸化炭素を原料として燃料として使用可能な炭化水素を合成する技術が開発されている。また、近年では、逆シフト反応とFT合成反応を1つの反応器で実施することにより、二酸化炭素と水素を直接反応させて炭化水素を得るダイレクトFT合成反応の研究も進められている。
【0003】
FT合成反応では、ガソリンの原料となる炭素数5~10程度の炭化水素や、ジェット燃料(航空タービン油)の原料となる炭素数8~16程度の炭化水素の他、より炭素数の多い重質の炭化水素や、メタン(CH
4
)を含む軽質の炭化水素が生成される。そのため、FT合成反応により生成された幅広い炭化水素分布を有する粗油(以下、「FT粗油」という。)を、例えば蒸留塔などの分留装置を用いて分留した後、水素化精製反応器を通すことで、炭素数に応じた合成燃料製品を得ることができる。
【0004】
例えば特許文献1では、FT合成ユニットの反応器において生成された多様な液体炭化水素化合物を精留塔において各留分に分留し、アップグレーディングユニットにおいて、各留分ごとに設けられた水素化精製反応器による改質を行うことで、ナフサ、灯油、軽油等の液体燃料を製造する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2014-189603号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
FT合成反応により生成される炭化水素の炭素数の分布は、用いられる触媒の組成により異なる。また、同じ触媒を用いた場合でも、触媒が使用された回数や経過した反応時間の長さによって反応特性に変化が生じることにより、生成される炭化水素の構成割合も変化し、それにより最終製品となる合成燃料の生産量も、種別ごとに大きく変動し得る。
【0007】
特許文献1に記載された技術では、触媒の劣化等により得られる炭化水素成分に変動が生じた場合であっても、FT合成反応後の工程における燃料種別ごとの分留・改質工程が常に定常稼働されるため、特定種別の燃料の生産量が低い場合であっても、それを製造するための分留器や改質器を稼働するためのエネルギーが消費され続けることとなり、生産コストと効率化の面で改善の余地がある。
【0008】
本発明は、以上のような課題を解決するためになされたものであり、FT合成反応による炭化水素の生成状態に応じて製造に適した合成燃料の種別を決定し、その合成燃料の製造に用いられる炭化水素の分留に適した分留温度で効率よく分留器を稼働させることができる合成燃料製造装置及び合成燃料製造方法を提供することを目的とする。そして、延いては気候変動の緩和または影響軽減に寄与するものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この目的を達成するために、請求項1に係る発明は、フィッシャー・トロプシュ合成反応(FT合成反応)に活性を示すFT反応触媒を有し、原料ガスから炭化水素を含有するFT粗油を生成する反応器6と、反応器6の下流側に設けられ、FT粗油を分留し、所定範囲の炭素数の炭化水素を分離する分留器(実施形態における(以下、本項において同じ)分留器9、第1分留器91、第2分留器92)と、分留器の下流側に設けられ、分留器によって分離された炭化水素から燃料製品を生成する改質器(第1改質器10、第2改質器11)と、を備える合成燃料製造装置であって、反応器6と分留器の間に設けられ、FT粗油に含まれる芳香族炭化水素の濃度CAを検出する芳香族検出手段(芳香族検出器8)を更に備え、検出された芳香族炭化水素の濃度CAに応じて、分留器の分留温度Tfraを変化させることを特徴とする。
【0010】
本発明者らは、鋭意研究の結果、所定のFT合成反応によって生成された炭化水素の炭素数の分布が、生成された炭化水素中の芳香族炭化水素の濃度と相関関係を有することを見出した。すなわち、生成された炭化水素における芳香族炭化水素の割合が高いほど、炭素数の小さい炭化水素が多く生成されており、反対に、芳香族炭化水素の割合が低いほど、炭素数の大きい炭化水素が多く生成されている傾向がある。更に、ある種の触媒においては、反応初期の触媒活性が高い状態においては芳香族炭化水素を比較的多く生成し、反応後期、又は触媒の劣化が進み活性が低下した状態においては、芳香族炭化水素の生成量が比較的少なくなることを確認した。換言すれば、触媒活性が高いときには、炭素数の小さな炭化水素が多く生成され、触媒活性が低下すると、炭素数の大きな炭化水素が多く生成される傾向が認められた。
(【0011】以降は省略されています)
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