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公開番号
2024170760
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-12-11
出願番号
2023087460
出願日
2023-05-29
発明の名称
作業機械におけるブーム下降制御システム
出願人
キャタピラー エス エー アール エル
代理人
個人
,
個人
,
個人
主分類
F15B
11/044 20060101AFI20241204BHJP(流体圧アクチュエータ;水力学または空気力学一般)
要約
【課題】機体本体に上下揺動自在に軸支されるブームを含むフロント作業機を備えた作業機械において、フロント作業機を構成する作業アームや作業アタッチメントの重量、寸法等のデータを入手できなくても、操作具操作量に応じた下降速度でブームを下降させるための制御を安定した状態で行えるようにする。
【解決手段】フロント作業機4を所定の測定姿勢にした状態でブーム5を上下動させるブーム保持圧測定作業を行ったときのブームシリンダヘッド側油室9aの測定圧力に基づいてフロント作業機4個別のブーム保持圧Pbを設定し、該ブーム保持圧Pbに基づいてコントロールバルブ18の縮小側排出用開口18fの開口面積を制御する構成にした。
【選択図】図6
特許請求の範囲
【請求項1】
機体本体に上下揺動自在に軸支されるブームを含んで構成され、ブーム以外の構成部材の少なくとも一部が交換可能なフロント作業機と、ヘッド側油室への油供給で伸長しヘッド側油室からの油排出で縮小して前記ブームを上下揺動せしめるブームシリンダと、ブームシリンダのヘッド側油室からの排出流量を制御するメータアウト開口を有した制御弁と、該制御弁の作動を制御する制御手段と、ブームを上下動するべく操作される操作具とを備えてなる作業機械において、
前記ブームシリンダのヘッド側油室の圧力を測定する圧力測定手段と、フロント作業機を所定の測定姿勢にした状態でブームを上下動させるブーム保持圧測定作業を行ったときのブームシリンダヘッド側油室の測定圧力に基づいてフロント作業機個別のブーム保持圧を設定するブーム保持圧設定手段とを設ける一方、
前記制御手段は、ブーム下降時におけるブームシリンダヘッド側油室からの排出流量を操作具操作量に応じて設定される目標排出流量にするべく前記ブーム保持圧設定手段で予め設定されたブーム保持圧に基づいて制御弁のメータアウト開口面積を制御することを特徴とする作業機械におけるブーム下降制御システム。
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【請求項2】
請求項1において、ブーム保持圧設定手段は、ブーム保持圧測定作業を行ったときのブームシリンダヘッド側油室の測定圧力の最大圧力を求め、該最大圧力に基づいてブーム保持圧を設定することを特徴とする作業機械におけるブーム下降制御システム。
【請求項3】
請求項1または2において、ブーム保持圧測定作業を行うときにブームの上下動速度を制限する測定速度制限手段を設けたことを特徴とする作業機械におけるブーム下降制御システム。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、油圧ショベル等のブームを備えた作業機械におけるブーム下降制御システムの技術分野に関するものである。
続きを表示(約 4,600 文字)
【背景技術】
【0002】
油圧ショベル等の作業機械のなかには、機体本体に装着されるフロント作業機を、機体本体に上下揺動自在に軸支されるブームや該ブームの先端部に軸支されるスティック等からなる作業アームと、該作業アームの先端部に取り付けられるバケット等の作業アタッチメントとを用いて構成するとともに、作業アームの一部或いは作業アタッチメントを、作業内容等に応じて交換できるようにしたものがある。このものにおいて、前記ブームの上下動は、ヘッド側油室への油供給で伸長しヘッド側油室からの油排出で縮小するブームシリンダの伸縮作動で行なわれるが、この場合に、作業アームや作業アタッチメントの重量がブームを下降させる力として作用するため、ブームシリンダのヘッド側油室の圧力は高圧となっており、このため、ブームの下降速度の制御は、通常、ブームシリンダヘッド側油室からの排出流量制御(メータアウト制御)によって行われる。例えば、ブームシリンダヘッド側油室からの排出油路にメータアウト開口を有した制御弁を設け、該制御弁のメータアウト開口面積をブーム用操作具の操作量に応じて増減制御することで、操作具操作量に応じたブーム下降速度となるように制御される。
しかるに、前述したようにブームシリンダヘッド側油室からの排出流量制御でブームの下降速度を制御する場合、ヘッド側油室からの排出流量は、制御弁のメータアウト開口の開口面積だけでなく、ブームシリンダヘッド側油室の圧力に応じて増減するとともに、該ブームシリンダヘッド側油室の圧力は、ブームを下降させる力として作用する作業アームや作業アタッチメントの重量によって大きく変化する。このため、メータアウト開口の開口面積が同じ、つまりブーム用操作具の操作量が同じであっても、装着された作業アームや作業アタッチメトンの重量によってブームの下降速度が変化してしまい、ブーム下降速度を正確にコントロールすることができず操作性に劣るという問題がある。
そこで従来、作業アタッチメントを交換しても、操作具操作量に応じたブーム下降速度を確保できるようにした技術として、例えば、ブームシリンダヘッド側油室からの排出流量を制御する制御弁(メータアウト制御弁)と、該制御弁を通過する流量を検出する流量検出手段と、外力によってブームシリンダに作用する保持圧を検出する圧力センサとを設け、これら検出された保持圧と流量とに基づいて保持圧に対抗する圧力が制御弁の入口側に発生するように制御弁の開口面積を制御するようにした技術(例えば、特許文献1参照。)や、ブームの下降時にブームシリンダのヘッド側油室からの排出油をロッド側油室に供給する再生回路に電磁比例減圧弁を設け、該電磁比例減圧弁の開度を、圧力センサにより検出されるヘッド側油室の圧力と、予め設定されるヘッド側油室の目標圧力値との差圧に基づいて制御するようにした技術(例えば、特許文献2参照。)が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2003-106304号公報
特開2010-78035号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記特許文献1、2のものは、いずれも、圧力センサから随時入力されるブームシリンダヘッド側油室の圧力に基づいて、メータアウト制御弁の開口面積や電磁比例減圧弁の開度を制御する構成になっている。しかるに、圧力センサから随時入力される圧力は動的圧力であって、作業アタッチメントの使用状況によっては不安定で予測できない圧力値が入力される可能性があり、このような動的圧力を用いると制御弁や電磁比例減圧弁が不規則に動いて安定した制御を行うことができないという問題があり、ここに本発明の解決すべき課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記の如き実情に鑑みこれらの課題を解決することを目的として創作されたものであって、請求項1の発明は、機体本体に上下揺動自在に軸支されるブームを含んで構成され、ブーム以外の構成部材の少なくとも一部が交換可能なフロント作業機と、ヘッド側油室への油供給で伸長しヘッド側油室からの油排出で縮小して前記ブームを上下揺動せしめるブームシリンダと、ブームシリンダのヘッド側油室からの排出流量を制御するメータアウト開口を有した制御弁と、該制御弁の作動を制御する制御手段と、ブームを上下動するべく操作される操作具とを備えてなる作業機械において、前記ブームシリンダのヘッド側油室の圧力を測定する圧力測定手段と、フロント作業機を所定の測定姿勢にした状態でブームを上下動させるブーム保持圧測定作業を行ったときのブームシリンダヘッド側油室の測定圧力に基づいてフロント作業機個別のブーム保持圧を設定するブーム保持圧設定手段とを設ける一方、前記制御手段は、ブーム下降時におけるブームシリンダヘッド側油室からの排出流量を操作具操作量に応じて設定される目標排出流量にするべく前記ブーム保持圧設定手段で予め設定されたブーム保持圧に基づいて制御弁のメータアウト開口面積を制御することを特徴とする作業機械におけるブーム下降制御システムである。
請求項2の発明は、請求項1において、ブーム保持圧設定手段は、ブーム保持圧測定作業を行ったときのブームシリンダヘッド側油室の測定圧力の最大圧力を求め、該最大圧力に基づいてブーム保持圧を設定することを特徴とする作業機械におけるブーム下降制御システムである。
請求項3の発明は、請求項1または2において、ブーム保持圧測定作業を行うときにブームの上下動速度を制限する測定速度制限手段を設けたことを特徴とする作業機械におけるブーム下降制御システムである。
【発明の効果】
【0006】
請求項1の発明とすることにより、フロント作業機構成部材の重量、寸法等のデータを入手できなくても、実測に基づいた精度の高いフロント作業機個別のブーム保持圧を設定できるとともに、該設定されたブーム保持圧に基づいて制御弁のメータアウト開口を制御することで、操作具操作量に応じたブームの下降制御を安定した状態で行えることになって、操作性の向上に大きく貢献できる。
請求項2の発明とすることにより、ブームシリンダヘッド側油室の圧力が最大となったときを基準としたブーム下降制御が行われることになって、ブーム下降速度が予測速度よりも速くなってしまうことを確実に回避できる。
請求項3の発明とすることにより、ブーム保持圧測定作業時におけるブームシリンダヘッド側油室の圧力測定の精度向上に貢献できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
測定開始姿勢の油圧ショベルの概略側面図である。
ブームシリンダの油圧回路図である。
ブーム保持圧測定制御を示す制御ブロック図である。
ブーム保持圧測定作業時のブームシリンダのストロークとヘッド側油室の測定圧力との関係を示す図である。
最大リーチ姿勢の油圧ショベルの概略側面図である。
ブーム下降制御を示す制御ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の作業機械の一例である油圧ショベル1の概略側面図であって、該油圧ショベル1は、クローラ式の下部走行体2、該下部走行体2の上方に旋回自在に支持される上部旋回体(本発明の機体本体に相当する)3、該上部旋回体3に装着されるフロント作業機4等の各部から構成されており、さらに該フロント作業機4は、基端部が上部旋回体3にブーム支軸5aを介して上下揺動自在に支持されるブーム5と、該ブーム5の先端部にスティック支軸6aを介して前後揺動自在に支持されるスティック6とから構成される作業アーム7、作業アーム7の先端部にアタッチメント支軸8aを介して揺動自在に取付けられる作業アタッチメント8、前記ブーム5を上下揺動させるべく伸縮作動するブームシリンダ9、スティック6を前後揺動させるべく伸縮作動するスティックシリンダ10、作業アタッチメント8を揺動させるべく伸縮作動するバケットシリンダ11等の各種部材から構成されている。
【0009】
ここで、前記図1には、作業アーム7の先端部に取付けられる作業アタッチメント8としてバケットを図示したが、作業アーム7の先端部には、油圧ショベル1の行う作業内容等に応じて、ブレーカ(ハンマー)、コンパクタ、チルトバケット、クラムシェルバケット、サムバケット、グラップル、破砕機(いずれも図示せず)等の各種作業アタッチメント8を交換可能に装着できるようになっている。さらに、これら作業アタッチメント8を作業アーム7の先端部に取付ける場合に、図1に示すバケットのようにカプラーを用いない場合もあるが、図示しない各種カプラー(ピン固定カプラー、クイックカプラー、フック付きカプラー、作業ツールを作業アームに対してチルトあるいは回転させることができるカプラー等)を用いる場合もある。
また、図1には、本発明の作業アーム7を構成する作業アーム構成部材としてブーム5およびスティック6を図示するとともに、スティック6の先端部に作業アタッチメント8が取付けられているが、前述したような各種作業アタッチメント8のなかにはブーム5の先端部に取付けられるものもあり、その場合には作業アーム7にスティック6は含まれない。また、作業アーム7は、機体本体に上下揺動自在に軸支されるブーム5を少なくとも含むが、該ブーム5に加えて作業アーム7を構成する他の作業アーム構成部材がある場合、該作業アーム構成部材は、前記スティック6に限定されることなく、種々の長さ、形状、数の作業アーム構成部材を作業内容等に応じて適宜交換可能に用いることができる。
【0010】
一方、前記ブームシリンダ9は、ヘッド側油室9aへの油供給で伸長してブーム5を上動せしめ、ロッド側油室9bからの油排出で縮小してブーム5を下動せしめるものであるが、該ブームシリンダ9の油給排制御について、図2の概略油圧回路図に基づいて説明すると、該図2において、15はブームシリンダ9の油圧供給源となる油圧ポンプ、15aは油圧ポンプ15の容量可変手段、16はパイロット圧の供給源となるパイロットポンプ、17は油タンク、18はブームシリンダ9に対する油給排制御を行うブーム用コントロールバルブである。尚、油圧ショベル1の油圧回路には、ブームシリンダ9以外の他の油圧アクチュエータ(前記スティックシリンダ10やバケットシリンダ11、あるいは上部旋回体3を旋回せしめる旋回モータ(図示せず)、走行モータ(図示せず)等)に対する制御回路や、油圧ポンプの吐出流量制御用の回路等も設けられるが、それらについての図示、説明は省略する。
(【0011】以降は省略されています)
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