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公開番号2024168766
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-12-05
出願番号2023085697
出願日2023-05-24
発明の名称打撃工具
出願人株式会社マキタ
代理人個人,個人
主分類B25D 16/00 20060101AFI20241128BHJP(手工具;可搬型動力工具;手工具用の柄;作業場設備;マニプレータ)
要約【課題】成形時の寸法変化の影響を受けることなく、良好な組立性が得られて必要な受け面も確保できる板金部材を用いてロッド連結部の摩滅防止を図る。
【解決手段】ハンマドリル1において、ピストンシリンダ21の後端とロッド58との連結が、後方へ突出する左右一対のロッド連結部60,60の間で上下方向に設けた溝61に、ロッド58の先端を挿入させた状態で、各ロッド連結部60とロッド58とを左右方向に貫通する連結ピン63によって行われると共に、溝61の左右の内面とロッド58との間に、連結ピン63に貫通される一対の板金部材65,65が介在されている。各板金部材65は、溝61の内面を覆う内板部66と、内板部66の後端から折曲されてロッド連結部60の後端面を覆う外板部67とからなる平面視L字状となっている。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
ハウジング内に、前後方向に延びて前端にビットを装着可能な筒状のツールホルダが回転可能に軸支されて、前記ツールホルダ内に、ビットを打撃する打撃子を内挿したピストンシリンダが前後移動可能に収容されている一方、
前記ハウジング内には、モータが配置され、前記モータの回転軸から回転伝達される中間軸が、前記ツールホルダの軸線と平行に軸支されて、
前記中間軸には、前記中間軸の回転に伴って前後へ揺動する揺動部材を介して前記ピストンシリンダの後端に連結されるロッドを有し、回転により前記中間軸の回転を前記ロッドの前後運動に変換して前記ピストンシリンダへ伝達可能な打撃伝達部材が外装されており、
前記中間軸の回転が前記打撃伝達部材へ伝達されることで、前記ピストンシリンダが前後運動して前記打撃子による前記ビットの打撃が可能となる打撃工具であって、
前記ピストンシリンダの後端と前記ロッドとの連結が、後方へ突出する左右一対のロッド連結部の間で上下方向に設けた溝に、前記ロッドの先端を挿入させた状態で、各前記ロッド連結部と前記ロッドとを左右方向に貫通する連結ピンによって行われると共に、前記溝の左右の内面と前記ロッドとの間に、前記連結ピンに貫通される一対の板金部材が介在され、
各前記板金部材は、前記溝の内面を覆う内板部と、前記内板部の後端から折曲されて前記ロッド連結部の後端面を覆う外板部とからなる平面視L字状であることを特徴とする打撃工具。
続きを表示(約 860 文字)【請求項2】
各前記内板部は、側面視の外形が四角形状であることを特徴とする請求項1に記載の打撃工具。
【請求項3】
各前記内板部には、前記連結ピンが貫通する円形孔がそれぞれ形成されており、前記円形孔の最上位置より上側に位置する前記内板部の上下幅は、前記円形孔の最前位置より前側に位置する前記内板部の前後幅よりも大きくなっていること特徴とする請求項2に記載の打撃工具。
【請求項4】
各前記ロッド連結部は、背面視が円形で、その左右方向の中央に前記溝が形成されており、各前記外板部の外形は、背面視略半円形状であることを特徴とする請求項2又は3に記載の打撃工具。
【請求項5】
前記内板部の前後方向の幅よりも、前記外板部の左右方向の幅の方が小さくなっていることを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の打撃工具。
【請求項6】
各前記板金部材は、同じ形状であることを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の打撃工具。
【請求項7】
前記溝の左右方向の幅と、前記外板部の左右方向の幅との差は、前記内板部の厚み以下であることを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載の打撃工具。
【請求項8】
前記中間軸には、前記中間軸と一体回転可能且つ前後方向へスライド可能なクラッチ部材が設けられ、
前記打撃伝達部材は、前記中間軸へ回転可能に外装されて、前記クラッチ部材のスライド位置を前記ハウジングの外部から切替操作することで、前記クラッチ部材が前記打撃伝達部材と係合して前記ピストンシリンダを前後運動させるハンマモードと、前記クラッチ部材が前記打撃伝達部材と係合しない他の動作モードとが選択可能となっており、
前記打撃伝達部材は、前記ハウジングにより、軸受を介して前記中間軸と非接触で回転可能に片持ち支持されて、前記他の動作モードの際に回転する前記中間軸と共回りしないことを特徴とする請求項1乃至7の何れかに記載の打撃工具。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、ハンマドリル等の打撃工具に関する。
続きを表示(約 3,800 文字)【背景技術】
【0002】
ハンマドリルでは、特許文献1に開示されるように、ハウジング内の前方に、前端にビットを装着可能なツールホルダが回転可能に軸支されて、ツールホルダ内の後方に、ビットを打撃する打撃子を内挿したピストンシリンダが前後移動可能に収容されている。ハウジングの後方には、モータが配置されて、モータの出力軸から回転伝達される中間軸が、ツールホルダの軸線と平行に軸支されている。中間軸には、回転により中間軸の回転をツールホルダへ伝達するギヤと、ピストンシリンダの後端に連結されるロッドを有し、回転により中間軸の回転を前後運動に変換してピストンシリンダへ伝達する打撃伝達部材とが、中間軸と別体で回転可能に設けられている。打撃伝達部材として、例えば、軸線を傾けたスワッシュベアリングを介してロッドを支持するボススリーブがある。ギヤと打撃伝達部材との間には、中間軸と一体回転可能且つ前後方向へスライド可能なクラッチ部材が設けられている。
このクラッチ部材の前後のスライド位置をハウジングの外部から操作してギヤ及び/又は打撃伝達部材と係脱させることで、ギヤのみを回転させてツールホルダを回転させるドリルモードと、打撃伝達部材のみを回転させてピストンシリンダを前後移動させるハンマモードと、ギヤと打撃伝達部材とを共に回転させてツールホルダの回転とピストンシリンダの前後移動とを同時に行わせるハンマドリルモードとが選択可能となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特許第5128391号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ピストンシリンダとロッドとの連結は、ピストンシリンダの後面に設けたロッド連結部へ上下方向に溝を設け、溝にロッドの先端を挿入した状態で、連結ピンをロッド連結部とロッドとを共に左右方向から貫通させて行われる。この場合、前後移動するロッドが溝の内面に摺接することで溝の内面が摩滅しないように、溝の内面とロッドとの間にワッシャ等の板金部材が介在される。特許文献1では、板金部材として、連結ピンが貫通する一対の側板を備えたU字状の受けプレートを採用して、必要な受け面の確保と組立性の向上とを図っている。
しかし、この受けプレートは、U字状に成形する際の寸法が安定しないため、成形時の寸法変化によって、溝へのはめ合いがきつくなって組み付けがやりにくかったり、組み付け後にがたついたりするおそれがあった。
【0005】
そこで、本開示は、成形時の寸法変化の影響を受けることなく、良好な組立性が得られて必要な受け面も確保できる板金部材を用いて、ロッド連結部の摩滅防止を図ることができる打撃工具を提供することを目的としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本開示は、ハウジング内に、前後方向に延びて前端にビットを装着可能な筒状のツールホルダが回転可能に軸支されて、ツールホルダ内に、ビットを打撃する打撃子を内挿したピストンシリンダが前後移動可能に収容されている一方、
ハウジング内には、モータが配置され、モータの回転軸から回転伝達される中間軸が、ツールホルダの軸線と平行に軸支されて、
中間軸には、中間軸の回転に伴って前後へ揺動する揺動部材を介してピストンシリンダの後端に連結されるロッドを有し、回転により中間軸の回転をロッドの前後運動に変換してピストンシリンダへ伝達可能な打撃伝達部材が外装されており、
中間軸の回転が打撃伝達部材へ伝達されることで、ピストンシリンダが前後運動して打撃子によるビットの打撃が可能となる打撃工具である。
そして、ピストンシリンダの後端とロッドとの連結が、後方へ突出する左右一対のロッド連結部の間で上下方向に設けた溝に、ロッドの先端を挿入させた状態で、各ロッド連結部とロッドとを左右方向に貫通する連結ピンによって行われると共に、溝の左右の内面とロッドとの間に、連結ピンに貫通される一対の板金部材が介在され、
各板金部材は、溝の内面を覆う内板部と、内板部の後端から折曲されてロッド連結部の後端面を覆う外板部とからなる平面視L字状であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、成形時の寸法変化の影響を受けることなく、良好な組立性が得られて必要な受け面も確保できる板金部材を用いてロッド連結部の摩滅防止を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
ハンマドリルの一部の中央縦断面図である(ハンマモード)。
前側ハウジングを省略したハンマドリルの前側部分の下方からの斜視図である。
出力切替部の後側の分解斜視図である。
出力切替部の前側の分解斜視図である。
図1のA-A線拡大断面図である。
図1のB-B線拡大断面図である。
図1のC-C線拡大断面図である。
板金部材の説明図で、図8Aが側面、図8Bが平面、図8Cが背面をそれぞれ示す。
図1のD-D線拡大断面図である。
図1のE-E線拡大断面図である。
ハンマドリルの一部の中央縦断面図である(ハンマドリルモード)。
ハンマドリルの一部の中央縦断面図である(ドリルモード)。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本開示の一実施形態において、各内板部は、側面視の外形が四角形状であってもよい。
この構成によれば、ロッドの受け面を大きく確保可能となる。
本開示の一実施形態において、各内板部には、連結ピンが貫通する円形孔がそれぞれ形成されており、円形孔の最上位置より上側に位置する内板部の上下幅は、円形孔の最前位置より前側に位置する内板部の前後幅よりも大きくなっていてもよい。
この構成によれば、連結ピンから上方へ突出するロッドの受け面を確保することができ、ロッドの上端の摺動を内板部で確実に受けることができる。
本開示の一実施形態において、各ロッド連結部は、背面視が円形で、その左右方向の中央に溝が形成されており、各外板部の外形は、背面視略半円形状であってもよい。
この構成によれば、外板部を設けてもロッド連結部の後面からはみ出すことがない。
本開示の一実施形態において、内板部の前後方向の幅よりも、外板部の左右方向の幅の方が小さくなっていてもよい。
この構成によれば、組み付ける際の向きがわかりやすくなり、組み間違いが起きなくなる。
本開示の一実施形態において、各板金部材は、同じ形状であってもよい。
この構成によれば、左右を気にすることなく組み付けできる。製造コストや管理の手間も軽減できる。
本開示の一実施形態において、溝の左右方向の幅と、外板部の左右方向の幅との差は、内板部の厚み以下であってもよい。
この構成によれば、内板部と外板部との向きを間違えて組み付けることがなくなる。
本開示の一実施形態において、中間軸には、中間軸と一体回転可能且つ前後方向へスライド可能なクラッチ部材が設けられ、
打撃伝達部材は、中間軸へ回転可能に外装されて、クラッチ部材のスライド位置をハウジングの外部から切替操作することで、クラッチ部材が打撃伝達部材と係合してピストンシリンダを前後運動させるハンマモードと、クラッチ部材が打撃伝達部材と係合しない他の動作モードとが選択可能となっており、
打撃伝達部材は、ハウジングにより、軸受を介して中間軸と非接触で回転可能に片持ち支持されて、他の動作モードの際に回転する中間軸と共回りしないものであってもよい。
この構成によれば、クラッチ部材が打撃伝達部材に係合していない他の動作モードでの不意の打撃動作を効果的に抑制することができる。
【実施例】
【0010】
以下、本開示の実施例を図面に基づいて説明する。
図1は、電動工具及び打撃工具であるハンマドリルの一例を示す中央縦断面図である。図1ではハンマモードでの前側部分のみを示している。
ハンマドリル1は、前側ハウジング2と、後側ハウジング3とを有している。前側ハウジング2は、前筒部4と、後筒部5とを有している。前筒部4は、前方へ延びる横断面円形の筒状である。後筒部5は、前筒部4より左右及び上下寸法が大きい正面視縦長四角形の筒状である。前筒部4は、後筒部5の上側に配置されている。前筒部4には、サイドハンドル6が着脱可能となっている。
前側ハウジング2内には、回転/打撃部7と、出力切替部8とが設けられている。後側ハウジング3には、モータ9が設けられている。モータ9は、回転軸10を前向きにした姿勢で後側ハウジング3に収容されている。
後ハウジング3には、図示しない電源コードが接続される。後ハウジング3には、図示しないトリガを設けたスイッチが設けられている。
(【0011】以降は省略されています)

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