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公開番号
2024168631
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-12-05
出願番号
2023085471
出願日
2023-05-24
発明の名称
エアバッグ装置
出願人
株式会社SUBARU
代理人
弁理士法人青海国際特許事務所
,
個人
主分類
B60R
21/231 20110101AFI20241128BHJP(車両一般)
要約
【課題】前席シートとの位置関係が変化した場合であっても安定した反力を得られるエアバッグ装置を提供する。
【解決手段】シート1に着座した乗員Pの前方側で展開するエアバッグ100を有するエアバッグ装置を、車両の衝突又は衝突の前兆を検出する衝突検出部220と、衝突検出部の出力に基づいてエアバッグに展開用ガスを供給する展開用ガス供給部230とを備え、エアバッグは、乗員の右膝部及び右肩部を拘束するよう展開する第1バッグ部110と、乗員の左膝部及び左肩部を拘束するよう展開する第2バッグ部120と、第1バッグ部及び第2バッグ部の乗員側で展開し乗員の腰部及び腹部を拘束する第3バッグ部130とを有する構成とする。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
シートに着座した乗員の前方側で展開するエアバッグを有するエアバッグ装置であって、
車両の衝突又は衝突の前兆を検出する衝突検出部と、
前記衝突検出部の出力に基づいて前記エアバッグに展開用ガスを供給する展開用ガス供給部とを備え、
前記エアバッグは、
前記乗員の右膝部及び右肩部を拘束するよう展開する第1バッグ部と、
前記乗員の左膝部及び左肩部を拘束するよう展開する第2バッグ部と、
前記第1バッグ部及び前記第2バッグ部の乗員側で展開し前記乗員の腰部及び腹部を拘束する第3バッグ部とを有すること
を特徴とするエアバッグ装置。
続きを表示(約 490 文字)
【請求項2】
前記第1バッグ部は、前記右膝部からの入力に応じて前記乗員の前記右肩部を拘束し、
前記第2バッグ部は、前記左膝部からの入力に応じて前記乗員の前記左肩部を拘束すること
を特徴とする請求項1に記載のエアバッグ装置。
【請求項3】
前記展開用ガス供給部は、前記第1バッグ部及び前記第2バッグ部に前記展開用ガスを供給し、
前記第3バッグ部は、前記第1バッグ部及び前記第2バッグ部から前記展開用ガスが供給されること
を特徴とする請求項1又は請求項2に記載のエアバッグ装置。
【請求項4】
前記第1バッグ部と前記第2バッグ部との間が前記第3バッグ部を介してのみ連通していること
を特徴とする請求項3に記載のエアバッグ装置。
【請求項5】
前記第1バッグ部及び前記第2バッグ部は展開後の形状が回転軸が後傾した回転楕円体状となるよう形成され、
前記第3バッグ部は展開後の形状が球体状となるよう形成されること
を特徴とする請求項1又は請求項2に記載のエアバッグ装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用のエアバッグ装置に関する。
続きを表示(約 2,600 文字)
【背景技術】
【0002】
車両用のエアバッグ装置に関する技術として、特許文献1には、多チャンバ式のエアバッグにおいて、インフレータからのガス供給は第1のチャンバへ送られ別のチャンバへは第1のチャンバから通気孔を介してガスが供給されることが記載されている。
また、2チャンバ式エアバッグは、1つまたはそれ以上のアパーチュアが、第1および第2のチャンバの間で開口していること、及び、第1のチャンバの後面パネルは、通気開口部およびガス注入口を含むことが記載されている。また、第1のチャンバが完全に膨張すると、次に第2のチャンバが第1のバッグの前面パネルに配置された相互連絡した通気孔を通じて膨張すること、ガスは前面パネル中の通気開口部を通じて第2のチャンバ中に通気されることが記載されている。
特許文献2には、後部座席乗員に接触するエアバッグの奥(車体前方)に楕円形の補助エアバッグを設ける事が記載されている。補助エアバッグは(所定以上の衝撃が加わって)エアバッグだけでは不足する場合にだけ補助的に作動するものであり、エアバッグと補助エアバッグとは連結しておらず、相互間のガスの流通もないことが記載されている。
特許文献3には、後席乗員の下半身を守るエアバッグ本体と頭部を守る別個のエアバッグとからなる二段エアバッグ安全装置が記載されている。エアバッグ本体と別個のエアバッグとは、排気口により連結しており、エアバッグ本体に気体(ガス)を供給し、別個のエアバッグには排気口を介してガスが流入することが記載されている。
また、下半身に対応する容積のエアバッグ本体を装置し、衝撃にて移行する人体の加圧で変位する袋体の急激な内圧の上昇を防ぐため、折り畳まれて重畳された別個の袋体に連結された排気口から気体の流出を計り、上半身に対応する別個のエアバッグの形成を計ることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特表2004-512209号公報
特開2006- 88902号公報
特開昭49- 92729号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
車両の前面衝突時に、車両の後席(2列目以降の座席)に着座する乗員の上半身を保護する安全装置において、前席のバックレストを反力としてエアバッグを展開し、衝突エネルギを吸収する手法が提案されている。
しかし、この場合、前席の位置やバックレストの角度によって後席乗員との位置関係が異なってしまい、安定した乗員拘束性能を得られないことが懸念される。
上述した問題に鑑み、本発明の課題は、前席シートとの位置関係が変化した場合であっても安定した反力を得られるエアバッグ装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した課題を解決するため、本発明の一態様に係るエアバッグ装置は、シートに着座した乗員の前方側で展開するエアバッグを有するエアバッグ装置であって、車両の衝突又は衝突の前兆を検出する衝突検出部と、前記衝突検出部の出力に基づいて前記エアバッグに展開用ガスを供給する展開用ガス供給部とを備え、前記エアバッグは、前記乗員の右膝部及び右肩部を拘束するよう展開する第1バッグ部と、前記乗員の左膝部及び左肩部を拘束するよう展開する第2バッグ部と、前記第1バッグ部及び前記第2バッグ部の乗員側で展開し前記乗員の腰部及び腹部を拘束する第3バッグ部とを有することを特徴とする。
これによれば、第1バッグ部と第2バッグ部とが乗員の肩部と膝部との間で反力を得ることが可能であり、シートの前方に設けられる他のシート(前席シート)との位置関係に関わらず安定した反力を得て乗員拘束性能を向上することができる。
また、第1バッグ部及び第2バッグ部に対して乗員側に設けられた第3バッグ部が乗員の腰部及び腹部を拘束することから、上半身の前倒れ挙動の支点となる腰部を適切に拘束することができる。
【0006】
本発明において、前記第1バッグ部は、前記右膝部からの入力に応じて前記乗員の前記右肩部を拘束し、前記第2バッグ部は、前記左膝部からの入力に応じて前記乗員の前記左肩部を拘束する構成とすることができる。
これによれば、衝突時に乗員の身体にヨー挙動(鉛直軸回りの回転挙動)が発生した場合に、膝部から第1バッグ部又は第2バッグ部への入力に応じて、入力があった側の肩部を拘束することにより、乗員の身体のヨー挙動を抑制することができる。
【0007】
本発明において、前記展開用ガス供給部は、前記第1バッグ部及び前記第2バッグ部に前記展開用ガスを供給し、前記第3バッグ部は、前記第1バッグ部及び前記第2バッグ部から前記展開用ガスが供給される構成とすることができる。
これによれば、第1バッグ部及び第2バッグ部の内圧を第3バッグ部よりも高圧とし、第1バッグ部及び第2バッグ部の展開形態を安定化させることにより、第1バッグ部及び第2バッグ部が乗員の上体の前倒れ挙動をより安定して制御することができる。
【0008】
本発明において、前記第1バッグ部と前記第2バッグ部との間が前記第3バッグ部を介してのみ連通している構成とすることができる。
これによれば、第1バッグ部又は第2バッグ部が乗員の膝部に押された際の内圧の向上を、当該バッグ部が乗員の肩部を拘束するために効果的に利用できる。
【0009】
本発明において、前記第1バッグ部及び前記第2バッグ部は展開後の形状が回転軸が後傾した回転楕円体状となるよう形成され、前記第3バッグ部は展開後の形状が球体状となるよう形成される構成とすることができる。
これによれば、簡単な形状のバッグ部により上述した効果を適切に得ることができる。
【発明の効果】
【0010】
以上説明したように、本発明によれば、前席シートとの位置関係が変化した場合であっても安定した反力を得られるエアバッグ装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)
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