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公開番号2024168508
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-12-05
出願番号2023085246
出願日2023-05-24
発明の名称蛍光X線分析装置
出願人株式会社島津製作所
代理人弁理士法人深見特許事務所
主分類G01N 23/223 20060101AFI20241128BHJP(測定;試験)
要約【課題】試料に対するX線の照射範囲を広げることが可能な蛍光X線分析装置を提供する。
【解決手段】蛍光X線分析装置は、通過面(23S)が形成された試料台(2)と、通過面に対して一次X線の光軸(A1)が斜めに交差するように、一次X線を出射するX線源(7)と、通過面(23S)を覆うように配置された試料に一次X線が照射されることによって、試料から放出される蛍光X線を検出する検出器(8)とを備え、光軸(A1)は、試料台(2)を平面視した場合、光軸に沿って通過面の両端を接続する線分の中点(P0)よりもX線源に近い位置(P1)で通過面(23S)を通過する。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
試料を分析する蛍光X線分析装置であって、
一次X線が通過可能な通過面が形成された試料台と、
前記通過面に対して前記一次X線の光軸が斜めに交差するように、前記一次X線を出射するX線源と、
前記通過面を覆うように配置された試料に前記一次X線が照射されることによって、試料から放出される蛍光X線を検出する検出器とを備え、
前記光軸は、前記試料台を平面視した場合、前記光軸に沿って前記通過面の両端を接続する線分の中点よりも前記X線源に近い位置で前記通過面を通過する、蛍光X線分析装置。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
前記一次X線が前記通過面へ照射されることより、前記通過面に前記一次X線の照射面が形成され、
前記試料台を平面視した場合、前記線分と接続される前記照射面の一端から前記中点までの第1距離と、前記線分と接続される前記照射面の他端から前記中点までの第2距離とが等しい、請求項1に記載の蛍光X線分析装置。
【請求項3】
前記X線源と前記通過面との間に設けられ、前記一次X線のビームの大きさを調整するための孔が形成される調整部材をさらに備え、
前記孔のサイズは、前記光軸の方向から見た場合、前記通過面内において前記線分に直交する第1方向の方が、前記第1方向と前記通過面とに直交する第2方向よりも大きい、請求項1または請求項2に記載の蛍光X線分析装置。
【請求項4】
前記孔の形状は、楕円である、請求項3に記載の蛍光X線分析装置。
【請求項5】
前記検出器の検出範囲の中心軸は、前記試料台を平面視した場合、前記中点よりも前記X線源から遠い前記線分上の位置で前記通過面を通過し、
前記光軸を含み、かつ、前記通過面に直交する平面において、前記光軸と前記中心軸とが前記通過面の両側のうちの前記試料が配置される側で交差する、請求項1または請求項2に記載の蛍光X線分析装置。
【請求項6】
前記通過面には、試料容器を介して試料が配置される、請求項1または請求項2に記載の蛍光X線分析装置。
【請求項7】
前記通過面は、前記試料台に形成された貫通孔の開口面により構成される、請求項1または請求項2に記載の蛍光X線分析装置。
【請求項8】
試料を分析する蛍光X線分析装置であって、
一次X線が通過可能な通過面が形成された試料台と、
前記通過面に対して前記一次X線の光軸が斜めに交差するように、前記一次X線を出射するX線源と、
前記通過面を覆うように配置された試料に前記一次X線が照射されることによって、試料から放出される蛍光X線を検出する検出器と、
前記X線源と前記通過面との間に設けられ、前記一次X線のビームの大きさを調整するための孔が形成される調整部材とを備え、
前記試料台を平面視した場合に前記光軸に沿って前記通過面の両端を接続する線分を想定した場合において、
前記孔のサイズは、前記光軸の方向から見た場合、前記通過面内において前記線分に直交する第1方向の方が、前記第1方向と前記通過面とに直交する第2方向よりも大きい、蛍光X線分析装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、蛍光X線分析装置に関する。
続きを表示(約 1,300 文字)【背景技術】
【0002】
蛍光X線分析とは、試料に対してX線を照射し、試料から発せられる蛍光X線を測定することで試料の構成元素を分析する分析法である。
【0003】
特開2004-101404号公報(特許文献1)には、X線を試料に照射し、X線照射により試料から得られる特性X線、二次電子、反射電子、および光電子を検出することによって試料の表面分析を行う蛍光X線分析装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2004-101404号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
蛍光X線分析装置は、貫通孔が形成された試料台を備える。試料は、貫通孔の開口面に配置される。X線源は、試料台の斜め下方から、開口面に向けて一次X線を照射する。従来、X線源と開口面との間には、円形状の孔が形成されたコリメータが設けられている。一次X線は、コリメータに形成された孔を通過し、開口面に向かう。一次X線の照射領域は、一次X線の光軸を中心にして、X線源から円錐状に広がる。
【0006】
一次X線が開口面に向けて照射されることより、開口面に一次X線の照射面が形成される。照射面の形状は、円を一方向に引き延ばしたような、いびつな楕円である。開口面を通過した一次X線は、試料に照射される。試料は、たとえば、試料容器に収納された状態で開口面に配置される場合がある。
【0007】
分析の再現性を保証するためには、試料に対する一次X線の照射範囲を各回の分析プロセスにおいて共通にする必要がある。1回目の分析プロセスと2回の分析プロセスとにおいて、開口面に配置された試料の位置ずれが大きい場合、試料に対する一次X線の照射範囲が大きく変化する。この場合、分析の再現性が保証されない。特に、照射面が開口面の縁の際に達する場合、位置ずれに起因する一次X線の照射範囲の変化が大きくなる。そこで、従来、開口面の縁と照射面との間にマージン(デッドエリア)が設けられるように、一次X線のビームの広がりがコリメータの孔によって調整されている。
【0008】
分析感度の観点からすると、試料に対する一次X線の照射範囲が狭くならないよう、できる限り、マージンを小さくすることが望ましい。したがって、分析の再現性が保証されるようにし、かつ、分析感度を高められるようにするためには、照射面の縁が開口面に達することなく、かつ、できるだけ照射面を大きくすることができるよう、マージンを調整する必要がある。
【0009】
ところが、従来、開口面に対する照射面のマージンが大きいため、試料に対するX線の照射範囲が狭くなるという問題があった。
【0010】
本開示は、このような課題を解決するために、試料に対するX線の照射範囲を広げることが可能な蛍光X線分析装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)

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