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公開番号
2024167138
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-12-02
出願番号
2023083538
出願日
2023-05-20
発明の名称
耐火木製構造部材
出願人
合同会社良品店
,
株式会社芳賀沼製作
,
株式会社日進産業
代理人
個人
主分類
E04B
1/94 20060101AFI20241125BHJP(建築物)
要約
【課題】高い耐火能力を有すると共に外観にも配慮した耐火木製構造部材を提供する。
【解決手段】本発明の耐火木製構造部材は、木製基材と、前記木製基材の外周の一部に取り付けられる石膏部材と、前記木製基材と前記石膏部材とから形成される外周に備わる耐火被覆層と、前記耐火被覆層の外周を覆う外観用部材と、を備え、前記耐火被覆層は、(1)シルト由来の複数の中空粒子(以下、「シルト中空粒子」という)を含む塗布剤、(2)複数の中空セラミックスと、前記複数の中空セラミックス同士を接続する樹脂バインダーと、を有する被覆剤、の少なくとも一方を含む。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
木製基材と、
前記木製基材の外周の一部に取り付けられる石膏部材と、
前記木製基材と前記石膏部材とから形成される外周に備わる耐火被覆層と、
前記耐火被覆層の外周を覆う外観用部材と、を備え、
前記耐火被覆層は、
(1)シルト由来の複数の中空粒子(以下、「シルト中空粒子」という)を含む塗布剤、
(2)複数の中空セラミックスと、
前記複数の中空セラミックス同士を接続する樹脂バインダーと、を有する被覆剤、
の少なくとも一方を含み、
前記耐火被覆層は、加わる熱を遠赤外線に変換して放射し、
前記複数のシルト中空粒子は、複数の異なる粒径のシルト中空粒子を含み、
前記複数の中空セラミックスは、複数の異なる粒径の中空セラミックスを含む、耐火木製構造部材。
続きを表示(約 1,000 文字)
【請求項2】
前記木製基材と前記耐火被覆層との間の空間において、
前記石膏部材以外の空間に、空気層が形成される、請求項1記載の耐火木製構造部材。
【請求項3】
前記木製基材が多角形の断面形状を有する場合には、前記石膏部材は、前記多角形の角部に取り付けられる、請求項2記載の耐火木製構造部材。
【請求項4】
前記耐火被覆層は、前記木製基材と前記石膏部材とから形成される外周全体に備わる、請求項1記載の耐火木製構造部材。
【請求項5】
前記外観用部材は、前記耐火被覆層の外周全体を覆う、請求項4記載の耐火木製構造部材。
【請求項6】
前記外観用部材は、木製もしくは木調である、請求項1記載の耐火木製構造部材。
【請求項7】
前記耐火被覆層は、金属箔に積層されている、請求項1記載の耐火木製構造部材。
【請求項8】
前記中空セラミックスは、金属酸化物を含み、
前記金属酸化物は、酸化アルミニウム(Al
2
O
3
)、酸化マグネシウム(MgO)、酸化第二鉄(Fe2O3)、酸化ナトリウム(Na
2
O)、酸化カリウム(K
2
O)、酸化チタン(TiO
2
)、酸化セリウム(CeO
2
)、二酸化ケイ素(SiO
2
)、三酸化アンチモン(Sb
2
O
3
)の少なくとも一つを含む、請求項1記載の耐火木製構造部材。
【請求項9】
前記シルト中空粒子は、SiO
2
およびAl
2
O
3
、FeO
3
、Na
2
O、K
2
O、CaO、MgOの少なくとも一つを含む、請求項1記載の耐火木製構造部材。
【請求項10】
前記中空セラミックスおよび前記シルト中空粒子のそれぞれは、外表面および内部空間を有し、
前記外表面での遠赤外線への変換および前記内部空間での乱反射での遠赤外線の変換の少なくとも一方で、付与される熱を遠赤外線に変換する、請求項1記載の耐火木製構造部材。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、種々の建築物の柱や梁などの構造部材であって、耐火能力を備えた木製での耐火木製構造部材に関する。
続きを表示(約 1,400 文字)
【背景技術】
【0002】
様々な場所において、住宅、店舗、商業施設、公共施設、医療施設などの様々な種類で多くの建築物がある。これらの建築物は、その特性、大きさ、用途、要求スペックなどによって、使用される材料が選択される。特に、建築物の柱、梁、外壁、内壁、屋根、床などの構造体においては、コンクリート、新建材、木材、あるいはこれらの組み合わせが用いられる。勿論、建築物の基礎部分や、骨格部分などにおいても、コンクリート、新建材、木製部材、あるいはこれらの組み合わせが用いられる。
【0003】
また、コンクリート、新建材、木製部材以外の材料が用いられることもある。
【0004】
最近では、コンクリートだけではなく、柱、梁、外壁、内壁、屋根、床などの構造体に、新建材や木製部材が用いられることが多くなってきている。例えば、木製部材による外壁や床などが構成されることが増えてきている。住宅、店舗、公共施設などにおいては、木製部材により建築された建築物は、環境負荷を低減できるからである。
【0005】
また、居住者や利用者も、木製部材の建築物においては、心身のリラックスを感じることができる。勿論、居住性も高まるメリットがある。木製部材の建築物は、外気温に対する対応性が高い(夏では室内は涼しく、冬では室内は暖かい)、あるいは、室内湿度の適応性が高いといったメリットがある。このため、居住者や利用者の利便性も高まる。
【0006】
加えて、木製部材の建築物は、居住者や利用者の精神的なリフレッシュ効果をもたらすことも多い。特に我が国においては、過去から木造建築物が中心であったので、日本人の精神性に高いメリットがある。海外と異なり、木造建築物が、住居、宗教的施設、公共施設、駅舎、学校、居城などの様々な場所において木造建築物が作られてきた。このような地域、分野、国全体での木造建築物に対する尊敬や身近さがある。
【0007】
また、コンクリートや新建材などに比較して、木製部材は軽量化できる。建築物の素材である建築部材が軽量化できると、基礎工事や建設工事のコスト低下を図ることができる。加えて工期短縮を図ることができるメリットもある。
【0008】
また、日本の国土の大半が森林であるという実情がある。多くの森林には、当然ながら多くの木があり、木材原料は非常に多くある。しかしながら、日本の森林から木を伐採して木材とすることは、コストの観点から進捗せず、国内の森林資源が有効活用されていない面がある。現実には、国内の建築物や家具などの加工品に使用される木材の大半は、輸入品である。
【0009】
加えて、森林管理のために木材を伐採する必要は定期的にあり、木材資源の国内からの供給も定期的に生じる。加えて、他の目的で伐採されて残った間伐材なども存在している。国内の森林資源や木材は、有効活用されていない事情がある。また、近年の世界環境や市況環境の変化によって、国内外の木材価格差が縮まっており、国内の木材資源を活用することも必要な環境が生まれている。
【0010】
日本の森林資源の活用が進まないと、間伐材の処理、森林の植え替え植樹なども進まない問題がある。結果として、森林管理の循環が生まれないことになり、森林荒廃に繋がってしまう問題がある。
(【0011】以降は省略されています)
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