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公開番号
2024166596
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-11-29
出願番号
2023082792
出願日
2023-05-19
発明の名称
照明装置および植物栽培装置
出願人
大成建設株式会社
代理人
個人
,
個人
主分類
A01G
31/00 20180101AFI20241122BHJP(農業;林業;畜産;狩猟;捕獲;漁業)
要約
【課題】高さ方向での温度差を小さくすることができる照明装置と植物栽培装置を提供すること。
【解決手段】箱状の筐体と、前記筐体の内部に設けられたLEDと、前記筐体の底面に設けられた導光板と、を有し、
前記導光板が、複数個の空気吹出口を備え、
気体が、養液中を通る配管を通じて前記筐体と前記導光板とで区切られた空間に供給され、前記空気吹出口から吹き出される照明装置。
【選択図】図2
特許請求の範囲
【請求項1】
箱状の筐体と、前記筐体の内部に設けられたLEDと、前記筐体の底面に設けられた導光板と、
を有し、
前記導光板が、複数個の空気吹出口を備え、
気体が、養液中を通る配管を通じて前記筐体と前記導光板とで区切られた空間に供給され、前記空気吹出口から吹き出されることを特徴とする照明装置。
続きを表示(約 500 文字)
【請求項2】
前記配管が、養液タンク内の養液を通ることを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
前記配管が、栽培ベッド内の養液を通ることを特徴とする請求項1または2に記載の照明装置。
【請求項4】
前記導光板の上面、下面のいずれか、または両方に、気流制御板を備え、
前記気流制御板により、前記空気吹出口の一部を塞ぐことが可能であることを特徴とする請求項1または2に記載の照明装置。
【請求項5】
請求項1または2に記載の照明装置を、上下方向に複数段備えることを特徴とする植物栽培装置。
【請求項6】
前記筐体が、棚板として栽培ベッドを支持可能であることを特徴とする請求項5に記載の植物栽培装置。
【請求項7】
棚板を有し、前記棚板上に栽培ベッドが載置されており、
前記棚板または前記栽培ベッドのいずれか、または両方が、複数の係止部を備え、
前記照明装置が、前記係止部と紐状体により接続されており、高さ位置を調整可能であることを特徴とする請求項5に記載の植物栽培装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、野菜等の植物に人工光を照射する照明装置と、この照明装置を有する植物栽培装置に関する。
続きを表示(約 3,100 文字)
【背景技術】
【0002】
人工光を利用して野菜等の植物を栽培する植物栽培装置が用いられている。限られたスペースでより多くの植物を栽培するために、植物栽培装置は、高さ方向に多段数の棚板が設けられており、大きなものでは20段以上、高さ10メートル以上にも及ぶものが用いられている。装置の大型化に伴いLEDからの排熱が増え、さらに、装置の高層化に伴い高さ方向での温度差が大きくなるため、植物栽培装置の上方と下方とで生育速度に差が生じ、出荷時期にズレが生じるとの問題が発生している。
【0003】
本出願人らは、箱状の筐体と、筐体の内部に設けられた発光ダイオードと、筐体の内部に設けられて発光ダイオードからの光を面状に拡散させる平板状の導光部とを備え、棚板として栽培ベッドを支持可能である植物栽培装置用の照明装置を提案している(特許文献1)。
この照明装置は、LEDを栽培ベッド中の養液で冷やすものである。この照明装置により、LEDからの排熱を原因とする温度上昇を小さくすることはできるが、この照明装置は上下方向で空気を攪拌するものではないため、高さ方向での温度差を小さくするには限界があった。
【0004】
特許文献2には、植物栽培棚の背面又は側面に気流を生成する送風ファンを備える植物栽培装置が提案されている。この植物栽培装置は、水平方向の気流を生成するものであり、上下方向での空気の撹拌は限られているため、高さ方向の温度差を小さくするには限界がある。また、植物が生育するに伴い、水平方向の気流が通り抜けにくくなり、空気の攪拌が不十分になる。
特許文献3には、植物に光を照射する光照射部と、植物の周囲に気流を発生させる気流発生部とを備える栽培環境制御装置の発明が提案されている。この栽培環境制御装置は、植物の上方から空気を流すものであり、植物が生育しても同一棚内での温度を均一に保つことはできる。しかし、この栽培環境制御装置は、気流発生部近くの空気が循環するだけであるため、高さ方向での温度差を解消することはできない。また、この栽培環境制御装置は、LEDの上方に気流発生部を備えており棚板の上下間隔が大きいため、空間利用効率が低いという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2012-55200号公報
特開2014-82979号公報
特開2022-57363号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
高さ方向での温度差を小さくすることができる照明装置と植物栽培装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の課題を解決するための手段は以下の通りである。
1.箱状の筐体と、前記筐体の内部に設けられたLEDと、前記筐体の底面に設けられた導光板と、
を有し、
前記導光板が、複数個の空気吹出口を備え、
気体が、養液中を通る配管を通じて前記筐体と前記導光板とで区切られた空間に供給され、前記空気吹出口から吹き出されることを特徴とする照明装置。
2.前記配管が、養液タンク内の養液を通ることを特徴とする1.に記載の照明装置。
3.前記配管が、栽培ベッド内の養液を通ることを特徴とする1.または2.に記載の照明装置。
4.前記導光板の上面、下面のいずれか、または両方に、気流制御板を備え、
前記気流制御板により、前記空気吹出口の一部を塞ぐことが可能であることを特徴とする1.~3.のいずれかに記載の照明装置。
5.1.~4.のいずれかに記載の照明装置を、上下方向に複数段備えることを特徴とする植物栽培装置。
6.前記筐体が、棚板として栽培ベッドを支持可能であることを特徴とする5.に記載の植物栽培装置。
7.棚板を有し、前記棚板上に栽培ベッドが載置されており、
前記棚板または前記栽培ベッドのいずれか、または両方が、複数の係止部を備え、
前記照明装置が、前記係止部と紐状体により接続されており、高さ位置を調整可能であることを特徴とする5.に記載の植物栽培装置。
【発明の効果】
【0008】
本発明の照明装置は、照明装置の空気吹出口から、温度がほぼ同一の気体が吹き出されるため、高さ位置の異なる栽培空間の温度差を小さくすることができる。本発明の植物栽培装置は、高さ方向での温度差が小さいため、高さ位置が異なる栽培空間における植物の生育差が小さく、栽培期間、出荷時期を均一化することができ、生産管理が容易である。
本発明の照明装置は、照明装置の導光板から下方の植物に向けて気体を吹き出すため、植物が大きく生育しても気体の流れが阻害されない。本発明の照明装置は、吹き付ける気体により植物の蒸散作用を促進することができるため、チップバーン(葉の褐変)の発生を抑制することができ、商品価値の高い植物を生育することができる。
気流制御板により空気吹出口の一部を塞ぐことが可能である本発明の照明装置は、用いる定植パネルの定植穴の配置に応じて空気吹出口の位置を調整することができるため、チップバーンの発生をより効果的に抑制することができる。また、空気吹出口の位置を切り替えることが容易であり、市場での価格変動等に応じて栽培する植物を迅速に変更することができる。
照明装置が棚板として栽培ベッドを支持可能である本発明の植物栽培装置は、棚板の上下間隔を狭くすることができるため、より多くの棚板を設けることができ、空間利用効率を高めることができる。
照明装置の高さ位置が調整可能である本発明の植物栽培装置は、栽培する植物の種類に応じて照明装置の高さ位置を調整することができるため、異なる大きさに生育する植物であっても栽培を切り替えることが容易であり、市場での価格変動等に応じて栽培する植物を迅速に変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
第一実施態様である植物栽培装置の概略図。
第一実施態様である植物栽培装置の要部の拡大概略図。
第二実施態様である植物栽培装置の要部の拡大概略図。
第三実施態様である植物栽培装置を説明するための図であり、(b)は(a)の矢印方向から見た図。
第三実施態様である植物栽培装置を説明するための図であり、(b)は(a)の矢印方向から見た図。
第四実施態様である植物栽培装置で用いる導光板と気流制御板の模式図。
導光板と気流制御板の働きを説明するための図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
・第一実施態様
本発明の第一実施態様である植物栽培装置100の全体概略図を図1に、要部の拡大概略図を図2に示す。
第一実施態様である植物栽培装置は、支柱11と、支柱11に架けられた照明装置50と、栽培ベッド12を有する。また、第一実施態様である植物栽培装置100は、養液タンク13、養液ポンプ14、チラー(冷却水循環装置)15、養液用配管16を有し、養液タンク13と栽培ベッド12との間で養液が循環している。
(【0011】以降は省略されています)
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